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2019年1月20日日曜日

「空母」保有で防衛の意思を示せ ヴァンダービルト大学名誉教授・ジェームス・E・アワー―【私の論評】日本は、最早対馬を日本の防衛ラインの最前線と考えよ(゚д゚)!

「空母」保有で防衛の意思を示せ ヴァンダービルト大学名誉教授・ジェームス・E・アワー
 正 論 


ヴァンダービルト大学名誉教授・ジェームス・E・アワー


 ≪自衛能力がなかった冷戦期≫

 1966年に私は横須賀を母港とする米海軍の駆逐艦に配属された。当時は冷戦の真っただ中であり、ソ連海軍の太平洋艦隊は多くが核兵器を搭載し、日本の太平洋シーレーンに打撃を与え得る100隻の潜水艦隊を築いていた。

 海上自衛隊は、無人対潜ヘリコプター(DASH)数機を買うことを決め、私の駆逐艦は2000トン以下の海上自衛隊駆逐艦にDASHを効果的に運用できるようなシステムづくりを支援するように言われた。もちろんその当時、海上自衛隊のDASHを搭載している艦船が空母であるとは誰も考えなかった。

DASHを搭載した「たかつき型」護衛艦

 だが、DASH数機を取得することにより、海上自衛隊の駆逐艦はより有能性を増した。当時の日本の社会党と共産党は、他の全ての自衛隊の兵器システムとともに、これらの駆逐艦は憲法9条に違反するという立場だった。

 日本政府はDASHを搭載した駆逐艦は最低限必要な自衛の範囲にあり、従ってそれは合法であるという立場を維持した。だが、海上自衛隊の駆逐艦は、米国や他の国の海軍の駆逐艦とそっくりで同じような能力を持っていても、護衛艦と呼ばれた。

 DASH搭載の駆逐艦が、自衛のために求められる最低限度にさえ達していないという日本政府の主張は正しかった。事実、ソ連太平洋艦隊の潜水艦による妨害から日本のシーレーンを守るために必要なレベルよりも、ひどく下回っていたのだ。

 ≪米海軍とパートナーを維持せよ≫

 2019年に話を進めよう。海上自衛隊は平坦(へいたん)な飛行甲板を持つ空母のような3万トン近くの艦船を2隻保有している。今のところそれらは10機のヘリコプターの運用が可能だが、防衛省は8機のF35Bステルス戦闘機を配備・稼働できるように改修する計画を立てている。

 それができれば、2隻の「いずも」型護衛艦はより有能な艦船となる。しかし、日本の太平洋シーレーンや東シナ海の日本の領土を威嚇する中国海軍は、さらに大きく有能な空母を持っており、もっと巨大で多様な艦船を持つ用意があると発表している。それを考えれば、いくら近代的なステルス機に対応できるように改良したとしても、「いずも」とその姉妹艦は日本の防衛に必要な最低限のレベルに達しないのだ。

 念のためにいうが「いずも」型艦船は、それでも「駆逐艦」とは呼ばれず「ヘリコプター搭載型護衛艦」と呼ばれる。F35B戦闘機は必ずしも常時、ヘリコプター搭載型護衛艦に配備・運用されるわけではない。防衛省は「攻撃型空母」に分類されるべきではないとしている。

 1960年代の日本の小型護衛艦は、ソ連太平洋艦隊の潜水艦による攻撃を防御する能力はなかったし、(常時、攻撃できるわけではない)「いずも」型護衛艦もまた、日本の領土の自衛や中国海軍の日本のシーレーンへの攻撃に対処するには最低限のレベルでしかない。日本の防衛能力が過度かどうかではなく、今問われなければならないのは、この能力が最低レベルでよいのかということだ。

 能力の増強は日本の抑止をより強力なものにするが、中国の深刻な攻撃に対して本当に適切なレベルの自衛能力を持つためには、日本は米海軍とパートナーの関係を維持し続ける必要がある。

 ≪日本の能力向上は評価を高める≫

 60年代でも、軍事専門家や他の国の海軍は海上自衛隊の「護衛艦」は駆逐艦であることを認識していたし、今日でも「いずも」型艦船が正確にはヘリ空母と識別されることを知っている。それにF35B戦闘機を配備することは、日本の防衛能力をより高めることになるが、違法になることはない。

