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2009年8月16日日曜日

三越伊勢丹が上海に大型店-当面は良い影響を及ぼすか?

三越伊勢丹が上海に大型店(この内容すでにご存知の方は、この内容は読み飛ばしてください)

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)が、中国で大型百貨店の出店を検討していることが14日、分かった。数年以内に上海や天津などで売り場面積2万~3万平方メートル規模の大型百貨店を出店する方針。消費不況で国内店舗の不振が続く中、経済成長で高額品市場の伸びる中国市場に本格進出し、業績向上につなげたい考えだ。
 三越伊勢丹HDでは現在、傘下の伊勢丹が上海や天津などで4店舗、三越が上海で1店舗を出店している。伊勢丹の上海での店舗の売り場面積は約1万5000平方メートルだが、新店舗は既存店を大幅に上回る規模になりそうだ。大型化により食料品から高額商品まで豊富な商品を取りそろえ、幅広い顧客層の取り込みを目指す。

当面は良い影響を及ぼすか?だがしかし!!

上海第一八百伴。所有・運営するのはヤオハンとは無関係な地元・中国資本

中国進出は日本の百貨店にとって、一つの選択肢だと思います。やはり、日本の消費者は、もうすでに大衆の状況ら変わってしまい、個性豊かになり、もう大衆というものは存在しないといつていいと思います。もともと、収入の格差もそうとうありますし、物事の価値観、こだわり、社会性などさまざまで、とても、一つにくくることはできません。

しかし、中国の場合であれば、またまだ、過去の日本のような状況を引きずっている状況ですから、いまだ百貨店などが存立できる余地が残っていると思います。まずは、日本では1960年代に三種の神器といわれた、洗濯機、テレビ、冷蔵庫がまだまだ広く普及していなくて、これから普及していく状況です。

無論、三種の神器は、今の技術でつくられた、最新のものということになりますが、消費動向としては、日本の1960年代とほとんど変わりありません。個性がどうのこうの、価値観がどうのこう、こだわりがどうのこうのという前に、これら三種の神器をそろえること、所有することが中国の一般消費者にとっては、関心の高いことなのですから。

これは、化粧品も同じことです、おそらく北京オリンピックに行かれた方などは、良くお分かりでしょうが、中国の女性のほとんどは年代が若くてもスッピンがほとんどです。オリンピックに間接的に参加していた、案内係りなどの女性は無論化粧をしていましたが、都市部でも、街中を歩いてみれば、化粧をしている女性は一握りということがお分かりになったと思います。中国で化粧をしている女性といえば、たとえば外資系企業で、いわゆるワーキング・ウーマンとして、高度な管理業務や、創造的な業務など行っている人などであり、例外中の例外です。

あまり、普及していないので、デパートなどの資生堂などの化粧品売り場は閑散としています。それに、資生堂の調査によれば、中国では、昨年あたりで、年収100万以上の人がようやっと1000万人を増えたという程度の経済状況です。テレビなどで、放映される富裕層などいまだほんの一握りにすぎません。珍しくて、希少価値があるので放映されているだけです。中国には、いわゆる富裕層が1億人もいるという資料もあるようですが、これは、全くの間違いであり、中国では、いまだ富裕層を専門にするような事業なは成り立たないでしょう。小さくやる分には良いでしょうが、チェーン展開などでは、失敗するでしょう。やはり中国の幅広い層に向かった事業を展開していくべきでしょう。

この状況は、戦後日本の百貨店業界が、これから勢い良く伸びる前の状況に良く似ています。だから、こそ、当面は良いと思います。少なくとも、10年~20年間くらいは百貨店が伸びていくことでしょう。

しかし、海外だけ力をいれるということになれば、いずれ、ヤオハンのたどった道と同じ道を歩むようになると思います。ご存知ヤオハンはとっくに破綻してなくなっている企業ですが、中国なとの百貨店などは業績がよかったのですが、日本国内では惨憺たるものでした。

ヤオハンは静岡県を地元とした、スーパーでした。もともとは、八百屋でした。このスーパー、静岡県の強力もあり県内では伸びることができました。要するに、静岡県の条例などによつた、他のスーパーなどが県内に進出してこなかったので、成り立っていました。しかし、県外を一歩出ると必ず他のスーパーに負けました。だから、ほんとうに、ヤオハンが破綻するまで、静岡県内にしか店を出していませんでした。

しかし、さすが、静岡県としても、条例で他の競合スーパーが入ってこられなくするようなことは、いつまでもできず、この縛りを解いてしまいました。その後は、悲惨でした。とにかく、ヤオハン・スーパーのそばに、当時のダイエーだろうが、ヨーカドーであろが、イオンであろうが、とにかく他のチェーンがたつと、必ずお客をそちらに取られて、負けてしまいました。

ヤオハンが破綻する直前では、静岡県内のヤオハンスーパーは大赤字で、上海などに出していたスーパーの利益でなんとか、ヤオハン全体をかろうじて支えるといつた有様でした。そうして、最終的には破綻してしまいました。

私は、実際に静岡県内のヤオハンの店舗を、見に行ったことがありますが、なんと形容してよいのやら、それこそ、田舎の八百屋さんが、みようみまねで店を大きくして、野菜以外のものも無理をしておいたという感じで学ぶべきものはほとんどありませんでした。

三越伊勢丹ホールディングスは、ヤオハンのようになることだけは避けるべきです。そのためには、日本での百貨店のあり方をつきつめて考えてて、新たな業態を打ち立てることです。苦しくても、多少時間や、金がかかったとしても、イノベーションを実行すべきです。

ヤオハンのように楽な商売を覚えてしまえば、いずれ破綻します。それに、中国市場でも、20年後、30年後あるいはもっと早く、どんどん変わってくることでしょぅから、そのときには、中国でさえ現在の日本の百貨店方式は、人気が衰えてしまうと思います。このままでは、大いなる負の遺産を残してしまうことになりかねません。やはり、日本という先進国の中でも、かなり進んでいる消費者を相手にした新業態をうちたてるようなイノベーションをしなければならないでしょう。これを欠けば単なる時間稼ぎにしかならなくなると思います。しかし、逆にこのイノベーションに成功すれば、全世界で怖いものなしという存在になれると思います。

これは、何も、ヤオハンや三越伊勢丹だけの問題ではないと思います。さらに、百貨店業界や流通業の問題ではないと思います。すべての産業にあてはまることだと思います。これから、中国で確実に起こることは、中国の内需が高まることです。しかし、この内需は発展途上の中国における需要の拡大であるということを忘れてはならないと思います。これは、日本や欧米などが過去に経験したタイプの内需の拡大であるということを忘れてはいけないと思います。

日本などの先進国であれば、30年近くも前のパターンの需要構造であり、何新しいものはありません。この需要に対応することでは、何らイノベーションなども必要がありません。古いタイプの産業のあり方で間に合ってしまいます。たしかに、今まであるものを利用すれば、それでできるので簡単です。

しかし、商売や事業というものは、簡単なことばかりやっていては、やがて革新力が失われ、活気も失われます。そうして、陳腐化します。やはり、先進国は、先進国の新たな市場、社会での難しい事業にチャレンジしていくべきです。そうしたことにより、新たな活力が生まれます。中国内需は単なる一過性の時間稼ぎに過ぎないということを自覚し、先進国での新しい産業のあり方を模索し、チャレンジし実現していくべきです。

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