安倍派「跡目争い」をめぐる「集団指導体制」のトラブル爆弾!「キーマンは菅前総理」の舞台裏
13日にBSフジの番組に出演され言葉をつまらせたた菅前総理 |
「3日に1回の割合で通院しており、面会する人間もかなり制限しているようだ」
安倍派の次期会長は森氏が指名し、当面の間はバックアップする必要があるとの見方がもっぱらだが、仮に森氏が表舞台に出られないのなら、安倍派の流動化は避けられない。
安倍派は呼称に「安倍」の名を残し、集団指導体制とすることを決めている。塩野立元総務会長、下村博文前政調会長、世耕弘成参院幹事長、高木毅国対委員長、西村康稔前経済再生担当相、松野博一官房長官、萩生田光一経済産業相──この7人の世話人会で、運営方針を決めていくという。
だが、派閥の集団指導体制はうまくいったことがない。古くは旧竹下派の七奉行、安倍晋太郎元外相死去後の「安倍派四天王」の中での三塚博元幹事長と加藤六月元政調会長の「三六戦争」などがある。派閥が推す総裁候補は一人ゆえ、最終的には権力闘争が勃発することになる。
先の7人の中で一歩リードしているのは萩生田氏だと、自民党担当記者は言う。
「下村氏、西村氏、世耕氏はパフォーマンスが好きで、派内からの信用もいまひとつ。松野氏は岸田氏に近い。萩生田氏は、安倍氏が岸田政権で官房長官に推薦したこともありました」と前出の自民党担当記者。
ここで浮上してくるのが、菅義偉前総理の動向だという。
岸田文雄総理は安倍氏の国葬を今秋に行うと早々に発表したが、
「これは安倍派や党内保守派と、表面上は対立したくない、という配慮。今後の政権運営は、公明党を利用して独自色を出していく」(前出・永田町関係者)
そうした中で岸田総理、公明党などと綱引きができる人物は、菅氏以外には見当たらず、
「安倍派は菅氏と連携する動きを模索するしかない」(前出・自民党担当記者)
菅氏は安倍氏銃撃の直後、現場の奈良に赴いた数少ない政治家だ。三歩先を常に読んでいるのかもしれない。
【日本の解き方】菅首相1年間の大きな功績 懸案を次々処理した「仕事師内閣」、対韓国でも厳しい姿勢貫く―【私の論評】新政権は、雇用の維持、迅速な鉄の三角形対策ができる体制を整えれば、長期安定政権となる(゚д゚)!
この記事の高橋洋一氏の元記事より一部を引用します。
要するに、菅首相は、国家観を語りながら大きな方向性を論じる理念型政治家ではなく、歴代政権がやれなかった案件を地道にこなす実務的政治家だったのだ。この記事で私は、結論部分で以下のように結びました。
菅首相には、確たる国家観がないなどと批判され、外交での対中姿勢を疑問視された。親中とされる二階俊博幹事長がいるからで、そのために国会での対中非難決議ができなかったともいわれる。しかし、国会の決議は、政府の責任ではない。政府としては、日米首脳会談での共同声明に「台湾海峡の平和と安定」を明記したのは国会決議より大きな意味があった。国会決議には政府に対する拘束力はないが、共同声明は政府そのものの方針を示しているからだ。
しかも、安倍政権でも二階幹事長のクビは切れなかったが、菅首相は二階氏と差し違えた形となった。
外交姿勢は、韓国に対しても厳しかった。21年6月に英コーンウォールで開催された先進7カ国(G7)首脳会議や7月の東京五輪をとらえて、韓国政府は日韓首脳会談をやりたかったが、菅首相は「国と国との約束が守られない状況で、首脳会談をする環境にはない」と言い切り、誘いに乗らなかった。
次の政権は、新型コロナを含む国内問題については菅政権が「大掃除」をしてくれたので楽だろう。政権の大きな目標を達成するために政治資源を残務処理に充てないですむ。
一方、外交では、中国と韓国とどのように向き合うか、なかなか難しいかじ取りが求められるだろう。
自ら短期政権になっても、自民党政権を守った菅総理そうして安倍元総理の思慮深さに学ぶべきです。政権交代に耐えられるような、まともな野党が存在しないし共産党に浸透されつつある立憲民主党が存在する現在、これは非常に重要なことです。現状では、場合によっては短期政権になっても、国民のため、自民党政権存続のためなどに何かを確実に変えるという覚悟も新総裁(注 : 岸田総理のこと)には必要になると思います。