 私は日本が、「駆逐艦」とか「(攻撃型)空母」といった名称を使うことで、挑発的に見られないように注意している理由はよくわかる。しかし、日本は非常に有能な海上自衛隊艦船を保有することや、米国をはじめ東南アジアやオーストラリア、インドなどの日本の友好国が高く評価する、インド・太平洋地域の抑止能力を高めることを恐れる必要はまったくないと思う。

ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」

 かつて安倍晋三首相には、自衛隊を自衛軍のような明確な名称で呼びたいという望みがあった。これを不必要に挑戦的であるという人もいたが、この名称は、自衛能力をもち、信頼の置ける防衛パートナーであるという日本の決意をより明確に示すだろう。挑戦的なのは自衛隊に過度な制限を加え、その能力を効果的な防衛にかなうようにしないことであろう。

 敵は力によって抑止されるが、弱みによって悪事を起こす気にさせる。「いずも」型艦船にF35B戦闘機を配備できるように改修することは、非合法で攻撃的な能力を意味するのではなく抑止を高める。私には、今日は「ヘリ空母」、改修後は(合法的でより能力のある自衛のための)「空母」と呼ぶことが、確かな国家防衛力を築く日本の意思の表れであると思える。

【私の論評】日本は、最早対馬を日本の防衛ラインの最前線と考えよ(゚д゚)!

私も、改修してF35Bを搭載できる「いずも」のことを「空母」と呼ぶべきと思います。それは、中国に対する牽制にもなりますが、韓国に対する牽制にもなります。

もう韓国を日米の同盟国であるとみるのは困難です。例の海自哨戒機に対する、レーダー照射事件をみても明らかです。

それに、ご存知のように韓国は北朝鮮に対する接近の姿勢を崩さず、それに加えて中国への接近もやめていません。

このブログにも以前掲載したように、韓国は自ら安全保障を放棄しています。その記事のリンクを掲載します。
文在寅は誰にケンカを売っているのか?―【私の論評】中国に従属し、安全保障を放棄したぶったるみ韓国にうつつをぬかすより日本はやるべきことをやれ(゚д゚)!
これについて参考になるのが、本ブログをご覧の皆さんにはすでにおなじみの、戦略家エドワード・ルトワック氏の分析です。韓国に関する分析は、『自滅する中国』に詳しく掲載されています。

ルトワック氏
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に韓国が安全保証を放棄していることに関わる部分を少し長めですが、引用します。

以下に、ルトワック氏の韓国の戦略状況の分析の要点を紹介させていたたぎます。ルトワック氏によれば、韓国の戦略状況は以下の要点にまとめられることになります。

===
●国家は普通は独立を尊ぶものだが、従属したがる国もある。それが韓国だ。 
●彼らは中国と中国人にたいして、文化面で深い敬意を持っている。中国の「マーケットの将来性」にもその原因がある。 
●韓国における中国と中国人への尊敬の念は明の時代にまでさかのぼることができる。その一番の担い手は、知的エリートとしての官僚である両班だ。 
●面白いことに、中国文化の影響が非難されるのは北朝鮮。北では漢字は事実上禁止され、ハングルの使用だけが許されているほど。 
●韓国では教育水準が高ければ高いほど反米の傾向が強まる。しかも最近はアメリカが衰退していると考えられているために、中国の重要性のほうが相対的に高まっている。個人で中国でビジネスを行っている人が多いという事情もある。 
●極めて奇妙なことに、韓国は大規模な北朝鮮の攻撃を抑止するのは、グローバル規模の軍事力を持つアメリカの役目だと考えられており、実際に天安沈没事件や延坪島の砲撃事件にたいしても(死者が出たにもかかわらず)ほとんど報復は行っていない。 
●つまり実際のところ、韓国政府は米国と中国に依存する従属者となってしまっている。米国には全面戦争への抑止力、そして中国には一時的な攻撃にたいする抑止力を依存しているのだ。 
●ところがこれは、米国にとって満足できる状況ではない。韓国を北朝鮮から庇護するコストとリスクを、米国は独力で背負わなければならないからだ。 
●その上、韓国への影響力は中国と折半しなければならない。中国は北朝鮮への統制を中止すると脅かすことで、常に韓国政府を締め上げることができるからだ。今のところ韓国が中国に声を上げることはない。 
●米韓同盟を形成しているものが何であれ、そこには共通の「価値観」は含まれていない。なぜなら韓国はダライラマの入国を中国に気兼ねして堂々とビザ発給を拒否しているからだ。 
●現在のような政策を保ったままの韓国は、いわゆる「小中華」の属国として、しかも米韓同盟を続けたまま、中国による「天下」体制の一員となることを模索しているのかもしれない。韓国が自国の安全保障のコストとリスクを受け入れず、かわりに従属者になろうとしているのは明らかだ。 
●このような韓国の安全保障の責任を逃れようとする姿勢は、「日本との争いを欲する熱意」という歪んだ形であらわれている。ところが日本との争いには戦略的に何の意味もないし、日本へ無理矢理懲罰を加えても、韓国側はリスクを背負わなくてすむのだ。
===
いかがでしょう。このルトワックの分析の要点をさらに簡潔にまとめれば、 
1.米国に従属している韓国は、同時に中国にもすり寄っていこうとしている。 
2.その大きな理由は二つ:歴史的・文化的な面での尊敬と、ビジネスのチャンスだ。 
3.安全保障面では、北のコントロールを中国に、そして全面戦争の抑止は米国に依存。 
4.その責任逃れの憂さ晴らしとして、日本にたいする情熱的な敵対心を展開。
となります。

