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2019年8月30日金曜日

日本のメディアは日韓関係悪化ばかり報じている場合なのか―【私の論評】増税で7年間に及ぶアベノミクスは帳消しになる。特に雇用は最悪に(゚д゚)!

日本のメディアは日韓関係悪化ばかり報じている場合なのか
消費増税の悪影響が断然大きい




8月22日に韓国大統領府が日韓軍事包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定したことで、歴史問題などをめぐり悪化していた日韓関係はさらに深刻になり、安全保障分野に影響が及ぶことになりました。

この韓国政府の判断が米中を含めアジア地域の地政学動向に将来どのような影響をもたらすかが筆者の最大の関心ですが、これは門外漢の筆者の力量を超えるテーマです。以下では、両国の金融市場、そして経済活動への影響について考えてみます。

日韓関係悪化の市場への影響

金融市場では、通貨ウォン(対ドル)は年初来で約8%安と下落。韓国の株価指数も年初から▲5%と、日本を含めた多くの主要国対比でアンダーパフォームしています。

日韓関係悪化などの韓国における政治リスクは、金融市場である程度反映されているといえます。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、将来の北朝鮮との経済統合を目指すことを見据えるなど、北朝鮮に融和的な外交姿勢を示しており、経済への悪影響だけではなく、朝鮮半島を取り巻く地政学情勢が変わることに伴うリスクが市場で意識されているかもしれません。

それでは、最近の日韓関係悪化によって、日本や韓国経済にどの程度、悪影響が及ぶでしょうか。まず日本は、7月に半導体の材料の一部品目の韓国への輸出に関して審査ルールを変更しました。

これについて、韓国に対して禁輸あるいは輸出規制強化を日本政府が行ったなどと報じられ、日本の対応が韓国政府の軋轢を強めたなどとの見方も散見されます。日韓という微妙な2国間の関係ゆえに、メディアもこれをセンセーショナルに報じたり、さまざまな立場の論者の声も大きくなっているようにみえます。

企業活動に及ぼす悪影響は限定的

実際には、韓国への輸出の取り扱い変更は、安全保障に関わる一部の材料のみが対象です。それらの輸出ができなくなるわけではなく、審査に関するこれまでの優遇措置が取りやめとなり、輸出する際の審査・許可を通常のルールに戻すのが、日本政府の対応です。特別な優遇措置を、他国同様の原則のルールに戻したということです。

輸出品が三国などを経由して問題国へ輸出されるのをしっかり管理することは、安全保障の観点から、どの国も責任を持ってやる必要があります。今回の日本の対応は、安全保障の理由で、どの国も自国の裁量で行うことができる対応です。

また、今回通常の管理対象になったのは半導体の材料になる3品目ですが、管理変更の対象になるのは試作段階のものに限られ、すでに量産されている半導体分の材料については対象外になる、との専門家による指摘もあります。

これらを踏まえれば、今回の韓国への輸出規制変更が、韓国の半導体セクターの生産活動を含めて、日韓の貿易など企業の活動に及ぼす悪影響は限定的といえます。

観光面へのインパクトは大きいが…

一方、政治的な日韓関係の悪化は、観光面については無視できない影響が及ぶでしょう。韓国からの訪日客の2割を占め、すでに7月時点で訪日客数は前年比▲7.6%と減少に転じています。一方、中国などからの訪日客が引き続き大きく伸びているため、訪日客全体は同+5.6%と底堅い伸びが続いています。

韓国からの訪日客は8月からさらに落ち込むとみられ、このまま関係悪化が長期化すれば、前年対比で半分程度まで落ち込む可能性もありえるでしょう。2018年のインバウンド消費は約4.5兆円ですが、約2割の韓国人訪日客が半減すると大胆に仮定すると、約1割訪日客数全体が減るため、単純計算で0.4兆~0.5兆円のインバウンド消費が減る可能性があります。

実際には韓国からの訪日客が減った分は、中国、台湾など他のアジアからの訪日客が増える可能性があるため、これはインパクトを最大限見積もるための仮定ですが、それでも日本のGDP(国内総生産)の0.1%の規模で経済全体への影響ではほぼ誤差といえます。

これまで判明している日韓関係悪化の、日本経済への影響はほぼありません。そして、日本から韓国への観光客も大きく減るため、韓国経済も悪影響を受けるでしょうが、同様に誤差程度の悪影響しか想定されないでしょう。

消費増税は失政になる可能性が高い

むしろ、日本経済全体に影響を及ぼすのは、10月から行われる消費増税です。2014年の消費増税は判断ミスだったと安倍首相は後悔していた、とメディアで報じられました。今回も同様に、失政だったと振り返られる可能性が高い、と筆者は考えています。

消費増税による家計負担増の金額を確認すると、消費増税にともない約4.6兆円の税収負担が増えます。増税によって、幼児教育と高等教育の無償化などの制度が始まりますが、これらによって約2.4兆円が政府から家計に支給されます。このため、今回の増税によって、恒久的な家計負担は約2.2兆円増えます。

