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2020年3月19日木曜日

米国家安全保障会議、中国が「武漢コロナウイルス」を食い止めていないと声明で非難―【私の論評】反グローバリズムで中国は衰退し、新たな秩序が形成される(゚д゚)!

米国家安全保障会議、中国が「武漢コロナウイルス」を食い止めていないと声明で非難

習近平

国家安全保障会議(NSC)は17日、中国共産党がジャーナリストを国外に追放し、中国が起源となったウイルスを止めることに集中するのではなくその起源に関する偽情報を広めていることを非難した。

「中国と香港からジャーナリストを追放するという中国共産党の決定は、中国国民と世界から同国に関する本当の情報へのアクセスを奪うことに向けてのまた新たな一歩である。米国は、中国の指導者がジャーナリストを追放することと、武漢コロナウイルスを食い止めようとする全ての国に対して偽情報を広めることから関心を向け直すことを求める」とNSCは声明で述べた。

NSCの声明は、中国がニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウォールストリート・ジャーナルの米国人ジャーナリストを追放すると発表したことを受けてのものだ。

「(中国共産党は)また、ボイス・オブ・アメリカ、タイム・マガジンを含めたそれらの報道機関が、中国政府に活動の詳細情報を提供するよう要求した。発表ではさらに、現在中国本土で活動する米国人ジャーナリストは、『香港とマカオ特別行政区を含む中華人民共和国でジャーナリストとして活動することを許可されなくなる』としていた。2つの地域は半自治区であり、理屈の上では本土よりも報道の自由が大きかった」とニューヨーク・タイムズは報じた

「世界が自由な報道活動を行う能力を中国が今日締め出すと決定した事を遺憾に思う。そうした活動があれば率直にいって中国国民にとっては本当に有益になるのだが。これは残念なことだ。彼らが再考することを願う」とマイク・ポンペオ国務長官は報道陣に語った。

ニューヨーク・タイムズのディーン・バケット編集長は中国の措置を非難し、「コロナウイルス・パンデミックに関する確かな情報が、自由で開かれた形で流通することを世界が必要としている時に、ことのほか無責任である」と述べた。

ワシントン・ポストのマーティン・バロン編集長は、「我々は、米国人記者を追放するための中国によるいかなる措置も明白に非難する。中国政府の決定がとりわけ遺憾であるのは、COVID-19に対する国際的な対応に関する明確で信頼できる情報が不可欠な、前代未聞の世界的危機の只中でのものであるためだ。その情報の流れを大幅に制限するという、現在中国が行おうとしていることは、状況を悪化させるだけだ」と述べた

ウォールストリート・ジャーナルのマット・マレー編集局長はツイートでこう述べた。「中国の報道の自由に対する前代未聞の攻撃は、前例のないほどの世界的危機の時に行われているものだ。中国から同国に関して信頼できる報道を行うことは、この上なく重要なものだった。我々は世界のどこであっても、政府が自由な報道に干渉することに反対する。中国について完全に深く報じることに対する我々の深い関与は不変だ」


ウォールストリート・ジャーナルのマット・マレー編集局長

中国はコロナウイルスの起源に関する偽情報を広めることを目指した必死のプロパガンダ活動を開始している。

外交問題評議会の上級研究員でアジア研究部長のエリザベス・C・エコノミーは、ニューヨーク・タイムズに、「習近平にとっての危機は、ウイルスが世界的に広がる中で、タイムリーな対応を遅らせることにおいて中国の統治制度が果たした役割が、国際社会からますます監視と批判を浴びることだ」と語り、プロパガンダは「責任を逸らし、何が本当に起きたかについての国際社社会からの誠実な釈明要求を避けるための、習による苦肉の策」であると述べた。

【私の論評】反グローバリズムで中国は衰退し、新たな秩序が形成される(゚д゚)!

中国が恐れているのは、世界の中国を見る目が変わることです。現状では、未だ武漢コロナウイルスが蔓延しているため、各国政府も、個々の国民もこれに対応することで精一杯で、中共を非難するよりもまずは、病気を食い止めることに注力しています。

しかし、これが一旦小康状態になるか、終息すれば、多くの人々から中国共産党や習近平に対する怨嗟の声があがるでしょう。

以前のこのブログにも掲載したように、
親しい人、愛する人を失った人々、感染してひどい目にあった人たち及びこれらに惻隠の情を禁じえない人々は、この不条理を生涯忘れないでしょう。自分の過ちを認めない、上から目線の中国共産党に対しては、世界中の多くの人々がこれを認めないでしょう。米国の対中国冷戦は、世界中の多くの国民から支持されることになるでしょう。 
たとえ、自国の政府が親中的であったにしても、支持するでしょう。
このような事態に遭遇した人たちは、ウイグルやチベットの人々に対してもさらに深い理解を示すようになるでしょう。迫害されている他の中国人民の気持ちも理解できるでしょう。
そもそも、中国共産党や習近平は巧みに論点をすり替えています。そもそも、武漢コロナウイルスの発生源など主たる問題ではないからです。発生源がどこであろうと、中国共産党が、武漢コロナウィルスによる肺炎が発生しているにもかかわらず、それを中国国内や海外に対してさえも隠蔽したことが問題なのです。

この隠蔽さえなければ、国内では武漢市内、もしくはもっと極限された地域だけで、感染を食い止められたかもしれません。そこまでいかなくても、中国国内だけで感染が食い止められた可能性が大きいです。特に、世界各国の支援を受け入れ、早めに防疫体制を整えていれば、今日のような事態を招くことはなかったでしよう。

しかし、中共が隠蔽したため、多くの国々が武漢コロナウイルスの備えを固めることができないうちに、侵入を許してしまったという、事実があります。この事実は、変えようがありません。

この隠蔽の事実と、世界に武漢コロナウィルスが蔓延しつつある事実は、中共がいくら発生源で論点をすり替えようとしても変えようがありません。

先に述べたように、今後武漢コロナウイルスの世界への伝播が小康状態になったり、終息した場合には、世界は大きく変わるでしょう。

それは、過去の世界史をみてみれば、わかります。たとえば、 強大な軍事力を背景に北はスコットランドから南はシリアまでを領地に繁栄をつづけたローマ帝国の衰退の一因に「疫病」がありました。

皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌス(121~180)のお抱え医師、ガレノスが当時蔓延した疫病について詳細な記録を残していました。この疫病は165年から167年にかけてメソポタミアからローマに到達したとされています。

皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌス(121~180)の像

この疫病では、多くの患者が血を吐いたされています。病人の顔が黒くなれば葬式の準備を始めたほうがいいともいわれたそうです。もちろん治る患者もいました。「黒い発疹」が出れば生き延びる可能性があったそうです。この疫病は、今では天然痘だったのではないかと見られています。総死亡者数は1000万人を超えたのではないかと推定されています。ローマでは毎日2000人が死んだともされています。

ローマ軍の軍人たちも罹患し、軍がガタガタになりました。それに乗じて一時はゲルマン人がローマにまで攻め込んできました。最終的には押し返したのですが、ローマ帝国の最強神話がぐらつくきっかけになりました。

皇帝マルクス・アウレリウスもこの病気で死んだといわれています。『ローマ帝国衰亡史』で知られるギボンは、「古代世界はマルクス・アウレリウス統治時代に降りかかった疫病によって受けた打撃から二度と回復することはなかった」と書いています。

このように、大きな疫病は、昔から流行した後に、世界を変えています。今回の武漢コロナウイルスによっても、終息後には世界は大きくかわるでしょう。

まずは、中国自体の弱化です。

武漢市の全面閉鎖に象徴される社会機能の麻痺により当然、経済は落ち込むでしょう。その結果、軍事に投入される国家資源も相対的に減ることになります。なにしろ国民多数の国内での移動や就業自体が大幅に制限されたのですから、総合的な国力が削られるのは自明です。

次に、中国をみる世界の目の変化です。

上でも述べたように、世界の多くの国は習近平政権が当初、ウイルスの拡大を隠し続けたことを非難しました。国際社会のそうした非難は当然、中国の孤立傾向を強めることになります。伝染病の流行までも隠蔽しなければならない独裁政権の異様な体質への国際的な忌避や嫌悪だともいえます。

そもそも中国はいま全世界を苦しめる武漢コロナウイルスの発生地であり、加害者です。日本も米国もそのウイルスから自国民を守るためには中国との絆を断つ動きをとらざるを得ないのです。

日本をはじめ多くの諸国が中国からの来訪者を入国制限をしました。これは、自国民保護のための自衛の防疫措置でしたた。しかし、その結果は中国との交流の縮小となり、中国は世界のなかで孤立に向けて押しやられることになりました。

三番目は、グローバリゼーションの変化です。

このウイルス拡散がグローバル化を阻み、縮小させる影響である。

グローバリゼーションとは、国家と国家の間で人、物、カネが国境を越えて、より自由に動く現象を指します。そのグローバル化は貿易の実例でも明らかなように世界全体、さらには人類全体に数えきれない利益をもたらしてきました。ところがそのグローバル化にも光と影がありました。

ウイルス感染症が中国から他の諸国へとすばやく拡大していったのも、グローバル化の産物でした。この危険なウイルスの国境を越えての拡散を防ぐためには、国境の壁を高く厳しくする措置が欠かせなくなります。国境を高くすることはグローバル化への逆行です。

米国のトランプ大統領は選挙公約にもはっきりとグローバル化への反対をうたっていました。トランプ大統領は、主権国家の重要性を強調した政治リーダーなのです。その米国で中国発生のウイルスへの対策として、中国との絆の縮小や遮断を説く声が起きるのも、自然な流れです。

このブログでも以前、トランプ政権のウイルバー・ロス商務長官は「このウイルスの拡散は雇用を北米へ戻すことを加速させる」と述べて、批判されました。

ウイルバー・ロス商務長官

仮にも中国の多数の国民を苦しめる感染症を米国の雇用を増すプラスの出来事として描写したことの不謹慎さを非難されたのです。ところが、今回のウイルス拡大がこれまで中国へ、中国へ、と流れていたアメリカ国内の生産活動の移動を元に戻す効果があることはまぎれもない事実です。

トランプ政権はウイルス拡散の以前から中国との経済関与を減らすことを政策目標にしていました。中国共産党政権の国際規範無視の膨張に反対するためでした。

ところが、このウイルス拡大はそのアメリカ主導の脱中国の動きを加速させ、中国に重点が移りかけていた全世界のサプライチェーンまでにも正面からブレーキをかけられることになったのです。まさにグローバリゼーションの大きな変化でした。

すでにコロナウイルスの感染者が多数出たイタリア、イラン、韓国などという諸国も多様な方法で中国との関与や接触を断つ方向への措置を取り始めました。グローバル化への逆行です。

ただし、このブログでも以前述べたように、中国の過剰貯蓄が世界の経済を変えてしまったところがあります。これが、グローバリゼーションの変化により是正される可能性があります。

1990年代末から顕在化し始めた中国に代表される新興諸国の貯蓄過剰が、世界全体のマクロ・バランスを大きく変えてしまいました。リマーン・ショック後に生じている世界経済のマクロ状況は、その世界的貯蓄過剰は、それまでとは異なるものです。

各国経済のマクロ・バランスにおける「貯蓄過剰」とは、国内需要に対する供給の過剰を意味します。実際、中国などにおいてはこれまで、生産や所得の高い伸びに国内需要の伸びが追いつかないために、結果としてより多くの貯蓄が経常収支黒字となって海外に流出してきたのです。

このように、供給側の制約が世界的にますます緩くなってくれば、世界需要がよほど急速に拡大しない限り、供給の天井には達することはありません。世界中で供給制約の現れとしての高インフレや高金利が近年の先進諸国ではほとんど生じなくなったのは、そのためです。

この「長期需要不足」の世界では、財政拡張や金融緩和を相当に大胆に行っても、景気過熱やインフレは起きにくいのです。というよりもむしろ、財政や金融の支えがない限り、十分な経済成長を維持することができません。

ひとたびその支えを外してしまえば、経済はたちまち需要不足による「停滞」に陥ってしまうからです。それが、供給の天井が低かった古い時代には必要とされていた緊縮が現在はむしろ災いとなり、逆に、その担い手が右派であれ左派であれ、世界各国で反緊縮が必要とされる理由なのです。

中国の過剰生産は、凄まじいものがあります。先進国などでは、とうに倒産したようなゾンビ企業が、中国政府から補助金等の支援を受け製造を継続し、製品をつくりまくり、輸出をし続けたのですから、世界も供給過剰になるわけです。

しかし、今回の武漢コロナウイルスの蔓延をきっかけに、各国が中国から輸入を減らせば、世界の供給過剰はなくなるわけですから、世界経済は従来よりは良くなる可能性が高いです。

