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2020年7月20日月曜日

コロナ「第二波到来」で、「Go To キャンペーン」は延期が正解— 【私の論評】政府は財務省なしの政府・日銀連合軍で第二波、第三波のコロナ禍を余裕で乗り切れるし、そうすべき!(◎_◎;)

経済回復がかえって遅れる可能性も


悪い予感が当たった

とうとう、恐れていたことが起こってしまった。

コロナ「第二波」がきたのだ。本コラムでは、6月下旬からその可能性を指摘してきたが、残念ながらそれはイヤな方に当たってしまったようだ。

まず世界の状況から見てみよう。世界も第二波で苦しんでいる。累積感染者数の多い国(アメリカ、ブラジル、インド、ロシア、南アフリカ、ペルー、メキシコ、チリ、イギリス)とスウェーデン、ノルウェー、ドイツ、イタリア、オーストラリア、インドネシア、韓国、日本を取り上げ、人口100万人あたりの新規感染者数を7日移動平均でみれば、以下の通りだ。

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縦軸は対数目盛なので、一つあがるごとに一桁違いになる。おおざっぱにいえば、100万人あたり10人以上か以下かでは天と地ほどの違いがある。日本でいえば、新規感染者数が1200人より高いか低いかだ。

7月19日のデータをみると、南アフリカ208.82、アメリカ200.16、ブラジル157.95、ペルー116.07、チリ100.43、ロシア49.92、メキシコ48.36、スウェーデン33.71、インド23.61が「高いグループ」、イギリス10.76、オーストラリア10.58が10人の「ボーダー」、インドネシア5.67、ドイツ4.72、日本3.97、イタリア3.28、ノルウェー1.32、韓国0.91が「低いグループ」であると言える。

これから述べるように、日本国内では「第二波」の到来を強く危険視されているが、世界と比較すれば、100万人あたりの新規感染者数が60人を超えたドイツや90人を超えたイタリアが落ち着いている水準で、決して悲観するような状況でなく、むしろ良好な部類だ。

PCR検査数は増えているが

新規感染者数の次は、人口100万人あたりの死者数を見てみると、以下の通りだ。
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日本は他国に比べて格段に低い状況だ。これは、日本が医療崩壊なく、上手く対処してきたといえる。

この理由はまだはっきりしていない。アジア・オセアニアが欧米に比べて感染者数が桁違いに低いことが一因だが、正確なことは当分わからない状況が続くだろう。

一時BCG接種の有無が差を分けたといわれていたが、ロシアはBCG接種国であるが感染者が多く、オーストラリアはBCG非接種国だが感染者数は少ないなど、それほど単純ではないようだ。

特に、マスコミが取り上げるものは、マスコミがもともと論文のサーベイをしたこともない素人なので、話題先行かつ学術的には意味があるのは少ないと筆者は見ている。いずれにしても、不確実な仮説を前提にして、対応策は決め打ちできない。

こうした世界の情勢の中で、日本が第二波を迎えている。筆者の読者には、恒例のグラフだ。2日に1日くらいのペースで公表しているものだ。


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これを見ると、日本が「第二波」が来ていることは間違いない。PCR検査数の増加がこのグラフに影響しているのは事実だが、第一波の過ぎ去った6月中旬と現在のPCR検査水準と今はそれほど増えていないにもかかわらず、劇的に陽性率が上昇しているので、市中感染が拡がっていると判断せざるを得ない。

「スウェーデンモデル」は危険

この第二波は、仮に4~5月のような自粛をただちに実施した場合、感染拡大のピークは今月中、第一波と同じようなインパクトになるだろう。もっとも、後述するが、自粛がうまく行かないと、大きさは第一波を超える可能性も残されている。

先ほど述べたように、第二波が拡がっているとしても、世界の水準から見ればたいしたことはないと、経済最優先で対策をまったく打たない方法も考えられる。

だが、これはやや危険なギャンブルだ。実際、スウェーデンやブラジルは経済を最優先したが、今の感染者数と死者数は悲惨な状況だ。日本でも100万人あたり10人程度の「ボーダー」にすぐになってしまう可能性もある。すると、1日当たりの新規感染者は1200人程度まで増加し、医療崩壊が起こり、死者数が急速に増えるかもしれない。

無難な策は、第一波と同じように対応することだ。第一波では、緊急事態宣言を行い、各都道府県知事が休業要請を行い、一定の休業補償をした。学校を休校するかどうかはそれぞれの判断に任されたが、今回も状況がわからないうちでは同様に休校措置などを取っても仕方ないだろう。

