企業によるミニブログ利用が拡大,主流は「Twitter」(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)
米Gartnerは米国時間2009年3月26日,企業によるミニブログ・サービスの利用状況に関する調査結果を発表した。ミニブログを利用する企業が増えていることから,2011年にはソーシャル・ソフトウエア・プラットフォームの80%が企業向けミニブログ機能を標準装備する見込みだという。
現在提供されているミニブログ・サービスのなかでは「Twitter」の人気が群を抜いている。Twitterは今何をしているかを最大140文字の短いテキスト・メッセージとして投稿し,登録した友人と共有できるサービス。もともとは個人を対象にしたサービスだが,ユーザーが仕事に関する内容を投稿することも多く,企業はさまざまな方法でTwitterを活用しているという(関連記事:人気急上昇の“Twitter”,ミニブログがもたらす個人と企業の新メディア)。
例えば,企業の公式ミニブログとみなし,プレスリリースやプロモーション・サイトのリンクを掲載したり,自社ブランドに対する意見にコメントを返すなど,広報やマーケティングの窓口として利用している企業がある。
企業によっては,自社の製品やサービスに関する評判を把握するために,Twitterへの投稿内容を検索するツールを利用している。顧客や競合他社の投稿を拾ってフィードバックとして活用したり,新製品のアイデアを得たりしている。
このほか,社員が取り組んでいるプロジェクトや思いついたアイディアなどを投稿し,社内のやり取りに利用している場合もある。しかし,こうした使い方はセキュリティの観点から推奨できないとGartnerは指摘している。
個人向けミニブログ・サービスにはTwitterのほか,「Plurk」や「Jaiku」などがある。また,米Socialtextが企業向けSNS「Socialtext」においてミニブログ機能「Socialtext Signals」を提供している(関連記事:Socialtext,企業向けSNSにマイクロブログ機能を追加)。
企業内ブログには相応しくないかも?
企業内ブログとしては、Twitterは確かに、相応しいとはいえないと思います。というのは、誰でも閲覧できてしまうからです。
情報の開示の仕方など本当に難しいところがあります。たとえば、軍事関係秘密兵器というものがありますが、これに関する情報開示も難しいところがあります。
秘密兵器だから、全く外に出すなということになると、戦時中なら、いずれ確実に秘密兵器などといわれても、実戦で使用するので問題はないと思います。しかし、平時で、戦闘など滅多にない場合など、秘密兵器は秘密兵器のままということになり、そのままでは、ないのと同じになります。だから、どこかで、こんなすごい秘密兵器を開発したということを公表しないと開発した意味がなくなります。
戦時中の例としては、旧ソビエトのミグ25があります。私は、もともと函館出身ではないので、見たことはないのですが、数十年前に当時のソビエト極東空軍のベレンコ中佐が操縦するミグ25が函館に飛来し、函館空港に着陸したのは有名な話です。当時函館市内にいた人は、耳をつんざくようなミグ25の大爆音が響いたので、ほとんどの人が異変に気づいたそうです。ミグ25が初登場したのは、ベトナム戦争当時のベトナム上空のことです。それまで、いっさいがベールに包まれていました。
Mig-25 Foxbat landed in Japan
ベトナム上空で初めてミグ25に遭遇したアメリカ軍のパイロットは、そのスピード(最高マッハ2.5)と、旋回性能のよさに舌を巻いたのと、相当の危機感を感じたそうです。その後、この情報は、アメリカ空軍に伝えられ、その後のアメリカの戦闘機の開発にも大きな影響を及ぼしました。当時、アメリカではファントムが主流でしたが、その後の航空機は、ミグ25に良く似た形になりました。F15などがその良い例です。当時のソビエトでは、あくまで秘密にしておいて、実際の戦闘に投入して相手方にパニックを起こさせようという目論見があったのだと思います。