米国人がこのような分析をするというのは意外な感じがしますが、ルトワック自身はこの韓国の戦略を「大間違いを犯している」として非難しています。

もしこの分析が正しければ、韓国はこれから米中を両天秤(ヘッジング)にかけながら、その不満を日本に向かって吐き散らしていくという、構図がますます強まるだけかもしれません。

しかし、果たしてこのような政策を韓国はいつまでも続けていけるのでしょうか?

なお、この分析は2012年までの知見もとに構築されています。あれから時がたち、米国は本格的に中国に対して冷戦Ⅱを挑んでいます。そうして、これはから長期間にわたって継続すると考えられます。

文在寅大統領になってからは、韓国の前のめり北朝鮮への接近が目立つようになりました。

とはいいながら、韓国の戦略状況は上のルトワック氏の分析とさほど変わりないのだと思います。北への傾斜は、北朝鮮による韓国への浸透の結果もたらされたものであり、文在寅氏の戦略ではありません。

また、昨日もこのブログに述べたように、北朝鮮は親中ではなく、反中もしくは嫌中であるととらえるべきです。ここが、韓国との根本的な違いです。

このような韓国の状況をみていると、ここ何日かこのブログに掲載してきたように、以下のようことがいえると思います。
北朝鮮の核保有は北朝鮮の独立を保証すると同時に、中国の影響力を朝鮮半島全土に浸透させることも防いでいます。米国にとって、朝鮮半島が南北に分断され、北朝鮮が核を保有している現状が中国をにらみ望みうる最善の状態です。
米国は現状中国と本格的に対峙しているため、特に北の核が朝鮮半島に対する中国の影響力をそいでいることに注目していると思います。
"

現在の韓国海軍は未だかなり能力が低く、到底日本の海上自衛隊と対峙できるような存在ではありません。たとえば強襲揚陸艦「独島」は、レーダーや武器管制システムに欠陥があるまま就役し、2015年の韓国独立70周年を記念する竹島への派遣には、スクリューの故障で参加できないという失態を犯しました。

また、韓国初の国産潜水艦の「孫元一」型は燃料電池の不具合で数日間しか潜行できず、基準値よりも大きな水中雑音を発するため、まともに作戦行動がとれないとも伝えられています。


トラブル続きの韓国初の国産潜水艦の「孫元一」型

しかし、韓国が中国との関係をさら強め、米韓同盟も破棄した場合どのようなことが予想されるでしょうか。

中国が韓国に対して、武器を供与したり、空母の建造を助けたりして韓国軍の増強をはかることが考えられます。

さらに、韓国が対馬に侵略することをそそのかすかもしれません。それは、十分に考えられます。実際韓国には、過去には竹島を占拠しています。

さらに、ソウル近郊・京畿道の議政府市議会が2013年3月22日、日本政府に「対馬の即時返還」を求める決議文を採択したと韓国メディアが報道していました。

「地理的、歴史的、科学的にみても韓国領土であることは明らかだ」と主張しているですがその根拠は乏しいです。議政府市が「対馬は韓国領」の根拠としているのは、朝鮮王朝時代の地理書や1855年の英国地図、1865年の米国地図などでした。