この家計負担に対して、政府は平成31年度予算として2兆円規模の臨時の景気対策を行いますが、このうち1.35兆円は防災、国土強靭化政策で、家計の所得負担を直接軽減させることになりません。時限的な対策として、いわゆるポイント還元制度などがありますが、これらは0.66兆円となっています。

これらの予算が実際にすべて政府支出として家計に給付されるかは不明なので、先に挙げた2.2兆円の恒久的な家計負担のごく一部しか相殺されないことになります。

なお、2兆円は家計の可処分所得300兆円の約0.7%に相当します。今回の増税で個人消費がどの程度落ち込むかは見方が分かれますが、名目賃金が1%程度しか伸びていない中で、家計所得に無視できない規模の負担が生じれば、少なくとも個人消費はほぼゼロに失速すると筆者は予想します。消費増税以降、日本経済の成長率はほぼゼロ成長に減速するリスクが大きいと考えています。

日韓関係の悪化が大きなニュースになっていますが、それよりも日本人の生活に直結する問題として、消費増税の影響のほうがかなり大きいことは明らかです。最近の日本の報道では、こうした冷静な視点が欠けていると筆者は感じています。

<文:シニアエコノミスト 村上尚己>

【私の論評】増税で7年間に及ぶアベノミクスは帳消しになる。特に雇用は最悪に(゚д゚)!

日本の昭和末期から平成に至る政治史を振り返ったとき、消費税の導入や消費税の税率引き上げにまつわる動きは「呪われた歴史」といってもいいほど政権を潰し、苦境に追い込んできた。さらにはその都度、景気回復の兆しを迎える日本経済をどん底に突き落とすなど、悲劇的な状況を数々もたらす結果となった。

本来、消費税というのは優れた税制です。脱税がしにくく、徴税コストが安く、安定財源となる税制です。その優れた税制を正しく運営すべきでした。

しかし、その導入において、国民や野党の反対をかわすためだけにあまりにも誤った論理をふりかざし、嘘に嘘を重ね、しかもインボイス制度(適格請求書等保存方式)がない不完全な形で導入してしまいました。
そしてそれ以後、税理論や社会保障理論を歪めてまで、ひたすら消費税の増税こそが正義であるかのように志向してきた歴史が日本にはあります。
このような思惑で消費税の制度が歪めば歪むほど、無理が生じて、呪いにかかったかのように政権が潰され、日本経済にも悪影響を与えてきました。現在の消費増税議論がいかに歪んだものであるかを知るためにも、日本における消費税の歴史を振りかえってみます。

中根蘇康弘氏 首相当時

中曽根康弘首相は1986年7月に大方の意表を突くかたちで解散し(死んだふり解散)、衆参同日選挙に打って出ます。この折には、「国民や自民党員が反対する大型間接税はやりません」「この顔が嘘をつく顔に見えますか」と発言をし、衆院で300議席以上を獲得する大勝利を収めていました。
しかし、同年12月に政府税制調査会と自民党税制調査会が「売上税」を提案し、中曽根内閣は翌1987年2月に「売上税法案」を国会に提出したのです。

売上税はもちろん「大型間接税」ですから、「嘘つき」という批判が満ち満ちることになりました。結局、1987年の地方選挙で敗北をし、売上税は撤回に追い込まれました。大平内閣の挫折と、中曽根内閣の「嘘つき」で、消費税には決定的に悪いイメージが付くことになってしまいました。

1993年6月、野党が当時の宮沢喜一内閣の不信任案を出し、小沢一郎氏たちが造反して野党に賛成した結果、内閣不信任案は成立し、衆院選が行われることになりました。

ここで自民党は衆院での過半数を失い、逆に自民党を飛び出して新生党を結党した小沢氏たちは「非自民」勢力を糾合。かくして、自民党が下野し、八党派連立(日本新党、日本社会党、新生党、公明党、民社党、新党さきがけ、社会民主連合、民主改革連合)の細川護熙内閣が成立しました。



その細川首相が1994年2月3日未明に突然、記者会見を開いて「国民福祉税」構想を打ち出しました。税率3%の消費税を廃止して税率7%の福祉目的税にする、というものです。

細川内閣は、赤字国債を発行しないことを公約の一つにしていました。しかも当時、米国が日本の内需拡大を促すために、日本の所得減税を求めていました。

赤字国債を発行せず、所得減税も行うとなれば、消費税を増税するしかない状況でした。ところが、消費増税は、消費税反対を訴えて支持層を広げてきた社会党から受け容れられないことは目に見えていました。

ならば、いっそのこと「消費税」を廃止してしまい、「新税」の衣をまとわせようと考えたのでしょう。袋小路に陥った状況を活かそうと考えた大蔵省と小沢氏が、よく事情をわかっていない細川首相を抱き込み、一気に税制改革も進めてしまおうとしたのではないかと思います。

ところが、これが見事に頓挫します。政治家が目論む「新税」などすぐに見透かされるのであって、大蔵省とすれば、細川首相をうまく取り込んだつもりだったのかもしれませんが、連立政権内でも話し合われておらず、根回しがまったく不十分だったこともあって社会党などは猛反発しました。

