2022年3月16日水曜日

「ウクライナを見捨てない」 東欧3首脳、キエフ訪問で連帯―【私の論評】第二次世界大戦の戦後の完璧な終わりを告げる3首脳の電撃ウクライナ訪問(゚д゚)!

「ウクライナを見捨てない」 東欧3首脳、キエフ訪問で連帯
  
  15日、ウクライナの首都キエフで、ゼレンスキー大統領(手前右)と握手する
  ポーランドのモラウィエツキ首相(左から4人目)ら東欧3カ国の首相

 ポーランド、チェコ、スロベニアの東欧3カ国の首相が15日、ロシア軍の包囲作戦と攻撃にさらされるウクライナの首都キエフを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。3首脳は「ウクライナは自分たちの自由と独立のためだけでなく、われわれのためにも戦っている」とたたえ、連帯とさらなる支援を約束した。

 2月24日のロシア軍の侵攻開始後、外国首脳がキエフを訪れたのは初めて。3人は15日午前に列車でウクライナ入りし、数時間の長旅を経てキエフ入りした。ロシア側にも訪問を事前通告していたという。3首脳は16日午前(日本時間同日午後)、ポーランドへ無事戻った。

 ゼレンスキー氏らと並んで記者会見したポーランドのモラウィエツキ首相は「ウクライナを
見捨てない」と強調し、ウクライナの欧州連合(EU)加盟への支持も明言した。チェコのフィアラ首相は「勇気ある戦いを称賛する。一段の支援を続けていく」と述べ、スロベニアのヤンシャ首相も「ウクライナが陸海空を守るため、防衛的・攻撃的な兵器を含むすべての武器供与が重要だ」と訴えた。

 首脳らは、ウクライナ語で「ウクライナに栄光を」と勝利を誓った。ゼレンスキー氏は「キエフが侵略者の標的になっている時に、何も怖がらず、われわれの運命を危惧して来てくれた」と謝意を表明。報道によると、会談では戦後を見据えたウクライナの復興支援や、ロシアの責任追及なども協議した。

【私の論評】第二次世界大戦の戦後の完璧な終わりを告げる3首脳の命を賭した電撃ウクライナ訪問(゚д゚)!

本日世界を駆け巡った超ド級の驚くべきニュースです。今日3月15日、ポーランド、チェコ、スロベニアの首相がウクライナを訪問しました。しかも列車で。爆撃が激しくなるウクライナの首都キエフでゼレンスキー大統領と会見するために。EU欧州委員会理事会の承認の下、彼らはキエフに到着しゼレンスキー大統領に会ったのです。


キエフで3首相を迎えたゼレンスキー氏は、メッセージアプリのテレグラムに投稿した動画で「あなた方がウクライナにとって困難な時期にキエフを訪問したことは支持の強い現れであり、心から感謝している」と述べました。

訪問したうちの一人、ポーランドのモラウィエツキ首相は会談の模様の写真をTwitterにアップした上で「ウクライナを失ったら、もはやヨーロッパではない」と欧州全体でウクライナをサポートすべきと投稿しました。

「ウクライナを失ったら、もはやヨーロッパではない」とウクライナで述べたモラウィエツキ氏

「もしヨーロッパがウクライナを失うことになれば、ヨーロッパは完全に別物になることは間違いありません。それは、もはやヨーロッパではありません。敗北して屈辱的で哀れなものになるでしょう。私は強くて毅然としたヨーロッパを望みます」

会談に同席したウクライナのシュミハリ首相によると、ウクライナ再建支援と、ロシアに破壊した全ての物を賠償させるための国際協力が議題になったといいます。 シュミハリ首相は「3人の首相がキエフにいることは、すべてのウクライナ人に対する限りない支援の証拠です。EUの評議会を代表する3人の首相の訪問は歴史教科書に記録されます」とツイートしました。

この会談が今後どのような影響を及ぼすか未知数のところがありますが、それにしても確実に新たな歴史の一歩飾る象徴的な出来事であることは間違いないです。

その新たな歴史とは何か、それは戦後体制の完璧な終了です。

ロシアは、第2次世界大戦で、旧ソ連が2000万人を超すおびただしい犠牲者を出すことによって得られた国連安全保障理事会常任理事国のステータスを失うことになるでしょう。今回の侵攻で、ロシアは権利を自ら放棄したとも言えます。それは『戦後の終わり』を迎えるという意味でもあります。

   左からスロベニアのヤンシャ首相、ポーランドのモラビエツキ首相、カチンスキ副首相、
   チェコのフィアラ首相。非公開の場所に集い地図を見る=15日


国連の常任理事国の拒否権は、今回のロシア・ウクライナ戦争のように、常任理事国が戦争に関わっていれば戦争を止めることができない異常な制度です。ウクライナもロシアも多くの死者を出しています。この戦争がどのような決着をむかえるのか、まだ未知数のところがありますが、平和のための新たな仕組み作りに向けた機運が高まることでしょう。

そうして、今回のポーランド、チェコ、スロベニアの東欧3カ国の現時点におけるウクライナ訪問は、それを促す象徴的な出来事として、歴史に残ることになるでしょう。

日本も将来を見越しながら行動するべきであり、安全保障をはじめ食糧、エネルギーなどあらゆる問題を率直に議論していかなければならないです。そうして、これは安倍元総理が語っていた「戦後レジームからの脱却」でもあります。

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