2022年12月29日木曜日

「増税前解散」岸田首相が初言及 求心力回復へ引き締めか―【私の論評】岸田総理は冒頭解散で最初に失敗した総理になるかもしれない(゚д゚)!

「増税前解散」岸田首相が初言及 求心力回復へ引き締めか

首相官邸に入る岸田文雄首相=2022年12月28日午前8時47分

 岸田文雄首相が衆院解散・総選挙について、防衛費増額のための増税前に踏み切ると初めて言及した。増税は早ければ2024年とされており、解散時期は同年9月の首相の自民党総裁任期切れに伴う再選戦略とも密接に絡む。この時期の首相発言について自民党内では、「常在戦場」への覚悟を示すことで、陰りの見える求心力を回復させたいとの意図を読み取る向きもある。

 防衛増税までに次期衆院選 年始の内閣改造は否定―岸田首相

 「国民に負担をお願いするスタートの時期までには選挙はあると思う」。首相は27日夜のBS番組でこう語った。

 増税について、政府は23日に閣議決定した税制改正大綱で「24年以降の適切な時期」と幅を持たせた。衆院議員の任期満了は25年10月だが、同年夏には参院選もあるため、首相発言を「増税の是非について解散・総選挙で国民の信を問う」と解釈すれば、参院選より前、24年までの解散を念頭に置いている可能性が高い。参院選イヤーの衆院解散は公明党の反対などを踏まえ、避けてきた経緯があるためだ。

 同年9月には首相の党総裁任期も切れる。総裁選前に衆院を解散して自民党を勝利に導き、無投票再選を狙う―というのは、常にささやかれる戦略パターンの一つと言える。

 発言について、首相に近い閣僚経験者は「党内の引き締め、野党のけん制、増税をする考えを貫くという国民への宣言だ」と解説。自民党中堅も「いつでも解散できることをアピールし、党内の緊張感を高める狙いだろう」との見方を示した。

 首相発言の呼び水となったのは、党内最大派閥で増税反対派の牙城である安倍派幹部の萩生田光一政調会長だ。萩生田氏は25日の民放番組で、増税について「明確な方向性が出た時は国民に判断してもらう必要も当然ある」と表明。新たな負担を強いる以上、国民に信を問うべきだというのは正論で、首相も否定できなかった可能性がある。

 萩生田氏は首相が信頼を置く党幹部だが、生前、防衛費増額の財源に赤字国債発行を唱えた安倍晋三元首相の腹心だったとあって、増税への立場は首相と異なる。首相の専権事項とされる解散権に踏み込んだ萩生田氏の発言に、別の党幹部が「あんなことを言わせていいのか」と首相に詰め寄る場面もあったという。

 首相自ら解散時期に言及する異例の事態を受け、周辺は28日、火消しに追われた。側近の木原誠二官房副長官は民放番組で「重大な決定をする時に、手前で国民に判断いただくことも、結果について判断いただくことも両方あり得る」と強調。政府高官も「税が上がる前に選挙があることも、可能性としてあり得ると言っただけだ」と沈静化を図った。

【私の論評】岸田総理は冒頭解散で最初に失敗した総理になるかもしれない(゚д゚)!

岸田文雄首相が来年1月に衆院解散・総選挙に踏み切るとの臆測がくすぶっています。閣僚の辞任ドミノで苦境に立つ首相が反転のため「伝家の宝刀」に賭けるというものです。政権内の多くは否定的だが完全に消えず、野党も警戒を強め始めました。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を受けた被害者救済新法は成立しましたが、野党には未だ問題視するむきもあります。高齢者の負担増となる医療・介護保険見直しも決まりました。これにさらに、増税が絡む防衛費増額という課題もあります。これによって、政権が一段と弱体化する可能性もあります。実際、支持率は低下しています。

来年1月には通常国会が召集されます。2023年度予算案の審議などを通じて野党の攻勢にさらされるため、その前に岸田政権としては、立て直しが必要になります。

自民党内には内閣改造で局面転換を図るべきだとの意見もありましたが、改造は今年8月に実施したばかりで、新たに入る閣僚に問題が生じる危険を伴います。解散すれば勝てば「みそぎ」になりますが。改造ではそうはなりません。

そうして、岸田首相の解散をするというのなら、はやめにやるという判断は正しいです。政治家なら、誰でもそう思うでしょう。安倍元総理も、昨日も述べたように、総理大臣のときに冒頭解散をしています。

冒頭解散とは、首相が召集した国会の初日(冒頭)に衆議院を解散する状況です。それで何も審議せずに、国会は閉会になります。やるなら、来年始まる通常国会で冒頭解散すべきです。

ただし、総選挙では、自民党の公約には、「防衛増税」しないことを掲げるべきです。防衛増税しなくても、当面は財源は十分あることは、すでにこのブログにも掲載しましたし、多くの人の知るところです。

それに、安倍元総理が語っていたように、長期国債で賄っても将来世代へつけになることなどなく、全く問題ないことも、多くの人が知っています。

積極財政議連の設立総会のバナー

積極財政議連の城内実氏が語っていましたが、自民党の中でもマクロ経済について理解している議員が45%、理解していない議員というか、はっきりとした財政推進派、すなわち増税推進派が15%くらいと語っていたことがあます。

両方足しても、60%ですから、残りの40%はどっちつかずで、マクロ経済は理解していないのでしょうが、現状で積極財政をすべきなのか、増税すべきなのか、判断能力がないどっちつかずの議員ということなのでしょう。

それでも、現状では積極財政をすべきと考えている議員が、45%も存在するということです。であれば、まずは岸田総理が冒頭解散して、公約づくりのときに、積極財政派議員が岸田首相を説得して、「増税以外の方法で、防衛費増を賄う」ように方針転換させるべきでしょう。

増税を公約に選挙をすれば、かなり不利になることを説得すべきでしょう。

野党は、そもそも岸田総理は、当初当面は増税しないといっていたにもかかわらず、唐突に防衛増税すると言い出したことを徹底的に責め立てるでしょう。さらに、大臣四人もが辞任したことも責め立てるでしょう。

岸田総理は、大臣が辞めるたびに「任命責任は自分にある」と語っていました。その他、攻めどころは多数あります。


しかし、なんといっても「増税」は不利です。これで、選挙ということになれば、野党の不甲斐なさもあいまって、自民党が負けて下野するということにはなりませんが、かなり議席数を減らすことになるでしょう。

さらに、選挙後には支持率はかなり下がるでしょう。起死回生のために行う、解散総選挙が、岸田政権の寿命を縮めることになります。この場合、政権は最長で、広島サミット(来年5月19日から21日まで)までということになるでしょう。

「増税をしない」という公約にすれば、あまり議席数を減らさないか、議席数をほとんど減らさないですむという可能性は十分にあります。そうなれば、岸田政権は支持率はあがるでしょう。

過去に冒頭解散は4回ありましたが、いずれの場合も与党に有利になっています。


岸田総理は、この過去の冒頭解散に新たな歴史の一ページを付け加えることになるかもしれません。冒頭解散をして、「増税」という公約を掲げて、大敗し、冒頭解散ではじめて失敗した総理大臣ということになるかもしれません。

やはり「増税」はとりやめて、過去の四人の総理大臣のように、成功すべきです。

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