だが、そのような状況にもかかわらず、最悪のタイミングで「Go To キャンペーン」が始まろうとしている。これから述べていくが、経済的なV字回復を目指す策としては有用だが、今やるタイミングでないのは明らかだ。

そのうえ、コロナの感染の再拡大をめぐり、菅義偉官房長官が「東京問題」と表現したことに対し、小池百合子都知事は「むしろ国の問題」と反論。今の新型インフルエンザ等対策特別措置法基づく感染症対策の国と都の役割分担には隙間風が吹いているようだ。

口を出すか、カネを出すか

菅官房長官は「新規感染者数の大半が東京だ」と言うが、小池都知事は、観光需要喚起策としてのGo To キャンペーンと感染対策の整合性をどうするかは「国の問題」としていた。

新型インフルエンザ等対策特別措置法では、国は緊急事態宣言発出、基本方針策定、都道府県の総合調整を行い、都道府県知事は団体・個人への協力要請、緊急事態時に外出自粛、休業の要請・指示を行うとされている。

こうしてみると、知事の権限はやや強化されている。ただし、休業要請では休業補償をともなうのが前提だ。東京都は財政状況が良いのでまだいいが、その他の道府県は財政余力がなく、再び補償を伴う休業要請を出すことは難しい。

そうなると、国は「口を出すか、カネを出すか」の塩梅をどう調整するかにかかっている。「口を出さず、カネも出さない」、つまり休業要請も補償もしないというのなら、是非はともかく首尾は一貫している。

東京都からすれば、「口は出すがカネは出さない」今の国の姿勢が鬱陶しいのだろう。東京はともかく、コロナのような緊急事態では、財政力のない地方に対して国は「口を出さないがカネを出す」くらいなのに、現状は真逆だ。

東京は、北海道のように独自に非常事態宣言し、休業要請を行い休業補償しても構わないというのが、菅官房長官の本音だろう。同氏は、総務大臣を経験していて、かなりの地方分権論者である。

一方、小池都知事は、都知事選は大方の予想通りに圧勝だった。ただし、政治家として、彼女の威光とモチベーションが来年の東京五輪まで待つのかというところもある。もし東京五輪が中止になれば、政治家としてのレガシーもなくなる。

それ以前に、今秋にも国政で解散総選挙という可能性もある。となれば、小池都知事には、秋の解散総選挙に乗じて、国政復帰という選択肢を取るかもしれない。
間の悪い「Go To キャンペーン」

明らかな感染拡大第二波の到来、国と都の補償の考え方のズレが色濃くなるなかで、「Go To キャンペーン」はあまりに間が悪い。これは「観光業のドン」と言われ、全国旅行業協会会長である二階俊博自民党幹事長の肝入りの政策であることは明確だ。

一次補正予算で1.7兆円の予算をもらった以上、官僚としては何としてもやらなければならないという使命感もあっただろう。夏の旅行シーズンを目前にして、いきなり止めることもできない、と言うのが彼らの本音だ。ちなみに、8月の1世帯当たり旅行費(家計調査)は他のつきに比べて5割増しになる傾向がある。

5月の総務省家計調査によれば、実質消費支出は前年同月比▲16.2%と、記録的な落ち込みだった。そのうちでも、「教養娯楽」の宿泊料▲97.6%、パック旅行費▲95.4%と、旅行関係は壊滅的だ。

また、ゴールデンウィーク期間における旅客数は国内線ANA▲96.5%、国内線JAL▲95.1%、国際線ANA▲97.3%、国際線JAL▲99.1%と、こちらもほぼ全滅だった。

このままでは、明らかに観光業は壊滅してしまう。もっとも航空大手であれば、倒産時に国が資本注入し、倒産しながらも経営を継続することができる。だが、観光業の大半を占める中小企業は、数ヵ月先にも倒産ラッシュになるのが見えている。

まずは休業補償を

これまで述べてきたことを整理するとこうだ。日本では、コロナによる感染者数、死亡数より経済損失のほうが社会に対する悪影響が大きいと予想される。かといって、何も対策しなければ、海外諸国のような感染爆発が広がり、死者も急激に増えるかもしれない。

であえば、それを未然に防止するためにも、そこに、休業補償などの形で財政支出をするのが適切な政策になる。そのひとつが「Go Toキャンペーン」であるが、結局のところ東京都抜きで実施しても大きな需要喚起にはつながらないだろう。

筆者は、まずコロナの感染拡大を防ぐのが第一であり、それが解決したら経済活動を復活させるべきと考えている。といっても、過度に自粛を続けると、先に日本が「経済的な死」を迎えてしまうかもしれない。

