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2014年12月7日日曜日

財務省の屈辱と安倍総理のリップ・サービス―【私の論評】今回の解散は、どんなに反対があっても総理大臣は、解散・総選挙という伝家の宝刀を抜くことができるということを示したことで大義は、はっきりしているのに「大義なし」といった輩はただの無能蒙昧の大馬鹿野郎(゚д゚)!




しばしばテレビや新聞で訳知り顔のコメンテーターが、今回の衆議院解散には大義がないという言い方をする。解散せずに増税を先送りするだけでいいなどと、トンチンカンなことを平気で言っている。あまりに無知すぎて、その無知ぶりを見なければいけない視聴者や読者は気の毒である。

消費増税は財務省の悲願だ。その理由は財政再建ではなく、財務官僚たちの歳出権拡大。要は、集めたカネを配りたいだけである。そのカネに群がるのが、国会議員、地方議員、地方の首長、経済界、マスコミ、さらには有識者・学者。そうした財務省の「ポチ」たちは、もちろん、増税賛成派である。

増税先送りは、総理の一存ではできない。増税賛成派の中に国会議員がいて、増税先送りの法律が成立しないためだ。新聞業界も軽減税率が欲しくて財務省の「ポチ」に入っているので、まるで世間も増税賛成のように報道されてしまう。

そうした中で安倍総理が解散に踏み切ったのは、国民の意見がどうなのかを聞きたい―それが理由だろう。国会議員は財務省の増税レクと増税後のカネの配分で籠絡されているので、解散して衆院議員を全員クビにする。その上で、財務省の意見ではなく国民の声を聞こうとしている。

安倍総理が増税延期を決断したのは歓迎すべきことだが、どうして「1年半後」に増税することを、合わせて断言したのか、その狙いがよくわからないという人もいる。これは、端的に言えば、財務省およびそのカネに群がる人たちへのリップ・サービス。政治的にどうしても我慢できない人たちに向けて、「1年半後」と言って納得してもらったのである。あくまでリップ・サービスという点が重要だ。

「1年半後」というのは、消費増税の引き上げ時期を'15年10月から1年半後の'17年4月にするということだが、これは今から2年4ヵ月先である。政治では予測不可能である。ただし、それまでの間、'16年7月頃には参院選挙が確実にある。となると、そのときに、衆院選とのダブル選挙があっても不思議ではない。要するに、「1年半後」というのは、財務省らの増税勢力に対する懐柔策であると同時に、安倍政権側が増税勢力に対して総選挙という伝家の宝刀を抜くかも知れないというオプションを持つことなのだ。

このように、今回の解散が、「安倍政権vs.増税勢力(財務省とその「ポチ」たち)」の構図になっていることがわからないと、本当の意味が見えてこない。

今回の解散は、戦後おそらく初めて、時の総理が財務省の言うことを聞かなかったものだろう。その意味で、政治史として特筆すべき出来事なのだ。プライド高く、政治家を見下してきた財務省にとって屈辱のはずだ。国民は、安倍政権か財務省のどちらを選ぶだろうか。

『週刊現代』2014年12月13日号より

この記事は、要約記事です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】今回の解散は、どんなに反対があっても総理大臣は、解散・総選挙という伝家の宝刀を抜くことができるということを示したことで大義は、はっきりしているのに「大義なし」といった輩はただの無能蒙昧の大馬鹿野郎(゚д゚)!

上の記事に掲載しているように、訳知り顔のコメンテーターが、今回の衆議院解散には大義がないという言い方をするという場面に、何度も見た方も多いと思います。

解散総選挙が本決まりになってから、数日間は、そんなコメンテーターが多くて、文字撮りバカ面を晒していたわけです。下にその事例として、テレビのキャプチャ画像をあげておきます。


これには、本当におかしな動きもありました。なりすまし小4が、今回の解散について大義がないとの趣旨で、サイトを立ち上げていたという珍事も生じました。


本当に馬鹿だと思います。無知をさらけ出し、馬鹿さ加減に自分でも気づかないというこの、厚顔無恥ぶり、鉄面皮ぶり! 普段から、無知に起因する馬鹿なことばかり語っているので、恥ずかしさというものを感じないのでしょう。それにしても愚かです。

