2022年3月17日木曜日

中国の新型コロナ『武漢で感染拡大したおととしに匹敵』 封鎖ラッシュの上海は“ゼロコロナ”強化も―【私の記事】中国でいつ致死率の高いコロナ感染症が爆発してもおかしくない理由。警戒を強めよ(゚д゚)!

中国の新型コロナ『武漢で感染拡大したおととしに匹敵』 封鎖ラッシュの上海は“ゼロコロナ”強化も


中国では武漢で感染拡大したおととしに匹敵する規模で新型コロナウイルスの感染が広がり、上海では建物の封鎖が相次ぎ、市民生活を圧迫しています。

中国全土では今週月曜の新規感染者数が5000人を超えました。感染が広がる中国最大の経済都市・上海はおとといの市中感染者が200人以上。市民の生活に大きな影響が出ています。

寺島記者
「こちらのマンションは感染者や濃厚接触者が出たわけではないのですが、きのうから48時間の封鎖となっています」

中国では感染者や濃厚接触者が滞在した場所は最大で14日間封鎖されます。

こうした中、上海市政府は新たに感染者や濃厚接触者が確認されていない場所でも48時間封鎖し、2回のPCR検査を行う「重点区域」を定め“ゼロコロナ政策”を強化しました。

封鎖ラッシュの上海。オフィスはもちろん、小学校が封鎖され一夜を明かす児童らや、ジムで運動中に閉じ込められた人も。

そして上海のシンボルともいえる建物も・・・

寺島記者
「中国で最も高い超高層ビルでも黄色い規制線が張られ、現在封鎖されています」

高さ600メートル以上、127階建ての「上海タワー」も一時封鎖されました。

相次ぐ封鎖で圧迫される市民の生活。しかし中国政府は“ゼロコロナ政策”の成功を強調してきただけに方針の転換はそう簡単ではなさそうです。

【私の記事】中国でいつ致死率の高いコロナ感染症が爆発してもおかしくない理由。警戒を強めよ(゚д゚)!

中国の「ゼロコロナ政策」については、間違いだと指摘する識者は多いです。私自身も、このブログでそのように指摘してきました。しかし、富坂聰はそうではないことを主張しています。以下にその記事のリンクを掲載します。
中国のゼロコロナ政策はリスクではなく世界の防波堤
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より結論部分を以下に引用させていただきます。
もし中国が早期の消火に失敗すれば、瞬く間に医療崩壊が全国へと広がり、一定の期間放置される地域が出てくることは容易に想像される。そして新型コロナウイルスの特徴を考慮すれば、この次に浮上する悪夢のシナリオは、中国国内で多種多様な変異株が次々に誕生してくるという展開だ。

 これが世界にとってどれほどの脅威となるだろうか。

 かつて中国は、結核治療においてこのシナリオと近似した状況に陥った。農村によって病院が近くになかったり、あっても治療費が高くて負担できないといった理由から、結核にかかった患者が途中で治療を放棄してしまうケースが続出したのである。

 結核は完治するまで薬を飲み続けなければ新たな耐性を備えた菌へと進化してしまう病気である。結果、治療を中断した患者の体内で強力となり、最終的には多剤耐性を備え、薬の効かない恐ろしい結核菌を作り出してしまったのである。

 結核と新型コロナを簡単に比較すべきではないかもしれない。だが医療の手が届かない空白地帯は、いまも中国には多く、そして厳然と存在し続けている。だからもし、中国に医療崩壊が起き、全土で次々と変異株が生れるような状態に陥れば、日本の危機感は現在のレベルで済むはずはなかっただろう。

 つまり中国のゼロコロナは、単に自国のための感染対策という枠を超えて、世界にとっての防波堤の機能を果たしているといったのはこうした理由からである。

 独裁色の強い隣国が感染対策の成功を誇っているのを面白くないと思う心理は理解できる。それが読者にアピールすると考えることも分かる。しかし、一定の節度はあってしかるべきだろう。