たちまち翌4日の連立与党代表者会議で撤回されるに至りました。政権の求心力は急速に失われて、細川内閣は同年4月25日に総辞職しました。

そうして時代は下り、2012年12月の総選挙で、単独過半数を大きく超える294議席を獲得して圧勝した自民党が政権に返り咲き、第二次安倍晋三内閣が誕生しました。

それに先立つ2012年9月の自民党総裁選の際、安倍首相は消費税を上げる前にデフレ解消をする、といいました。安倍首相は消費税の増税には消極的でしたが、法律になったものを無視することはできず、「法律どおり」2014年4月、消費税率が5%から8%に引き上げられました。

せっかくアベノミクスによってデフレ対策が打たれ、2014年4月時点ではインフレ目標達成にかなり近いところまで行っていたのですが、消費税率を上げたことで景気は逆戻り。離陸し始めた状態で安定飛行に入っていなかった景気は、消費税の増税によって急失速してしまいました。

こうした状況を受けて、2015年10月の増税予定は一年半先送りされ、2017年4月の増税予定がさらに2年半先送りに。安倍首相が財務省の意向を退け、かろうじて踏みとどまったかたちでした。

現在、デフレは解消されつつありますが、脱却には至っていません。企業で人手不足の状況が生まれ、雇用回復に次いで当初の狙いである「賃金上昇」がようやく始まる、と思ったところで、政府は事実上の「移民」緩和政策を決めてしまいました。

過去3回の消費増税のうち、3%の税率で導入した1回目(1989年)は、バブル期で景気がよい状況でした。しかも物品税の減税と同時に行なったので、タイミングとしては悪くありませんでした。

しかし、税率が3%から5%に引き上げられた2回目(1997年)、5%から8%に引き上げられた3回目(2014年)の消費増税は最悪でした。いずれもデフレのときに行なったため、景気を大きく冷え込ませる結果となりました。

外国人労働者の流入が日本の賃金を押し下げていることは、このブロクでも過去に説明してきたように、はっきりしています。あまりにもタイミングが悪く、さらに2019年10月に消費増税を実行してしまえば、2012年以降、7年に及ぶアベノミクスの努力はすべて水の泡でしょう。

現在のマスコミは、このようなことを知ってか知らずか、増税のことなど忘れてしまったかのように、韓国問題ばかり報道しています。財務省の発表を鵜呑みにした報道ばかりで、おそらく知らないのでしょう。

2012年以降、7年に及ぶアベノミクスの努力が水の泡になるとはどういうことでしょう。結局、またデフレ円高に戻るということです。さらに、アベノミクスの大成果でもあった、雇用の改善もまた元に戻ってしまうということです。

再び、就活が最悪の状況に戻るということです。そうしてそれは、何をいみするのでしょうか。人は喉元すぎれば熱さを忘れ、という具合にわずか数年前のことでも忘れてしまいます。以下の動画は2013年に放映されていた東京ガスのCMです。

あまりにもリアルで、生々しい就活の悲惨さが批判の的になって、このCMは放送中止になりました。


以下の動画は、就活狂想曲」animation "Recruit Rhapsody"というタイトルです。

ごく普通の大学生として何となく過ごしてきた主人公。ところが近頃友人たちの様子がおかしい。聞けば、彼らは噂の"就活"に躍起になっているらしい。それが一体どのようなものなのか見極められぬまま、主人公もまた「ニッポン式就活」の渦中へと引きずり込まれて行くさまを描いています。 

作成は、「吉田まほ」さんです。2012年度の作品です。


この時代の就活ではいわゆる「コミュニケーション」を重視していました。

デフレの時期にはモノやサービスが売れないので、企業としてはなるべく新規採用を控えて、採用するにしても、デフレ対応型の無難な人材を採用する傾向が強かったものです。

デフレ対応型の無難な人材とは、どういう人材かといえば、「コミュニケーション能力に長けた人材」です。だから、採用の面談においても突飛な質問をするにしても、過去のデフレ期には「コミュニケーション能力」に関するものが多かったものです。

結局のところ、デフレという厳しい環境の中で、顧客や、会社や会社の中で働く人やに共感でき、苦難をともに乗り越えて行く人材が重視されたのです。創造性などは、あったほうが良いということで、最優先の資質ではありませんでした。

いずれかの方面に優れた才能や能力があったとしても、それはデフレの世の中ではなかなか役に立たず、結局そのような才能がなくても、コミュニーけション能力にたけた人間が一番無難だったのです。

デフレはモノ・サービスが売れず、創造性のある人材も登用されなくなるということで、想像以上に企業をかなり毀損してしまうのです。

以下は当時の就職面接を描いた動画です。声の詰まり方とかリアル過ぎてこちらがハラハラする。それにしても、このような面接現在なら考えられません。まさに、買い手市場だったからこそこのような面接になっていたのです。


そうして、このような面接が行われたのは、何も本人が悪いとか、面接官が悪いということではないのです。結局デフレのため、採用側は採用に慎重だったのが理由です。

企業その中でも、まともな企業であれは、デフレだからとっいって、一定期間に極端に採用を減らしていては、将来の管理職や幹部候補を選ぶ段になったときに、候補者がいないという状況になりかねたいため、無理をしてでも採用をしていたのです。