無論短期では、様々な問題が生じるでしょうが、それは決して克服ができないような問題ではありません。何しろ、中国が製造できるものは、先進国ではすべて製造できるものがほとんどだからです。ただ、自国で製造するよりも安いといういう理由で輸入してきただけです。

とはいいながら、世界は、グローバル化の恩恵を完璧に捨て去ることはできず、自由貿易のルールを守れない中国とその他の少数の例外的な国々が貿易圏をつくりその中で貿易を行い、他方では、自由貿易ができる先進国等の国々が貿易圏をつくり、その中で自由貿易を行うというように、変わっていくと思います。

ただし、自由貿易のルールが守れない、中国や他の国々など、徐々に衰退していき、いずれ消滅するのではないでしょうか。ただし、それらの国々も国民がいるわけですから、それらの国民が新たな国を設立して、自由貿易ができる国を目指すことになると思います。その時は、また世界はグローバル化の時代を迎えることになるでしょう。

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2017年2月5日日曜日

在日支那人「反アパホテル」デモ 対抗団体も登場、休日の新宿が混乱―【私の論評】支那はコントロールしてはならないものをし続けやがて衰退する(゚д゚)!

在日支那人「反アパホテル」デモ 対抗団体も登場、休日の新宿が混乱

アパホテルに向けて行進する在日支那人の団体=5日午後、東京都新宿区
ホテルチェーンのアパホテルが「南京大虐殺」などを否定する書籍を客室に備えているとして、支那当局が猛反発している問題で、日本在住の支那人らが5日、東京都新宿区で同ホテルへの抗議デモを実施した。現場周辺にはデモに抗議する団体メンバーも多数詰めかけ、休日の新宿は混乱した。

 デモを行ったのは、このデモのために結成された日本で生活している支那人企業経営者、会社員らで作る「中日民間友好委員会」。約300人(主催者発表)の参加者が午後3時から、新宿中央公園から新宿御苑に近い同ホテル周辺まで行進した。「中日友好」「民族の尊厳を守る」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げながら道路を歩いたが、シュプレヒコールを上げることはなかった。

 デモには抗議する右翼団体の構成員らが併走。「JAPANが好きだ」と書かれた横断幕を奪い取ろうとしたほか、デモに飛びかかろうとして、警戒に当たっていた警察官に静止される場面が何度も見られた。

 デモを主催した来日10年になるという支那人女性は「(周囲の)みなさんにはご迷惑をおかけした。今回声を上げたのは勇気ある支那人だ」などとコメント。年齢や名前などは明らかにしなかった。

【私の論評】支那はコントロールしてはならないものをし続けやがて衰退する(゚д゚)!

アパホテルに向けて行進する支那人団体
この在日支那人らによるデモは、あっけないほどに淡々としたものだったようです。このデモには支那政府が関与しているものと考えられますが、さすがに支那政府にも最近の世論調査の内容が影響しているものと考えられます。

内閣府が昨年3月12日付で発表した「外交に関する世論調査」によると、支那に「親しみを感じない」と答えた人が前年比0.1ポイント増の83.2%に達し、昭和53年以降で過去最高となりました。やはり、尖閣諸島(沖縄県石垣市)など東シナ海での高圧的な海洋進出、南シナ海での傍若無人な振る舞いなどを背景に支那への不信感は頂点に達しています。

主要国への親近感推移(「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」の合計)
また、習近平が主席になって以来、支那国内では反日デモがほとんど起こらなくなりましたが、なぜそのようなことになったかといえば、反日デモを放置しておくとほとんどの場合いつの間にか反政府デモになってしまうという現象が続いたからです。

いわゆる支那の反日デモ多くは、官製デモであることが多かったのですが、官製デモにも多くの一般人民が参加して、加熱するといつの間にか反政府デモになってしまうという現象も続きました。そのため、政府がいわゆる反日デモ規制したため、反日デモが影を潜めてしまったのです。

2010年より以前には、支那国内にはかなり多くの反日サイトがありましたが、これも放置しおくと、いつの間にか反政府的書き込みが増え、反政府サイトのようになってしまうという現象が続いたにので、2010年以降から政府が規制するようになったので、現在支那にはいわゆる反日サイトがなくなってしまいしまた。

日本在住の支那人による北京オリンピックの聖火リレー応援
これは、国威発揚のため支那政府が行ったもの
支那政府としても、北京オリンピックの長野での聖火リレー応援のような、大量の人員を集合させ、支那の旗を大勢が振り回すようなことをすれば、日本国民の支那に対する感情がさらに悪化するおそれがあることと、日本国内でも大掛かりなデモをすれば、これがいつの間にか反支那政府デモになってしまうことも恐れたのだと思います。

日本などの外国で支那人が反政府デモを行えば、支那の威信にも大きく傷がつく可能性もあります。それを支那政府がおそれたため、あまり過激なものにはしなかったのでしょう。

しかし、たとえそうであったとしても、支那人による「アパホテル抗議デモ」を 容認した警察、法務省や関係各省を我々日本人は平然と見過ごしてはいけないです。 ここは「日本国」です。 反日プロパガンダによるデモを 公然と許すべきではないのです。 

今回このデモを主催した「中日民間友好委員会」なる団体は、デモの届けをして許可されているのです(下写真が許可書)。これは外国人主導による、一企業へのデモが許可されたということです。このような前例が出来たら、今後恐ろしいことになる可能性もあります。


それにしても、警察はなぜ許可したのでしょう。本来許可すべきではないのでしょうが、 今回の許可によって、国内に潜む危ない支那人、及びそのシンパの日本人をおびき寄せて顔写真付きのリスト化ができます。おそらく公安警察はこのチャンスを捉えてそのようなことを密かに行っているものと思います。それに、支那人の危険性を日本人に啓蒙する事にもなると思います。

1民間企業の経営者の書いた書籍がその経営者の経営しているホテルに置かれていることを問題だとして、仮に一国の政府が批判し、それに加えてこのようなデモも開催するというのですから、本当に支那は狂っています。

日本をはじめとする、まともな先進国ではさすがにここまでのことはしません。やはり、支那は常識が欠けているのです。本来外国の一民間企業の行動などコントロールすべきではないし、そもそもしようと思ってもできません。