一定の節度が必要かどうかは、別にして武漢で最初にコロナウイルスがを李医師が発見したのを握りつぶして隠蔽したことは絶対に許せません。それに、コロナウイルスは武漢研究所で人工的に変造されたものかもしれないという疑惑は、未だに晴れていません。

ただ、こういう事実とは別に確かに、中国は伝染病の温床というのは事実です。それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。

コロナだけじゃない、中国で次々に発生する感染症に世界は耐えられるか―【私の論評】中国は伝染病の温床!その理由と対処法はこれだ(゚д゚)!
2020年3月12日、武漢市に所在する病院の集中治療室を消毒する医療従事者

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。

現在、世界を震撼(しんかん)させている新型コロナウイルスのような新興感染症が、中国を起点に多数登場しているのはなぜでょうか。背景には、20世紀末から急速に経済成長した中国が、人類が1万年かけて経験した開発や都市化をわずか30年ほどの間で経験したことがあるとみるむきもあります。

ただ、この30年説は正しくはないかもしれません。それは、冒頭の記事で示されている日本軍の雲南省でどんな感染症が発生しているかを示した地図の存在からも明らかです。この地図は、1935年あたりに作成されたものです。

この頃は中国はまだ完全に発展途上国といって良い状況でした。となると、中国発の伝染病が多発する原因は、都市化以前に農業のために森林を切り開き、野生動物を家畜化するといった生態系への働きかけ(開発)によって流行したことが考えられます。そうして、今でもそのようなことが繰り返されている可能性があります。

ただし、今回のコロナに関しては、「世界の工場」となった中国が、国際貿易や人の移動の面でその存在感を高めていることも、新型コロナ感染症をグローバルに拡大させる要因となりました。

流行の中心地となった中国の武漢市や湖北省などでは、大規模なロックダウン(都市封鎖)が行われ、人々の活動を制限して感染症の抑え込みを行いました。流行の中心が欧州や米国に移ると、多くの国で外出制限や学校の休校措置がとられ、世界はなかば鎖国のような状態となりました。

ほぼ同時にこれほど大規模な活動の制限が求められたことは、感染症の歴史においても、経済社会の歩みの中でも初めてのことです。

「疫病史観」を紐解けば、私たちが想像している以上に、感染症が人類の歴史に大きな影響を及ぼしてきたことが理解できます。考えてみると、農業化や工業化、さらに都市化という人類史の基本的なトレンドは、人々が集まって大きく生産や消費を行うことを前提としてきました。

しかし、今回の新興感染症は、私たちがそうした行動をとることを許しません。経済社会を成り立たせている基本的な活動が、感染症流行の要因になっているのです。現在、起きていることは、経済社会のあり方が根本から変わる転換点と後に位置づけられるのかもしれないです。

ただ、現在の先進国の都市では、伝染病の発信源になることはほとんどありません。それだけ、先進国は、上下水道を整えたり、防疫・医療体制を強化してきたのです。

それよりも、同じ一つの国で、奥地では農業のために森林を切り開き、野生動物を家畜化する等といった生態系への働きかけ(開発)によって元々伝染病が流行しやすくなった中国が、20世紀末から急速に経済成長し、沿岸部では人類が1万年かけて経験した開発や都市化をわずか30年ほど成し遂げたことが流行に拍車をかけたといえるでしょう。

まさに、中国は、伝染病の「ゆりかご」と言っても良い状況なのです。

この状況を解決するために、この記事ではいかのような解決策をあげさせていただきました。

これに輪をかけて、さらに中共政府が初期の段階で感染症の隠蔽をはかったことが、後にパンデミックの大きな要因となったことを考え合わせると、一つ浮かび上がってくる解決法があります。

それは、少しでも中国内で、新たな感染症の兆候があった場合、中国政府などの情報やWHOの情報などあてにせず、各々の国は自国民の命と財産と、自国経済を守るために、すぐに中国からの渡航制限をすることです。

