2022年4月29日金曜日

鳥インフル「H3N8型」ヒト感染初確認、中国からの入国拒否検討を 当局は「偶発的」「リスク低い」とコメントも…コロナと同じ轍許すな!―【私の論評】岸田政権が続けば、いつか来た道を繰り返し、中国のインバウンド頼みを繰り返すことに(゚д゚)!

 有本香の以読制毒

鳥インフル「H3N8型」ヒト感染初確認、中国からの入国拒否検討を 当局は「偶発的」「リスク低い」とコメントも…コロナと同じ轍許すな!


習近平総書記

  中国で鳥インフルエンザ「H3N8型」の、最初のヒト感染が確認されたという。中国の国家衛生健康委員会が26日、河南省駐馬店市に住む4歳の男児の感染を確認したと発表。同委員会は、同型のヒトへの感染確認は初だが、「偶発的に鳥類からヒトへの感染が起きたもので、大規模流行のリスクは低い」としている。

何しろ中国当局のコメントだ。額面通り受け取って安閑とするわけにもいくまい。「ヒトへの感染は偶発的」「リスクは低い」などの文言を見ると、既視感とともに悪い記憶が蘇る。2020年1月、新型コロナウイルス始まりの頃に、同様の表現が繰り返されたからである。

2年前の同年1月9日、筆者はまさに本コラムで「中国で「謎の肺炎」発生! SARSの惨禍繰り返すな」と書いて警鐘を鳴らした。しかし、この時点で日本政府は完全ノーガード。中国の春節(旧正月)という、インバウンドのかき入れ時を目前に控えていたためだが、政府は頑として通常通りの構えを崩さず、水際対策も後れをとった。

筆者のコラムでの警告から約2週間後の同月23日に、中国湖北省武漢市で前代未聞の「都市封鎖」がなされたところから大騒ぎとなったが、この直前まで日本政府は「特に問題はない」かのようなアナウンスを繰り返していた。

 当時の報道を読み返すと、武漢市封鎖の5日前、加藤勝信厚労相(当時)は「持続的なヒト→ヒト感染の明らかな証拠はない」「新たな発症者が出ているということではない」などと強調、国民に「冷静な対応を呼び掛けた」とある。

 コロナとインフルエンザの違いはあるものの、新たな感染症を侮って同じ轍を踏むことは許されない。今回こそ正確かつ迅速な状況把握と先手先手の対策、その一方、状況変化に応じた柔軟な対応が求められる。

 現状の報道で、「H3N8型」のリスクは低いかのように伝えられているが、そうとも言い切れない。1889~91年に世界的に流行した「ロシア風邪」「アジア風邪」と呼ばれた感染症の例だ。この原因となったウイルスは特定されていないものの、H3N8によるとする報告が後年(2006年)に出されている。

 鳥インフルエンザは渡り鳥などが運ぶため、人や物の出入りだけを厳しくしても意味がないという声がある。しかし、歴史的にみても中国大陸は「流行病の火薬庫」だ。その国からわが国への入国渡航に、特段の注意を要することは言うまでもない。

 現在、新型コロナ対策のために、中国との出入国者は他国と同様に制限されているが、これを開放すべきという声は高い。「観光目的の入国」再開を望む提言もある。経済再生のためには、他国と比べて厳しすぎるわが国の水際対策に変更が必要だという意見は分かる。

 しかし、中国ではいまもロックダウンが行われ、新たな感染症の報告もあったとなれば、しばらく他国よりも厳しい措置で望むしかなかろう。

 私見を言うなら、当面の間、中国からの「入国拒否」も視野に入れるぐらいの厳格な措置を検討すべきだ。「馬鹿な。それでは干上がる業界が出る」という声が上がるだろうが、そんな声は聞き飽きた。中国頼みの金もうけがいかなる結果を生むか。この2年で学ばなかった業界があるなら、それは自ら選んだ「滅びへの道」だと言っておく。

■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

■憲法シンポ ネット配信視聴券はこちら

本香さんが出演された「憲法シンポジウム4」。インターネット配信視聴券(5月11日までアーカイブ配信中!)お申し込みはQRコードから。


【私の論評】岸田政権が続けば、いつか来た道を繰り返し、中国のインバウンド頼みでコロナに厳格に対応できなくなる(゚д゚)!

上の有本氏の記事と似たような記事をこのブログではすでに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。

中国の新型コロナ『武漢で感染拡大したおととしに匹敵』 封鎖ラッシュの上海は“ゼロコロナ”強化も―【私の記事】中国でいつ致死率の高いコロナ感染症が爆発してもおかしくない理由。警戒を強めよ(゚д゚)!