今年の新卒のある男性新入社員に綺譚のないところを聞いてみたところ、なかなか思った就職先に就職できなかったので、「就職浪人したい」との旨を就職担当の先生に伝えたところ、「就職状況は今は良いがいつ悪くなるかわかったものではないから、今からでも頑張って、とにかく就職しろ」と言われ、そこから就活を再開し就職したそうです。

この先生は正しかったようです。今後増税でこのようなことになるのは目に見えています。今後、就職面接でコミュニケーションが重視されることになるでしょう。

私は、安倍政権には、柔軟になっていただきたいと思います。今後、増税によって悪影響が出た場合には、柔軟に対応して、減税も実施していただきたいものです。いよいよになれば、機動的な財政政策と、金融政策を実行して、デフレから完璧脱却していただきいものです。

令和年間は、平成年間のように経済政策を間違い続け、ほとんどの期間がデフレスパイラルの底に沈んでいたというようなことは繰り返さないで欲しいです。

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2018年8月30日木曜日

「真珠湾攻撃忘れないぞ」トランプ米大統領、安倍首相に圧力―【私の論評】日本のメディアは米国保守派の歴史観の変貌に無知(゚д゚)!


会談で握手する安倍首相(左)とトランプ米大統領=6月、ワシントンのホワイトハウス

米紙ワシントン・ポスト電子版は28日、トランプ大統領が6月にホワイトハウスで安倍晋三首相と会談した際「(第2次大戦の)真珠湾攻撃を忘れないぞ」と前置きした上で、難航している通商問題の協議を始めたと伝えた。異例の発言の背景には、対日貿易赤字の削減を目指し圧力を強める狙いがありそうだ。

米国では真珠湾攻撃は「卑劣なだまし討ち」との見方が強い。日本側の弱みと見なしてトランプ氏が通商交渉で譲歩を引き出すために、あえて日米首脳会談で触れた可能性がある。

同紙によると、トランプ氏は真珠湾攻撃に言及した後、米国の対日貿易赤字について激しく非難し、安倍氏に対し牛肉や自動車の対日輸出で米国に有利になるような2国間貿易協定の交渉に応じるよう促した。

これに対し安倍氏は、トランプ氏の発言が終わるのを待った上で反論。日本政府当局者は「首相は大統領の主張を断定的に否定すれば、プライドを傷つけてしまうと分かっている」と説明した。(共同)

【私の論評】日本のメディアは、米国保守派の歴史観の変貌に無知(゚д゚)!

時事通信や共同通信、新聞各紙が、トランプ大統領が「真珠湾攻撃を忘れていないと発言し、通商交渉で厳しい姿勢を示した」とし、「揺らぐ日米蜜月」などと報じています。

この「パールハーバー発言」は、そもそもアメリカの新聞「ワシントン・ポスト」が、トランプ大統領が安倍首相に対して、「真珠湾攻撃はひきょうだった」と非難する、「アイ・リメンバー・パールハーバー」、つまり、「真珠湾攻撃を忘れないぞ」という言葉を使って、通商問題で譲歩を迫ったと報じたことが始まりでした。しかし、各紙はしっかりと総理周辺などに取材したのでしょうか。

日本軍による真珠湾攻撃

トランプ大統領は、真珠湾攻撃ではないものの先の大戦に関しこれまでも同様の発言を繰り返し、防衛費増について話を日本側に振っています。

すなわち防衛装備品の購入増につながるわけで、それをアメリカも狙っているわけですが、アメリカの新聞の引用ではなく、しっかりと取材をし記事を書いて欲しいものです。

一方多少まともに報道しているところもあります。これは、FNNの取材でわかったことですが、6月にアメリカで行われた日米首脳会談において、トランプ大統領は確かに「アメリカが日本の防衛費を負担して、対日貿易赤字も解消されなければ、ダブルパンチになる」と不満を表明しました。

そのうえで、「真珠湾攻撃を忘れていない。日本も昔はもっと戦っていただろう。日本も周辺国ともっと戦うべきだ」と述べたのです。

この発言は、「日本が自国の防衛を強化して、アメリカの防衛費の負担を減らすべきだ」と、暗に求めたとみられます。

関係筋などによると、この時トランプ大統領は、「日本はかつて真珠湾を攻撃したほどの軍事強国であったじゃないか」と言う意味で述べたもののようです。

日本は「防衛費をもっと増やすべきだ」という意味で発言したもので、通商問題で日本を非難する意味ではなかったとしています。

また、トランプ大統領は、「パールハーバー」と発言したものの、「あのひきょうな攻撃を忘れないぞ」という批判的な意味、言い方はしていないとのことです。

外交上、際どい言葉は、異なる解釈を生み出すケースがあるため、そうした言葉が波紋を生んだケースだといえそうです。

また、メディアとの関係もあります。トランプ大統領に対して批判的な米リベラル・メディアは、そういうふうに報道したというベースがあるとも忘れてはいけないです

このブログでも何度か述べたように、米国のメデイアはほとんどがリベラルです。その中で、特に大手新聞はすべてがリベラルです。米国のメディアのリベラル対保守を比率でいうと、代替9対1の割合です。

