2015年7月21日火曜日

安保関連法案反対「学者1万人」の中身 国際政治学者少なく、「シロウトばかり」の声も―【私の論評】金融緩和、増税のときと同じデジャブーか、何度官僚に支配され失敗すれば目覚めるのか?

安保関連法案反対「学者1万人」の中身 国際政治学者少なく、「シロウトばかり」の声も

安保関連法案に学者1万人超が反対しているとする声明が出されたが、ネット上で、疑問の声も相次いでいる。その多くが安全保障問題については専門外だとみられているからだ。
「憲法9条をなし崩しにしようとしている」「安倍首相が有事と思えば戦争ができる、とんでもない法案だ」
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■大学教授も含まれてはいるが、多くは専門外の人たち

ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英京大名誉教授らは、東京都内で2015年7月20日に行った会見で、こう口々に訴えた。集まったのは、益川氏らが呼びかけ人となって作られた「安全保障関連法案に反対する学者の会」のメンバーら約150人だ。

会見では、メンバーらによる抗議声明も読み上げられた。そこでは、衆院特別委や本会議での法案採決について、世論調査で反対が多数を占める状況の中で、立憲主義と民主主義の破壊が行われたと指摘した。憲法学者の多くが違憲だとする中で強行採決したとして、「現政権が学問と理性、そして知的な思考そのものを無視していることのあらわれ」と非難し、「この法案を廃案にするために、国民とともに可能なあらゆる行動を実行します」と表明している。

学者の会では、学者や研究者1万人超、市民2万人超が賛同署名に応じたとし、ホームページ上でもそのことを報告している。

とはいえ、その内訳を見ると、学者や研究者と言っても、国際政治学など安保問題に関わっている可能性がある人はごく一部だ。大学教授も含まれてはいるが、多くは専門外の人たちが名を連ねている。

それも、非常勤講師や大学院生、在野研究者といった所属や肩書の人も多い。中には、障害者支援、合唱指導者、建築設計事務所とする人もいた。また、所属や肩書のない人や氏名非公表の人も含まれており、本当に学者や研究者なのか分からないケースも多かった。

■専門の学者であっても、その意見は信用できない
こうした署名リストについて、識者の間からも、疑問の声が漏れている。

経済学者の池田信夫さんはツイッターで、氏について、「物理学者としては立派」としながらも、安全保障については何を知っているのかと疑問を呈した。リストについては、「『日本人の1.3万人に1人は反対している』という以上の意味はない」と断じた。

また、著名なブロガーのちきりんさんはツイッターで、たとえ国際政治が専門の学者であっても、その意見は信用できないと指摘した。「和辻哲郎、丸山真男、都留重人、清水幾太郎など当時の知識人、インテリの皆さんはみーんな『全面講和すべし。単独講和では、日本はアメリカの戦争に巻き込まれる』と主張されてました。吉田首相が『学者は国際政治を知らんからダメ』といって、アメリカと安保条約結んでくれてほんとーによかった」と皮肉ったのだ。

「ちきりん」さんのtwitterでのプロフィール画像

ネット上でも、異論が相次いでおり、「『学者』とはいっても、安全保障についてはシロウトもいいとこ」「学者の権威を笠に着て、選挙という民主主義の結果を否定する数の暴力」「学者は中国の侵攻から守ってくれません」といった声が上がっている。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】金融緩和、増税のときと同じデジャブーか、何度官僚に支配され失敗すれば目覚めるのか?

何やら、この学者たちの発言、何かを思い出してしまいます。そうです。デフレのときでも、金融緩和するとハイパーインフレになるとか、8%増税してもその影響は警備であるとか、金融緩和をすると国債が暴落するとか・・・・。

8%増税は最初から不都合な事実が散見された

これら経済に関することは、いわゆる日本経済のメインストリームの方々から、専門外の学者や指揮者から、マスコミから、官僚、政治家のほとんどの方々が語っていらっしやいましたが、結果はどうだったかといえば、金融緩和してもハイパーインフレにはならず、国債は暴落するどころか、金利が下がりました。無論増税は大失敗でした。

8%増税の影響は、甚大でした。せっかくの金融緩和政策による、効果も腰折れして完璧に緩和当初の状況に戻ってしまいました。ただし、金融緩和は継続しているので、最近ではようやっとまた、様々な数値が良くなりつつあります。

それにしてもね8%増税の大失敗に関しては、大増税キャンペーンに両手をあげて賛成して、それを後押ししていたせいですか、今ではマスコミも、その他の方々もあまり話題にしません。

話題にするとしたら、8% 増税による失敗だとはいわずに、アベノミクスが失敗だったとか、甚だしいのは、昨年は野菜が値上がりしたからとか、とんでもないものばかりです。失敗すると最初からわかっていることに対して、両手で賛成してしまったので、今更「自分は大間違いしました、すみません」と言えないのでしょう。何という往生際の悪さでしょう。

ただし、彼らが厚顔無恥の鉄面皮でいられるには、それなりのわけがあります。それは、財務省をはじめとする日本の官僚は大方が、増税に賛成だったからです。

本当に、大方の人々が、安保法制に反対というこの事象は、あの増税大キャンペーンや、金融緩和無効論や、国債暴落論の流布のときと良く似ています。これらのときも、安倍総理の味方は少なく、孤立無援の状況でした。さすがに今回の安保法制に関しては、安倍総理は三回もこれを公約に掲げて国政選挙に大勝利しているわけですから、さすがに自民党内には反対者がいないだけましかもしれません。

