丸井今井、民事再生法の適用申請へ 北海道の地場百貨店(北海道新聞2009年1月29日10時42分)
経営再建中の北海道の地場百貨店、丸井今井(本社・札幌市)は29日、同日中に札幌地裁に民事再生法の適用を申請する方針を固めた。消費低迷に加え、大手百貨店の札幌進出で売り上げが落ち込み、赤字が膨らんだ。
今後も営業は続ける考えだが、不採算店舗の閉鎖は必至だ。札幌のほか、旭川、函館、室蘭に店舗があり、従業員はパートも含め約1500人。08年7月末での負債額は約469億円。今後、これまでも一部支援を受けてきた大手百貨店の伊勢丹を中心に支援先を探すとみられる。
丸井今井は、かつての主力取引銀行、北海道拓殖銀行が97年に経営破綻(はたん)した後、バブル期の多角化戦略の失敗が表面化、業績不振に陥った。05 年に不採算店を切り離し、企業再生ファンドと地元金融機関、伊勢丹の資金支援を柱とする経営再建策を打ち出した。ファッションに強い伊勢丹の店づくりを取 り入れ、札幌本店を大幅に改装したが、JR札幌駅前地区への大丸の進出もあり、思うような集客増に結び付かなかった。
08年1月期決算の売上高は815億円と前期比1割近い減少で、43億円の純損失。同年7月中間決算でも約9億5千万円の純損失で、09年1月期決算で債務超過の懸念が強まり、自力再建を断念した。
百貨店業界は景気悪化の直撃を受け、高額品や衣料品の売り上げが急減している。今後は財務基盤の弱い地方百貨店を中心に、法的整理が広がる可能性もある。
時代の変化に追いつけなかったか?
丸井今井というと、私が子供の頃父から聞いた笑い話を思い出します。何でも、私の父がおばあさん(私にとっては曾祖母、残念ながお眼にかかったことはありません)と一緒に札幌の丸井さんに買い物に行ったそうです。1階から最上階まで順番に見てまわって、最上階のレストランで食事をして、一番下の階に下りて、出口を探したそうです。
いくら探しても出口が見つからないので、店員の人に聞くと、なんとそこは地下一階だったそうで、出口などあるはずもありません。その当時も札幌には大きなビルは建ってはいたのですが、地下のあるものはほんどなく、おばあさんの考えでは、地下なる概念はなかったそうなので、地下一階で出口が見つからず右往左往したようです。今なら信じられないような笑い話ですが、その当時はそういうお客が結構いたそうです。それほど当時は既成の概念を打ち破ったような業態だったということだと思います。
ところで、昨年は、コンビの売上げがとうとう百貨店の売上げを上回るなど、百貨店の凋落振りは明らかになっていました。考えてみれば、私も百貨店には最近行っていません。モノを買うときに、百貨店というかんがえは浮かびません。東京であれば、高島屋の新しい店舗にはまだ行っていないので一度は行ってみたいと思いますが、地場の百貨店にはいきたくありません。
こちらは、函館ですが、地場というと、丸井今井、棒ニ森屋です。以前は、西部デパートもあったのですが、随分前に撤退しました。
百貨店の凋落、特にだめなところの理由は、明確だと思います。まずは、百貨店という業態が古くなってしまったことです。百貨店の百貨とは、「なんでも取り揃えている」という意味です。しかし、現在では、「なんでも取り揃える」ということは、「どの商品の品揃えも不十分」ということになります。実際、現在の百貨店に何かを買いに行くと、品揃えが不十分に感じられます。函館の丸井今井だと、特に地下の食料品売り場も品揃えが少なすぎます。函館だと湯の川生協と比較しても劣ると思います。お弁当など1000円以上のものは皆無といっていいくらいです。これでは、デパ地下とはいえないと思います。札幌でも、デパ地価は函館ほど貧弱ではありませんが、他の商品群など、やはり品揃えの幅が少なく感じてしまいます。
どの商品を買おうと思っても品揃えは不十分です。特に、サイト販売などに慣れてしまうと、ファッションでも何でも、サイトの品揃えには追いつけないと思います。
それでは、百貨店ならではの商品説明ということではどうかというと、特に地方百貨店では、勉強不足で、何かものを買いに行こうとして、サイトで下調べなどしていけば、それ以上の説明は期待できません。それなら、サイトで見ていたほうがましです。
それに、デパートでも、特徴をはっきり出す必要があると思います。たとえば、パルコのようにファッションに特化するとか、完全に特化しないまでも、その立地によって、ある品揃えの幅を減らす代わりにある商品群の奥行きを充実するなどのことが必要です。それに、店員の商品知識の向上は必須だと思います。いろいろ再建策をうちだしてはいたようで、伊勢丹の真似などをしていたようですが、結局は教科書的なことしかできなかったようです。地場デパートの強みを生かす何かを強力に打ち出すべきだったと思います。
いずれにせよ、変化に対応する姿勢に欠けていてたのは間違いのないことだと思います。非常に厳しい言い方だと思いますが、今の丸井今井さんだと、なくても別に困りません。他の店か、ネットショップで十分用が足ります。
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10 件のコメント:
コメントありがとうございます!地元の顔である百貨店ならば、市民のニーズに応えられなければいけない存在ですよね!
