NTTドコモは5月19日、携帯電話の新ラインアップ「2009年夏モデル」として、モバイル機器向けソフトウエアプラットフォーム「Google Android」ベースの端末「docomo PRO series HT-03A」を2009年6―7月に発売すると発表した。2009年夏モデルは同端末を含む4シリーズ17機種と「ヱヴァンゲリヲンケータイ」1機種で構成し、5月22日より順次販売を開始する。
HT-03Aは米GoogleのAndroidを採用しており、アプリケーション販売/配布サイト「Androidマーケット」からダウンロードしたア プリケーションが使える。Googleの各種検索サービスや動画共有サービス「YouTube」の利用が可能で、「Gmail」のメールを自動受信でき る。端末の向いている方角を地磁気センサーで検出し、「Googleマップ」の「ストリートビュー」表示の方向と端末の方角を連動させられる。画面はタッ チスクリーン付き約3.2インチで320×480ピクセル表示。トラックボールと有効画素数320万ピクセルのカメラを搭載している。
IEEE802.11b/g無線LANとBluetooth、GPSにも対応する。最大で記憶容量4ギガバイトのmicroSDHCメモリーを搭 載できる。海外でGSM方式による通信も行える。連続待受時間は約140時間、連続通話時間は約240分。サイズは高さ113×幅56×厚さ14.0mm ほど、質量は約123グラム。ボディーカラーは「ホワイト」と「ブラック」の2色。
そのほかの夏モデルの発売予定時期は、「docomo STYLE series」の「N-08A」が2009年5―6月、「F-08A」「P-10A」「SH-05A」が2009年6月、「L-04A」「P-08A」が 2009年6―7月、「docomo PRIME series」の「N-06A」「P-07A」が2009年5月22日、「F-09A」「SH-06A」が2009年5―6月、「L-06A」が2009 年6―7月、「N-07A」が2009年7月、「docomo SMART series」の「N-09A」「P-09A」が2009年6月、「docomo PRO series」の「SH-07A」「T-01A」が2009年6―7月、「ヱヴァンゲリヲンケータイSH-06A NERV」が2009年6月―7月。
■関連情報
・NTTドコモのWebサイト http://www.nttdocomo.co.jp/
Andoroidは携帯の世界だけでなく、OSの世界、Webの世界を革新する!!
Android携帯がとうとう日本でも発売ですか。楽しみです。ところで、他社では販売の予定などあるのでしょうか?もし、そうなら、他社のものとも比較の上で是非アンドロイドを購入したいです。
このアンドロイド、どこがいいかといえば、以前にもこのブログに書いたとおりで、まずは、グーグルのサービスが使えるということです。私は、グーグルのサービス、相当使っていますから、この上もなく便利だと思います。
それに、ディファクト・スタンダード(実質上の世界標準)になっているという点も魅力です。今までの携帯電話だと、キャリアーごとに違いがあって、受けられるサービスにも制限があり、海外のものは実質上ほとんど使えないというのが実態でした。
しかし、このアンドロイドであれば、これから事実上のディファクト・スタンダードになっていくと思います。そうなると、今までの質的には世界一といっていい日本の携帯向け電話サービスも、世界中に知られるようになるし、ありとあらゆるサービスがつくられ、ものすごいことになると思います。
特に、携帯電話向けサービスのプロバイダーなど、今までは実質的に国内だけの市場だったものが、一挙に世界に市場が広がります。
それに、これから世界中で開発される、思っても見なかったサービスを日本でも受けられるようになります。
さらに、もっとすごいのは、いわゆるネットブックや、ミニノートと言われるモバイルパソコンに通信機能はもとより、アンドロイドをOSとして搭載したものが発売されるということです。
かつてはPDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)を持ち歩くと、かならずパソコンにケーブルをつないで「同期」作業が必要でした。これが面倒なのと、携帯電話の使い勝手が格段によくなっので、PDAは過去の産物になってしまいました。しかし、アンドロイドであれば、グーグルカレンダーを中心に据えることで、ネット経由で簡単に同期がとれてしまうようになりました。