今回の解散の大義は、上の記事でも掲載してあるように、以下の通りであり、他の事がらは単なる付け足しにすぎません。
増税先送りは、総理の一存ではできない。増税賛成派の中に国会議員がいて、増税先送りの法律が成立しないためだ。新聞業界も軽減税率が欲しくて財務省の「ポチ」に入っているので、まるで世間も増税賛成のように報道されてしまう。 
そうした中で安倍総理が解散に踏み切ったのは、国民の意見がどうなのかを聞きたい―それが理由だろう。国会議員は財務省の増税レクと増税後のカネの配分で籠絡されているので、解散して衆院議員を全員クビにする。その上で、財務省の意見ではなく国民の声を聞こうとしている
これ以外にも、付け足すことはないくらいですが、あえていえば増税先送りの急先鋒は、無論財務省なのですが、二番手は何と、身内の多数の増税推進派自民党議員ということです。特に、幹部のほとんどは増税派です。谷垣さんも、増税推進派です。こんな状況で、解散しないで増税を決めれば゛、安倍総理は次の総裁選では負けてしまいます。

ちなみに、以下に平成12年度の日経新聞の記事を掲載します。


自民党内における、安倍総理と、そのブレーンにあたるような人々、そうしてそれ以外の安倍支持者の数は思いの他少ないのです。その当時を良く思い出してみて下さい、総裁選の半年くらい前までは、圧倒的に石原伸晃氏が有利でした。それが、石原伸晃氏は、「福島サティアン」などのいわゆる、失言を何度となく繰り返し、自民党内でも批判が高まったため、総裁選でも番狂わせが生じてしまいました。

だから自民党総裁選の投票においては、本来石原氏にまわる票が、安倍晋三氏にまわってきたのです。特に、石破に反対する勢力の票はすべて、安倍晋三氏にまわったのです。

最終決戦では、石破アレルギーの票が、安倍晋三氏を後押しして、安倍総理が決まったわけですす。こういう経緯を考えると、安倍総理の派閥は党内でも少数派と見るのが妥当です。

だから、昨年は安倍総理自身は、本当は増税したくなかったのですが、財務省もマスコミも、与野党のほとんどの政治家も増税すべきとの判断でしたし、衆院選挙から一年もたっていないということから、解散総選挙という手もつかえず、昨年は不本意ながらも、増税実施という判断をしたということです。

しかし、今年は、違いました。まずは、8%増税してみて、増税推進派がいうように、一時経済が落ちても、すぐに回復軌道にのるということはないし、10%増税などということを実施すれば、とんでもないことになるのは明らかです。

そうして、景気が落ち込めば、さっそく安倍おろしの風が、まずは自民党内より沸き起こります。そうして、それに呼応して、財務省も、マスコミも他政党も全部が安倍おろしに加担することになります。

だからこそ、安倍総理は増税見送りを決心して、衆院を解散して、「民意を問う」ことにしたのです。

「大義なき解散」などとのたまう馬鹿は、タレントにでもなれば良い!
あゃっ、情弱ではタレントにもなれんわ。隠居でもするがいいい。

こんな簡単で自明である、政局も、経済状況も見極められないのが、マスコミであり、その中でも、「大義なき解散」とした、馬鹿なコメンテーターなどのただの大恥さらしです。

こういうコメントをした人間は、何も見ていないし、何も聞いていないのと同じです。

このブログでは、何度も同じような趣旨のことを掲載してきましたが、このブログ冒頭の記事は、かやり理解しやすいだけではなく、まさに我が意を得たりと感じましたので、この記事を掲載し論評させていただきました。

上の、私の論評には、経済のことはほとんど解説しませんでした。それは、あまりにも自明のことだからです。これについては、倉山満氏が以下のようなツイートをしています。
現時点においては、経済理論がどうのこうのという話は必要ありません。経済に関しては、ただ、増税を見送るから、見送らないか、金融緩和を継続するかしないか、そうして、選挙の後では、積極財政をするかしないかだけです。