支那政府はコントロールしてはならないものをコントロールしたことによって過去に何度も失敗しています。それについては、以前このブログにも掲載したことがあります。

その記事のリンクを以下に掲載します。
【お金は知っている】支那 止まらぬ資金流出、人民元の下落 習政権の慢心が自滅招く―【私の論評】行き着く先は超元安とハイパーインフレしかない支那経済(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より以下に一部を引用します。
支那政府は、農民から収奪した土地を工業団地や商業地などに転換して不動産バブルを演出したにもかかわらず、供給が需要を大きく上回ってマンションやショッピングセンターが「鬼城(ゴーストタウン)」だらけになってしまいました。そこで習近平政権は投機の受け皿を不動産から株にシフトし、株投資を煽って株高に誘導しました。不動産の次は株の官製バブルを演出しました。
ところが、それは元々政府のやるべき仕事ではありません。株価は、将来得られるであろう企業収益の現在価値です。本来企業の業績が良くならない限り、株価は上がらないのです。その本質を支那政府は理解せず、株式市場にカネを突っ込んで、なりふり構わぬPKO(株価維持策)を続けました。しかし、支那企業の業績は伸びていないのですから、当然の結果として株価は2015年夏から下落し始めました。
すると今度は大量保有株主の株式売却を半年間禁止し、違法売買の摘発を強化しはじめました。しかし、株価が下がっている時に株を売れないことほど株主にとってストレスになることはありません。そのため、大量保有株主の株式売却解禁と同時に株価は大幅に下落しました。株価の急変時に取引を停止する「サーキットブレーカー」制度を新設後5日間で2回も発動したのですが、それがまた呼び水となって、さらに株価は下落するという悪循環に陥ってしまいました。
突然の株価下落で唖然とする上海市民
これら一連の動きから、世界中から支那政府は資本主義経済を全く理解してないという事実が露呈ししてしまったので、現在世界中がある種のパニック状態に陥っています。支那政府は欧洲がやっているような感じのつもりで上へ下へと支那経済をコントロールしようとしてきたつもりなのですが、いまやヨーヨーの紐が伸びきったように何をもってしてもコントロール不能になってしまったのです。
考えてみれば、そもそも、南シナ海を埋め立てて支那の軍事基地にするという発想も、領土問題など存在しないのに日本の固有の領土である尖閣諸島を自国の領土であると主張したりすることも、本来コントロールしてはならいないものをコントロールしようとしているということです。

アパホテルに対する批判もこれと同じです。しかし、懲りない支那です。これからも、コントロールしてはならないものをコントロールしようとして、何度も失敗して反省することもなく、やがて衰えて消えていくのでしょう。

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2017年1月10日火曜日

人手不足は金融緩和による雇用改善効果 さらに財政政策と一体発動を―【私の論評】年頭の小さな変化に気づけない大手新聞社は衰退するだけ(゚д゚)!

人手不足は金融緩和による雇用改善効果 さらに財政政策と一体発動を

このような表示をする小売業もちらほら出てきている

 年末年始は人手不足などの事情で宅配便の遅配が生じたという。また、ファミリーレストランでは24時間営業をやめるところも出てきている。

 筆者は日用品でも宅配便を利用しているが、たしかに筆者のところへの宅配便も遅れた。それほど緊急性のないものだったので別に気にしなかったが、到着予定日より2日ほど遅れたものもあった。

 百貨店も昔は元日営業が当然だったが、元日は休みで2日から初売りも多くなり、一部では3日から初売りというところも出てきている。さらに三が日は休業し4日からの初売りを検討するところもある。これらの正月休業の動きは従業員に配慮する観点からとされている。

 いずれも人手不足感が出てきた証拠であり、これまでアベノミクスで金融緩和を続けたことの成果だといえる。

 こうした状況は筆者が勤める大学の周りでも確認できる。

 大学の新卒者は既得権を持っていないため、そのときの雇用環境によって大きく就職率は左右される。

 振り返ってみると、民主党政権時代の就職率はひどかった。筆者の所属している大学では、第3次産業への就職が多いが、就職できれば御の字であり、賃金等の労働条件は二の次だった。その当時、雇用市場では買い手の企業が有利であり、ブラック的な企業でも採用が可能だった。

 ところが、安倍政権になってから雇用環境が劇的に改善した。今では雇用市場は売り手の大学側の方が有利になっている。このため、学生たちの間で「あの企業はブラックだからやめよう」という会話が普通に出てくるようになった。民主党政権時代にはありえなかった話だ。

 実際、労働条件の厳しすぎる企業は敬遠される傾向になっている。これは望ましいことだ。多くの左派識者が声を大きくして、労働条件の改善を叫ぶより、金融緩和を行って雇用環境を良くすることの方が、はるかに労働条件を改善できるのだ。左派識者は相も変わらずアベノミクスの金融緩和を否定しようとするが、その知識の軽薄さに笑ってしまうほどだ。

 もっとも、筆者はこれまでの金融緩和を評価するが、さらに一段の金融緩和をしなければいけないと考えている。たしかに、一部業種では人手不足が生じ、労働条件の改善という動きになってきた。ところが、経済全体ではまだ失業率を下げられる。

 具体的には直近の3・1%から2・7%まで下がるはずだ。そうなれば、経済全体で人手不足感が出て、賃金も上昇し始めるだろう。雇用者の可処分所得を高めて消費を刺激することが、景気回復にも必要である。

 ところが、現在の日銀は金利の目標を管理するが、積極的な追加緩和に対しては消極的だ。

 そこで、財政政策(国債発行)の出番だ。財政政策と金融政策が一体的に発動されれば、日本経済にとっても好都合となる。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】年頭の小さな変化に気づけない大手新聞社は衰退するだけ(゚д゚)!

上記の記事をみていて国債発行は、借金をさらに増やすだけなどとする方もいらっしゃると思いますが、その認識は間違いです。もうすでに日本政府の借金はありません。それについては、昨年のこのブログでも掲載しています。その記事のリンクを掲載します。
蓮舫氏が語る経済政策 実行されたなら景気低迷で雇用改善はブチ壊し―【私の論評】財政再建はすでに終わっていることを知らない民進党に先はない(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では財政再建はもう終了しかけていることを掲載しました。以下に一部引用します。
まずは、以下は統合政府純債務残高の推移を示したものです。統合政府とは、日銀と政府をあわせたもので、これを企業で言えば、連結決算をするように、統合して決算したものから、統合政府純債務高の推移をグラフ化したものです。
このグラフから日銀の金融緩和政策の国債の買い入れによって、純債務残高が、2014年度でも政府純債務GDP比は35%まで減少していたことがわかります。 
さらに、下のグラフは、統合政府の債務残高の予測まで含めた推移を示したものです。
日銀が国債を買えば買うほど統合政府の政府純債務は減ります。 
日銀の年80兆円の国債買い入れペースだと、2017年度には純債務から、純資産になるため、財政再建は完璧に終了することになります。実質的には、2016年度中に終了するか、2016年半ばを過ぎている現在もうすでに終了したと言っても良いくらいです。
このような状況ですから、現在財政政策として国債発行をしたからといって、さらに借金が増えるなどと心配する必要は全くないわけです。

