中国外務省の趙立堅副報道局長 |
ロシアの「集団殺害」追及 捜査へ特別機構創設―民間人犠牲でウクライナ
一方、欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表(外相)は5日の欧州議会で、1日にオンライン形式で開いた中国との首脳会談に関し、「中国のリーダーはウクライナについて話したがらなかった」と中国側の姿勢を批判した。これに対し、趙氏は6日の会見で「会談は成功裏に行われた。事実に符合しない、無責任なコメントはすべきでない」と反論した。
【私の論評】ウクライナ危機は前哨戦か?最悪中露印との連合軍との戦いも!自衛のための核保有も議論せよ(゚д゚)!
最初は中国は、ロシアに武器を供与するという話もありました。しかし、それもいまは進んでいないので、様子を見ていると考えられます。
中国は、これだけロシアが国際社会のなかで孤立しているのを見て、あまりそこに引き摺り込まれたくないという考えはあるのでしょう。ただ、中国には『唇滅びて歯寒し』ということわざがあります。
歯にとって、唇は盾のようなものです。ロシアがいなくなり、中国だけが欧州や米国と対立しなければいけなくなると厳しいので、ロシアがいてくれた方が少しは助かるという。そういう微妙な気持ちもあるようです。
中国にとっては、ロシアはないよりはあった方が良いのです。
現在のロシアは経済的には極めて脆弱です。GDPの規模は韓国を若干下回ります。一人あたりのGDPでは韓国を大幅に下回り、中国と同程度ですが、人口が韓国よりも多いので、それで韓国なみになっています。
現在のロシアは経済的には極めて脆弱です。GDPの規模は韓国を若干下回ります。一人あたりのGDPでは韓国を大幅に下回り、中国と同程度ですが、人口が韓国よりも多いので、それで韓国なみになっています。
ロシアの人口は、1億4千万人で、中国のそれは14億人で丁度10倍です。一人あたりのGDPでは中露はほぼ同じですが、人口が10倍なので、国単位では中国のGDPはロシアの10倍です。ロシアの輸出産業といえば、天然ガス、石油、小麦くらいしかなく、かなり脆弱な国です。
ただ、旧ソ連の核兵器と軍事技術を継承しているため、軍事力は突出しています。ただ、その軍事力ですら、現状では軍事費はインドを下回り、米国、中国などに遠く及びません。真の軍力としてはどの程度なのかは、未知数扱いにされるようになってきています。
一方で、中国は経済的には、未だロシアよりは極めて強いです。GDPも米国を抜く勢いなどといわれていますが、一人あたりのGDPからいけば、中国が米国を追い越すことは、しばらくはあり得ないものの、国全体としてはそういうこともあり得るわけで、そうなると、そのうちロシアは中国の属国になりかねないという見方もあります。
先日、政治学者で立命館大学教授の上久保誠人さんが、『ダイヤモンド・オンライン』に寄稿していました。
『中国がロシアを飲み込み「モンゴル帝国」再出現?日本の難しい舵取り』~『ダイヤモンド・オンライン』2022年4月5日配信記事 より中国が台頭し、ロシアを飲み込めば、モンゴル帝国の再出現するのではないかという内容です。これは、まさに「タタールのくびき」ですね。ユーラシア大陸が中国中心に再構築されて、ロシアはそこにぶら下がるだけの国になる可能性があるというのです。
ロシアからすると、それは嫌でしょう。キプチャク・ハン国はロシアに圧政を強いましたから、ロシアにとっての黒歴史そのものです。
そうは言いつつ、プーチン政権が続く限りは西側の制裁は終わらないです。しかも、プーチン大統領が自らすぐに身を引くとは思えないので、制裁が長く続けられことになるでしょう。そうするとロシア経済が低迷し、崩壊するでしょう。
今回のブチャ虐殺で、欧州がロシアから天然ガスを輸入しないという方向に舵を切りつつあります。そうなると、輸出先は中国しかなくなってきます。また、VISAやMastercardが使えなくなっているということで、銀聯(UnionPay)カードという、中国のクレジットカードがロシアで使えるようになるのではないかという話もあり、ロシアが中国経済的な枠組みのなかに取り込まれていく可能性はあります。
今回のブチャ虐殺で、欧州がロシアから天然ガスを輸入しないという方向に舵を切りつつあります。そうなると、輸出先は中国しかなくなってきます。また、VISAやMastercardが使えなくなっているということで、銀聯(UnionPay)カードという、中国のクレジットカードがロシアで使えるようになるのではないかという話もあり、ロシアが中国経済的な枠組みのなかに取り込まれていく可能性はあります。
