2022年4月26日火曜日

各国のデータ比較で分かった!日本経済は千載一遇の好機 世界は金融引き締めが主流だが…追随は厳禁だ―【私の論評】誰が千載一遇の好機を活かせるか(゚д゚)!

日本の解き方


 国際通貨基金(IMF)は19日発表した世界経済見通しで、2022年の世界の実質成長率を3・6%(2021年は6・1%。以下カッコ内は21年の数字)とし、1月時点の予測から0・8ポイント下方修正した。日本も原油高や長引くコロナ禍が打撃となり、22年の実質成長率は2・4%(1・6%)と1月時点の見通しから下振れとなった。

 ロシアは日米欧の経済制裁を背景にマイナス8・5%(4・7%)に落ち込み、ウクライナはマイナス35%(3・4%)とした。米国3・7%(5・7%)、ユーロ圏2・8%(5・3%)、英国3・7%(7・4%)と、いずれの国・地域も下振れし、21年より大きく低下することになる。

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 22年のインフレ率はどうなるか。世界で7・4%(4・7%)、日本が1・0%(マイナス0・3%)、ロシア21・3%(6・7%)、ウクライナは算出困難(9・4%)、米国7・7%(4・7%)、ユーロ圏5・3%(2・6%)、英国7・4%(2・6%)だった。

 ロシア(とおそらくウクライナ)では、戦争時によくみられるように供給不足から猛烈なインフレになる。その他の国も一定のインフレになりそうだが、日本は需要不足なので、インフレというほどではない。

 それでは22年の失業率はどうなるか。世界平均のデータはなく、国別では日本2・6%(2・8%)、ロシア9・3%(4・8%)、ウクライナは算出困難(9・8%)、米国3・5%(5・4%)、ユーロ圏7・3%(7・7%)、英国4・2%(4・5%)となっている。

 ロシア(とおそらくウクライナ)は、猛烈なインフレになるが失業率も高くなり、典型的なスタグフレーションが見込まれる。他の国では、多少インフレになるが、失業率は低下する。

 全体をみると、ロシアとウクライナでは、経済成長率の大幅な低下とインフレ率、失業率の大幅な上昇が予想され、その他の国では、経済成長率の低下とインフレ率の上昇、失業率の低下という見通しだ。ウクライナ侵攻が長期化すればこの傾向は続くだろう。

 侵攻されたウクライナにとっては、許しがたい災難だ。侵攻したロシアは、世界からの経済制裁を受けて代償を払うのは自業自得である。その他の国もロシアの侵攻により成長鈍化というとばっちりを受けるが、雇用が改善するのは、やや救いがあるといえる。

 こうした中で、先進国の中では日本は相対的に良いパフォーマンスにみえる。成長率は改善、インフレ率もマイナスからプラスとなるが、それほどのインフレでもない。その上、失業率も改善する。もともとデフレ傾向だったので、世界的なインフレによる影響を受けにくいためだ。これは日本にとっては千載一遇のチャンスである。

 世界の先進国は、経済制裁で協調しているが、経済政策までは協調していない。それぞれの国で事情が異なるからだ。世界ではインフレ傾向を抑制するための金融引き締め(利上げ)が主流だが、日本は決してまねをしてはいけない。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】誰が千載一遇の好機を活かせるか(゚д゚)!

高橋洋一氏は、この記事では「日本経済は千載一遇の好機」としていますが、別の記事、例えば昨日の記事では、「予備費の積み増し程度では効果も限定的」ともしています。

この記事のリンクを以下に掲載しておきます。
補正予算編成は決まったが…予備費の積み増し程度では効果も限定的 今は検討より実行すべきときだ―【私の論評】参院選直前には、エネルギー価格等が上昇し、岸田政権の無為無策ぶりが暴かれる(゚д゚)!
菅前首相

これは、一見矛盾するようにもみえますが、両方とも正しいです。

高橋洋一氏は、昨日の記事では、以下のような結論を語っています。
 現在の予備費(最大5兆円)の範囲ではGDPギャップを埋めるにはほど遠い。となると、半年後には失業率上昇という代償を払うことになる。需要が弱く、エネルギー価格と原材料価格の上昇分をなかなか転嫁できずに経営困難に陥る企業が多く見られるだろう。