そのため、保守派が何かをいっても、ほとんどがリベラルメディアによってかき消されてしまうというのが現状です。そのため、私達日本人などは、リベラルメディアによる報道のみに接しているため、米国の半分のリベラルの見方や考え方にせっしているわけです。

ところが、トランプ大統領が誕生したことでもわかるように、実は米国にも当然のことながら、保守派も存在するわけです。少なくとも、米国の人口の半分くらいは存在するはずです。でなければ、トランプ大統領など誕生する余地もなかったはずです。

メディアを批判するトランプ大統領

結果として、私達日本人は米国のリベラルのことはみていても、後半分の保守層のことは全く見ていないということになります。

そうして、日本のメディアは米国のリベラルメデイアの報道する内容をそのまま報道することが多いので、いつまでたっても、日本ではアメリカの半分である保守の言っていることや考えていることがわからないままなのです。

だからこそ、ブログ冒頭の記事のような報道がなされてしまうことが良くあるのです。

そうして、このトランプ氏を含めた保守派の「真珠湾」という言葉の意味は、従来とは明らかに変わっています。それについては、以前このブログに掲載したことがあります。そのブログのリンクを以下に掲載します。
やはり「中国と対決」の道を選んだトランプ政権―【私の論評】背景には米国内での歴史の見直しが(゚д゚)!
米国のドナルド・トランプ大統領(左)と中国の習近平国家主席(2017年11月9日)

この記事は、2017年12月27日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事には動画が掲載してあり、その動画ではトランプ大統領のいう「真珠湾忘れるな」の意味について説明しています。

以下にその動画と、記事の一部を引用します。




この動画では、米国では多様な歴史の見方があることを語っています。たとえば、日本のパールハーバー攻撃を卑怯なだまし討とみるのではない見方もあることを語っています。 
1941年12月7日(現地時間)、日本軍が真珠湾攻撃をした当時、アメリカのルーズヴェルト民主党政権は「卑怯な騙し討ち」と非難しました。日米両国が懸命な戦争を避けるための外交交渉をしていたのに、日本がいきなり真珠湾を攻撃してきたという見方です。 
しかし、日米交渉の経緯について知られるようになるにつれ、日米交渉を潰したのは、ルーズヴェルト民主党政権側であったことが知られるようになっていきました。 
先の戦争は決して日本の侵略戦争などではなかったにもかかわらず、アメリカのトルーマン民主党政権は東京裁判を行い、日本の指導者を侵略者として処刑しました。このことは、公正と正義を重んじたアメリカ建国の祖、ワシントンやリンカーンの精神を裏切る行為です。 
これまで戦争責任といえば、必ず日本の戦争責任を追及することでした。過去の問題で批判されるのは常に日本であって、過去の日本の行動を非難することがあたかも正義であるかのような観念に大半の日本人が支配されてしまっています。しかし、どうして戦争責任を追及されるのは常に日本側なのでしょうか。 
敗戦後の日本人が、「戦争に負けたのだから」と連合国側による裁きを甘受したのは仕方のないことだったかもしれません。しかし、歴史の真実は勝者の言い分にのみ存するのではないはずです。 
上の動画をみてもわかるように、米国では真珠湾攻撃は日米両国がそれぞれの国益を追求した結果起こったものであるとして、日本を「侵略国」であると決めつけた「日本悪玉史観」は事実上、見直されているのです。

この「日本悪玉観」を見直しているのは、あくまで米国の保守派であって、リベラル派の多くは未だに「日本悪玉観」で歴史をみています。

米国のリベラル派は、おそらく米国の人口の半分はいるとみられる保守層の「歴史観」の変貌にきづいているでしょう。かなりの脅威を感じているに違いありません。

トランプ氏の歴史観も当然ながら、「日本悪玉観」ではないので、当然のことながら、安倍総理に「真珠湾を忘れない」と語ったのも、 無論「卑怯な騙し討ち」を意味するものではないのです。

このような事実を知っていれば、日本の新聞も誤った報道をしないですんだかもしれません。

その意味では、今回の出来事は、日本のマスコミが米国の主に保守派においては、歴史観が変わって単純な「日本安悪玉観」は通用しなくなっていることに関して無知であることを露呈したともいえると思います。

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2018年1月11日木曜日

中国共産党が恐れる郭文貴を直撃 「宿敵・王岐山を絶対潰す」―【私の論評】郭文貴氏未報道は、日本メディアの偏向を暴露(゚д゚)!