つまり、コロナ防止と経済活動を両立させるためには、当面は休業補償で凌いで、再びコロナを抑え込んだタイミングで「Go Toキャンペーン」をやればいいのだ。

そこで、6月22日付け本コラム(小池都知事に勝てるのか? 山本太郎氏「15兆円コロナ対策」の現実味)でも書いたが、東京都は財政に余裕があるので、東京の旅行業者の休業補償をすればいい。

と同時に、国でも東京以外の旅行業者の経済支援をしたらいい。筆者がこのように考えるのは、本コラムで既に書いているように、国もバランスシートをみれば財政はまったく悪くない、と言い切れるからだ。

政府と日銀の「連合軍」を活用せよ

特に国は、今回の補正が政府と日銀の「連合軍」で実施され国の財政負担は実質的にない。これについては 6月8日付け本コラム(160兆コロナ補正予算をバラマキと批判する人の「話にならない」現状認識)を参考にしてほしい。

いまだに、多くのマスコミでは、今回の補正により将来世代に負担が増えたと説明しているが、それは間違いだ。なお、財務省も、7月2日財政審会長談話として、財政悪化を述べているが、それも正しくない。

この「連合軍」を活用しない手はない。まずGo To キャンペーンを延期し休業補償で凌いで、いいタイミングで再開がベストシナリオだ。休業補償なしでGo Toキャンペーン強行はかえって経済を悪くするかもしれない。

観光業は20兆円程度の市場規模だ。そこで3ヵ月程度の補償を行うと考えれば、財政支出は5兆円程度になる。国の財政は、1,2次補正予算のほか、あと100兆円程度は「悪質なインフレ」を起こさずに対応できるだろう。併せて、医療従事者など医療業界にも追加支出をすればいい。2次補正で予備費は10兆円があるが、必要なら「3次補正」も視野に入れるべきだ。

【私の論評】政府は財務省なしの政府・日銀連合軍で第二波、第三波のコロナ禍を余裕で乗り切れるし、そうすべき!(◎_◎;)

新型コロナウイルスと共存するには、感染防止対策と経済活動を両立させることが必要になりますが、そのバランスを上手くとることが、いかに難しいことであるかがよくわかりました。

政府は、観光支援事業「Go To トラベル」の補助対象から、感染拡大が急増する東京都を除外して、7月22日から強引に見切り発車するようですが、メディアの世論調査では、このタイミングでの開始に大多数の人が「反対」と回答、スタート直前でエンスト状態のようです。

GoTo Travelのポスター
きょうの朝日によると、18、19日に実施した全国世論調査では、22日から始めることに、74%が「反対」、「賛成」はわずか19%でした。開始時期や対象地域を決めるまでの安倍政権の一連の対応も「評価しない」が74%を占めたといいます。

日経の世論調査でも22日の開始については「早すぎる」と答えた人は80%もいたといいます。

さらに、きょうの東京が1面トップで『「GoTo全面延期」62%、緊急事態再発令を66%」と、大見出しで取り上げていましたが、こちらは共同通信の世論調査の結果です。それによると、「Go To トラベル」を巡り、東京発着の旅行を除外した政府対応を尋ねたところ「全面延期すべきだった」との回答が62.7%に上ったといいます。「他に感染が拡大する地域も除外」17.0%、「適切」14.0%、「予定通り実施」はわずか4.6%でした。

また、 緊急事態宣言については「再発令すべきだ」との回答は66.4%。「必要ない」が27.7%だったといいます。

ゴールデンウイークも外国人観光客のインバウンド需要も空振りだった観光業界が、夏休みに入るこの4連休に合わせて開始する「Go To トラベル」のキャンペーンに大きな期待を抱いていることは痛いほどよくわかります。もてなす側の防止対策が万全だとしても、コロナ感染の恐怖が道連れの旅では足が止まると思います。

これは、多くの国民の正直な考えだと思います。私もそう思います。そもそも、政府は3月あたりからGO TO キャンペーンの内容を公表しており、その時は7月でも本当に国内旅行ができるようになるのか、かなりの疑念を持ちました。その疑念は現実のものとなりました。

政府が進め、7月22日にはスタートするGoToトラベルキャンペーンですが、キャンペーンからの東京除外をめぐり、政府が補償しないとしていたキャンセル料を政府は一転して、肩代わりで補償する方針を固めました。

やはり、現在「GO TO トラベル」をするには、かなり無理がありそうです。現象は、様子を見て、現状は、高橋洋一が言うように、Go To キャンペーンを延期し休業補償で凌いで、いいタイミングで再開がベストシナリオのようです。それに、休業補償なしでGo Toキャンペーン強行はかえって経済を悪くする可能性の方が大きそうです。