この記事では、新しい伝染病ではなく、中国でいつ致死性の高いコロナ感染症が爆発してもおかしくないことを解説しました。ただ、新しい伝染病が発生する可能性も否定できません。それについては、コロナが発生して、日本でも患者が出始めた頃にこのブログに掲載したことがあります。

そうして、その原因はいずれも、有本氏が上の記事に掲載しているように、歴史的にみても中国大陸は「流行病の火薬庫」だということです。

その部分をこの記事から少し長いですが引用します。

現在、世界を震撼(しんかん)させている新型コロナウイルスのような新興感染症が、中国を起点に多数登場しているのはなぜでょうか。背景には、20世紀末から急速に経済成長した中国が、人類が1万年かけて経験した開発や都市化をわずか30年ほどの間で経験したことがあるとみるむきもあります。

ただ、この30年説は正しくはないかもしれません。それは、冒頭の記事で示されている日本軍の雲南省でどんな感染症が発生しているかを示した地図の存在からも明らかです。この地図は、1935年あたりに作成されたものです。

この頃は中国はまだ完全に発展途上国といって良い状況でした。となると、中国発の伝染病が多発する原因は、都市化以前に農業のために森林を切り開き、野生動物を家畜化するといった生態系への働きかけ(開発)によって流行したことが考えられます。そうして、今でもそのようなことが繰り返されている可能性があります。

ただし、今回のコロナに関しては、「世界の工場」となった中国が、国際貿易や人の移動の面でその存在感を高めていることも、新型コロナ感染症をグローバルに拡大させる要因となりました。

流行の中心地となった中国の武漢市や湖北省などでは、大規模なロックダウン(都市封鎖)が行われ、人々の活動を制限して感染症の抑え込みを行いました。流行の中心が欧州や米国に移ると、多くの国で外出制限や学校の休校措置がとられ、世界はなかば鎖国のような状態となりました。

ほぼ同時にこれほど大規模な活動の制限が求められたことは、感染症の歴史においても、経済社会の歩みの中でも初めてのことです。

「疫病史観」を紐解けば、私たちが想像している以上に、感染症が人類の歴史に大きな影響を及ぼしてきたことが理解できます。考えてみると、農業化や工業化、さらに都市化という人類史の基本的なトレンドは、人々が集まって大きく生産や消費を行うことを前提としてきました。

しかし、今回の新興感染症は、私たちがそうした行動をとることを許しません。経済社会を成り立たせている基本的な活動が、感染症流行の要因になっているのです。現在、起きていることは、経済社会のあり方が根本から変わる転換点と後に位置づけられるのかもしれないです。

ただ、現在の先進国の都市では、伝染病の発信源になることはほとんどありません。それだけ、先進国は、上下水道を整えたり、防疫・医療体制を強化してきたのです。

それよりも、同じ一つの国で、奥地では農業のために森林を切り開き、野生動物を家畜化する等といった生態系への働きかけ(開発)によって元々伝染病が流行しやすくなった中国が、20世紀末から急速に経済成長し、沿岸部では人類が1万年かけて経験した開発や都市化をわずか30年ほど成し遂げたことが流行に拍車をかけたといえるでしょう。

まさに、中国は、伝染病の「ゆりかご」と言っても良い状況なのです。

 中国では、現在もコロナ感染症ウイルスが変異を起こして、致死性が高くなることもありえますし、さらに新たな伝染病が発生する可能性も否定できないのです。 

だとすれば、有森香氏が上の記事で述べている、結論通りにするしかないのかもしれません

私見を言うなら、当面の間、中国からの「入国拒否」も視野に入れるぐらいの厳格な措置を検討すべきだ。「馬鹿な。それでは干上がる業界が出る」という声が上がるだろうが、そんな声は聞き飽きた。中国頼みの金もうけがいかなる結果を生むか。この2年で学ばなかった業界があるなら、それは自ら選んだ「滅びへの道」だと言っておく。

 確かに、私達日本人は 私見を言うなら、中国頼みの金もうけがいかなる結果を生むか学んできました。中国のアウトバウンドを期待するのは本当に危険なことです。

ただ、それを期待せざるを得なかったのには理由もあります。それについては、他の記事で詳しく説明しています。その記事のリンクを以下に掲載します。

日銀審議委員人事に悪い予感…インフレ目標軽視は「雇用軽視」 金融政策は旧体制に逆戻りか―【私の論評】今後日銀が金融政策を間違えば、制裁中のロシアのように景気が落ち込みかねない日本(゚д゚)!