郭文貴
 「ニイハオ、ニイハオ。我是郭文貴」--マンハッタンの五番街に面し、セントラルパークを見下ろす高級コンドミニアムの18階。そのフロアをまるごと所有する男が、合掌をして笑顔で出迎えた。

 男の名は郭文貴(かくぶんき)。身体は筋肉質で、胸元に山吹色のネクタイが輝く。不動産開発業や投資によって180億元(約3054億円、一昨年時点)の資産を築いた大富豪だが、初対面では礼儀正しい印象の人物だ。

 だが彼の素顔は、かつて北京五輪がらみの公共事業に食い込み、中国の情報機関である国家安全部(国安部)や公安部とも協力してきた筋金入りの政商である。2014年、親交のある国安部元副部長・馬建の失脚を前に海外へ逃亡した。

 やがて昨年春、自身が中国政府に国際指名手配を受けた前後から、郭文貴は様々なメディアや自身名義のYouTubeなどで多数の党高官のスキャンダルの「爆料」(暴露)を開始。中国政界に激震をもたらしはじめた。

 特に苛烈な攻撃を加えたのは、習近平政権第1期に党中央紀律検査委員会(中紀委)を率いて汚職摘発の辣腕を振るった王岐山(おうきざん)と、公安・司法部門のトップだった孟建柱(もうけんちゅう)だ。

王岐山(おうきざん) 写真はブログ管理人挿入
 郭は王岐山について、大手エアライン海南航空との一族ぐるみの癒着、隠し子の存在や女優との醜聞を暴露。また孟建柱についても、愛人と隠し子問題、江沢民派による権力奪取目的の秘密会合「南普陀会議(※注1)」への出席などを明らかにした。

 【※注1/習政権の成立前、江沢民派が開いたと郭が主張する秘密会議。胡錦濤の腹心・令計画の息子の暗殺が決定されたという(公的には事故死とされる)】

 内容の信憑性に疑問の声も上がるが、稀代の梟雄・郭文貴の弁才がフルに発揮されたネット動画には独特の魅力もあり、国内外の多数の中国人を惹きつけている。

 中国共産党が最も恐れる男・郭文貴。2018年、彼が採る次の一手は何か? ニューヨークで2時間にわたり本人に直撃した。

孟建柱(もうけんちゅう)
 --一連の暴露で、王岐山と孟建柱への攻撃が特に激しい理由は何でしょうか?

 「3点ある。第一は法治に反した王岐山らへの反抗だ。中紀委を握った王の権力は肥大し、反腐敗を口実にやりたい放題だった。孟建柱も警察機構・検察院・裁判所を押さえていた。連中は強大な権力を背景に国家を盗み取った「盗国賊」だ。こうした悪人どもに打撃を与えるには、秘密の暴露こそ最強の攻撃なのだ。

 第二は、私自身や大事な人たちへの迫害だ。王岐山らは私の帰国を要求し、家族と200人余りの従業員を脅迫した。彼らを守らなくてはならない。また、私の中国国内の資産の差し押さえも不当で、断固抗議する。

 第三に、私は中国の情報機関に長年協力してきたので、王岐山や孟建柱の過去を知っている。2000年代後半、馬建と当時の中紀委はすでに王や孟の乱倫や汚職を調査していたのだ」

 --仮に弱みを握られていたなら、壮絶な逆襲を受けるのは明らかなのに、王岐山らはなぜ郭さんの摘発を考えたのでしょう?

 「ここまでの逆襲は予想外だったのだろう。普通、中紀委や公安に逆らう中国人は皆無だからな。

 しかも、私は2006年の劉志華(※注2)の失脚の際も、当時の北京市長だった王岐山とやり合っている(笑)。まさか2度も逆らうとは思わなかったに違いない」

 【※注2/北京市元副市長。五輪インフラ整備に携わったが失脚。郭が籠絡していたとの説がある】

 --習政権第2期、王岐山は常務委員(党最高幹部)に残留せず、孟建柱も中央委員を外れました。暴露の影響はあると思いますか?

 「当然だ。なかでも王岐山は海南航空との癒着問題、孟建柱は彼の隠し女児と南普陀会議への参加が決定的なダメージになった」

 --他にも様々な党幹部の醜聞を公開しています。次のターゲットは?

 「それは言えない(笑)。大事なのは、私の家族や従業員や資産に害を与えているのは誰かということだ」

 --習近平の一族にも汚職疑惑があります。従来、習を直接批判していないのはなぜでしょうか?

 「習主席に善悪の評価を下すのはまだ早い。仮に彼がヒトラー式の独裁をしたり、世界の平和を乱すなら問題だが、そうではないから。私は習主席が中国の法治・民主・自由にどのような姿勢を示すか注目している」

習近平
 --一連の暴露行為の情報ソースは何ですか?

 「多くのチャンネルがある。王岐山の海南航空癒着問題を例にすれば、国安部の馬建が以前から調べ上げていた。また富豪ゆえの人脈もある。

 私は海航の幹部何人かと親しく、また日米を含めた各国に、同社の関係者と私の共通の友人が何人もいる。王ではつかみ切れない世界だろう(笑)。ただ、最も重要なソースは国安部経由で得ている」

 --党幹部が政敵の失脚を目的に情報提供する例は?

 「無数にある。習主席のスキャンダルが最も多いが、他にも様々だ。党高官の99%は問題を抱えているからな(笑)。ただ、私は他人の政争の道具にされるのはゴメンだから、それらはほぼ使わない。

 なにより、連中のリークは正義が目的ではないので嘘が交じる。私は過去の暴露において嘘を言ったことはなく、不確かな情報は使っていないのだ」

 --あなたが暴露した情報に、嘘は一切ないと?