しかし、魏志倭人伝の根拠を超える説得力はなく、その上、これまで韓国側が実効支配した事実もありません。韓国側の対馬返還要求は2005年2月、島根県が「竹島の日」を制定したことに対抗した動きだとする見方が有力です。

2005年3月、南東部の慶尚南道馬山市議会が条例で「対馬島の日」を制定。馬山市がその後昌原市と合併したことにより、現在は昌原市の条例となっています。

このようなことから、韓国が中国にそそのかされて、対馬に侵攻することはあり得ないことではありません。

中国とししては、韓国に日本に対する代理戦争をさせて様子をみるということも考えられます。北朝鮮は、中国から完全独立したいと考えていること、さらには核を有していることから、北朝鮮をそそのかすことは、難しいのとさらにはもしそそのかしに成功したとしても、北が日本に対して軍事攻撃したりすれば、国際的にかなりの非難を浴びることは想像に難くありません。

しかし、韓国の場合は核を有しているわけではないですし、韓国自身が元々対馬を侵略したいという考えがありますから、かなりそそのかしやすいです。韓国が対馬に侵攻して、奪い取ることができれば、中国側は、尖閣奪取は簡単だし、沖縄本島の奪取も可能であると考え、日本侵略を本格化させるかもしれません。

しかし、韓国が対馬に侵攻しようとしても、最初から無理であるとか、侵攻しようとして日本側から本格的に反撃を受けて、失敗したとなれば、中国は日本侵略はできないと考えるでしょう。

このようなことは、いますぐではないにしても十分に考えられます。今回の海自哨戒機に対するレーダー照射事件は、その前触れなのかもしれません。

日本は、最早韓国が北朝鮮や中国の緩衝地帯になっているという考えは放棄し、対馬を日本の防衛ラインの最前線にするという考え方で、韓国に対する備えを固めるべきです。

もうすでに、そうなっているか、将来確実にそうなるという考えで、安全保障を考えるべきです。そうすることが、韓国ならびにその背後に対する中国に対しての牽制となります。

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2014年1月16日木曜日

「失望」だけではない米国の靖国参拝への反応―【私の論評】荒れる成人式は報道しても、米国の安倍靖国参拝に関する「失望」以外の反応を報道しない、日本のメディアはやはり反日だ(゚д゚)!




安倍晋三首相の靖国神社参拝に対する米国の反応を報告しよう。先週は中韓以外のアジアの反応を紹介したが、今回は米国での反応のうち、これまた日本の大手メディアが報じない部分に光を当てる。

周知のようにオバマ政権はこの参拝に対し日本の米国大使館の声明として「失望」を表明した。

様々な面で異例の声明だった。まず声明の発信者の名前も肩書きもない。駐日大使でも大使館報道官でもないのだ。その後、ワシントンの国務省報道官も大使館声明を繰り返す形で「失望」を表明した。

何よりも異例だったのは、米国政府が日本の首相の靖国参拝について、大使館レベルにせよネガティブな公式声明を出すのはかつてなかった点である。

ブッシュ前政権は当時の小泉純一郎首相が毎年靖国を参拝し、中韓両国が絶叫のように非難を浴びせ続けても、びくとも動かなかった。ブッシュ政権の高官たちは、むしろ日本が中国の威圧に屈しないことを望むとさえもらしていた。ところが今回は、大使館が本国の本省よりも先に、安倍首相の靖国参拝に対するコメントを出したのである。

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JPpress

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】荒れる成人式は報道しても、米国の安倍靖国参拝に関する「失望」以外の反応を報道しない、日本のメディアはやはり反日だ(゚д゚)!

米国では、安部総理の靖国参拝に反対するグループが安倍たたきを展開しました。その代表的なものが、ワシントンで民主党系のジャーナリスト、クリス・ネルソン氏が発信するアジア関連専門のオンライン・ニュースレター「ネルソン・レポート」でした。



ネルソン・レポートでは安倍首相の参拝の直後からその行為を非難する意見や投稿が次々に紹介されました。その一方で、ネルソンレポートには、これらに反論するケビン・メア氏の意見も掲載されました。これら一連の動きを説明したのが、上の記事です。詳細は、是非この記事をご覧になってください。