日本経済の立て直しの方向性ははっきりしています。一言でまとめれば、デフレ脱却以外にありません。まずは、デフレを脱却するのが先決です。いままでは、あまりにも手をこまねきすぎて、これが成就されてきませんでした。

また、「1年半後」に増税することを断言したことについても、批判する人もいますが、これも妥当ではありません。それは、今回安倍総理が見せた、解散・総選挙というオプションがあるということを背景に発言しているわけですがら、いざとなれば、このオプションを使わないということはあり得ないという具合にみるべきです。

そうして、これは、日本においては、革命的なことです。財務省が反対しようが、マスコミが大反対しようが、与党の大部分が反対しようが、総理大臣がこれは、日本のために変える必要があると思った場合は、解散・総選挙というオプションがあることを示したということです。これは、革命的なことです。今までの、官僚主導型の政治から、政治主導の政治への転換の第一歩となるかもしれません。

今回の選挙の「大義」は安倍総理の言うように、「デフレからの脱却」が第一です。他のことは、副次的に過ぎません。野党側が、このように思わないのが全く不思議です。この点だけは、与野党一致で、デフレ脱却のために、まずは金融緩和策の継続、積極財政の実施などは実施するのが当然として、そこから一歩踏み込んて、やり方や順番に各党に違いがあり、そこからオプションを選べるようになっていれば、投票もしやすいのですが、野党のほとんどはそうなってはいないというのが実情です。

本当に困ったものです。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年11月21日金曜日

クルーグマン氏が決定的役割-安倍首相の増税延期の決断で―【私の論評】ブルームバーグ日本語版記事から抜け落ちた部分の意味を理解せよ!今回の安倍総理の増税見送り、解散・総選挙は、財務省に挑戦状を叩きつけたのだ(゚д゚)!

クルーグマン氏が決定的役割-安倍首相の増税延期の決断で

ボールクルーグマン博士
11月21日(ブルームバーグ):ノーベル経済学賞受賞者、ポール・クルーグマン氏の訪日予定を耳にした際、本田悦朗内閣官房参与は、再増税をめぐる議論を慎重派に有利な方向に導く好機が到来したと思った。

安倍晋三首相にとって、消費税率を2015年10月に10%に引き上げることの是非を決断する期限が近づきつつあった。今年4月の8%への引き上げの影響で、日本の景気は四半期ベースとして世界的な金融危機以降で最も深刻 な落ち込みに見舞われ、その後の回復の足取りもおぼつかない状況だった。

安倍首相と30年来の知己である本田氏(59)は、4月の増税反対に続き、15年の増税延期を首相に助言。そこに登場することになったのが、自身のコラムで日本の増税延期が必要な理由を説いていたクルーグマン氏だった。

本田氏は20日、オフィスを構える首相官邸でインタビューに応じ、「あれが安倍総理の決断を決定づけたと思う。クルーグマンはクルーグマンでした。すごくパワフルだった。歴史的なミーティングと呼べるものだった」と、首相とクルーグマン氏の会談を振り返った。

助っ人

帝国ホテルから官邸への高級車の車内で本田氏は、安倍首相との会談がいかに重要かをクルーグマン氏(61)に説明した。増税延期で首相を説得する手助けをクルーグマン氏にしてもらえる可能性があった。  クルーグマン氏は今月6日の首相との会談について、自身が首相の決断に及ぼした役割の大きさには控えめな態度を示す。同氏は20日の電話インタビューで「首相の質問には明確に答えられたと願う。私がこれまで書いてきたようなことうまく説明できたと思うが、首相の考えにどこまで影響があったかは分からない」と話した。その上で、増税延期の決定を「歓迎する」と語った。