銀聯(UnionPay)カード |
そうなると、一帯一路を中心として、中東諸国がどこまで中国に飲み込まれるかということになります。 明らかに「ロシア・中国対西側」ではなく、中国が盟主になるということです。
ユーラシアの一帯一路を軸にして、そうなる可能性は大きくなりつつあります。 地政学の基本に立ち返れば、ランドパワーとシーパワーの対立ということも考えられます。
今後世界は新冷戦に入るという話もありますが、中国の現状がかつての米ソ対立と違うのは、ソ連は経済的にも駄目になって、今や韓国より若干少ない程度で、ある意味、ロシアはもはや自壊した帝国になってしまったということがあります。しかし、中国の経済がすぐロシアなみに衰退する可能性は、現時点でほとんどありません。
ただ、中露の結びつきは強く、強固なサプライチェーンを構築しています。 半導体でいえば、例えば台湾に侵攻して、台湾が制圧されれば、世界の半導体シェアの多くを中国が握ることになります。
もちろん、半導体の素材は日本が供給している部分も大きいので、必ずしも中国だけが供給できるというわけではないのですが、世界経済に対する影響力は極めて強くなります。 飯田)そうですね。
ロシアによる今回のウクライナ侵攻は大変な事態なのですが、これは後世から見ると、「前哨戦だった」ということになるかもしれないのです。実は「中国対西側」というのが最大の主戦場になる可能性は極めて高いですし、この事態がどういう結末を迎えるのか、現状では全く検討もつきません。
ただし、このことは米国も強く意識していて、このブログにも以前掲載したように、米国は中国の対立を優先する旨をはっきりさせています。バイデン政権の初の「インド太平洋戦略」においては、「ロシア」という言葉は一言もでてきません。
そうして、米国はいずれ「中国対西側」という対立軸で、ロシアを実質的に飲み込んだ中国との対峙がもっとも重要とみているのでしょう。
ロシアは米国を上回る数の核を保有します。中国の国内総生産(GDP)は世界第2位だ。ここに近い将来に人口が世界1位になると見込まれるインドが加わると人口30億人規模の勢力になります。これは、規模で言えば「モンゴル帝国」を上回るかもしれません。
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バイデン政権の経済制裁は、これらの国々に「米国中心の金融・経済システムは安全保障上危険だ」という恐怖を与え、軍事面だけではなく経済、金融システムにおいても団結を強めさせる恐れがあります。
その点、トランプ政権が中国を貿易戦争で攻めて、ロシアとの友好関係は維持し、両者を分断しようとしたのは正しかったといえるでしょう。 中印露の3カ国が結束することは、日本の安全保障においても脅威です。
ロシアは日本の経済制裁を理由として「平和条約締結交渉の打ち切り」を宣言しました。中国が尖閣諸島や台湾に侵攻したときにロシアが中立を保つと考えるのは期待薄です。それどころか北方領土にミサイル基地を建設する可能性さえ出てきました。
不幸にも日本はロシア、中国、北朝鮮に囲まれており、彼らが結束した場合のリスクはかなり大きいです。 日米安全保障条約は「片務契約」で、米国は日本を守るために戦いますが、日本は米国を守るためには戦う必要がないです。
ところが、実際に中国が尖閣に侵攻したときに、米国は第三次世界大戦のリスクを犯してまで日本を守るでしょうか。ウクライナで派兵をしない米国が、日本には在日米軍が存在するから、日本はウクライナと違って同盟国だからといって、尖閣での闘いに参加するでしょうか。
そこからさらに沖縄、さらに本土に手を出してきた場合、核保有国である中国と真正面から闘いを挑むでしょうか。
おそらく、挑むとは思います。ただ、今後世界情勢はどんどん変わっていきます。現在の米国の姿勢がいつまで続くかなど保証の限りではないのです。 ウクライナ危機は、明日の日本の危機でもあります。核共有の議論はもちろんですが、本来憲法上は問題がないはずの「自衛のための核(独自)保有」も議論しなければならないほど切迫した状況になりつつあるといえます。
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