ケビン・メア氏

以下上のブログ冒頭の記事の中に含まれる、ケビン・メア氏(ネルソン・レポート」のケビン・メア氏の発言を引用します。ケビン・メア氏は、アメリカ合衆国の弁護士、外交官。学位は法務博士号(Juris Doctor)。ジョージア大学法科大学院・1981年卒。NMVコンサルティング上級顧問 在日本大使館政治軍事部部長、在沖縄総領事、国務省東アジア・太平洋局日本部部長などを歴任しました。
 「(この場に安倍非難のコメントを寄せた)ほとんどの人たちは安倍首相自身が参拝について説明した声明を読んでいないようだ。この人たちは安倍首相が靖国神社と同時に鎮霊社をも参拝し、『戦争で亡くなられ、靖国神社に合祀されない国内、および諸外国の人々の霊をも悼んだ』ことを無視している。安倍首相はこの声明でさらに『日本は二度と戦争を起こしてはならない。私は過去への痛切な反省の上に立って、そう考えています』と述べているのだ」 
 「この場(ネルソン・レポート)の論評者たちが完全に無視した、もう1つの極めて重要なポイントは、安倍首相が『ある人たちは、私の靖国参拝が戦犯を崇拝するためだと批判しますが、私が安倍政権の発足した今日この日に参拝したのは、政権1年の歩みと、二度と再び戦争の惨禍に人々が苦しむことのない時代を創るとの決意を英霊にお伝えするためです』と述べていることだ」 
 「この点はなぜ(この場の議論で)伝えられないのか。たぶん批判者たちにとっては、安倍氏を右翼の軍国主義者だとする決めつけにこの言明は合致しないからだろう。戦争で命を亡くしたすべての人に祈る。過去を反省する。不戦の誓いを新たにする。この種の特徴は極右の軍国主義者ではない。だから批判者たちはその安倍氏の言明を無視するのだろう」 
 「(安倍首相の参拝への)反対論のほとんどは、『米側のわれわれが参拝するなと告げていたのに、安倍首相が参拝した』ために怒ってしまった、ということのようだ。自分たちの命令に服従しない行動だからけしからんというのだろう。しかしこれはなんと傲慢な態度だろう。傲慢というのは、もちろんワシントンで安倍参拝に憤慨したり失望したと言う人たちの態度を指す」 
 「もちろん靖国神社の境内にある施設が、日本の戦争を客観的に見る立場からすれば不当だと言える面もある。特に遊就館の戦史展示が示す認識は、外部の観察者たちにとっては不快なだけでなく、滑稽ですらある。日本は第2次世界大戦では敗北した以外には間違ったことは何もしていないというふうに映る。だが、すべての戦死者の霊を悼み、不戦を誓い、戦争を反省するための靖国参拝が、遊就館の歴史観を自動的に受け入れているととらえるべきではない」 
 「この参拝を憤慨する人たちへの私の提言は『もう忘れなさい』ということだ。この参拝は日本が挑発的とか軍国主義的になることを意味しない。安倍首相が第2次大戦やその以前の時代の歴史を修正しようとしているわけでもない。日本がアジアで緊張を高めているわけでもないのだ」 
 「アジアの本当の緊張は、東シナ海や南シナ海での中国の軍事拡張や覇権的意図を伴った挑発によって起きているのだ。常軌を逸した国である北朝鮮の軍事挑発も緊張の高まりの原因だ。北朝鮮はまもなく弾道ミサイルに核弾頭を搭載する能力を獲得するだろう」 
 「米側の私たちが焦点を合わせて把握すべきなのは、神社への単なる参拝ではなく、安倍首相が就任からこの1年間に実際に成し遂げたことである。安倍首相は米国の歴代政権が長年の間、期待してきたことを現実に達成しつつある。日本の防衛費を増額し、平和と安全の維持に重要な役割を果たす日米安全保障条約における米国側の負担を減らしている。安倍首相のリーダーシップの下で、日本はアジア地域の脅威に対してこれまでよりも現実的な認識を抱き、その認識に沿った対応を実際に始めたのである」 
 「もちろん中国は日本が防衛面でより堅固になることは好まない。なぜなら、より強い日本は東シナ海と南シナ海の全域を制覇しようという中国の野望の妨げとなるからだ。尖閣諸島近くでは、武装艦艇を動員して日本側を威嚇しているのは中国なのである。最近とくに新たな防空識別圏(ADIZ)を一方的に宣言し、東シナ海の広大な空域をコントロールしようとしているのも中国である。安倍首相の靖国参拝で失敗した部分があるとすれば、それは中国のヒステリー増大に弾薬を与え、中国側の手中に陥りかねなくなったことだろう。このヒステリーというのは、『日本が軍国主義化して、アジア地域での緊張を高めている』という叫びであり、残念ながらワシントンの安倍批判者たちもそれに同調しているのだ」 
 「日本が再び軍国主義になっている? 真面目に事実を見てみよう。日本政府が最近、発表した中期防衛計画が洩れなく実行され、防衛費の5年連続増加がなされたとしても、日本の5年後の防衛予算は単に2002年の水準へと戻るだけなのだ。それはここ11年間も日本の防衛費は削減されてきたからである。安倍首相は好ましいことに、その流れを今年の予算で逆行させたのだ。 
 だが安倍首相は日本を軍事的、挑発的な国家にしようとしているわけではない。歴史を修正しようとするわけでもない。安倍首相は、祖先を尊敬し、同時に過去の過ちを認め、反省を表明する正常な国家への方向へと、日本を動かしているだけなのだ。中国についてはそんな方向性を見出すことはできない。だからこそ、もう靖国参拝は放念し、アジアでの米国の真の利害について考えようではないか」
日本のメディアでは、安部総理の参拝に関して、アメリカ側の、「失望した」という意見のみ報道されていて、このような報道はほとんどなされていません。これは、著しく公平に欠けると思います。安倍総理靖国参拝に対する反対意見に対する米国側の反対意見には以下ようなものもあります。
【正論】米国は中韓にこそ「失望」すべし
この記事は、産経新聞のもので、著者は、ヴァンダービルト大学 日米研究協力センター所長 ジェームス・E・アワー氏です。詳細は、この記事をごらんいただくものとして、結びの部分のみ以下にコピペさせていだきます。