そのためには、各国で協力のうえで、中国には公表せずに、中国内の感染症情報を得る体制を整えるべきでしょう。そうした体制を整えておき、少しでも兆候があれば、問答無用で中国からの渡航を禁じるのです。

 ただ、これによって完璧に中国発の感染症を防げるかどうか、今となると疑問です。確かに短期的にはこれですむかもしれませんが、長期的にはそうはできません。なぜなら、最近北京で五輪とパラリンビックが開催されたことをみても、現在では中国と完璧に人的交流を遮断することは不可能に近いからです。

仮にそうしたとしても、中国と隣接国との間では、国境溶解という現象が続いています。特にロシアとの間ではそうです。

ソ連の崩壊によってシベリアのロシア人社会は、直ちに危機に陥いりました。 政府は給与を支払うことができず、多くの労働者が引き上げていきました。 シベリアに市場はなく、シベリア鉄道もいたるところで寸断されようとしていました。 

だから、中国からの輸入が不可欠のものとなりましたが、一方で中国に売り渡すものを シベリアのロシア人社会は何も持っていませんでした。その結果、 中国人がシベリアに入り込んできて、役に立つものを探し出し、作り出してゆくしかなくなりました。こうして、国境溶解が進んていきました。

中国とロシア以外の他国との国境溶解もロシア・中国との国境のように規模は大きくはありませんが、進んでいるということもあります。

この国境溶解により、シベリアでは物資の不足などに悩むことはなくなりましたが、それにしても、伝染病などの伝播は避けられなくなったともいえます。

やはり、中国は伝染病関連の情報は包み隠さず、先進国に伝えるべきです。迅速な情報伝達があれば、はやめの対処もできます。

中国の現在のコロナ感染では、統計上では死者はほとんどありません。ただ、中国の過去の隠蔽体質を考えると、これが本当なのかどうかは定かではありません。


中国で新たな殺傷力の強い変異株が生まれており、それを中国が隠蔽していないとも限りません。もしそうなら、人類は再度コロナ感染症の脅威にさらされることになりかねません。

3月15日に中国政府が行った発表によると、この前日に新規確認された中国本土の市中感染者数は、無症状を含めて5154人。データをたどることが可能な2020年3月以降、最多を記録、3月13日の発表で記録更新したばかりだった3122人を大幅に塗り替えた。首都北京や上海でも感染者が日々報告されいる他、南部の大都市として日本人にとってもお馴染みの深圳では、今のところ3月20日までの期間限定ですが、事実上のロックダウンが実施されています。

なかでも特に感染拡大が深刻なのは、東北部にある吉林省です。最も感染者が多い吉林市の当局は3月9日、感染拡大中のウイルスについてオミクロン株の「BA・2」と発表。いわゆる「ステルスオミクロン」として日本でも問題になっている変異株です。

現地では3月15日午前から、今回の感染拡大後、実に9度目となる全市民対象のPCR検査を実施。市内にある2つの医療機関を新型コロナ患者の専用病院に指定、3つの臨時病院を開設して患者対応にあたる一方で、3月12日の未明には吉林省が市長の解任を発表して、感染拡大の責任を問う姿勢が鮮明に打ち出されました。

実はこの人事が発表される2日前にも吉林省はある人物の解任を発表しており、その背景が注目されています。

解任されたのは市内にある農業科学技術学院の院長で、日本でいう地元の大学のトップです。

中国メディアによると、この学院では3月6日に学生寮で陽性者が判明するなど、感染者が相次いで確認されていました。このため、学内の全面消毒と感染拡大を防ぐ目的で、3月10日午後になって全学生6500人あまりを大型バスに分乗させ、市内の隔離先などに移す大規模移送が実施されました。

大規模移送完了後の3月11日に香港メディア「香港01」は、感染対策の不備や物資の不足に加えて、学院側が感染情報を隠ぺいした疑いを報じました。

一方上海では、ある病院で医療スタッフが病院側に詰め寄る様子をとらえた動画が上位にあがっていました。スタッフの家族とみられる人物の投稿によると、病院内で感染者が出たにも関わらず、病院側がこれを隠した上、有効な措置が取られず院内感染に発展したといいます。