そんなことよりも、政府は旅行業界のみならず、飲食店などの他の業種の休業補償や、家賃補填なども視野にいれるとともに、第二次補正の10兆円など早々に使用目的を定め、2回目の現金給付や、減税、医療機関に対する補助も視野に入れた、第三次補正予算に取り組むべきです。

そうして、このようなことは緊縮大好きの、財務省に対応させては、できるものもできなくなります。

やはり、政府と日銀との連合軍が担うべきでしょう。政府が大量の国債発行によって財源調達を行うが、その一方で、日銀がその国債の買い入れを行います。これによって政府が巨額の有効需要を創出でき、不況の下支えをする。まさに大恐慌スタイルの経済政策です。

麻生太郎財務相と日銀の黒田東彦総裁は5月22日午後、新型コロナウイルスへの対応を巡り面談しその後「事態収束のためにあらゆる手段を講じ、収束後に日本経済を再び確かな成長軌道に回復させるため、一体となって取り組んでいく」との共同談話を出しました。両者が共同談話を出したのは、英国の欧州連合(EU)離脱を巡って市場が混乱した2016年6月以来3年11カ月ぶりです。政府日銀連合軍が出来上がったのはこの時のようです。下の写真は、この共同談話発表の時のものです。



このやり方をとっていますので、第二次補正予算は、税金を用いていません。マスコミや似非識者の中には、何かと言えば「血税」とか「バラマキ」などという人もいますが、これは大嘘です。緊縮病で頭が狂った財務省が言うのならわかりますが、バカもいい加減にしろと言いたいです。

この政策のリスクは、インフレ率が高まることです。しかし、日本はもともとコロナショック以前から、物価目標する達成しておらず、さらにコロナ・ショックは基本的に需要蒸発した需要ショックなので、当面はインフレというよりデフレを心配すべきときです。

政府日銀連合軍が潤沢な資金を政府に、提供すれば、「GOTOトラベル」など全面的に廃止し、キャンセル料を補填するどころか、旅館、飲食店等に対して、休業要請や家賃補填などできます。その他の補償もできます。日本政府は、この位のことをしても財政破綻する心配など全くありません。

そうして、このような政府と日銀の連合軍の動きを今後も活発化させ、いざというときは、政府が国債を発行し、それを日銀が買い取るという方式を定着させていただきたいものです。

コロナによってこのような連合軍が成立したのですから、これはコロナ禍でもたらされた、唯一の良いことかもしれません。

コロナが終息した後にも、地震や台風などの大震災が発生した時や、リーマンショック並みの経済の悪化が生じたときに、速やかに政府日銀連合軍で政府が大量の資金を調達できるようにし、緊急時に素早く積極財政と、無制限緩和を実行できるようにしていただきたいものです。

そうして、この政策は、欧米では定番の政策です。日本もこの定番ができるようにすべきです。

そうて、財務省は、国債発行係と、徴税係だけをするようになれば良いと思います。どうせ緊縮病で頭が使えないのですから、その係だけをやったもらったほうが良いです。

ひょっとすると、これは、コロナ終息後に、コロナ禍の唯一の良い置土産になるかもしれません。

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2020年3月23日月曜日

東京五輪「中止」は回避 安倍首相とIOCの利害一致 「延期」容認に入念にすりあわせ―【私の論評】今こそ、オリンピックを開催しても経済が悪化した英国の大失敗に学べ(゚д゚)!

東京五輪「中止」は回避 安倍首相とIOCの利害一致 「延期」容認に入念にすりあわせ

IOCバッハ会長(左)と安倍総理(右)

安倍晋三首相は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7月の東京五輪の開催延期を容認する考えを初めて示した。首相が先進7カ国(G7)首脳による16日の緊急テレビ電話会議で、五輪を「完全な形で実施したい」と語ったことを受け、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が柔軟な姿勢に転じたとみられる。首相もIOCも「中止」の判断だけは避けたかったようで、22日には大会組織委員会の森喜朗会長を挟み、入念なすりあわせが行われた。

 「トランプ米大統領をはじめ、G7の首脳も私の判断を支持してくれると考えている。判断を行うのはIOCだが、中止が選択肢にない点はIOCも同様だ」

 首相は23日の参院予算委員会で、IOCが4週間以内に延期も含めて検討を進めることに理解を示しつつ、東京五輪そのものが「中止」とはならないことを強調した。

 中止となれば、これまでの準備の多くが水泡に帰すばかりでなく、日本経済に及ぼす悪影響は「延期」の比ではない。IOC側も五輪開催が1回分吹き飛べば、スポンサー料など収入面で甚大な被害を受ける。