海外の著名経済学者の助けを借りたいと考えていた本田氏は、クルーグマン氏が東京での講演のため訪日することを偶然知った。「クルーグマンならと思っていたが、ミーティングのためにわざわざ日本に来てれくれないと思っていたら、たまたま日本に来ることを聞いてこれを使わない手はないと思った」と明かす本田氏は、首相とクルーグマン氏の20分間の会談のお膳立てに成功。会談は予定時間の倍近くに及んだ。

会談に同席した本田氏によると、クルーグマン氏は冒頭、アベノミクスを高く評価。唯一の問題は消費増税だと訴えた。会談が終わるまでには、首相は延期を決めるだろうと本田氏は確信を持ったという。

官邸での会談

やはり会談に臨んだ浜田宏一内閣官房参与は18日のインタビューで、「安倍首相はクルーグマン氏の説明をとても注意深く聞いていた」と振り返り、「恐らく首相の決断を手助けしたのではないか」との認識を示した。

安倍首相はNHKで「先般、ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマン教授と話した」と言明。「彼の意見は、アベノミクスを支持する。しかし今度の消費税引き上げは慎重にいくべきだ。そうしなければ景気が腰折れしてしまう。となればデフレから脱却できず、経済再生、財政再建もおぼつかないという話だった。私もその通りだと思う」と述べた。

クルーグマン氏は17年4月の10%への引き上げをめぐっては、「ある時点で歳入の拡大を図る必要がある点は理解する」とした上で、「私としては『インフレ率が2%程度に達してから引き上げる』といった条件付きの延期の方が望ましいと考えるが、そうした可能性がないことも理解している」と語った。

原題:Abe Listening to Krugman After Tokyo Limo Ride on Abenomics Fate(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 藤岡 徹tfujioka1@bloomberg.net;ロンドン Simon Kennedyskennedy4@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Christopher Ansteycanstey@bloomberg.net Brett Miller更新日時: 2014/11/21 13:21 JST

【私の論評】ブルームバーグ日本語版記事から抜け落ちた部分の意味を理解せよ!今回の安倍総理の増税見送り、解散・総選挙は、財務省に挑戦状を叩きつけたのだ(゚д゚)!

さて、このブルームバーグの記事の英語の元文には、実は日本語版には掲載されていないことが盛り込まれていた。

それに関しては、前田敦司氏が、ツイートしていますので、そのツイートを以下に掲載します。
確かに、英語版をみると、リフレ派頭脳集団の前に、増税させじと財務省の官僚らが、たちはだかっていたことが掲載されています。

日本語版の最後に(抜粋)とことわってありますし、記者・編集者は英語版も抜粋日本語も同じ人たちによるものです。

さて、これを私達は、どのように解釈すれば良いのでしょうか。これは、昨日のこのブログをご覧いただければ、良くご理解いただけると思うので、その記事のURLを以下に掲載します。
【衆院選】首相はなぜ解散を決断したのか 幻となった4月総選挙 決断を早めたのは…―【私の論評】産経新聞ですらのってしまった昨年の総理増税決断の虚偽報道!今年は破壊的革命集団財務省が、安倍総理の解散時期をはやめた、その意味するところは?

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、昨年の増税政局においては、新聞は安倍総理が、「増税決断」を正式に発表する前から、どの新聞も例外なく各紙一斉に「安倍総理、増税決断」と報道する異様な自体が発生していました。

そうして、政治家のほとんどが増税推進派となり、識者も増税一色という異様な状況のなかで、安倍総理は増税を決断せざるをえなかったことを掲載しました。そうして、日本のほとんどの勢力が「増税一色」で固まった背景には、財務省の増税キャンペーンがあったことを掲載しました。

これを掲載した後で、この記事は、以下のように結びました。
今から、思えば、安倍総理は8%増税も本当はやりたくなかったということが良くわかります。それは、今年の動きを見れば、はっきりしています。そうして、本当は、去年の9月でも増税は阻止できたはずです。法律の条文など、一日もあればかえられます。
しかし、昨年は財務省の木下康司を筆頭にする、増税推進派の恐喝により、特に自民党の幹部をはじめとする、政治家が徹底的に「増税容認」を固めてしまいました。身動きがとれなくなってしまった安倍総理は、長期政権や、まだまだやり残したことを成就するためにも、「増税の決断」をセざるを得なかったのです。
その木下氏は、実は強大な権力を持つ、財務省の権化のような存在であり、これについては、上念司氏が、わかりやすく解説していますので、その動画を以下に掲載します。