 「ない。(昨年5月)中国の国安部の連中が私に「これ以上暴露をするな」と交渉に来たのが何よりの証拠だ。仮に私の話が嘘なら、彼らはそんなことを言わない」

范冰冰(ファン・ビンビン)
 --郭さんは昨年7月、王岐山が有名女優でハリウッドにも進出した范冰冰(ファン・ビンビン)の性接待を受けたことを匂わせ、ツイッターに「ハメ撮り現場」の写真を投稿しましたが、それは彼女の映画の一場面を切り取ったものでした。あれは嘘ではありませんか。

 「一種の「釣り」だ。画像には彼女の特徴が写っており、見る者が見れば意味がわかる。私はその証拠動画を持っている」

 --ならば、なぜ動画を公開しないのですか?

 「流せばアメリカでは犯罪になる。これはポルノの流出だ。范冰冰は(権力者の毒牙にかかった)被害者であり、加害者ではない。彼女を傷つけるに忍びない」

 --そうなのでしょうか?

 「多くの人が虚々実々の印象を受けることは理解する。だが、私が動画を持っていることは事実。それ以上に、王岐山が強大な権力を有し、傍若無人に好色にふけったことは事実なのだ。私の主張は、結論から見ればなんら間違ってはいない」

 --暴露を9か月間も続けていると、ネタ切れをしたり情報の質が下がる恐れはありませんか?

 「いくらでも語るべき情報はある。なにより、党の上層部には真の『パンドラの箱』が存在するのだが、私は現時点でそれを開けていない。彼らが最も恐れる情報はまだ公開していない」

 --公開する予定は?

 「各国の政府がそれを知りたいと言うならば、協力して答える気はある」

■取材・文/山久辺参一(ジャーナリスト)

※SAPIO2018年1・2月号

【私の論評】郭文貴氏未報道は、日本メディアの偏向を暴露(゚д゚)!

ブログ冒頭のSAPOの郭文貴氏に対するインタビューの動画の掲載されたTweetを以下に掲載しておきます。


中国外交部スポークスマン陸慷の定例会見によると、昨年4月18日、北京政府は、国際刑事警察機構(INTERPOL)を通じて、米国へ逃亡中の中国の大富豪、郭文貴(別名、郭浩雲。1967年生まれ)を指名手配しました。

郭文貴氏は、平成26年(2014年)の長者番付で、個人資産155億元(約2500億円)を所有し、それでも中国では74位の富豪です。中国共産党の金まみれの闇は深いです。

郭の「爆料」は中国内外で爆発的な注目を集めていますが、その評価に対しては真っ二つに割れています。中後の若者に多い否定派は「暴露の内容はまるでスパイ小説のよう。現実離れしている。ウソも多い」「耳目を引く話やもったいぶった言い方で注目を集めているだけだ」と疑いの目を向けています。

実際、彼の暴露には不正確なものも含まれているのでしょうが、全てを虚偽と否定することは難しいです。例えば中国の大手航空会社、海南航空が王が私腹を肥やす手段になっているという暴露です。

海南航空はこれを否定しましたが、その後、経歴不詳の「神秘の投資家」が大株主にいることが判明しました。これだけでも怪しさ満点ですが、その後の展開はさらに不可思議でした。郭の暴露後、この神秘の投資家は保有株を慈善団体などに贈与したのです。その結果、中国で最も成長力のあるこの航空会社は慈善団体が筆頭株主となっているのです。

この一事をもってみてもわかるとおり、郭の暴露がすべて現実離れしているわけではないことがわかります。中国の現実こそが現実離れしているのです。

郭を批判する者は「中国に荒唐無稽な現実があるとしても、批判者までもがそれに乗っかる必要はない」と言っているようですが、では彼らは中国に何らかの変化をもたらすことはできたのでしょうか。

米国や欧州には無数の中国民主化団体がありますが、天安門事件以来約30年間、亡命した民主活動家たちは内輪で盛り上がるだけで何の成果も上げることはできませんでした。一方、郭はたった1人でこのムーブメントを作り上げたのです。

郭文貴氏にとってはTwitterも強力な武器だ
先進国の民主主義社会において、フェイクニュースを駆使するのは許されることではありません。しかし、一党独裁の強大国に立ち向かおうとする時、きれいごとだけで勝てると思うのは愚か者でしょう。

そうしてあの魯迅も「フェアプレーには早すぎる」と喝破しています。こと中国に限っては、相手がフェアな土台に乗って初めてこちらもフェアプレーをするべきと考えるのが妥当です。

郭は「習近平には反対しない、敵は王岐山だ」と言い続けてきたましたが、これも巧妙な分断工作とみるべきでしょう。ただし、昨年8月18日のネット番組で郭は新たな姿勢を示しています。すなわち、「今秋の十九大後に習近平は政治改革を行うべきだ」。もし習近平が政治改革を行わなければ、郭の矛先は習に向かう、としていました。