ただ、これはもちろん、安倍元総理が存命であることを前提とした結論です。現在岸田政権は直近の参院選で勝利しましたが、安倍元総理が暗殺されてしまうというとんでもない事態に見舞われるということになりました。
政権運営する岸田総理としては、安倍元総理が亡くなったことは大打撃です。なぜなら、自民党にも様々な議員がいて、保守派もいれば、リベラル派もいます。
安倍元総理がご存命のときには、安倍元総理が保守派をとりまとめ、岸田総理がリベラル派をとりまとめ、安倍元総理と岸田総理が密接にコミュニケーションをはかることによって、自民党の党としての統一をはかることかできました。
ところが、安倍元総理が亡くなってしまったことにより、この党としての統制が難しくなったのです。しかも、自民党内で、岸田総理が属している派閥は第5派閥であり、岸田総理としても、これは、心穏やかではないでしょう。
であれば、自民党内の最大派閥である安倍派が、実質的に党内を統治すれば、良いという考えも出てくるかもしれませんが、残念ながら、それはできません。
なぜなら、残念ながら、安倍派には総理大臣になり得る人材が育っていません。これについては、安倍氏はこれから育てていこうと考えていたのでしょうが、それはかなわぬことになってしまいました。
高市早苗氏は、安倍政治を引き継ぐことを宣言しましたが、高市市は無派閥です。安倍氏の支えがあったからこそ、高市待望論も高まったのでしょうが、安倍氏の支えがなくなった現在は、残念ながらその芽はなくなったと言わざるを得ません。
高市早苗氏 |
現在の政局はまさに八方塞がりの状況です。だかこそ、菅元総理が注目されるようになったのです。
自民党内で安倍元総理が担っていた、安倍派のとりまとめと、岸田政権がリベラル派に完全に振り切れてしまい、安倍氏が敷いた路線を逸脱することないように牽制するという役割を担っていたからこそ、自民党政権は安定し、参院選でも勝利を収めることができました。
しかし安倍氏暗殺により事情は大きく変わってきました。
安倍の死去で会長不在となった安倍派(清和会)は今後、幹部7人による集団指導体制をとるといいます。派閥というのは派の領袖 を総理に押し上げるために存在します。そうでなければ派のトップが政治的実力者で金集めが巧みな場合にかぎって機能します。
集団指導とはあくまでも過渡的な措置です。 突然、派のトップが暗殺され弥縫策 として集団指導体制を敷いても、中長期的には必ず破綻することはわかりきっています。
そもそも清和会は、かつて森氏が「わが派は分裂と脱藩の歴史だ」と認めたように、分裂癖を持った派閥です。清和会内部からは既に、分裂もありうると心配する声も上がっています。現に「清和殿の7人」をめぐり、西村康捻・前経済再生担当大臣が派閥トップに意欲を示しているとか、世耕弘成・参議院幹事長が衆議院に鞍替えして総理の座を狙おうとしているなど、流言飛語が飛び交っている実情があります。
ただ、そのようなことをしても、自民党内での安倍派の力が弱まるだけです。そこに、長い間安倍元総理の懐刀でもあり、総理経験者でもある菅元総理が安倍派に属することになれば、事情が変わってきます。
あるいは、そこまでいかなくても、菅氏と安倍派が近い関係を築き、菅氏が安倍派の若手を育て、また党内の様々な軋轢から、安倍派議員を守り、そうして何よりも、岸田政権がリベラル派に完全に振り切れてしまい、安倍氏が敷いた路線を逸脱することないように牽制するという役割を担うことになれば、自民党の党としての統制も保たれることになります。
菅氏は先にもあげた、13日のBSテレビ番組で、かねて検討していた勉強会の開催を当面見送る考えを説明。安倍氏の死去を念頭に「こういう状況になったので考えるところがある」と述べました。
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