木下氏は、財務次官だったときには、繰越予算など、憲法解釈上認められないはずなのに、つるの一声でそれを実現してしまいました。この動画でも、上念氏が述べているように、このようなことは、総理大臣でも出来ないことです。日本には、このような国民の選挙で選ばれた議員による国会や、政府の他に、財務省の一部の人間や、一部のOBなどによる大きな影の強力な権力集団があるということです。
その影の権力集団が、昨年に続き、今年も増税恐喝を続け、他省庁の官僚はもとより、政治家やマスコミを「増税容認」で固めてしまおうとしたのですが、さすがに、そうはいかなかったというのが、今年の流れです。
そもそも、世論が7割がた、増税に反対なのに、無理に増税に踏切るという事自体が、異常です。昨年は、安倍総理としては、解散総選挙というわけにもいかず、増税に踏み切らざるを得ませんでした。ゆくゆくは、20%増税も視野に入れている財務省は最早、政府の一下部機関とはいえません。破壊的革命集団とでも呼ぶのが相応しいと思います。
20%増税などしてしまえば、日本経済も国民も疲弊してどうしようもなくなることははっきりしています。しかし、そんなことはお構いなしに、財務省はいずれそれを実現しようとしています。これでは、破壊的革命集団と呼ぶ以外に適切な名称などありません。
これは、見方を変えてみれば、単なる日本経済や財政、デフレに関することだけではなく、安倍総理の第二の権力への挑戦とみてとるべきです。 
そうして、この挑戦は、すぐに結果がでるものではありません。長きにわたって、展開されることになると思います。 
さて、あなたは、どちらに与しますか。正当な手続きを踏んだ、安倍総理の側ですか、それとも影の権力ですか。 
私としては、無論のこととして、正当な手続きを踏んだ、安倍総理の側にたちます。
それにしても、安倍総理の増税見送り、解散・総選挙宣言!ようやっと、日本でも正当ではない権力に立ち向かう総理大臣がでてきたということで、この部分では財務省に一矢報いたということで、勝利と見て良いのではないでしょうか。 
ただし、これからも戦いは長く続きます。影の権力が日本よりなくならない限りこの戦いは終わりません。 
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
このように、今回の安倍総理の増税見送り、解散総選挙は、財務省に対する宣戦布告でもあったのです。それを昨日も掲載したのですが、これでは憶測にすぎなかったものです。しかし、本日の上のブルームバーグの記事、それに日本語版などで、掲載されなかった部分があるというこの事実。

なぜ、英語版では掲載して、多くの英語圏の人々に読んでもらっても良いものが、日本国内版ではカットされるのかということの裏を読んでいただければ、ご理解いただけるのではないかと思います。

なぜか日本では、財務省現役とOBの一部の人間が、全部とはいいませんか、選挙で選ばれた国会議員や、内閣よりも、多方面にわたって、強力な権力を持っています。

たとえば、上の動画でも上念氏が説明しているように、財務省は今年の春に、予算の繰越をできるようにしましたが、法解釈上これは本来なら安倍総理でも一存ではできません。しかるべき正当な手続きの後でないとできることではありません。しかし、当時の木下康司財務次官は、鶴の一声でこれをやってのけました。

日本では、まだ、こうした権力の二重構造があるのです。こうした二重構造に挑戦しようとしたのが、故中川氏でした。

中川氏は、財務省の特別予算というおそろしく複雑怪奇な仕組みに切り込み、財務省の埋蔵金ということをいいだしました。中川氏も財務省の権力に挑戦しようとしたのでしょうが、その志は誠に残念ながら中途でついえてしまいしまた。この志を引き継いでいるのが、安倍総理です。