 首相は、G7首脳に「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証し」として、規模縮小や無観客ではなく「完全な形で実施したい」と根回しし、「中止」の選択肢を消すことに努めた。大会組織委幹部は「首相のG7での振る舞いを見て、利害の一致したIOCが延期を含めた検討を始めた」と解説する。

 「好都合だった」と森氏も振り返る。これまでは、感染がどう広がるか分からない現状で、早々と結論を決めるのは得策でないとして、決断を5月下旬頃まで先送りする案もあった。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中で日を追うごとに深刻化していた。連日のように各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)や競技団体、現役アスリートらが声を上げ、組織委への風当たりは強まっていた。

 森氏は23日の記者会見で「われわれもIOCと話を合わせたいと、月曜日(23日)から(電話会議を)やろうと思っていた。(開催が)早まり、よかった」と打ち明ける。組織委側がバッハ氏から「延期」という単語を聞いたのは22日が初めてというが、事実上、電話会議が決まった時点で延期の検討は決まっていたのかもしれない。

 森氏は22日、首相や東京都の小池百合子知事らと電話で対応を協議し、特に首相とは3回も連絡を取り合った。首相は、IOC側が延期を決断した際、受け入れる考えも示したという。首相は23日の参院予算委でこう強調した。

 「世界中のアスリートがしっかり練習でき、世界からしっかり参加していただき、アスリートや観客が安心できる形で開催したい」(森本利優、原川貴郎)

【私の論評】今こそ、五輪を開催しても経済が悪化した英国の大失敗に学べ(゚д゚)!

オリンピックの開催は、やはり延期にした方が良いです。たとえ、7月24日までに日本で武漢肺炎が終息したとしても、他国がどうなっているかはわかりません。

以下のグラフをご覧になって下さい。


これは、新型コロナウイルス 第1感染者確認後のグラフです。 3/22時点の感染者数累計は、 日本(1101)、韓国(8897)、イタリア(59138)、イラン(21638)、フランス(15810)、ドイツ(24806)、スペイン(28603)、アメリカ(32582)です。

このグラフでもわかるように、日本は、いまのところ感染の封じ込めに相対的に他国よりも成功しています。このグラフは単純に感染者数の比較をしていますが、日本の場合は人口が1億2千万人ですが、先進国では米国の人口は3億人ですが、その他の先進国は数千万人です。

人口10万人あたりの、感染者数などで比較すれば、韓国、イタリア、フランス、ドイツ、スペインなどは、さらに悲惨な状況であることがわかるでしょう。

これらの国々にすれば、現状ではオリンピックどころではなく、感染症対策で精一杯でしょう。

さらに、日本だって今までは、感染封じ込めに成功してきたようですが、これからはどうなるかはわかりません。

小池百合子東京都知事

新型コロナウイルス対策について東京都の小池百合子知事は、23日の記者会見で「感染の爆発的な増加を避けるためロックダウン(都市封鎖)など強力な措置を取らざるを得ない状況が出てくる可能性がある」と述べています。ネット上ではこれに反応し『東京封鎖』『ロックダウン』という言葉がツイッターのトレンド入りし、さまざな憶測や不安が飛び交いました。

小池知事は封鎖について「何としても避けなければならない」とイベント自粛継続などへ協力を呼び掛けました。ネット上では「封鎖するのは警察?自衛隊?」「山手線も止まるのか」「検問所どれだけ必要なの」「仕事は?給料は??」との声が相次ぎました。映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』の主人公・織田裕二が発した「レインボーブリッジ封鎖できません!」のセリフを連想して「映画みたいなこと本当に起きるの?」と疑問を抱く人もいました。

飲食店閉鎖などの措置が実施されている海外からは「友達とも自由に会えない状況だけど、みんな頑張ってる。私も頑張ろう!」との反応もありました。相次ぐ新型コロナ関連のニュースに「流行が早く終わったらいいな。明るく笑いながら、何気ない日常を過ごしたいな」と切望する声もありました。

無論、小池百合子知事の「ロックダウン」という言葉は、最悪のシナリオを想定したものですが、それにしても全くあり得ないとはいえません。

運悪く、東京がロックダウンされれば、当然のことながらオリンピックは開催できません。そうした可能性もあるのですから、やはりここは、延期すべきでしょう。

オリンピックを延期とか、中止などというとすぐに経済の落ち込みを心配する人もいますが、日本や米国などの経済規模がかなり大きな国では、オリンピックの経済効果は実はさほどでもありません。それよりも、個人消費を伸ばしたほうがはるかに、経済効果は高いです。