これに関しては、高橋洋一氏を含めたまともなエコノミストは皆同じようなことを言っています。私自身もこれについては、実際に自分で計算して確かめたことがあります。その計算過程を掲載し記事のリンクを以下に掲載します。
「国の借金」巡るホラー話 財務分析すれば怖くない―【私の論評】鳥越より悪質な都市伝説が現実になる新手の辛坊らの発言には気をつけろ(゚д゚)!
国の借金1000兆円などとは、全く都市伝説のようなものであり、真夏のホラー話と同じようなもの

詳細は、この記事を読んでいただくものとして、この記事では、2014年の政府債務を日銀も加えた連結のBSで計算しました。その結果は、政府純債務GDP比は35%まで減少していたことが示されました。実数としては、160兆円程度です。

国の借金1000兆円などというのは、全くのまやかしであるに過ぎないことがわかります。財政再建が、完璧に終了して、いるであろう2017年の4月には、どうみても消費税増税などする必要性などないわけです。

国借金1000兆円を真に受けて、10%増税など実行してしまえば、日本のGDPの60%を占める個人消費が低迷しせっかくの金融緩和による雇用状況の改善も帳消しにされてしまうだけです。

今年年明けの新聞をみていると、このような見解はもちろん掲載されていませんし、とんでも経済記事が散見されました。

まずは、日経新聞に関しては、正月そうそうから、構造改革を最優先すべき記事が掲載されていたので、正月の初笑ができました。そもそも、構造改革をするななどとはいいませんが、現状のまま、構造改革をしたとしても、金融政策と財政政策の景気循環的対策が十分でないうちに改革したとしても、それで経済が良くなるとはとても思えません。

順番が逆です。景気循環的対策が終わって十分経済が上向いたときに、構造改革を実行すれば良いのです。景気循環的対策なしに、構造改革を断行すれば、とんでもないことになります。

それと、朝日新聞もとんでもない記事を掲載していました。これについては、経済学者の田中秀臣氏が、その内容とそれに対する反論を掲載した記事のリンクを以下に掲載します。
朝日編集委員の「経済成長が例外」という主張こそ、むしろ例外
田中秀臣氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から結論部分のみを以下に掲載します。
 経済危機からの完全雇用の達成には、経済の拡大が必要である。経済が拡大する中で、財政が改善し、それによって社会保障の基盤も充実していく。そればベヴァリッジの基本構想だった。つまり福祉社会は完全雇用をもたらす経済成長とは矛盾しないのである。矛盾しないどころか、完全雇用は福祉社会の重要な核である。

 また原氏は論説でGDP懐疑論や低成長「正常」論を唱えているが、日本ではこの種の議論のときにしばしば援用される、『スモール・イズ・ビューティフル』という本がある。著者はエルンスト・フリードリッヒ・シューマッハー。本の題名からもわかるように、彼は富の追求自体に重きを置く経済成長論に否定的だった。

 だが、ここでもシスモンディやベヴァリッジ同様に忘れてはならないことがある。シューマッハーは、ケインズの経済学に多大な影響をうけた「雇用重視の成長」論者であるのだ。シューマッハーとケインズ、ベヴァリッジはそれぞれ生前に面識があり、社会保障の拡充と完全雇用の達成という現代の福祉社会論の構築に大きく貢献した。ベヴァリッジに雇用の重要性を教えたのは、ケインズの影響をうけたシューマッハーであった。

 ここまでお読みいただくと、原真人氏に代表されるような低成長「正常」化=GDP懐疑論者が、いかに一面的なものかがおわかりいただけるだろう。それに対して、富の追求ではない、人間の価値を追求してきた経済学者たちの多面的で、豊かな経済認識の格闘があったことも。

 アベノミクスを建設的に批判するなら結構である。それはそれで得るものがあるだろう。だが、残念ながら原氏の論説からは、単なるトンデモ経済論の音しか聞こえない。
この朝日新聞の論評に関しては、ジャーナリストの菅野完氏はツイッターで「『経済成長は、弱者救済の最低条件』と言い切れない連中は、目を噛んで死ねばいいと思う」と原氏を痛烈に批判しました。

「朝日の使命というか、社会的に求められる期待というか、役割は、『低成長をみんなで受け入れよう』と呼びかけることではなく、『賃金上げろ!労働環境改善しろ!』と訴えることだろう。そして、賃上げ、労働環境改善、財政出動こそが、成長に繋がるんだ。他の国にできて、日本にできんことないだろう」

そして、朝日新聞の社会的役割を踏まえ、「『朝日が経済成長に懐疑的になる』ことは、社会的な害悪なのよ」と訴えた。また、労働法政策に詳しい濱口桂一郎氏も、原氏の論説を「腹ふくれ満ち足りたブルジョワの息子の手すさびみたいな議論」だと酷評しています。

ちなみに、高橋洋一氏もこの朝日新聞の論評について厳しく批判しています。その記事のリンクを以下に掲載します。

高橋洋一氏 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から結論部分のみを以下に掲載します。
昨年に日銀は金利管理に移行した。これは、金融緩和に対し積極的ではなく受け身になったことを意味する。この方式では金融政策が財政依存になる。政府が国債を発行しないと金利が下がる。それを日銀が引き上げると金融引き締めになりかねないが、政府が国債を発行すれば逆に金融緩和になるという具合だ。 
そうした状況では、財政政策の出番(国債発行)であり、そうなれば、財政・金融一体発動になって、日本経済に好都合となる。 
幸いなことに、日本の財政問題も、現時点で考慮しなくてもいいくらいだ。この点は、本コラムで再三指摘してきている。 
さらに、国債を発行して財源調達すべき分野も、法律改正が必要だが、教育など未来への投資と言われる分野で多い。金利環境がいい現在は、未来への投資に事欠かない状況である。 
というわけで、未来への投資として、国債発行による財政出動(自動的にこれは金融緩和にもなる)をすべきというのが、失業を増やさないための筆者の解である。 
朝日新聞の論評が文中で言及しているシェアリングエコノミーは経済成長を促進するものであるため、朝日新聞の主張は支離滅裂になっている。いっそのこと、そういた新しい動きを利用するとともに、政府に国債発行による教育支出増などを提言し、さらに経済成長して、貧困をさらになくせという言うべきなのだ。
朝日新聞の記事は、読みたい方はよまれても良いとは思いますが、これを読むのは時間の無駄です。このようなものを読むくらいなら、田中秀臣氏の記事や高橋氏の記事を読まれたほうが余程有意義だと思います。