左より、高橋はるみ北海道知事、安倍晋三氏、在りし日の中川一郎氏
安倍総理の今回の増税見送り、解散・総選挙は、こうした二重権力廃止への挑戦を宣言をしたということです。いかに財務省とはいえども、官僚が表だって、10%増税を実行することはできません。それに、選挙によって正式な手続きを経た後に、民主的な手続きよって、誕生している総理に対して、あれこれ指図もできません。

財務省の権力は、あくまでも間接的なものです。日本国の財布の紐を握っているということで、それを利用して、ありとあらゆる手段を使って、他省庁や、政治家に圧力をかけ、自分たちにとって都合のよいように政治を動かしていくというのが彼らのやり方です。

それは、増税政局もそうでした。財務省は、昨年も今年も同じく、ご説明資料を持って、政治家やマスコミを回っていました。とはいいながら、その内容は、まさに恐喝でした。増税しないと、あれはできないぞ、これもできないぞという脅しです。安倍総理が何らかの行動にも出なければ、今年も昨年と同じように、増税が決まっていたことでしょう。

でも、今年は、いろいろな人が、財務省の増税推進の間違いについて、新聞は報道しなくても、徹底的にサイトなどのメディアに掲載するなどのことで、その真相ははっりきとはわからなくても、間違いであること、自分たちにとっても、良くないことであることが、理解され、多くの人達が増税に反対でした。

ここを突いたのが、安倍総理です。解散総選挙して、圧倒的多数を勝ち得ることができば、財務省とて、これを無視するわけにはいきません。そうして、安倍総理は無論、こんなことは見通していましたし、10%増税など実行すれば、経済がかなり落ち込み、安倍政権どころか、自民党政権も危うくなるということに気づいていました。

だから、クルーグマン氏の訪問と、安倍総理に対するアドバイスは、あくまでコーチング的なものであったと思います。コンサルティングなどとは異なり、コーチングでは、コーチングを受ける側に、考えて自ら問題を解決する力をつけさせるのが最終的なゴールです。クルーグマン氏も、すでに安倍総理が持っている答えを後押ししたということです。

それに、こうしたノーベル学者のアドバイス内容を公表することにより、対外的なアピールに使うという目的もあったでしょう。そもそも、クルーグマン氏は学者です。日本の経済について、経済的な観点からアドバイスはできても、日本に政局に対するアドバイスはできません。

アメリカの政局なら、それなりに理解していて、特にブッシュ政権に対する批判は、かなり辛口で辛辣でしたが、日本の政局についてはそんなに詳しくないし、他国の財務省を手ひどく批判するわけにもいきません。それに、ここ最近の増税論議などは、経済理論や、理屈など完璧に脇においた次元であり、政局そのものでした。

ただし、今回の安倍総理の挑戦は、これから長く続くであろう、最初の一回です。しかし、安倍総理には、今回のことを忘れてほしくはありません。それは、民意が自分の側についていれば、財務省も手出しはできないし、出せば大やけどをするということです。

以上のようなことは、全く表には出ないので、多くの人が知らないですし、マスコミも報道しません。水面下での戦いです。ただし、いずれ財務省の敗北が濃厚になった場合は、報道されるようになるかもしれません。しかし、今のところは、財務省がまだまだ優勢なので、しばらくは表には出てこないでしょう。

いずれにせよ、日本のような先進国において、権力の二重構造があってはならないはずです。この二重構造を廃することが、本当の意味での政治主導です。民主党がやろうとした、政治主導など、最初から間違っていました。事業仕分けや、官僚の天下りばかり追求したとしても、元を絶たなけれは、政治主導はいつまでたっても成就しません。

このような観点や背景から、増税政局、マスコミの報道姿勢、政治家の行動をみると、様々なことが浮かび上がってきます。しかし、このような観点がなければ、日本の政治、政局は全くみえてきません。今回の選挙の大義は何かなどと、まだ馬鹿なことを言っている政治家や、マスコミ関係者が大勢いますが、かれらは政局もまともに、見ることができない大馬鹿者だと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どうおもわれますか?

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