これに関しては、良い事例があります。それは、2012年のロンドンオリンピックです。英国は、オリンピックの直前に付加価値税(日本の消費税に相当)を大幅にあげ、大失敗しています。日本でも、オリンピックの前年である昨年に消費税を上げて大失敗しています。

英国は量的緩和政策で景気が回復基調に入ったにもかかわらず、「付加価値税」の引き上げで消費が落ち込み、再び景気を停滞させてしまいました。 その後、リーマン・ショック時の3.7倍の量的緩和を行っても、英国経済が浮上しなかった教訓を日本も学ぶべきです。

このようなことを主張すると、英国の財政は日本よりも良い状況だったからなどという人もいるかもしれませんが、日本の財政は負債のみでなく、資産にも注目すれば、さほどではないどころか、英国よりもはるかに良い状況にあります。

英国は、日本よりは経済規模が小さいですが、それでも経済対策を間違えば、オリンピックなど開催しても景気は落ちこんだのです。

オリンピックを開催すれば、経済効果は大きいですが、かといって経済対策の間違いを補えるほどかといえば、そうではないのです。英国よりも経済規模が大きい日本ではなおさらです。

私は、もともとさほど大きくはない経済効果を期待して、オリンピックを無理に開催する必要性などないと思います。そのようなことをするよりも、オリンピックは延期して、消費税減税、給付金対策、無論追加の金融緩和をするなどのことをして、経済を浮揚させてから、オリンピックを開催すべきです。

武漢肺炎で、経済が破壊されてとんでもないことになるのではないかと心配する人もいるようですが、まともな経済政策をしている国において、大規模な災害や、伝染病等で経済が一時かなり悪化しても、災害や伝染病が終息した後はかなりの勢いで消費等が伸びて、回復します。これについては、このブログでも香港の事例をあげたことがあります。

詳細は、当該記事をご覧になって下さい。以下にグラフだけ引用しておきます。


戦争の場合もいっとき景気は落ち込みまずか、それでもその後ものすごい勢いで経済が伸びることは、私達日本人が経験しているところです。これについても、当該記事に書きましたので是非ご覧になってください。

現状では、オリンピックは延期して、ロンドンオリンピックの失敗に学び、上げてしまった消費税を減税して、一人あたり10万円くらいの給付などを行い、日銀も異次元緩和のスタンに戻り、オリンピックが開催するときには、日本経済が大きく回復する状況ををつく出すのがベストです。

誰もが、先行きにあまり不安を感じない状態で、平和の祭典を開催するのが、日本にとっても世界にとってもベストだと思います。

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2020年2月24日月曜日

習近平4月訪日…先に「延期しよう」と切り出せず神経戦する日中―【私の論評】中国が「反日統一戦線共同戦線」構想を取り消さない限り、日中戦争は継続中であると心得よ(゚д゚)!

習近平4月訪日…先に「延期しよう」と切り出せず神経戦する日中

    習近平中国国家主席(左)が昨年6月28日に大阪で開かれたG20首脳会議
    公式歓迎式で議長国の日本の安倍晋三首相とあいさつを交わしている。

4月初めに予定されている習近平中国国家主席の国賓訪日日程は新型コロナウイルスによる肺炎の拡散で流動的な状況だが、中国と日本ともに「延期」を切り出せず神経戦を行っていると産経新聞が24日に報道した。

現在日本と中国とも「予定通り準備を進める」という立場を維持しているのは、中国が重視するプライド問題、また、中国に利用されかねないという日本側の戦略が絡んでいるという。

日本の茂木敏充外相は21日会見で習主席の訪日について、「いくつかの準備会合などが延期になっているので、準備を加速していく必要がある」と話した。

15日にドイツで茂木外相に会った中国の王毅外相も「(習主席訪日を)ぜひ実現したい」とした。

新型肺炎の影響で国賓訪日が実現するかわからない状況だが、双方とも表向きは強い意欲を見せていることになる。

産経は「中国が習氏訪日の延期を自ら持ちかければ、新型コロナウイルスを押さえ込めないとの印象を国際社会に与えかねない。逆に訪日すれば「終息宣言」の演出にもなり、メンツをかけて予定通りの訪日を実現しようとする」とした。

これと関連し日本政府関係者は「日本から『無理なさらないでください』と言ってもらいたいはず」との見方を示すが、もし実際に日本がそうした場合には「日本が延期を言い出した」と利用されかねないと懸念する。

さまざまな理由から日本と中国とも顔色をうかがいながら保身を図っているということだ。

日本側は天皇と安倍晋三首相のスケジュールなどを考慮して習主席の訪日可能日を伝えているが、「まだ何も回答はきていない」と産経は伝えた。

【私の論評】中国が「反日統一共同戦線」構想を取り消さない限り、日中戦争は継続中であると心得よ(゚д゚)!

