Chet Baker - My Funny Valentine - music tone
元祖絵になるジャズマン、チェット・ベイカーは、ウェスト・コーストを代表する伝説的ジャズトランペッター。その 生き様は、映画『レッツ・ゲット・ロスト』に象徴されるように、破滅的でもの悲しい。1988年に壮絶な死をとげるまで、波乱に満ちた人生を歩だチェッ ト・ベイカーにスポットを当てたい。
チェッ ト・ベイカーの演奏はわかりやすい。ビバップのフレーズ集に載ってそうなラインと、マイルスの気だるさを彷彿とさせるメロディ。革新的なことはやらない が、ジャズのカッコいいところだけを見事に表現するところが、この人の魅力であろう。しかし、生き様まで絵に描いたような破滅的ジャズマンであったところ が悲劇のはじまり。麻薬におぼれ、ホテルからの転落死という最期をむかえるのである。
チェッ ト・ベイカーの魅力としては、角度によってはジェームス・ディーンに似ているそのマスクも挙げられる。全盛期にはマイルスも及ばないほどの人気を博したの もうなずける。しかしこの天から授かった才能にも、麻薬の影響が見られるように…。50歳にして老人のような皺だらけの顔は、インパクトを感じるが、何か 見てはいけないようなものを見ている気分にさせられる。
50年代より、ア メリカ西海岸の白人系ミュージシャンを中心に演奏されたジャズは、ウェスト・コースト・ジャズと呼ばれる。王道を行く東海岸のハードバップに対して、洗練 されたイメージのジャズと言えよう。サックスのアート・ペッパーやジェリー・マリガン等と共にウェスト・コーストの全盛期を築いたチェット・ベイカーの演 奏は、非常にモダンであり、同時期のニューヨーカーたちの演奏より、現代のジャズにむしろ通ずるものがある。
代 表的なアルバムは、『シングス』。タイトルどおり、チェット・ベイカーが歌っているアルバムで、ボーカリストや歌をうたう楽器奏者に大きな影響を与えてい る。「ヘタウマ」と表現する人が多いように、きわどい音程で、ボソボソと歌っている独特なスタイルで人気のアルバムだ。後期に録音された『シングス・アゲ イン』も「ヘタウマ」に更に磨きがかかり、ファンの期待を裏切らない。
こ のアルバムを最初に聴いたときは、かなり違和感を感じたが、そこに人気の秘密がある。なんとなくまた聴いてみたいと思ってしまったら、そこでもうハマって しまっているのだ。曲も「マイ・ファニー・バレンタイン」をはじめ、スタンダードばかりだし、演奏はきちっとしたジャズなのでジャズ初心者の方も肩の力を 抜いて聴くことができるだろう。
浮き沈みの激しいチェット・ベイカーの最期は悲惨なものである。光り輝くときがあるがゆえ、その影も濃いものになるのであろうか。とにかく、いつ聴いても若くみずみずしいチェット・ベイカーの音楽!! 皆さんも是非聞いてください。若い人達には、何か得した気分になれると思います。ある程度以上の年齢の方には、若い頃の思い出で胸迫るものがあると思います。チェット・ベーカーは80年代になくなっていますから、実際には40歳をはるかに超えてからなくなっているのですが、なぜかジェームス・ディーンとダブってしまい若いイメージしか残っていません。やっぱり、絵になるスターだったからでしょうか?
最近のアーティストの中では、ドイツのティル・ブレナーなどと比較されることもあるが、両者は同じトランペッターでありながら、全然違います。チェット・ベーカーは何といってもウェストコーストのアーティストですから、かなりアンニュイな曲ですら、どことなく透明感の明るさ、軽快さがあります。
これに比較すると、普段はベルリンフィルのトランペット奏者である、ティル・ブレナーは、トランペットの音に深みがあり、燻し銀のような趣があります。ティル・ブレナーと比較して、チェット・ベイカーを聴いてみても面白いかもしれません。
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