怪しげな暴露とゴシップを駆使して中国の体制転換を促そうとする郭文貴。果たして今後、どのような結末を迎えるのでしょう。

このように中国内外では注目の的なのに、中国の現指導部に配慮する日本のメディアは郭文貴を全く取り上げません。日本では、昨年は「もりかけ」騒動であけくれましたが、これによって結局安倍首相が関与したという物証はいまだにあがっていません。

中国の現体制の闇は、安倍首相や現政権などとは比較の対象ともならないくらい、巨大なものです。そうして、調べればそれなりの物証があがってきます。

というより、現在の中国の体制は、民主化、政治と経済の分離、法治国家がなされておらず、この点から腐敗や悪がはびこるのは必然です。

私は、今や中国政府の報道するニュースソースよりも、郭文貴氏を含めた、ネットからの情報のほうがよほど正確だし、現実に即していると思います。

そうして、日本以外のメデイアはこれらも報道しています。かといって、中国政府からニュースソースを遮断されたという話はききません。

しかし、日本のマスコミは現指導部に対する配慮からでしょうか、これらをほとんど報道しません、このことからも日本のメディアはかなり偏向していることがわかります。

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2014年10月4日土曜日

香港、デモ反対派が学生と衝突 暴行で警官出動―【私の論評】香港のデモでみえてくる日本のメディアのお粗末さ、私たちはまだネットでしか真実を知ることができない(@_@;)

香港、デモ反対派が学生と衝突 暴行で警官出動
2014/10/3 21:33

突然、デモ拠点の九竜地区のモンコック(旺角)に現れた3千人以上のデモ反対派

2017年の次期香港行政長官選挙への民主派参加を求める大規模デモが続く香港で3日、デモ反対派3千人以上が突然、デモ拠点の九竜地区のモンコック(旺角)に現れ、学生デモ隊と衝突、暴行を加えた。警官隊が出動し、学生らを退去させた。香港島にある別の拠点のコーズウェイベイ(銅鑼湾)にも反対派が現れた。

デモ主催者は危険な状況になったとして、両拠点から退去し、最大拠点のアドミラリティ(金鐘)に集結するようデモ隊に呼び掛けた。反対派が自発的に行動を起こしたのか、動員されたのかは不明。

大規模デモが始まってから4日で1週間。香港政府は学生との対話を打ち出したが、学生らは反対派に暴行される事態を受け、政府が直ちに暴力をやめさせなければ対話は行わないと表明した。1997年の香港返還後最大の混乱となった今回のデモはさらに緊迫の度が高まった。

上の記事中太線は、ブログ管理人によるものです。

この記事は要約記事です。詳細はこちらから(@_@;)

【私の論評】香港のデモでみえてくる日本のメディアのお粗末さ、私たちはまだネットでしか真実を知ることができない(@_@;)

上の記事の太線の部分「デモ反対派3千人以上が突然、デモ拠点の九竜地区のモンコック(旺角)に現れ、学生デモ隊と衝突、暴行を加えた」。は、本当にかなり不自然です。反対派が多数いるというのなら、デモの当初から出でくるはずであり、かなり人為的なものを感じました。

そこでネットで検索してみるとやはりからくりがありました。以下の石平氏のツイートをご覧になって下さい。
石平中国情報は、まともなものが多いので、このツイートの内容は、信じて良いものと思います。この二つツイートで、反対派は香港マフィアであるということで、要するに中国政府が金で雇った連中ということです。

これなら辻褄はあいます。それにしても、反対派の妨害はすさまじいものがあります。下の動画を見ていただくと゜わかりますが、人数もかなりのものですし、やりかたもある程度統制されており、とても普通の市民には見えません。ただし、下の動画は日本のテレビのものですが、このテレビでも、反対派を市民としています。


中国政府としては、表だって弾圧すれば、国際社会から非難されたり、最悪の場合何らかの制裁を加えられることもありうるので、このようなやり方をとっているのだと思います。

一方このデモに関しては、日本国内では、不思議な報道をする新聞もありました。その新聞紙面の写真を以下に掲載します。



産経新聞ですら3面の一部の記事としてしか扱っていない香港の民主化デモを、何故か琉球新報が1面トップ記事として大きく扱っています。これは、どうしたことでしょうか。

要するに、独立反対派が大勢いることを印象付けたのでしょうが、これもかなり矛盾しています。

琉球新報は、沖縄においては、沖縄独立派が多数であるかのような印象操作をし、香港に関しては独立反対派が多数であるかのような、印象操作をしています。

この背景にあるのは、中国共産党としか考えられません。流通新報は、完全なる中共のアジビラ以外のなにものでもないということです。

それにしても、日本ではテレビでも、新聞でも、デモの反対派を市民扱いしています。それにしても、日本のメディアは、この件に関して、不自然さや、人為的なものを感じたりしないのでしょうか。

日本のメディアは、まだまだ、中国の言いなりなのだと思います。

デモの反対派が、香港マフィアであるという事実を日本のマスコミはいつになったら報道するのでしょうか。これによって、どこのメディアがまともで、どのメディアがまともでないかを、見分けることができるかもしれません。

それにしても、日本のメディアのお粗末さはまだまだ是正されておらず、結局私たちはまだネットでしか真実を知ることしかできないのかもしれません。

本当に困ったものです。

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