 ウクライナ危機に対抗する経済政策を立案するのは簡単だ。しかし、それを実行する政治がなんとも情けない。

 今国会での補正予算が編成される方針になったことはいいが、2兆5000億円で予備費の積み増し程度の規模では、効果も限定的なものにとどまる。

 岸田首相は、結論を出さずに「検討する」というので、ネット上で「検討使」と揶揄(やゆ)されている。今回も、トリガー条項発動について、伝家の宝刀「検討する」が行使された。「検討に検討を重ねる」「さらに検討するかを検討する」など、「検討する」の無限ループにならないように期待したいところだ。

 大規模な補正予算編成についても、今は検討するときではなく、実行すべきときだ。 

実は、世界経済がどうであろうと、日本は未だデフレから立ち直っておらず、30兆円以上もの需給ギャップがあり、需要が大幅に落ち込んでおり、これに対する対策は何をやるにしても、まずは補正予算30兆円以上を組む必要があります。

昨日の記事では、この記事に対して、いつものように、論評というか補足を行っています。昨日の記事の結論部分を以下に掲載します。

現状のような、目の前に良くて済的破滅、悪ければ軍事的破滅がある時代には、仕事をする政治家が必要です。様々な美辞麗句を並べたり、「検討します」などと言って結局なもしない政治家に用はありません。

これで、日本は生まれ変わるでしょう。ちなみに、このようなことは誰でも思いつくこどであり、自民党内ではそのような考えを持っている人もいるでしょう。

だかこそ、岸田政権の経済政策や、外交、安保、エネルギー政策、食糧政策、などに岸田総理対して苦言を呈する人がいないのかもしません。もうすでに、岸田政権を短期政権にしようとする勢力が蠢いているのでしよう。

今のまま、岸田政権が、経済対策、エネルギー対策をほとんど何もしなければ、参院選の頃には、エネルギー価格などがはねあがり、岸田政権の無為無策が明らかになるてしょう。その頃を境に大きな政局の動きがでてくるかもしれません。

仕事をする政治家とは菅前総理大臣のことです。 私は現在菅政権が継続されていれば、何のためらいもなく大型の補正予算を組んだと思います。30兆円台の補正予算まではくまなくても、少なくとも総務省が算出した需給ギャップ17兆円程度の補正予算は組むでしょう。

そうなると、たとえ現状では不足気味の予算であっても次の機会に同程度の補正予算を組んで、実行すれば需給ギャップは解消され日本は完璧にデフレから脱却できます。

そうして、現状現在の日本は他国のようにインフレ状況にはなく、むしろデフレであり、大型補正予算を組んでも、他国のようにインフレになる心配はありません。

これについては、以前このブログでも違った切り口から述べています。 その記事のリンクを以下に掲載します。

アメリカの「利上げ」、意外にも日本経済に「いい影響」を与えるかもしれない…!―【私の論評】米国の利上げの追い風でも、酷い落ち込みならない程度で終わるかもしれない日本経済(゚д゚)!
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事より一部を抜粋します。
円安と原油高、小麦粉などの資源高を分けて考えてみます。円安にはメリット、デメリットの両面があるとしても、短期的には景気に対してメリットが大きいと考えるのが一般的です。購買力を低め内需を低迷させる効果と比べ、外需を増加させる効果の方が大きいとみられるためです。

こうしたメカニズムを確認するには、マクロ計量モデルの推計結果が有用です。日本では、少なくとも数年の期間では自国通貨安(円安)は国内総生産(GDP)にプラスの影響を及ぼします。先にも述べたように、これは内閣府の短期マクロモデルでも確認できます。10%の円安によって、GDPは0.2~0.5%程度増加します。
このように自国通貨安が経済全体にプラスの影響を与えることはほとんどの先進国でみられる現象です。どの国も総じて輸出産業は世界市場で競争している優良企業群で、輸入産業は平均的な企業群です。優良企業に恩恵を与える自国通貨安は、デメリットを上回って経済全体を引き上げる力が強いとみるべきです。
 
 例えば、経済協力開発機構(OECD)のインターリンクモデルでみても、輸出超過、輸入超過の貿易構造にかかわらず自国通貨安は短期的には景気にプラスです。その影響は貿易依存度によって異なり、依存度が高い国ほどプラス効果が大きいです。

日本は、先進国の中では内需依存で貿易依存度が低いことから、円安の効果は他の国と比べると実はそれほど大きくはありません。ただ、これは逆の方向からいえば、市場関係者らが唱える円安弊害論は、一部の産業に限られており、日本経済全体の話ではないのが実態です。

