2022年4月10日日曜日

新築住宅に太陽光パネル メーカー義務化、条例改正へ―東京都―【私の論評】太陽光パネルを義務化するくらいなら、原発を稼働させよ(゚д゚)!

新築住宅に太陽光パネル メーカー義務化、条例改正へ―東京都


 東京都は、住宅メーカーなどを対象に、新築物件の屋根に太陽光パネルの設置を義務付ける新制度を創設する。全ての住宅への一律設置を課すのではなく、事業者単位で目標を設定して達成を求める方針。住宅分野の脱炭素化が目的で、都の検討会で制度の導入時期など詳細を詰め、今秋以降に関係条例の改正を目指す。

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 設置を想定しているのは、延べ床面積が2000平方メートル未満の中小規模の住宅やビル。これまでは主に大規模建築物を対象に環境配慮を求めてきたが、着工棟数の大半を占める中小物件の対策を後押しする。総延べ床面積で年間2万平方メートル以上を供給するメーカーや不動産デベロッパーなどを義務付けの対象にする。

 都の調査によると、都内住宅の約85%で屋根にパネルを設置して発電することができる。都は日照条件などの地域差をさらに考慮した上で、各メーカーなどが供給する棟数に応じて設置すべき目標を定める。各棟の合計で目標を達成すればよい仕組みにする。

 新制度ではこのほか、断熱など一定の省エネ性能確保も義務付ける方針。都内の二酸化炭素排出量のうち、住宅を含む家庭部門からの割合は約3割を占めており、都は太陽光発電機能と省エネ性能を兼ね備えた住宅を普及させることで排出量の削減につなげたい考えだ。

【私の論評】太陽光パネルを義務化するくらいなら、原発を稼働させよ(゚д゚)!

国土交通省・経済産業省・環境省では昨年、住宅や建築物への太陽光パネルの設置や省エネ性能確保などに関する議論を行ってきた。8月23日に開催された「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」では、新築住宅では義務化は見送りになっていました。


政府は2030年に、新築される住宅でのZEH水準の省エネ性能(再エネを除き20%削減)と、新築される建築物でのZEB水準の省エネ性能(再エネを除き20%~40%削減)の確保と、新築戸建住宅6割における太陽光発電導入を目指します。

50年には、ストック(中古物件)平均でZEH・ZEB水準の省エネ性能の確保と、導入が合理的な住宅や建築物で太陽光発電などの再エネ導入が一般的となることを目指す。大きな論点となった太陽光パネルの設置は、公共の新築住宅・建築物では原則設置となりましたが、新築住宅では義務化は見送りとなりました。

日本政府は昨年CO2削減目標を26%から46%へ20%も引き上げました。固定価格買い取り制度(FIT)の実績からいえば1%当たり毎年1兆円の費用がかかっており、単純計算しても毎年20兆円の費用が追加でかかれのか。政府がほのめかし、東京都が目指す太陽光発電の設置義務化を実行すれば国民は疲弊し、産業は高コストになり、日本経済は弱体化します。


太陽光パネルは確かに従前よりは安くなったのですが、まだ電気料金への賦課金を原資に寛大な補助を受けています。太陽が照ったときしか発電しない間欠性という問題は解決していないため、いくら太陽光発電を導入しても火力発電所は必要なので二重投資になるし、火力を減らしてしまえば停電のリスクが高くなります。

安価に太陽光発電を設置できる場所も減ってきており、これも今後の高コスト要因になります。小泉進次郎氏が環境相の時、まだ空いている屋根があるから設置をすればよいと言ったが、なぜまだ空いているのか理由を考えなかったのでしょうか。これまでも莫大な補助が与えられたにもかかわらず、採算が合わなかったのです。

こんなことは、最初からわかりきっていたので、 CO2削減目標を46%に引き上げることを宣言した菅総理(当時) の頭の中には、原発再稼働も視野に入っていたのではないかと思います。

そもそも太陽光発電はCO2排出こそ少ないですが、本当に環境に優しいかも疑わしいです。かなり頻繁に誤解されているようですが、太陽光や風力発電は「脱物質化」などでは決してなく、むしろその逆です。

太陽光や風力発電は、確かにウランや石炭・天然ガスなどの燃料投入は必要ないです。一方で、広く薄く分布する太陽や風のエネルギーを集めなければならないです。このため原子力や火力よりも多くの発電設備が必要で、大量のセメント、鉄、ガラスなどの材料を投入せねばならず、結果、廃棄物も大量になります。

屋根ではなく地上に設置する方がコストは安くなりますが、広い土地を使います。農地や森林がその代償で失われます。施工が悪ければ台風などで破損したり土砂災害を起こしたりして近隣に迷惑が掛かかります。

日本には1993年を最後に、中心気圧が940ヘクトパスカル以下の横綱級の台風は不思議と来なくなりましたが、またいつ来るか分からないです。日本の太陽光発電設備はいまだそのような台風を経験していないので心配が募ります。

太陽光発電設備は安くなったといいますが、その理由は何でしょうか。太陽光発電にはさまざまな方式があるが、いま最も安価で大量に普及しているのは結晶シリコン方式であり、世界における太陽光発電用結晶シリコンの80%は中国製です。そうして、うち半分以上が新疆ウイグル自治区における生産であり、世界に占める新疆ウイグル自治区の生産量のシェアは実に45%に達します。

