開票センターで当確者の名前に花を付ける自民党総裁の岸田首相(右)と高市政調会長=10日午後9時50分、東京・永田町の党本部 |
岸田首相は会見で内閣改造や党役員人事について「タイミングや内容を考えていかなければいけないが、今の時点では具体的なものは何も決めてはいない」と述べました。
その上で、岸田首相は「厳しい様々な課題を前にして党の結束を大事にしていかなければならない。そういった思いで人事等についても考えていきたい」と述べました。
「大勝の決め手は、岸田政権への信任ではない。安倍元首相が象徴する『保守・自民党への期待』であり、『野党への圧倒的不信任』だろう。岸田首相は、有権者、国民が期待する国家運営、政策実現に全身全霊を尽くすべきだ」
政治学者の岩田温氏は選挙結果について、こう分析しました。
報道各社の世論調査では、序盤から「自公与党優勢、野党苦戦」が伝えられてきました。だが、自民党が激戦区も含めて多くの小選挙区で競り勝ち、比例も上積みを見せたのは、安倍氏の「非業の死」を受けた、保守系有権者の投票行動だという見方です。
岩田氏は「国家観、安全保障、経済政策など、各政策で自民党を『真の保守』たらしめていたのは、『安倍晋三』という存在だった。その存在を失い、自民党の未来は大いに不安だ。安倍氏の後継者といえる人物も今のところ、見当たらない。安倍氏が実現できなかった政策がある。『憲法改正』と、国防を確かにする『防衛費増額』だ。岸田政権はこれを実現する責務がある。そうでなければ、安倍政権の継承は名乗れない」と指摘します。
岸田政権は今後、衆院を解散しなければ、3年間は国政選挙がなく、国家運営に専念できる「黄金の3年」と呼ばれる時期を迎えます。自民党と公明党、改憲に前向きな日本維新の会、国民民主党の合計議席は憲法改正の国会発議に必要な参院3分の2を大きく超えています。
国政の焦点である「憲法改正」への条件は整っています。これへの取り組みで、岸田政権の真剣さが、はっきり見えてくることになります。近く行われるであろう自民党役員人事・内閣改造が、岸田政権の試金石となるでしょう。
安倍晋三元首相の遺体を乗せた車を待つ自民党の高市早苗政調会長(右から2人目)と福田達夫総務会長(同3人目)=9日午後、東京都渋谷区 |
憲法改正の推進力は紛れもなく、安倍氏でした。政策が近い高市早苗政調会長をどう処遇するるでしょうか。仮に、高市氏を外し、後任を清和政策研究会(安倍派)からも取らなければ、憲法改正や防衛強化への岸田政権の決意は、極めて疑わしくなります。
ウクライナに侵攻したロシアや、覇権主義を強める中国は、日本周辺で協調して軍事活動を活発化させています。核・ミサイル開発に突き進む北朝鮮の脅威も深刻です。
参院選では、泉健太代表の立憲民主党などが議席を減らし、松井一郎代表(大阪市長)の日本維新の会が躍進しました。「憲法9条への自衛隊明記」などの憲法改正に反対し、「護憲」に固執する左派政党に、有権者は厳しい審判を下したといえます。
岸田首相が領袖(りょうしゅう)を務める宏池会はリベラル色が強く、選挙後の岸田政権の対応には懸念も指摘されます。安倍氏の積み上げた、「憲法改正」や「防衛力強化」に向けた基盤を、岸田首相は前進させられるのか。厳しい視線が注がれることになります。
原理原則とは誰もが単純に理解できるものでなければ、原理原則になり得ません。ただし、原理原則が成立するまでには、科学的検証はもとより、様々な経験や失敗があり、その上に原理原則が成立し、高校や大学の教科書などにも記載されているのです。
そうして、財政政策の原理原則も簡単です。景気が悪ければ、積極財政と金融緩和を、景気が良ければ、緊縮財政と金融引締をするというものです。
そうして、景気の状況を見分ける原理原則も簡単です。一番重要なのは、失業率です。たとえば、景気が悪い時には失業率があがります。そうなれば、積極財政や金融緩和を行います。それで失業率が下がり始めますが、ある時点になれば、積極財政や金融緩和をしても、物価は上がるものの、失業率は下がらなくなります。その時点になったことが、はっきりすれば、積極財政や金融緩和をやめれば良いのです。
反対に景気が過熱してはっきりとしたインフレ状況の場合は、緊縮財政、金融引締を行います。そうすると、物価が下がり始めます、しかしこれも継続していると、やかで物価は下がらず、失業率が上がっていく状況になります。そうなれば、緊縮財政、金融引締をやめます。
基本的には、政府の財政政策と日銀(日本の中央銀行)の金融政策の基本です。さらに、もう一つあげておきます。それはデフレへの対処です。日本人は平成年間のほんどとはデフレであったため、デフレと聴いてもさほど驚かなくなってしまいましたが、デフレは景気・不景気を繰り返す通常の経済循環から逸脱した状況です。デフレが異常であるというのは、疑う余地のない原理原則です。
これは、財政・金融政策に関する原理原則です。あまりにも当たり前の原理原則です。しかし、経済関してはこの原理原則を踏襲していれば、ほぼ間違いはありません。
ただ、この原理原則を曲げて、隙きあらば増税しよう、緊縮しようというのが財務省です。そうして、アベノミックスを掲げて、積極財政をしようとした安倍元総理ですが、財務省の抵抗にあり、結局在任中に2度も消費税増税をせざるを得なくなりました。
ただ、安倍総理は在任中には、2度消費税増税の引き上げを延長しています。さらに、コロナ対策においては、安倍・菅両政権で合計100兆円の補正予算を捻出し、様々な対策を行い、両政権期間中の失業率は2%台で推移しました。これは、大いに参考にすべきです。この時の安倍元総理の行動など仔細に分析して、財務省への対処法を原理原則としてまとめておくと良いと思います。
外交でも、Quadの設立や、インド太平洋戦略などに尽力されました。これらも参考にすべきです。
マスコミや野党などは、安倍総理の功績を無視して、批判ばかりしますが、こうした論調に引きずられることなく、様々な成果に至ったその行動を学び、そこから原理原則を導くべきです。
原理原則化することにより、その内容を誰にでも伝えられます。原理原則にあてはまることなら、 すぐに解決できます。そうして、原理原則を多数つくっておけば、そこから外れる例外的な問題に集中することができます。
そうして、原理原則はきちんと文書にまとめ、勉強会などで公表できる形にすれば、さらに効率的になります。
そうして、例外的な問題に関しても、それを解決した後にその対処法など、原理原則化すれば、さらに例外は少なくなります。
こうすることにより迅速に行動できます。このようなやり方で、岸田総理がモタモタしたり、安倍元総理の遺志を引き継ごうとするたちに対して障害になるようであれば、素早く動いて、機先を制することなどができると思います。
「黄金の3年間」には、保守派は、安倍元総理の遺志を成就させるべく、反対派の自民党有力議員に陳情し、賛成派にまわるようにし、安倍元総理の遺志を引き継ごうとする議員たちは、原理原則に基づいて行動し、安倍元総理の遺志を実現すべきです。
特に、現在はSNSでも陳情できる便利な世の中になりました。これを利用しない手はないと思います。そうすることにより、安倍元総理の遺志を引き継ぐ議員たちを実質的に応援することにもなります。野党・マスコミ批判をするなとはいいませんが、批判ばかりしていても、得るところは少ないです。それよりも、自民党大物議員で意見が異なるひとたちに陳情しましょう。
そうして、この3年間を文字通り私たちの「黄金の3年間」にすべきです。
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