以前、あるITベンダーの若手営業の人と話したことがあったが、彼は営業活動でノートパソコンを使いたくないといっていました。プレゼン上で必要な時を除けば、普 段はケータイで自社システムにアクセスするそうです。個人情報保護やセキュリティの観点からというよりも、ノートパソコンなんかを使うより、ケータイの方が圧倒的 に速く情報にアクセスしたり、入力したりできるからだといいます。
ノートパソコンを使ったシステムを売るべき立場の人ですらそうなのだから、世の多くの若手ビジネスパーソンは少なくともモバイル環境では、ケータ イの方が情報システムの端末として使い勝手がよいのでしょう。しかしそんなふうに情報システムの利用シーンが変化している中で、グーグルのケータイ用OS 「Android(アンドロイド)」を搭載したUMPCの試作機がすでに登場しているそうです。
アンドロイドが面白いのは、現状の完成度はともかく、将来的には究極のAjaxマシン、つまりリッチクライアント・マシンに進化する可能性があるからです。日経コンピュータの 2月15日号でも特集していたが、Web化した情報システムの操作性の悪さを改善するために、Ajaxなどリッチクライアント技術を活用しようという動き があります。それにより、グループウエアの操作性を改善するだけでなく、基幹業務系のクライアント/サーバー(C/S)システムをWeb化する可能性が開けることになります。少し話しが難しくなりましたが、今まで会社の基幹業務で使っていたようなシステム、研究所などで使っていたような高度なシステムをWeb上で使える可能性がたかまってきた、もっと平たく言えば、要するに、Web上でもっともっと、すごい、とてつもないサービスがアンドロイド搭載のノートパソコンで使えることになるということです。
こうした動きに、アンドロイド・ケータイなどのAjaxマシンがピタリとはまります。こうしたAjaxマシンは、なにもケータイの形、つまりスマート フォンである必要もない。ニーズによっては普通のキーボードとディスプレイを付けたパソコンふうのハードにしてもよいですし、UMPC(超軽量ノートパソコン)にしてもよいわけです。そう妄想すると、グーグルの狙いの 筋の一つも見えてきます。企業情報システムにも、そしてSaaSにも対応できるAjaxマシン、これはなかなか魅力的な将来像です。
一方、シンクラアントの動向も面白いです。以前ならセキュリティの観点から、クライアント・サービー・システムのクライアント・ソフトのみをサーバーに“縮退”させるの が、シンクライアントの基本発想でした。だが、今は違います。仮想化技術やブレードなども活用し、パソコンのデスクトップ環境も含めてサーバー側に持っていっ てしまいます。クライアント側の専用端末なんかも登場してきました。
そんなわけで、今はもう久しぶりと言っていいぐらいに、情報システムのクライアント・サイドの技術/製品トレンドが面白いです。ITベンダーなどサプ ライサイドにとって、久しぶりにわくわくする時代がやってきたというわけです。そんな中、多くのユーザー企業は今、オフィスに大量導入したパソコンを Windows Vista環境に切り替えるべきかどうかで悩んでいます。Vistaを飛ばして、セブンにするところも多いようです。それどころか、将来的には、マイクロソフトのウィンドウズ自体が消えてなくなるかもしれません。
しかし、この世界また、面白くなってきました。私は、どちらかというと、通信機能+アンドロイドのUMPCのほうが面白いと思います。UMPCも実際は、自宅などで用いられているのが、ほとんどというのが実体だと思います。今までだと、UMPCを持ち歩く必要性は、営業マンならプレゼン用、普通の人だったら、動画をみたり音楽を聴いたり、あるいはワープロ、表計算程度のものだったと思います。このくらいだったら、どうしても携帯電話のほうが便利です。わざわざ、UMPCを持ち歩く人は少数派なはずです。しかし、これからは、それ以上になります。本当に持って歩く意味がでてきます。今までなら考えられないような、新たな使い方もいろいろ開発されていくと思います。
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