新型肺炎感染者の増加が連日報じられている日本ですが、中国全土からの渡航禁止が実施されない状況に対して疑問の声も上がっています。有事である現在の日本の状況にあっても対中関係改善を優先する政府ですが、このようなことをしても政府が報われることは永遠にないでしよう。

日中関係が、急速に改善されているようにみえます。確かに、尖閣中国漁船衝突事件があった2010年や、尖閣国有化の2012年のような「超緊張関係」よりは良いのかもしれませんが、周近平の訪日が決まっても、中国による尖閣への挑発は続いています。

さらに、現在の日中関係は、異常です。新型コロナウイルスの感染者が日本国内でも増えています。この際最も重要なのは、他国でも普通に実施されているように、日本も中国全土からの渡航を禁止することです。

新型コロナウイルス
ところが日本政府は、この当たり前のことをしません。日本政府が習近平に忖度しているのでしょう。つまり、今の日本政府は、国民の安全よりも習近平のご機嫌を最優先していることになります。それでも、日本政府が長期的に中国から報われれば良いのかもしれません。しかし、日本政府の「忖度」が報われることはありません。

1989年、天安門事件で中国は世界的に孤立しました。中国指導部は、どうやってこの危機を克服したのでしょうか?彼らは、「世界一純真でだまされやすい日本を利用して孤立から脱却しよう」と考えました。

そして、彼らは日本に接近しはじめました。1992年、天皇皇后両陛下が、訪中されました。これを見た欧米諸国は、「裏切り者の日本は、巨大な中国市場を独占するつもりだ!」と焦ります。そして、1993年から中国と欧米の関係も改善されたのです。日本は、中国の苦境を救ったのです。

問題は、この後です。中国は、「利用済み」の日本を捨てました。どのように捨てたかといえば、1994年、江沢民政権は、国内では「反日教育」を、国外では「反日プロパガンダ」を精力的に行うようになったのです。

これは、「日本を米中共通の敵とすることで、米国が二度と中国を叩かない環境をつくる」という戦略に基づいた動きだったのです。この戦略がうまくいき、クリントン政権は熱心にジャパン・バッシングをしていました。

なぜ、中国は、これほど見事に日本をだませるのでしょうか。それは、中国指導部の「哲学」が「だますこと」だからです。彼らが信奉しているのは、「孔子」ではなく「孫子」です。

孫子はいいます。
兵は詭道なり(戦争は、だましあいである)
つまり、戦争中は「だますこと」が「善」とされるのです。では、今は戦争中なのでしょうか。戦争中ではないのでしょうか。

彼らは、こう考えます。「政治は、武器を使わない戦争である。戦争は、武器を使う政治である」。だから、「平時」でも「戦時」でも、彼らはいつも「戦争中」と考えるのです。だから、「いつでもウソをつくのは善である」と考えるのです。これ、「中国人はそうだ」といっているのではありません。「中国の指導者がそうだ」といっているのです。

天安門から30年が過ぎました。中国は、また孤立しました。それで、また同じように、日本に接近してきたのです。世界一純真でだまされやすい日本政府は、過去の失敗に学ばず、またもや「コロリ」とだまされたようです。

習近平が国賓訪日すれば、「天皇陛下、是非ご訪中ください」というに決まっています。天皇陛下は立場上拒否できないので、訪中されるでしょう。1980年代から1990年代の初めに起こったことが、また起ころうとしているのです。日本政府は、同じ失敗を繰り返そうとしているようです。

失敗といえば、第2次大戦時、日本はナチスドイツに接近して破滅しました。今度は、「ウイグル人100万人を強制収容」し、「現代のナチスドイツだ」と批判されている中国に接近しています。また亡国の道を驀進しています。

中国指導部の「ウソ」については、話せばキリがありません。最後にこれに触れないわけにはいかないでしょう。2012年11月、中国は、ロシアと韓国に「反日統一共同戦線をつくって、日本を破滅させよう!」と提案しました。

彼らは、「日本には【沖縄の領有権はない!」「米国も反日統一共同戦線に引き入れる!」と宣言しました。卒倒物のこの話。このブログでも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【国難突破】習政権が目論む“情報洗脳的世界支配” 日米連携で中国「情報謀略網」解体を―【私の論評】2012年から日中は戦争状態!なるべく多くの国々と同盟関係になることが日本を守る(゚д゚)!
   マイク・ペンス米副大統領が201年10月4日、ワシントンでの講演で、かつて米国政府が