朝日新聞などの日本の大手紙がどのようなトンデモ経済論を掲載しようとも、現在の日本雇用は間違いなく改善されて良くなっています。それが、最近の高校や大学新卒の就職率の良さで実証されています。そうして、今年の年始の様々な業界で人手不足によっても実証されています。

今年の年頭の人手不足という一見小さくみえる現象は、将来の大きな変化の前触れだと思います。この変化に気づきそれを利用できる人と、利用できない人との間にはこれから、大きな差異が生まれていくものと思います。

そうして、日経新聞や朝日新聞などは、当然のことながらこのような小さな変化に気づかないことでしょし、それを利用することもできないでしょう。このようなことに気づかない人は、この小さな変化が大きな変化になってはじめて気づきます。しかし、その時は手遅れです。

日本の大手小売業の失敗は、POSなどを導入して顕在顧客のことを熟知したものの、潜在顧客を知ることを疎かにしたことです。

日経新聞や朝日新聞も、購読層が減少し続けています。おそらく、潜在顧客のことなど何も考えていないのでしょう。潜在顧客の情報も集め良く考えれば、おのずと小さな変化にも気づくはずです。しかし、あいかわらず、気づいていないようです。

私たちは、そうはなりたくないものです。

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2016年7月1日金曜日

【痛快!テキサス親父】グローバリズムは「エリート集団が富独占」の構図 英国民は「ノー」明確にした―【私の論評】国民国家を蔑ろにする国々の衰退が始まる!英国EU離脱はその序曲(゚д゚)!

【痛快!テキサス親父】グローバリズムは「エリート集団が富独占」の構図 英国民は「ノー」明確にした

写真・図表はブログ管理人掲載 以下同じ
ハ~イ! みなさん。

犬や猫がマーキングで自分の縄張りを主張することは、みなさんもよく知っていると思う。野生動物の群れに他の群れが近づくと、自分の群れを守るために命がけで排除しようとする。すべての生物にはテリトリーがあり、それを本能的に守ろうとするものだ。

英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票で、離脱派が勝利した。これは単に主権国家(=英国)が主権を侵害する連合体(=EU)から身を引くことではない。際限のないグローバリズムに対し、英国民が「ノー」を明確にしたのだ。簡単に言えば、国境を撤廃しようとしたのは間違いで、自分たちのテリトリーは自分たちで守るということだぜ。

グローバリズムの初期は、国家間の貿易障壁を取り除くものだった。それが、いつの間にか多くの国家を1つの政府でコントロールするようになった。ベルギーの首都ブリュッセルにある欧州委員会(=EUの行政執行機関、EUの政府)は、加盟国国民の細々な生活まで取り仕切り始めた。

加えて、EUは域内の人々の移動を緩和し、中東からの大量の難民を加盟国に引き取らせた。英国の国民は、移民や難民による急激な犯罪率の上昇や、彼らの社会保障に多額の税金が使われることを目の当たりにして、これらを止めようと決意したわけだ。

「反グローバリズム」の流れは、わが米国にもあるぜ。米大統領選で、共和党の候補者指名を確実にした不動産王のドナルド・トランプ氏は、グローバリズムについて以下のように語っている。


「われわれが、こうなってしまったのは、国民にとって何が最もいいのかを考えてきた米国精神から、グローバリズムに切り替えたからだ。いかに大企業が金銭的に潤うかに焦点を当て、富や仕事を外国に移し、すべての経済的損失を米国に押し付けたからだ。グローバリズムの波が、米国の中流階級を絶滅させる」

その通りだぜ。

グローバリズムは、真面目な人々が一生懸命に働いて得た富を、働く意欲のない「タカリ屋」たちに分け与えるようなものだ。「世界は1つの家族」なんて耳当たりのいい言葉でダマしているが、善良な人々から搾取して生活レベルを下げさせたうえで、世界を支配する一部のエリート集団だけが富を独占する構図といえる。

本来の意味でのグローバリズムが実現するのは、映画「インデペンデンス・デイ」のように、地球外生命体が侵略を仕掛けてきて、人類が一致団結して戦わざるを得なくなったときだけだぜ。まあ、そんなときも、地球外生命体側に寝返る、裏切り者の民族もいるだろう。日本のみなさんには、その民族は大体察しがつくだろうな。

親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。

では、また会おう!

トニー・マラーノ 

【私の論評】国民国家を蔑ろにする国々の衰退が始まる!英国EU離脱はその序曲(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事で、トニー・マラーノ氏はグローバリズムとはエリート集団が富を独占するシステムであるとしています。

英国のEU離脱を、英国民の多くが国境を撤廃しようとしたのは間違いであると悟り自分たちのテリトリーは自分たちで守るために、EUから離脱したとしています。

私自身は、この動きはいずれくるものと思っていましたが、英国EU離脱ということで、やはり来るべきものが来たかという思いがしました。

なぜ私がそう思ったかについては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「英国に続け」と気勢=各地で反EU投票の動き―【私の論評】英国のEU離脱は、EU崩壊の序曲(゚д゚)!
 

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、EUがうまくいかなくなる理由として、まずはEUの個々の国々の経済・文化・言語などがあまりにも異なることをあげました。これは、いつでもEU崩壊の圧力となり続けることでしょう。

さらに、ヨーロッパには、古代にはローマ帝国が存在しており、このローマ帝国にヨーロッパの人々は強い憧れをもっており、ローマ帝国のように昔から一つにまとまって強くなろうと試みられてきたのですが、それらはどれも長続きせず、破綻しているということもあげました。

実際、古くは神聖ローマ帝国から、ナポレオンによる統一、ヒトラーの野望などがありましたが、いずれもことごとく水泡に帰しています。EUだけが例外であるとは思えません。

以下に過去のこれらの国々の版図を示す地図を掲載します。

神聖ローマ帝国の版図
フランス第一帝政時代の最大版図 濃い青:領土、薄い青:衛星国
薄い緑:同盟国(プロイセン、オーストリア)

ヒトラーのナチスドイツの最大版図

これらを見ると、EUもいずれ似たような運命をたどるか、比較的緩い共同体組織になるとしか思えません。歴史は、繰り返すのです。

この記事では、EUがドイツをはじめとして、地球温暖化への対処の先進地区となっていることも理由にあげましたが、これは意見の別れるところでしょう。これについては、詳細はこの記事をご覧になって下さい。

