2022年4月27日水曜日

韓国代表団〝特別面会〟は失敗か 岸田首相、反対意見押し切り…韓国メディアは「譲歩」示唆、報道放置すれば事実捻じ曲げる危険―【私の論評】岸田氏には勤まらない、日本のリーダーに必要なものとは(゚д゚)!

韓国代表団〝特別面会〟は失敗か 岸田首相、反対意見押し切り…韓国メディアは「譲歩」示唆、報道放置すれば事実捻じ曲げる危険

 岸田文雄首相は26日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領が派遣した「政策協議代表団」と官邸で面会した。韓国側による一連の「反日」暴挙への解決を待たず、反対意見を押し切って〝特別扱い〟したかたちだ。これに対し、韓国メディアは「岸田政権の譲歩」を示唆するような報道をしている。

韓国の政策協議代表団から表敬を受ける岸田首相(右端)=26日午前、首相官邸(内閣広報室提供)

 「日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本の一貫した立場に基づき、尹次期政権とは緊密に意思疎通を図りたい」「国と国との約束を守るのは国家間の関係の基本だ」

 岸田首相は、韓国代表団との面会後、記者会見でこう語った。両国関係の改善は韓国側の努力次第と、くぎを刺した。

 ところが、韓国メディアの報道は違う。

 「韓日両国が未来志向的な関係に発展するよう、共同利益のため互いに努力しなければならないとの認識で一致した」(26日、聯合ニュース日本語版)、「韓国人が日本を訪問する際の隔離免除、ビザ免除措置の復活(中略)を提案し、岸田首相が肯定的な立場を表明した」(同日、朝鮮日報)などと、日本側の〝努力〟や〝譲歩〟を報じる内容となっている。

 林芳正外相の満面の笑顔の写真を掲載したメディアもある。

 自民党の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」代表の青山繁晴参院議員は「日韓両国が『互いが努力することで一致した』という報道は誤りだ。私は、岸田首相から事前に『韓国側から具体的な関係改善の行動が示されない限り、政権の姿勢は変わらない』と聞いている。日韓関係を戦後最悪にしたのは、理不尽な『反日』行動を続ける韓国の責任だ」と語った。

 今回の特別面会をどうみるか。

 朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「韓国人は、自らの願望を優先して、事実を捻じ曲げてでも都合のいい方向に話を持っていく民族性がある。報道を放置すれば、韓国次期政権は『日本も努力すべきだ』『岸田首相が認めた』などと主張しかねない。早急に報道を否定すべきだ。岸田首相は油断していたのか…。面会に応じたのは失敗だった」と分析した。

■文政権下での主な「反日」暴挙

・韓国国会議長(当時)による「天皇陛下(現上皇さま)への謝罪要求」

・韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件

・日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄決定

・いわゆる「元徴用工」訴訟をめぐる異常判決

・自衛隊旗(旭日旗)への侮辱

・不法占拠する島根県・竹島への韓国警察庁長官上陸

・世界文化遺産への「佐渡島の金山」推薦に反発

【私の論評】岸田氏には勤まらない、日本のリーダーに必要なものとは(゚д゚)!

なぜ岸田が韓国の代表団にわざわざ会ったのか、全く理解に苦しみます。韓国のユン・ソクヨル氏は大統領に就任しておらず、まだ新政権、政府の人間ではないです。であれば、日本で対応すべきは政府の人間ではなく、自民党の人というのが当たり前です。

ユン・ソクヨル氏

これは外交の常識で、訪日の前に代表団は米国を訪れているが、米国政府関係者は彼らに会っていません。日本側が会うなら、官僚が妥当です。

問題は日本側だけでなく、韓国側にもあります。韓国側が会いたいのなら2週間後に新政権が発足してからで良いはずです。今回の先方のやり方は、非常識です。GSOMIA(日韓秘密軍事情報保護協定)の行方や韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊P-1哨戒機へのレーダー照射事件など、重要事案が山積みになっていることを鑑みるべきです。

韓国代表団が岸田首相を始め各閣僚と会談している間も韓国は竹島や周辺海域にドローンまで投入し詳細な島の地形や周辺海域のデータを収集。これが韓国のやり方です。

本日の産経新聞

維新は、馬場伸幸共同代表名で抗議の緊急声明を発表しました。抗議文は外務省を通じ首相にわたっています。再び韓国に舐められる首相の“前のめり姿勢”に痛烈抗議です。しかし、外交儀礼上も、外交戦略上も、あり得ない代表団と岸田首相との会談に抗議したのは維新のみです。