不勉強で傲慢な人 その1
そのため、8%増税は押し切られてしまいましたが、さすがに10%増税などすれば、日本経済か壊滅的な打撃になるのは目に見えていたので、安倍総理は10%増税阻止のため、昨年の暮れに衆院を解散して、総選挙を実施して、これを阻止しました。これは、日本では大蔵省、財務省に総理としてはじめて、官僚に対峙して勝利した稀有な事例です。

さて、安保法制が違憲だとする主張に対しても本当に良く似た状況にあります。世間の多くの人々、それもいわゆる憲法学者とか、官僚とか、マスコミも大方が大反対です。

さて、安保法制が違憲だとの決めつけに関して、経済学者田中秀臣氏が以下のようなツイートをしています。
憲法解釈問題については、田中氏の2つのツイートの先のほうにもあるように、佐々木惣一らの書籍にあたってみれば、「集団的自衛権=違憲」などということはあり得ないことが良く理解できます。少なくとも、憲法学者の中にもそうした意見の人々もいるということは、理解できると思います。しかし、違憲とする人々のほとんどはそのようなことはしていないのだと思います。

たとえ、佐々木惣一の書籍など読まなくても、憲法だけでは、実際に政治はできず、実際にはさらに、国会で法律が審議されたり、法律でも足りない部分は、政府が憲法解釈をしながら政令などだしたり、慣例などをもとに独自の解釈により政治を行っているというのが現実です。

不勉強で傲慢な人2

あまりにそのような例外が多くなったり現実に即さなくなれば、法律にするのが妥当です。安倍自民党はまさに、それを行っているのです。それが、安全保障や、集団的自衛権だけはそうではないなどというへ理屈は成り立たないのは当然です。それがわからない人があまりにも多すぎです。

さらに、特に集団的自衛権が即憲法違反などということはありえません。集団的自衛権は当然のことながら、国連憲章でも認められています。さらに、先進国では、これは、人権と同じく、自然権であるとされています。集団的自衛権は、憲法や法律ができる以前からある、当然の権利であるとされています。

また、長沼訴訟の判決においては、集団的自衛権は合憲としています。確かにこれには、異論もありますが、賛成する憲法学者も存在します。それに、合憲・意見は憲法学者が決めるものではありません。時の政府が判断すべきものです。それが違憲というなら、その判断は司法が判断すべきものです。

これが、普通の先進国でのあり方です。決して、アンケートでの反対派の多さや、憲法学者の多数意見で決められるべきものではありません。ましてや、選挙で選出されているわけでもない、官僚が決めるものでもありません。

それから、下のほうのツイートでは"日本の憲法学者たちやその支持者たちの「日銀」ぶり"ということが書かれていますが、これは黒田体制になる前までの白川体制の日銀までの日銀の官僚のあり方と、それに与した知識人等を揶揄したものです。

白川体制までの日銀は、とにかく金融引き締めをすれば勝ち、金融緩和をすれば負け、というようなとんでもない意識で凝り固まっていて、金融緩和はなるぺく避け、ことあるごとに金融引き締めを実行してきました。そうして、日銀官僚は、日銀に都合の良い、金融引き締めを正当化する言説を流布し、多くのマスコミや金融の専門家や、識者もそれに右に倣えをしていました。

不勉強で傲慢な人3  日本の貧乏神だった白川元日銀総裁
まさに、いまの日本の安保法制に関する実態は。内閣法制局的解釈をはじめ、官僚的思考でおさえつけられているのです。何が正しい、何が間違いということよりも、官僚の思考そのものが幅を効かせているのです。

それは、8%増税のときは、財務省の官僚はことあるごとに、政治家や、官僚、その他の人々に増税の正当性をアピールするレクチャーをしてまわるなど、財務省的な思考を徹底的に流布しました。それに、おさえつけられた形で、メディアも、識者もほとんどが官僚的思考に右に倣えをして、最初から失敗することが目に見えていた、8%増税に突き進み、大失敗しました。

現状の安保法制に関する論議も同じことです。やはり、内閣法制局的解釈すなわち、官僚的思考に支配されているとしか言いようがありません。

憲法学者とか、ブログ冒頭の記事の「安全保障関連法案に反対する学者の会」、マスコミ、識者、官僚などが、安全保障法案を違法としていますが、これは、金融緩和に多くの人々が異論を唱えたときや、8%増税に多くの人々が両手をあげて大賛成したときと良く似ています。


デフレの最中の金融引き締めには、日銀官僚に、8%増税のときは、財務官僚の思考に多くの人が両手をあげて賛成していました。まるで、それだけが正しいかのように盛んに様々なインチキ、奇妙奇天烈、出鱈目な言説が流布されしまた。

今回も同じです。安保法制や、集団的自衛権を単純に意見する言論を述べたる学者や、言論人は、不勉強であり、傲慢です。


これはまるで、金融緩和、増税のときと同じデジャブーのようです。日本の学者、識者、マスコミなどは、何度官僚に支配され大失敗すれば目が覚めるのでしょうか。このままだと、永遠に目が覚めないかもしれません。そうして、永久に国民の信頼を失うことになると思います。

それにしても、日本は戦前・戦中から一定数以上の官僚等の人々が、国の重要な事柄に関して一度空気をつくってしまうと、識者などその空気に飲まれて、明らかに間違いであることなど少し考えれば分かるようなことでも、両手をあげて賛成してしまうということが度々繰り返されていると思います。まさに、デジャブーの連続です。

いつになれば、日本人はこうした輪廻地獄といゅう呪縛から開放されるのでしょうか。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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