- 日経平均が史上初の5万円台を突破したのは、FRBの利下げ期待や米株高の流れに加え、高市政権によって国内政治の停滞感が払拭され、市場が「日本再起動」を織り込み始めた結果である。
- 日本経済の長期停滞は、財務省の緊縮政策と日銀の硬直した金融運営を放置した「経済音痴の政治」に起因し、国債利回りに群がる「債権村」が既得権を守ってきた。しかし市場は実体経済に正直であり、政治が動けば株は上がる。
- 高市政権は、防衛・半導体・AIなどの国家投資を推進する一方で、移民依存を是正し、生産性向上と技術革新による人口問題への対応を図っている。さらにエネルギー政策では、再エネ偏重から原子力・先進炉(SMR)中心の現実的路線へ転換した。
- 世界最大の資産運用会社ブラックロックが日本株を「オーバーウエイト(資産構成比率を通常より高めて保有)」に設定したことに象徴されるように、海外資本は再び日本の成長構造に注目している。
- 日米同盟は安全保障から「産業同盟」へと進化しており、重要鉱物協定(CMA)や半導体・エネルギー分野での協力が強化されている。日米首脳会談を契機に、両国は戦略産業を共同運営する新段階に入り、日本は再び国際秩序の中心的役割を取り戻しつつある。
2025年10月27日午前、東京株式市場に歴史的瞬間が訪れた。日経平均株価が、ついに「5万円台」という未踏の大台を突破したのだ。バブル期の幻を追い越し、戦後経済の殻を突き破るような衝撃だった。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ継続期待が市場に広がり、米国株3指数が最高値を更新した流れを日本市場が正面から受け止めた。そしてもう一つ、見逃せぬ追い風がある。それが――高市早苗政権の登場である。直近でも日経は過去高値圏へ迫っており、5万円突破へ向けた地合いは着実に醸成されていた。
1️⃣停滞を招いた「決められない政治」とマクロ経済音痴の罪
長らく「何も決められない政治」に国民はうんざりしていた。さらに深刻だったのは、マクロ経済に疎い政治家たちが、財務省による誤った財政政策と、日銀による硬直した金融政策を放置し続けたことである。いまだにマクロ経済と、ミクロ経済の区別がつかず、マクロ経済はミクロ経済の積み上げだけであると信じる政治家は多い。緊縮一辺倒の歳出抑制と、実体経済を見失った金利政策が、日本を長期低迷に追いやった。経済政策を国家戦略の中核に据えるという視点が欠けていたのだ。結果として、我が国は「企業が世界で稼ぎ、国内は停滞する」という歪な構造に陥った。
しかし2025年、この構図が崩れ始めている。世界最大の資産運用会社ブラックロックは、日本株を戦略的に「オーバーウエイト(=資産全体に対して通常より高い比率で保有する)」とする見解を繰り返し示している。根拠は「賃上げを伴う適温インフレ」と「ガバナンス改革の進展」だ。これは単なる投機的判断ではない。世界の資金が、停滞を脱し始めた日本の構造改革そのものを買い始めている証拠である。
2️⃣高市政権の「現実主義」──移民政策の是正とエネルギー転換
高市早苗は違った。就任直後から、防衛産業の再構築、半導体、エネルギー、AIへの国家投資を矢継ぎ早に打ち出した。さらに、前政権まで続いた「実質的な移民受け入れ政策」を見直し、日本人の雇用と地域社会を守る方向へ舵を切ろうとしている。人口減少を「安価な外国人労働力」で補う発想から、「生産性の向上と技術革新」で克服するという、本来あるべき国家戦略への回帰である。
また、エネルギー政策でもようやく“まともな方向転換”が見えてきた。再生可能エネルギー偏重から脱し、原子力や先進炉を含む現実的な電源ポートフォリオへ移行する流れが進んでいる。日本企業サイドでも、高速炉開発での主導的役割を担う三菱重工や、融合分野での供給網確立など、原子力・先進炉領域でのプレゼンス強化が続く。米国側もSMR(Small Modular Reactor=小型モジュール炉)を含む次世代炉の推進を進めており、日米の技術と市場の補完関係は今後の要となる。
こうした政策群が、「言葉だけの成長戦略」から「現実に資金が動く経済」へと転換をもたらした。市場は政治を見ている。政治が迷えば株も沈む。だが政治が動けば、株は天を衝く。ここで忘れてはならないのは、「債権村」の存在である。これは、財務省、日銀、銀行界、そして一部のエコノミストらが形成する、国債利回りと緊縮財政を軸に自己利益を守ってきた閉鎖的ネットワークの俗称だ。この債権村の論理は「国の借金=悪」という古い呪縛に縛られ、長年にわたって積極財政を封じてきた。しかし、市場そのものは極めて正直だ。実体経済の回復や政治の決断があれば、債権村の論理を無視してでも資金は動き、株は上がる。今回の5万円突破はまさにその証左である。
3️⃣日米同盟は「産業同盟」へ──通商・供給網の新段階
今回の上昇を単なるバブルの再来と見るのは浅い。米中貿易摩擦懸念の後退とFRBの緩和観測に加え、日米の通商・供給網連携が制度面で前進していることが重要だ。とりわけ、米日・重要鉱物協定(CMA:Critical Minerals Agreement)は、EV電池の要素鉱物を巡るサプライチェーンを強化し、日本を事実上のFTA相当とみなす基盤として機能している(IRA税額控除の扱いは2025年秋に大きく変動している)。
一方で、米国の通商再編や臨時関税の枠組みは、同盟国にも新たな負担を迫る局面がある。米議会調査局(CRS)は、日本への15%関税が同盟調整を難しくし得る点を指摘しており、首脳会談では「同盟を損なわずにサプライチェーン強靭化を進める調整」が焦点となる。ここを乗り切れれば、日米は「モノのやり取り」を超えた戦略産業の共同運営へと歩を進めるだろう。
三国連携でも、米・日・韓の産業相会合が半導体、バッテリー、AI安全性、輸出管理の協調を打ち出しており、「高信頼の供給網」をインド太平洋に構築する流れはすでに始まっている。この会談で両首脳が信頼関係を築けば、株価はもう一段の上昇を見せるはずだ。日本は、いまや単なる“アメリカの部品”ではない。共に世界秩序を守る“同盟の柱”として再び脚光を浴びようとしている。
バブル崩壊、失われた三十年、デフレの闇――長い眠りからようやく目を覚ました日本経済。その再生の引き金を引いたのは、金融でも輸出でもない。「政治の決断」だった。高市政権の誕生は、単なる政権交代ではない。日本が「自らの力で未来を切り拓く国家」に戻るための転換点である。財政と金融の是正に加え、エネルギーと人口構造という、国家の持続を左右する土台の再建に踏み込んだ政権は、戦後でも極めて稀だ。5万円突破はその第一歩にすぎない。本当の勝負はこれからだ。我が国はようやく、再び歴史の主役に返り咲こうとしている。
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