米国が利上げを実行して、日本は利上げはせず、金融緩和を継続すれば、日本のほうがより緩和をすることになり、これは円安にふれるのは当然です。この円安を活用して、日本経済を回復させ、発展させることは十分に可能です。

その根拠としては、無論日本がデフレ気味であり、これから大規模な積極財政や金融緩和を行ったとしても、超インフレに悩まされることはありません。むしろ今はそれを実行すべきなのです。

経済政策としては、デフレを解消するのは、インフレを抑えつつ景気や雇用を維持するのとを比較すれば相当やりやすいです。雇用やインフレ率をにらみながら、積極財政と金融緩和を実行し、雇用が改善されずに、インフレ率だけがあがるようになれば、積極財政や金融緩和をやめれば良いだけです。

他国のように、インフレ率がすでに高まっていて、利上げなどの金融引締を行わなければならない国の経済運営はかなり難しいです。景気の低迷や、雇用の悪化を防ぐのは至難の技です。だからこそ、高橋洋一氏は、千載一遇の好機としているのです。

そうして、できれぱ、ガソリン価格の高騰に対する対策として、トリガー条項解除もすべきですし、それにエネルギー価格や資源価格の高騰などにも対応するため、消費税減税を実行すべきですし、原発も稼働できるものは稼働して、電気代の高騰を防ぐべきです。そうしないと、今年の夏あたりの暑さで、都内などでは停電せざるをえなくなるかもしれません。

やるべきことは、財政政策でも、金融政策でも、安保でもエネルギー・政策でも明々白々です。

ただ、現状の岸田内閣では、補正予算を渋るくらいですから、全く経済センスはなく、期待できません。だかこそ、最初のほうの引用記事では、自民党は経済だけでなく、安保や外交でも期待できない岸田政権を短期政権にして、仕事師といわれた、菅前総理に再登板願って、この千載一遇のチャンスをものにすべきであると主張したのです。

仕事師菅氏が総理であれば、安保、外交、エネルギー政策などでも一定の成果を必ず残すことでしょう。現在ほど先が見えて、何をすべきかが明白な場合には、菅氏のような仕事師こそ、総理になるべきです。今の時期なら、安倍元総理よりも、菅氏のほうが適任だと思います。

コロナ対策では、ワクチン接種の速度を驚異的にあげ、欧米諸国に追いつき追い越した菅政権も、日本特有の鉄のトライアングル(特に医療村)に阻まれて、病床確保には失敗しました。とはいいながら、医療崩壊を起こすことなく、経済政策では一番重要な指標である失業率も低いままで、岸田政権にバトンタッチすることができました。

このような失敗も糧として、仕事師の本領を発揮していただきたものです。

それに、菅総理は仕事師一辺倒というわけではありません。菅前首相自らが語るところによれば、皇位継承を巡る政府の有識者会議の報告書は「男系継承を明確に打ち出した」とのことです。 

その内容は、現岸田文雄内閣になり報告書にまとめられ、国会に提出されました。その内容は極めてバランスの取れた提案です。神武天皇の伝説以来の伝統を守り、「悠仁殿下への皇位継承をゆるがせにしないこと」を大前提としています。

悠仁殿下

今すぐ秋篠宮家から皇位継承権を取り上げたい人や、日本の歴史を踏みにじりたい人達以外には、誰もが納得できる案です。正直言って、政府の有識者会議の報告書には安堵しました。

これには、異論のある人もいて、近代の価値観を当てはめて、皇室批判をする人もいますが、このことに何の意味があるでしょうか。私は、神武天皇の伝説以来の日本の伝統を守るべきと思います。ことさら、これを否定することに意義を見出せません。皇位継承と、真子さんと小室圭の結婚問題とは、全くの別問題です。

今後、ウクライナ戦争が長引いたり、中国のゼロコロナ政策が失敗し中国のサプライチェーンが毀損される可能性もあり、そうなるとますます、デフレ傾向は強まる可能性があり、補正予算35兆円以上にしたほうが良いかもしれません。2億5000万円では話になりません。

今のままだと、半年後くらいには確実に失業率が増加しはじめます。それ以前に、参院選のはじまる夏には、電力不足や本格的なエネルギー価格や資源価格の高騰がはじまるでしょう。岸田政権は黙っていても短期政権になるでしょう。

もう自民党の一部では、そのようなことを重々承知で、次の政権を目指した駆け引きが始まっているかもしれません。

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