感染科の医師だけでは人手も物資も足りなくなり専門外の看護師までも動員され、中には防護服なしで対応させられたケースもあったことから、スタッフが病院側に詰め寄ったものです。病院側はこの動画が伝える騒動が、実際にあったこと自体は公式に認めていますが、詳しい経緯などは調査中としています。

中国随一の国際経済都市とされる上海は、コロナの感染対策においても“優等生”と言われてきたのですが、その上海でさえも混乱は確実に起き始めているのです。

吉林省で行わたPCR検査

この隠蔽体質は以前このブログでも述べたように、一言で言えば中国共産党中央政府が「ゼロコロナ政策」を掲げているため、下部組織はコロナ感染症が発生しても、上に報告しづらい状況になってるため起こっているのでしょう。

この状況は非常に危険です。もしコロナ感染症が深刻な状況になっても、上に報告されない可能性があります。このように中国ではいつ、感染症の爆発、それも多数の死傷者を含む爆発が起こってもおかしくはないのです。

このブログでは、国際政治学者イアン・ブレマーが社長を務める米調査会社ユーラシア・グループが1月3日に公表した2022年の「世界の10大地政学的リスク」を掲載しました。

これは日本でも大きく報じられましたが、目を引いたのは一位に予測されたのが中国だったからでした。しかも習近平政権が誇る「ゼロコロナ政策の失敗」が世界経済に深刻な打撃を与えるとい予測でした。

ユーラシアグループはロシアのウクライナ侵攻も予測していましたが、それは中国のゼロコロナ政策の失敗よりも下位に位置づけられていました。

現在日本ではウクライナ問題や、昨日起きた地震のことが多く報道され、中国のこの地政学的リスクについては、ほとんど報道されませんが、政府としてはこちらのほうにも気を配るべきです。日本国内のコロナ感染より、こちらのほうがよほど恐ろしいです。

そうしていくつの対策のシナリオを考えておくべきです。岸田政権は意思決定が遅い傾向がありますが、中国がゼロコロナ対策に失敗したり、死亡率の高いコロナウイルスの感染爆発が起こった場合に、意思決定が遅れれば日本は、ウクライナ危機どころではなく直接甚大な悪影響を被ることもあり得ます。

警戒を強めるべきです。無論これが、杞憂に終わればそれに越したことはないのですが・・・・・。

【関連記事】

コロナだけじゃない、中国で次々に発生する感染症に世界は耐えられるか―【私の論評】中国は伝染病の温床!その理由と対処法はこれだ(゚д゚)!

中国でコロナ感染者が過去最多、上海でも移動制限―【私の論評】日本は、ロシアのウクライナ侵攻だけではなく、中国の不安定化による悪影響にも備えるべき(゚д゚)!

不安な政府のオミクロン対策…「柔軟な対応」強調するが、先読まず場当たり対応目立つ 菅政権より仕事をしていない―【私の論評】岸田政権は「日米中の正三角形政策」を捨て去り、「日米中二等辺三角形政策」を志向すべき(゚д゚)!

新型コロナ、中国本土で新たに189人感染確認―【私の論評】先進国の「ゼロコロナ政策」とは似て非なる中国の「社会面清零政策」の末恐ろしさ(゚д゚)!

世界「10大リスク」1位は中国の「ゼロコロナ政策」失敗…各国の政情不安定化も―【私の論評】今年最大の地政学的リスクは、中国の対外関係ではなく国内問題(゚д゚)!

0 件のコメント:

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣―【私の論評】岩屋外務大臣の賄賂疑惑が日本に与える影響と重要性が増した企業の自立したリスク管理

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣 渡邉哲也(作家・経済評論家) まとめ 米国司法省は500ドットコムと元CEOを起訴し、両者が有罪答弁を行い司法取引を結んだ。 日本側では5名が資金を受け取ったが、立件されたのは秋本司被告のみで、他...