この記事では、さらに国民国家に関するドラッカーの言葉もあげました。以下にそれも引用します。
産業革命の初期以来、経済的相互依存は政治的情熱を凌駕するだろうと主張され続けてきた。これを最初に語ったのはがカントだった。南北戦争の直前、1860年の穏健派も、サムター砦で最初に銃声が轟くまでそう考えていた。オーストラリア=ハンガリー帝国の自由主義者たちも、最後の瞬間まで、分裂するには経済的な結びつきが強すぎると考えていた。明らかに、ミハイル・ゴルバチョフも同じように考えていた。 
しかし、この200年を見る限り、政治的な情熱と国民国家が、経済的な合理性と衝突したときには政治的な情熱と国民国家のほうが勝利してきている。
1997年、フォーリン・アフェアーズ」 

ドラッカーは、過去の歴史や、この言葉を寄稿する前の、ソ連の崩壊やユーゴスラビアの崩壊などが頭にあったのだと思います。世界は、これらの直前まで、グローバリズムが時代の流れであり、いずれ国民国家は消滅するだろうと考えていました。

しかし、ドラッカーはそうした見方に、警鐘を鳴らしました。この言葉は正しいです。これから未来永劫にわたって、グローバル化が進行して、国民国家は消え去ることはないとは言い切れないとは思いますが、当面の間は国民国家はなくならないどころか、それを求める情熱は高まるばかりです。

そうして、EUも今回のイギリスの離脱では、それ例外ではなくなったようです。

イギリス国民はEU離脱を選んだ
さて、グローバル化は他の面でも、あまりうまくはいかないようです。それは、韓国や中国の例をみればわかります。

現代の「グローバリズム」の柱の1つは、中国経済が永続的に成長するという幻想です。これが、単なる幻想に過ぎなかったという事実が誰の目にも明らかになったのが、昨年でした。当然ながら、資源国を中心に、経済を対中輸出に依存している国が、そろって不況に陥ってしまいました。

さらに、資源国ではないにも関わらず、対中依存度を極端に高めてしまった韓国もまた、経済が失速しています。対中ビジネスが高かった大手輸出企業は、軒並みリストラクチャリングを余儀なくされています。

韓国経済が現在の苦境に陥ってしまったのは、対中のみならず、全体での輸出依存度が4割強(14年)と、極端にグローバル市場に依存する構造になってしまったためです。現在、世界は貿易の成長率が経済成長率を下回る、スロートレードという問題を抱えてしまっています。

さらに悪いことに、韓国の個人消費がGDPに占める割合は、50%にすぎません。日本を含むまともな先進国では60%台が普通です。米国は70%です。中国は何と、35%に過ぎません。やはり、グローバル化を極端に推し進めて、国民国家の基本である内需を疎かにした国は、結局のところいずれまともに、経済成長できなくなるのです。

このままだと、中国も韓国もいわゆる中所得国の罠(中進国の罠)にどっぷりとはまり、先進国の仲間入りする前に、経済が伸びなくなってしまうことでしょう。

IMF(国際通貨基金)のデータによると、1990年代は世界の実質GDP(国内総生産)成長率が平均3・1%だったのに対し、貿易量は6・6%も拡大しました。貿易の成長率が、実質GDPの2倍以上に達していたのです。

それが、2000年から11年までは、GDP4%成長に対し、貿易量が5・8%成長と、倍率が下がってしまいました。ところが、直近のデータでは、世界のGDP成長率2・2%に対し、貿易成長率は2%に過ぎなくなっています。

もう、グローバルに輸出を増やすことで国民経済を成長させるという手法は、維持困難になりつつあるのです。それにも関わらず、韓国はスロートレードに突入する以前に、あまりにも輸出依存度を高めてしまったのです。しかも、今回のスロートレード化の発端となった対中依存をかなり深めてしまったのです。 下図の通り、韓国の対中依存度は、日本はもちろんのこと、タイやベトナムなど東南アジア諸国と比べてすら大きいです。


今年の韓国経済は、中国経済の停滞に引きずられる形で失速し、「グローバリズムに過度に依存した国」の末路をわたしたちに示すことになることでしょう。

以上のことから推察するに、今年は「グローバリズム」の終焉の序曲となる年なのかもしれません。国民国家を蔑ろにする国々の衰退が始まる元年なのかもしれません。英国のEU離脱はその象徴的出来事であるといえるのかもしれません。

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2015年5月11日月曜日

民主にまた“ブーメラン”か 安倍首相の米演説を批判したが―【私の論評】民主党は党内外のブレーンを活用できなければ、衰退するのみで野党の役割も果たせない(゚д゚)!…


民主党岡田代表

安倍晋三首相が米議会での演説で、集団的自衛権行使を可能とする安全保障関連法案の今年夏までの成立を約束したことに対し、民主党が「国会無視だ」と猛反発している。ただ、首相が海外で目標や決意を語ることは民主党政権時代にも珍しくなかった。安倍首相への批判は、またぞろ「ブーメラン」となって民主党を直撃しかねない。

「法案は閣議決定もされていない。国会会期延長も決まっておらず、越権行為だ」

民主党の長妻昭代表代行は3日放送のNHK番組で、安倍首相の演説をこう批判した。

共演した自民党の高村正彦副総裁は「(首相の)強い決意を示したのであり、何の問題もない」と説明したが、長妻氏は「国会審議が形骸化する」と譲らなかった。

同様の批判は、他の同党幹部からも噴出した。

岡田克也代表は先月30日に発表した談話で「法案提出すらされていない段階で、重要法案の成立時期を外国の議会で約束するなど前代未聞だ」と不快感を表明。枝野幸男幹事長も「国家代表としてあるまじき発言だ。国会を(政府方針を追認する)翼賛機関だと思っている」と語っている。

しかし、国会審議に先んじて首相が海外で決意を表明するのは、「前代未聞」ではない。

 民主党政権時代の2011年11月、当時の野田佳彦首相は20カ国・地域(G20)首脳会議で、10年代半ばまでに消費税率を段階的に10%に引き上げると表明した。野田氏は直後の衆院本会議で「国内で方針として示したことを国際社会で説明した」「できなかったら責任を取るという話はしていない」といい、「国際公約」ではなく問題はないとの認識を示した。

 鳩山由紀夫首相(当時)も09年9月の国連気候変動首脳会合で、温室効果ガスを20年までに1990年比で25%削減すると表明している。

 政治評論家の浅川博忠氏は「安倍首相の演説の内容は決してルール違反ではなく、許される範囲だ。民主党は、終盤国会で政府に徹底抗戦するという意気込みをアピールしたいのだろうが、的外れな批判に終始している。政策論争で存在感を示すべきではないか」と話している。

【私の論評】民主党は党内外のブレーンを活用できなければ、衰退するのみで野党の役割も果たせない(゚д゚)!