この記事のタイトルには中国という文字が含まれておらず、一見中国とは関係ないようにみえますが、中国についても述べています。これも少し長いですが、その部分を以下に引用します。

過去のデフレの真っ最中には、実は円が異様に高くなり日本で原材料を組み立てて、輸出するよりも、中国や韓国で組み立てて、そこから輸出したほうがコストがかからないという異常事態が発生しました。当然のことながら、日本から原材料を輸入しそれを組み立てて、輸出する中国や韓国のほうがさらに安いという状況でした。これでは、日本の国際競争力が落ちるのも必然でした。

このような状況では、国内で様々な製品を製造するよりも、国外で製造した方が安いということになり、日本国内の産業の空洞化がすすみ、中国や韓国の多数の富裕層を生み出すことになりました。

中国富裕層

 特に韓国では、原材料を製造する技術も高くないし、そういうことをしようとする地道な技術者や経営者を馬鹿にし卑しみ、組み立てる人間が一番偉いという文化があり、日本のデフレはまさにこうした韓国にとっては、うってつけであり、日本がデフレの底に沈んでいるときには、優れた部品や素材を開発する日本を卑しみ、我が世の春を謳歌していたといっても過言ではありません。

挙げ句のはてに、日本では中国の富裕層をインバウンドともてはやし、これに頼るしかなくなる事業者も生まれでる始末でした。何これ?日本人あまりに惨めじゃないですか?なんで金持ちにしてやって、さらに奉仕までしなくてはないのですか?中韓が得ていた莫大な利益は、本来は日本企業や日本国民が得るものだったのではないですか?日銀がまともな金融政策さえしていれば、このようなことは起こらなかったはずです。

さすがに現在のロシアは制裁対象でないのでこのようなことはできないですが、もしロシアがそれができるなら、極東に様々な工場や工場団地を造成して、日本企業を誘致し、そこで組みたてと製造輸出を行い、儲けまくってニューオルガリヒが生まれることになるかもしれません。

このようなことはあり得ませんが、ただ制裁などの対象になっていない国である程度産業基盤のある国では、中国や韓国の大成功にあやかり、日本から安い原材料を輸入し、それを組み立てて大儲けする国も現れるかもしれません。そうして、そうした国で富裕層を生み出し、日本人がその富裕層を大歓迎するなどという、過ちが繰り返されるかもしれません。

そうなれば、現在コロナ禍からも立ち直りきっておらず、ロシアによる制裁による原油高などの悪影響を受けたうえ、さらにデフレということで、2重パンチで、景気が落ち込みデフレスパイラルのどん底に沈み、それこそ制裁を受けているロシアのように経済がどん底に沈み、失われた20年が再現されることにもなりかねません。

ウクライナに侵略したロシアが景気の落ち込みによって苦しむのは、自業自得で致し方ないですが、日本が自分の首を自分でしめるような真似をすることは、まっぴらごめんです。

有森氏の記事の結論もあわせて、以上の内容も踏まえて結論を述べるとすれば、以下のようなことになるでしょう。

日本は中国のインバウンドに頼らなくても良いように、積極財政と金融緩和でデフレがすみやかに脱却して中国からの「入国拒否」も視野に入れるぐらいの厳格な措置を検討すべきということになるでしょう。

ただ、来年の3月には、日銀総裁人事があり、黒田総裁に変わる新しい総裁が誕生します。岸田氏がどのような人物を選ぶのかで、日本はまたとんでもないことになり、中国インバウンド頼みの事業者が増え、中国で危険な伝染病が発生しても、厳格な態度を取れないかもしれません。

岸田首相

このブログでも先に述べましたが、岸田政権の補正予算はあまりにしょぼくて、需給ギャップが30兆円以上もあるとみられる、現状では焼け石に水です。

このまま岸田政権にまかせておけば、また1〜2年もすれば、同じことの繰り返しになるでしょう。

いつか来た道のように、中国のインバウンド頼みでコロナに厳格に対応できなくなります。

それを避ける意味でも、岸田政権は短期政権にすべきです。

【関連記事】

中国の新型コロナ『武漢で感染拡大したおととしに匹敵』 封鎖ラッシュの上海は“ゼロコロナ”強化も―【私の記事】中国でいつ致死率の高いコロナ感染症が爆発してもおかしくない理由。警戒を強めよ(゚д゚)!

日銀審議委員人事に悪い予感…インフレ目標軽視は「雇用軽視」 金融政策は旧体制に逆戻りか―【私の論評】今後日銀が金融政策を間違えば、制裁中のロシアのように景気が落ち込みかねない日本(゚д゚)!

韓国代表団〝特別面会〟は失敗か 岸田首相、反対意見押し切り…韓国メディアは「譲歩」示唆、報道放置すれば事実捻じ曲げる危険―【私の論評】岸田氏には勤まらない、日本のリーダーに必要なものとは(゚д゚)!

各国のデータ比較で分かった!日本経済は千載一遇の好機 世界は金融引き締めが主流だが…追随は厳禁だ―【私の論評】誰が千載一遇の好機を活かせるか(゚д゚)!

0 件のコメント:

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣―【私の論評】岩屋外務大臣の賄賂疑惑が日本に与える影響と重要性が増した企業の自立したリスク管理

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣 渡邉哲也(作家・経済評論家) まとめ 米国司法省は500ドットコムと元CEOを起訴し、両者が有罪答弁を行い司法取引を結んだ。 日本側では5名が資金を受け取ったが、立件されたのは秋本司被告のみで、他...