しかし、初登場してから、函館着陸までは間があったので、函館着陸当時には、最新鋭ではなかったようです。確かにエンジンの燃焼効率は飛びぬけてよかったのですが、電子装置は遅れていて、一部真空管を使っていたそうです。さらに、コクピットは、機密性がなく、パイロットは常時酸素マスクをつけ、電熱服を着る必要があったそうです。さらに、マッハ2.5を出せるのは、数秒間だけだったそうです。また、後続距離が短く、ウラジオストックから函館まで本当にぎりぎりで、函館がもう少し遠ければ、燃料切れで墜落していたそうです。その当時の米軍にとっては、あまり価値はなかったようです。こうした弱点もあったことと、当時は最新鋭航空機を他国に売却することもほとんどなかったので、ソビエトではMIG25の情報を開示しなかったのだと思います。
さて、平時の例としては、4月の4日~8日までの間に北朝鮮から打ち上げ予定のテポドンです。北朝鮮政府は、開発当初から公表し、打ち上げ予定日まで発表し、実際発射すると思います。そうして、北朝鮮政府はこれを外交カードにしようとしています。実際には、旧ソビエト時代のロケット技術などをつぎはぎしたものであり、日本やアメリカなどからすれば、技術的にはほとんど意味のないものです。しかし、軍事的にはある程度の脅威を与えることが可能です。
以上のように、情報には、あくまで隠匿しつづけるべきもの、最初から公表すべきものがあるということです。さらには、その中間のものもあります。まさに、情報開示の目的に従いいろいろなタイプがあると思います。上は、軍事情報でしたが、企業でも新商品やサービスの開示に関しても同じようなことが言えると思います。たとえば、ビール、お茶、カップ麺のようなものは、いくら新製品だからといっても、本当の意味では新製品ではありませんから、なるべく早めに公表すべきです。そうでなければ、新鮮味がすぐに失われてしまいます。今や、パソコンなども同じことだと思います。Apple Airというアップルの薄型パソコンは、発売の1年くらい前からその形状コンセプトなど、YouTubeに掲載されていました。
今まで、見たことも聴いたこともないようような新製品の場合は、やはり、万をじして慎重に開示していくべきでしょう。
機密性のある情報など、機密にするのは当然のことですが、なんでもかんでも、秘密でいつまでも開示しないというのも問題です。情報というものは、このように、種類によって、どのタイミングで開示するかが重要です。
しかし、Twitterの場合は、情報開示の目的に関わらずすべて公開されてしまうので、やはり、企業用のブログとしては、相応しくないということがいえると思います。また、短い内容しかコメントできないので、不都合な場合もあります。
私は、企業で使うなら、情報公開の範囲を自由に設定できる普通のブログが良いと思います。また、グーグル・サイト、グーグル・グループなども使い勝手の面からは優れていると思います。
特に、グーグル・サイトは、豊富な各種ガジェットが使えます。各種ガジェットは現状でも使いやすいものが、たくさんありますが、これからも開発され続けていきます。それらを、使うことができます。ガジェットはオープンソースになっているため、自分たちにとって使いやすいものを開発するということもできます。
グーグル・カレンダーなども、サイトを使う人の全スケジュールなど入れてグループ内で開示するなどのことができます。さらには、サイトに掲載した記事などに対するコメントなども自由にできます。さらには、サイトを使う人が種々のファイルをアップロードできます。
Twitterのような使い方もできますが、その他もっと高度な使い方もできます。そうして、一番重要な機能として、開示の範囲が自由に設定できます。まずは、サイト自体を閲覧できるできない、コメントできるできない、サイトの内容そのものを編集できるできないなどを自由に設定できます。
現代のようなITが普及した時代においては、この上の記事のように、恒常的に設置するブログが良いと思いますが、期限を切って行われるプロジェクトの場合は、そのプロジェクトのために、期間限定で、サイトを設定してプロジェクト・メンバーのコミュニケーションを円滑にすべきだと思います。というより、もう、世の中はその方向で動いているし、いずれそれが当たり前になると思います。無論、直接顔をあわせるコミュニケーションも重要ですが、こうしたサイトによるものも必要不可欠になっていくと思います。
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