私が生まれた函館のボーニモリヤも外観はとても古いですが…どうなんでしょう。
地元民でなければわからない、具体的な問題点の分析、とても勉強になります。
時代の変化に対応しきれなかったというのはその通りだと思います。決して消費の低迷だけが破綻の原因ではないでしょう。大丸が着実に業績を上げているのは明らかです。
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/0904a309a9fdef6bc5c4a1f6e4df4eb6/page/1/
私のブログに書き込みを頂きましたので、そこからこちらに飛んできました。
品揃えに関するご指摘、全くその通りだと思います。
そして、そうなってしまった原因は、丸井今井さんに限らず、百貨店業界全般で一般的になっている「委託取引」、場所貸し業的な体質にあると思います。
しかも、場所貸しのマージンがファッションビルやSCに比べてはるかに高い・・・これでは、成り立ちませんよね。
地元のお客様と競合他社(異業態も含む)の状況をしっかり見つめ分析した上で、「店作りの方針」(おっしゃられるような「絞り込み」「特化」も含む)をはっきり決め、100%買い取りにする必要はないでしょうが自らの意思を持って品揃えしていく他にないでしょう。
小売業は、愚直な努力の連続のように私は思います。再建の奇手妙手というものは多分存在しないでしょう。
おば様 コメント有難うございいます。ボーニニ森屋に関しては、アネックスという新館が随分前からあって、ファッション中心の品揃えをしていますが、やはり、品揃えに問題がありすぎで、残念ですが、いろいろとコメントするような次元ではありません。それに、ボーニ森屋は随分前から、ダイエーの傘下に入っています。そういった意味でもコメント対象外です。
両国さくら様 コメント有難うございます。イトーヨーカドーの「変化への対応と基本の徹底」を愚直なまでに、何回も実行することが重要ですね。
それに従業員が社長をはじめとする、経営陣を素直に信じて努力する体制築くことも重要だと思います。
コメントありがとうございます。北海道の方のサイトを見ているとかつて旅行で訪れた時に見た「本州と違う何か」が普通に出てきて大変興味深いです。百貨店を取り巻く環境は首都圏も北海道も一緒ですね。でも北海道はやはり本州と違う何かをいつまでも持ち続けと欲しいと思います。また訪れます。
modi様 コメント有難うございます。小売業の基本は、「変化への対応」と「基本の徹底」だと思います。丸井さんは、変化への対応はできていなかったと思います。
添付の、URL後で見せていただきます。有難うございます。
あゆ様 コメント有難うございます。丸井今井さんも、北海道にあるデパートとということで、他にはない特徴を出していただきたかったですね。
教科書どおりやるなら、何も、北海道でなくても、東京のデパートがやったほうがいいわけですから。
先日はお越しいただき、コメントありがとうございました。百貨店という業態が時代に合わなくなったというのはその通りだと思いますが、さりとて大手スーパーも軒並み苦戦という現状では、やはり百貨店で勝負するしかないのではないかとも思います。
大丸の方がお店の質で勝っているのは明らかですが、大丸の位置に丸井今井があれば、自分はきっと丸井で買い物するんですけどね。
こんにちは。コメント書きこみありがとうございます。
不況の影響が大きいとはいえ、健闘してるところもありますから・・・あまり情けはかけられないかな。札幌のデパートのなかじゃ好きなほうでしたけどね。
おそらくスポンサーがついての再生となるでしょうが、本店のみ残して経営資源の集中ということも予想されます。
できれば地方の店も存続できればベストではありますが。
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