岸田氏はすでに、日本のリーダーとしては、ふさわしくないようです。ただ、この言葉ほどごかいされているものはないと思います。

経営学のドラッカー氏はリーダーシップについて以下のように述べています。
リーダーシップとは人を引きつけることではない。そのようなものは煽動的資質にすぎない。仲間をつくり、人に影響を与えることでもない。そのようなものはセールスマンシップにすぎない」(『現代の経営』)
参院選まで、支持率を落とさないように、ひたすら重要なことは「検討します」などと発言して「検討士」などとも揶揄されている岸田氏は、とてもリーダーシップを発揮しているようにはみえません。

リーダーシップとは仕事であるとドラッカーは断言しています。リーダーシップの素地として、責任の原則、成果の基準、人と仕事への敬意に優るものはないとしています。

ドラッカー氏は、リーダーシップとは、資質でもカリスマ性でもない。意味あるリーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見えるかたちで確立することであるとしています。リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者であると断言しています。

リーダーは、妥協を受け入れる前に、何が正しく望ましいかを考え抜く。リーダーの仕事は明快な音を出すトランペットになることだとドラッカーは言います。

リーダーと似非リーダーとの違いは目標にあるといいます。リーダーといえども、妥協が必要になることがあります。しかし、政治、経済、財政、人事など、現実の制約によって妥協せざるをえなくなったとき、その妥協が使命と目標に沿っているか離れているかによって、リーダーであるか否かが決まるとしています。

ドラッカーは多くの一流のリーダーたちを目にしてきました。外交的な人も内省的な人もいた。多弁な人も寡黙な人もいたといいます。
リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることである。(『プロフェッショナルの条件』)
リーダーシップに関して、ドラッカー氏は次のようにも語っています。
リーダーシップとは、人のビジョンを高め、成果の基準を高め、人格を高めることである。(『マネジメント』) 

 安易に韓国の代表団にあってしまう岸田氏には、この点にも問題があります。リーダーシップとは、組織の中の人もそうですが、組織の外の関係者のビジョンを高め、成果の基準を高め、人格を高めるものであるからです。岸田氏の態度は、韓国に対して安易に妥協をするとしか受け取れません。韓国の代表団もそう受け取ったことでしょう。

このブログでは、最近岸田首相を批判していますし、それだけではなく岸田政権は短命に終わらせるべきとも主張しています。

これは安倍政権や菅政権においては、なかったことです。両政権に関しては、是々非々で批判したこともありましたが、辞任すべきと言ったことは一度もありません。

特に菅政権については、コロナが収束する前に、辞任すべきではなく、継続すべきと主張しました。

岸田政権の有様をみていると、まさに私のこの主張は正しかったと思います。自民党にお灸をすえるべきだとか、菅氏は辞任すべきだと主張していた人たちは、猛反省すべきです。そのような人たちが、岸田政権を生み出してしまったということを反省すへきです。

お灸をすえるべきと言っていた人たちは、自民党がまた下野すれば良いとでも思ったのでしょうか。現状ではそのようなことは、絶対にすべきでありません。自民党に様々な問題があるのは事実ですが、現在の日本の野党にも問題がありすぎです。

先日もこのブログで述べたように、自民党が下野して政権交代した民主党がどうなかったか、まだ記憶に新しいところです。民主党政権は何も決められず、3年半漂流していたというのが実態でした。

もし現在政権交代したとしたら、民主党のように酷くはなかったとしても、政権を維持するのが精一杯ということになり、現在重要とみられる案件を解決することはできないでしょう。岸田政権と左程変わらないどころか、それを下回る可能性すらあります。

そのようなことだけは避けるべきです。それにしても、現在の岸田政権はあまりに酷すぎます。外交では、自らすすんでなにかをやろうとすれば、今回のような非常識なことしかできませんし、そもそも米国に要請されたことはしますが、その他は何もしません。

エネルギー政策でも、バイデン政権の何もしない姿勢に右ならえをしたのか、何もしません。安保でも経済安保は骨抜きになってしまいました。

経済政策においても、「新しい資本主義」という言葉をあげたものの、昨日の記者会見では「現在検討させている、決まったら公表」するなどと信じがたいことを語っていました。まともなリーダーであれば、ビジョンを持っているのが当然であり、そのビジョンをもとに検討させているとして、そのビジョンについて説明するのが当たり前だと思います。

ここまで、酷いともう二の句が告げません。記者会見をみていると、倦怠感すら感じてしまったので、途中で見るのをやめました。安倍・菅氏が総理大臣であれば、少なくともビジョンは語ったと思います。

リーダーシップの本質は仕事なのですから、重要な仕事をしないで、参院選で勝利できるように、ひたすら重要な意思決定は忌避し内閣支持率を維持しようとする姿勢では、とてもリーダとして仕事をしているとはいえません。

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