 民主党かなり焼きが回ってきたようです。上の記事もあるように、安倍総理の米国での演説で「集団的自衛権行使を可能とする安全保障関連法案の今年夏までの成立を約束」したことを批判しています。

これがどうして、批判の対象になるのか、私は全く理解できません。一国の宰相が、自分のやりたい政策を実現するための法整備をするということを語ったからといって、それがなぜ批判の対象になるのでしょうか。全く理解不能です。

特に最近の、民主党の安部総理批判、与党批判は的外れのものが多すぎです。もう、民主党はまともに政策論争もできないようです。

なぜこのようなことになるかといえば、やはり極端な勉強不足なのではないかと思います。これは、経済など例にあげるとわかりやすいです。

これに関しては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のURLを掲載します。

【日本の解き方】経済予測をことごとく外してきた面々は合理的な推測をしているのか―【私の論評】奴らは論評をしているのではない!論病に過ぎない(゚д゚)!
金子洋一参議院議員
 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、一部以下にコピペさせていただきます。
 民主党の金子洋一参院議員はツイッターで、「日経平均、続伸し15年ぶり2万円乗せ。わが国経済のためにまずは喜ばしいこと。やはり債券を主に買い入れ、株式を含む実物資産に民間資金をシフトさせる日銀による金融緩和の力は大きかった。われわれが提言したとおり、民主党政権でこれをやっていれば、経済の回復はより早かった。残念だ」とつぶやいた。彼の行動を知る筆者としても同感だ。
民主党金子議員は、かねてから日銀が金融緩和すべきことを主張していました。しかし、民主党の幹部らは、この声には耳をかさず、与党のときは無論のこと、再び野党になった後も、金融緩和に関しては無関心でした。

しかし、金子議員が語るように、民主党が政権を担っているときに金融緩和政策を実行すれば、かなり効果があったことはいうまでもありません。

金融緩和は、金子議員が語るように、経済が良くなるだけではなく、特に雇用を劇的に改善する力があります。これについても、このブログで掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。

安倍政権に奪われた雇用政策 日銀法改正を主張する気概を 民主党代表選 ―【私の論評】日銀の金融政策は雇用と多いに関係あること、中央銀行の独立性とは目標ではなく、手段の独立性であるべきことを理解できない政党・政治家は結局何もできずに破滅するものと心得よ!!

これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に一部のみコピペさせていただきます。
5日の仕事始めでちょっと変わった風景が見られた。労働組合の中央組織である連合の新年交歓会に、黒田東彦(はるひこ)日銀総裁と岩田規久男副総裁が招かれたのだ。 
この新年会には、黒田日銀総裁のほか、榊原定征経団連会長も招待されており、出席した人は「こういう風景は初めてだ」と異口同音に話していた。黒田総裁、榊原会長ともに、スピーチでは古賀伸明連合会長と歩調を合わせて賃上げの重要性を指摘していた。
日銀・経団連トップが連合新年会に初参加(2015/01/06) 
こうした中で、影が薄かったのは、民主党の枝野幸男幹事長だった。それもそのはずで、枝野氏は金融引き締めこそが経済を成長させるという奇妙な論を持っている。
安倍晋三政権で金融緩和に転じてから、雇用が増加したのであるから、連合としては民主党の金融政策を冷ややかに見ているのではないか。
金融緩和政策は雇用を改善するということで、EUでは左翼が強力に推し進めようとする政策です。雇用を改善して、景気を良くして、デフレから脱却する政策である、金融緩和策については、本来であれば、民主党が音頭をとって、推進すべき政策です。これについても、先にあげた民主党の金子議員は従来から主張していました。

しかし、民主党の幹部は、金融緩和策に関しては、全く関心を示さず、安倍政権の金融緩和策に関しても、奇妙奇天烈で頓珍漢な批判を繰り返すばかりです。

民主党がこのままであって良いはずはありません。やはり、金融緩和策に関しては、今の民主党のようにこれそのものを批判するのは全くの筋違いです。本来ならば、方向性として金融緩和策には賛成して、その方法や出口に関してて批判し、より経済がはやく良くなるように尽力すべきでした。

しかし、民主党はこのようなことができず、経済に関しても、単に安部総理に対する対人攻撃をするのみで、ほとんどまともな政策論争ができない状況にあります。

このようなことは、すべて経済・金融に関する民主党幹部の無知がなせるわざです。国会議員は、非常に忙しくて時間がないこともありますが、それにしてもあまりの勉強不足です。これは、経済だけではなく、他の分野でも似たり寄ったりです。

このままでは、まともな政策論争もできず、国会などでも対人批判を繰り返すのみで、まともな政策論争もできず、その存在感が揺らぐばかりです。

このままでは、与党になることもできず、健全な野党としての役割を果たすこともできません。

このようなことを防ぐには、やはり特に幹部が、党内外のブレーンの話を良く聴くことです。

特に、金子議員の話など良く聴くべきです。金子議員とは、最近twitteでやりとりをしました。

私が、「民主党の幹部はこと経済に関しては金子議員の言うことを聴くべき。今のままでは、金子議員が気の毒です。自民党にも経済音痴は大勢いますが・・・・」とツイートすると、リプで、金子議員が「石にかじりついても頑張ります」と発信していただきました。

本当に「石にかじりついても頑張って」いただきたいものです。自民党もほとんどの議員が「経済音痴」です。民主党は、こうした「経済音痴」を徹底的に叩き、結果として日本の経済が良くなるように邁進していただきたいものです。

他の分野でも似たり寄ったりです。民主党がまともな政策論争ができるようになれば、自民党など突きどころ満載だと思います。

このあたりを意識して、民主党の幹部もしっかり勉強して、しっかり政策論争で自民党に対峙していただきたいものです。そうして、その結果として日本という国を良くしていただきたいものです。それこそが、民主主義というものだと思います。

これができない今の民主党では、全く存在価値がありません。このままでは、自民党も喉元をすぎれば熱さを忘れという格言どおり、堕落してしまうと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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