ジェームス・E・アワー氏
 米国政府は安倍首相に失望の念を表すべきだろうか。米国は独立国としてそうする権利がある。しかし、慎重に考察すれば、1952年から2014年までの平和愛好国としての日本の実績を認めたがらない姿勢を示す韓国に、そして、とりわけ中国の声明や行動に対して、最低でも同等の(言わせてもらえれば、もっと大きな)失望感が向けられる必要がある、ということが見えてくる。 
 そして、米国が東京に失望感を表明するのであれば、米国の指導者たちには少なくとも安倍首相の試みを高く評価してもらいたい。首相は、腰が引けて時に非現実的である日本の反戦平和主義を、もっと積極的な形に変えようとしている。それは、米国が60年以上にわたって日本に採用するよう奨励してきたことでもある
この意見は、まさに正論だと思います。それにしても、日本のメディアは、米国側の靖国参拝に関する反対意見ばかり報道して、それ以外の報道はしません。このような、記事を掲載したのは産経新聞くらいなもので、他のメディアは報道していません。

最近大手メディアが報道したものとしては、あいかわらず、荒れる成人式など報道しています。これに対して、三原じゅん子参議院議員はご自身のブログで苦言を呈していました。
「私もやんちゃな時期あったけど」三原じゅん子、"荒れる成人式"報道に苦言
参議院議員 三原じゅん子さん


このブログ記事、現在ご本人の判断によるためか、削除されています。余計な波風をたてて、炎上しても困るというような判断をされたためかもしれませんが、言われていたことは全く当たり前のことで、多くの人がそう思っていると思います。

三原議員は、「成人の日」の1月9日、自身のブログに「新成人、飲酒で暴れ、、、、、」と題した文章を投稿。内容では読売新聞で報じられた「荒れる成人式」の記事が引用されておりそれに対して以下の様な感想を記しています。
いつの頃からだろう。(中略)毎年、そんな(荒れる成人式の)報道ばかりの成人の日になったのは。私もやんちゃな時期もあったけど、式典で暴れるのとは意味が違う。
もしかしたら、こういうことを大騒ぎして報道することが、彼らの何かを刺激しているのではないだろうか。 
彼ら(暴れる新成人)が『馬鹿らしい』『恥ずかしい』と思えるようになるにはどうすべきかを考えねば。その一歩として、マスコミもあまり騒がないことを提案したい。
これは、多くの人が思っていることだと思います。私も、そう思います。三原さんも単純にそう思っただけと思います。



しかし、これは、見せたくないものを隠蔽してしまうということでもあり、実際、政治であれぱ典型的な思想統制の手法でもあります。おそらく、三原さんは、こう指摘されることをおそれて、この記事に内容を削除したのだと思います。