高いシェアの理由は、安価な電力、低い環境基準、そして低い賃金です。多結晶シリコンの生産には大量の電力が必要で、新疆では安価な石炭火力で賄っています。また、製造工程では大気・土壌・水質に環境影響が生じ得るので、規制が厳しいとコスト要因になります。

では賃金が低い理由は何かと考えると、強制労働に太陽光発電産業も関わっている疑いがあります。コンサルタントのホライゾンアドバイザリーの報告によると、世界第2位の多結晶シリコン製造事業者・GCLポリエナジー、および同第6位のイーストホープが、強制労働の疑いのある「労働者の移動」プログラムに明白に参加しています。

ほかにも複数の中国企業の名前が挙がっています。海外の太陽光発電関係企業は、米国のウイグル強制労働防止法や、それに追随するであろう諸国の規制への対応を検討しています。既に、米国の大手電力デューク・エナジーやフランスのエンジーなど、175の関係企業が、サプライチェーンに強制労働がないことを保証する誓約書に署名しました。米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)によれば、中国製の輸入を止めると太陽光パネルの価格は倍増します。日本もこの覚悟が必要です。

中国産太陽光バネルについて、「強制労働によってつくられていることが排除できない」として、米国当局は、新疆ウイグル自治区でこのようなものをつくっている主要企業を「エンティティ・リスト」に入れ、「ここからの輸入はダメ」という方針にしています。これは問題があるということです。それに、東京都が加担して良いはずがありません。

太陽光発電の問題点を以下に簡単にまとめておきます。
  • 太陽光発電は同等能力の待機発電設備必要 
  • 関係特定業者の利権に 
  • 費用対効果が悪く電気料金負担増(現在一割増に) 
  • 住宅建設費増ー私有財産制への侵害 
  • 利用後、製品有害物廃棄処分未解決 
  • 部品調達は中共ジェノサイドに加担.人権問題有 
  • 景観悪化
政府は住宅への設置義務化は見送りましたが、官公庁の建築物へは設置を義務化する方針です。しかし官公庁だからコストを度外視してよいという発想は誤りではないでしょうか。おおよそ技術は進歩してみな安くなりますが、政府はわざわざコストのかかる政策を選んで実施するのが得意だということを忘れてはいけないです。

国民の納税は公務のためであり、太陽光発電のためではありません。太陽光発電の政策の実施に当たっては、1tのCO2削減に何円かかるのかを明らかにし、それによって実施の可否を決めるべきです。コスト無視の官公庁には炭素税も効果がなさそうですが、「政策の削減コスト」によって無駄遣いに歯止めをかけることができるでしょう。

新築住宅も同じです。「削減コスト」に注目し、原発や化石燃料と比較し「削減コスト」がそれを下回らないかどうかを検討してから導入を検討すべきです。

原発などと比較すれば、太陽光パネルによる発電はコスト高になるのは、目に見えています。

ロシアのウクライナへの軍事侵攻をきっかけにしたエネルギー価格の高騰などを踏まえ、イギリス政府は、原子力発電所を最大8基新設することを柱とする新たなエネルギー計画を発表しました。

英国の新規原発開発計画

この計画は、コロナ禍からの経済活動の再開による需要の増加や、ウクライナへの軍事侵攻をきっかけにしたエネルギー価格の高騰を踏まえ、イギリス政府が7日までに発表しました。

それによりますと、2030年までに最大8基の原発を新設し、2050年には電力需要のうち最大25%を原子力発電でまかなうとしています。

「小型モジュール炉」と呼ばれる次世代の原子炉の開発も急ぐ方針です。

日本もまずは、現在稼働中止中の原発のうち安全が確認されたものは、すぐにでも稼働させるべきです。原発を稼働させさえしなければ安全という考え方は、妄想に過ぎません。現実には、稼働させようにさせまいと、安全性に違いはありません。であれば、稼働させるべきです。

太陽光発電を中国製の太陽光パネルを用いて大々的に実施すれば、国際的にも非難される可能性がありますが、安全が確保された原発を稼働させても、そのようなことはありません。

電力不足による危機は、思ったよりもはやくなりそうです。その兆候はすでに見え始めています。学校やトンネルなどの公共施設で使う電力は国などが入札を行って契約先を決めますが、参加する電力会社がなく入札が成立しないケースが各地で相次いでいることがNHKの取材で分かりました

燃料価格の高騰などを背景に、電力会社が決まった価格で長期間の契約を結ぶことに慎重になっているとみられます。

太陽光パネルでこの問題は俄には解決しません。一番はやく解決できるのは、原発再稼働です。これですと、2週間もあれば再稼働できます。

今のままだと、あなたの職場が電気不足で操業できず、自宅待機になるかもしれません。職場はなんとか、電気を確保してみたところで、電車は電力不足で満足に動かなくなるかもしれません。その状態が続けば、解雇されるかもしれません。いや、それどころか、家族が病気になっても、病院が停電で満足に手当を受けられないかもしれません。学校も、コロナでもないのに閉鎖されるかもしれません。

そうなれば、家でテレビでも見ていれば良い、スマホでも見ていれば良いと考える人もいるかもしれませんが、電気がなければそれもできないのです。

そうなる前に、原発を再稼働すべきです。

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