でも、現実は、多元的なもであり、いくつもある報道ネタから、ほんのいくつかが選択され、メディア上にメディア・イベントとして展開されているということも事実です。

成人式式典にもさまざまな出来事があり、現実にはその中から「ディズニーランド成人式」、「時節もの成人式」、「荒れる成人式」が任意に選択され報道されているということです。全国各地の成人式式典をすべからく、しかも参加者個々人にすべてまで報道するなどということは、最初から全く不可能なことです。

だから、選択するのは当然のことです。ただし、選択の仕方が問題です。ここ10年くらいは、荒れる成人式の報道が当たり前のようになってしまいました。しかし、考えてみれば、一体いかほどの人が成人式で荒れているというのでしょうか?実際に、すべての成人式が荒れているわけではないと思います。また、荒れた成人式であっても、その中で実際に荒れた成人の数は圧倒的に少ないと思います。

函館市の今年の成人式 何も問題はなかった

これが、確実に10%程度の人が確実に、荒れる側というのであれば、見方は変わってきます。そうなれば、何かが確実に変わりつつあるということで、これは報道しなければならず、報道しなければ隠蔽しているということにもなりかねません。

しかし、現在の荒れる成人式報道は、犬が人に噛み付いてもニュースにはならないが、人が犬に噛み付いたらニュースになるという部類であり、小数の馬鹿者を報道をしているだけです。小数の馬鹿は珍しいだけで、社会に何の影響も与えません。であれば、荒れる成人式に関して、あるメディアが全く報道しなかったとしても、そのメディアが報道統制をしているとか、事実を隠蔽しているということにはならないです。だから、三原さんのよいうに、一切報道しなければ、荒れる成人式を演出する馬鹿者はいなくなるか、いても世の中には存在しないことになります。

このように考えると、報道しなくても良い「荒れる成人式」を報道しても、安部総理靖国参拝に対するアメリカの反応のうち、反対意見ぱかり報道するマスコミは、異常です。

マスコミの異常ぶりは、今に始まったことではありませんが、安部総理を巡ってはそのようなことが多く散見されます。

まずは、このブログでも指摘したように、安部総理の安全保障のダイヤモンド構想が、ほとんど報道されないこと。これとは、反対に、増税反対派の意見はほとんど報道せず、増税があたかも既成路線であるかのような執拗な報道。特定秘密保護法案に関する反対勢力があたかも大多数であるかのような執拗な報道、安部総理の積極的な外遊に対する消極的な報道など、原発即廃炉、多数派報道など、あげれは枚挙に暇がありません。

こんなことを考えると、やはりマスコミは未だに反日的であると言わざるをえません。考えてみれば、荒れる成人式の報道も、大多数のまともな若者も含めて、若者一般に他の世代が不信感抱くようにを植え付ける試みなのかもしれません。

中国では、2010年あたりから、年平均8万件以上もの暴動がおこります。このようなことは、日本ではありません。しかし、荒れる成人式などを派手に報道すれば、日本もあたかも荒れているように、印象操作をできるではありませんか。今の若者だって、昔の若者だってさしたる違いありません。

いせん、戦争中の若者に対する評判などを掲載した文章をたまたまみたことがあります。それには、「今の若いものはなっていない」との評がでていて、今も昔も変わらないのだと苦笑いしてしまいました。こんなことをいうと、今から5000年も前のメソポタミアの碑文にですら、同じことが刻まれていたそうです。

そもそも、若者を批判するということは、その前の世代が育て方を間違えたということを言っているに過ぎません。私自身は、現在の若者が特に変だとか、おかしいなどと思ったことはありません。何か変わって見えたとしても、それは所詮時代背景などによるものと思っています。そんなことを言うなら、鳩山、菅などの一部の団塊の世代のほうがよほどイカれていると思います。



成人式の報道、日本におけるアメリカの反応などをみていれば、マスコミの報道姿勢に関しては、やはりいつも疑念を持って接することが肝要だと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣―【私の論評】岩屋外務大臣の賄賂疑惑が日本に与える影響と重要性が増した企業の自立したリスク管理

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣 渡邉哲也(作家・経済評論家) まとめ 米国司法省は500ドットコムと元CEOを起訴し、両者が有罪答弁を行い司法取引を結んだ。 日本側では5名が資金を受け取ったが、立件されたのは秋本司被告のみで、他...