   したことのない中国非難を展開した。
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、「反日統一共同戦線」がらみのところを以下に引用します。

多くの人々は気づいていないようですが、実は日本もすでに、中国と戦争状態に入っています。とはいいながら、最近日中関係が、一見改善されてきているようにみえます。安倍総理は昨年(ブログ管理人注:2017年)11月11日、ベトナムで習近平と会談しました。雰囲気は、きわめて友好的で、両首脳は関係改善への意欲をはっきり示しました。さらに、今週は安倍総理が中国を訪中する予定です。 
日中関係が改善されるのは、良いことのようにもみえますが、決して油断することはできないです。中国は6年前、尖閣、沖縄を奪取するための戦略を策定しました。「広義」での「日中戦争」は、もう始まっているのです。 
私自身「日中戦争が始まった」という事実に大きな衝撃を受けたのは2012年11月15日のことでした。 
私はこの日、「ロシアの声」に掲載された「反日統一共同戦線を呼びかける中国」という記事を読みました(現在リンク切れ状態になっています)。この記事には衝撃的な内容が記されていました。 
これを読み、私は「日中戦争が始まった」ことを確信しました。そうして、中国は米国を「反日統一共同戦線」に米国を引き入れようとしましたが、米国はそれに応じなかっために、米中もまもなく戦争状態に入りました。これは、はっきりしませんが、おそらく2016年か2017年頃だと考えられます。
  ・中国は、ロシア、韓国に「反日統一共同戦線」の創設を提案した。 
  ・「反日統一共同戦線」の目的は、日本の領土要求を断念させることである。 
  ・日本に断念させるべき領土とは、北方4島、竹島、尖閣および沖縄である。 
  ・日本に沖縄の領有権はない。 
  ・「反日統一共同戦線」には、米国も引き入れなければならない。

中国は、現在でも尖閣への挑発をやめていません。本来であれば、「反日統一共同戦線」戦略をやめると宣言して、日本に接近をはかるなどのすべきです。

それをしないで、いくら日本に接近しようとしても、日本としては「反日統一共同戦線」がある限りは、日本は戦線布告されたままてあると捉えるべきです。

日本と中国とは今でも戦争状態にあるのです。戦争というと、日本人の多くは、軍隊同士の衝突や戦闘ばかりを思い浮かべるでしょうが、戦争はそれだけではありません。情報戦などもその部類です。日本は、今のままだと、中国のとの情報戦、すなわち戦争に負けてしまいます。

日本人が決して決して決して忘れてはならないこと。それは、中国指導部の【本質】です。これは、永遠に変わりません。かつて米国も中国にだましつづけられましたが、トランプ大統領になってからは、随分変わり、現在では超党派で中国に対峙しています。

トランプ大統領がディールで中国と関係を改善しようとしても、現在の米国議会はそれを許しません。トランプ大統領の次の大統領も、中国と関係改善としようとしても、それはできません。ここ暫く、米国が中国と対峙するのは米国の意思となりました。

日本人も、中国とは「戦争中」であるという事実を忘れるべきではありません。親中派、媚中派の議員らは、このことを理解していない、馬鹿です。彼らが、我が物顔で動き回れは、日本は中国との戦争に勝つことはできません。

まずは、彼らを議員にならせないこと、それでも議員になった場合は、徹底的に監視して、中国の手先として動けなくするか、中国の手先である事実を明るみに出して、政治生命を断つべきです。

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2018年6月5日火曜日

経済合理性はない消費増税 撤回のチャンス乏しいが…延期する政治判断が正解だ ―【私の論評】消費税を5%に戻せば、日本は再び世界第二の経済大国に返り咲き安倍政権は長期政権に(゚д゚)!

経済合理性はない消費増税 撤回のチャンス乏しいが…延期する政治判断が正解だ 

安倍晋三首相

2019年10月の消費税増税に備え、安倍晋三首相は19、20年度の当初予算を大型にする意向を示し、6月にまとめる経済財政運営の指針「骨太方針」に景気対策の必要性を明記すると報じられている。消費増税を止めることはもうできないのか、一時的な景気対策で増税の悪影響を食い止めることは可能なのか。

本コラムで何回も指摘してきたように、統合政府のバランスシート(貸借対照表)を見れば、ネット債務残高はほぼゼロである。すでに財政再建をする必要は乏しいので、経済政策としてみれば、あえて消費増税を実行する必要はない。

それでも、政治的な理由で実施するというのであれば、そのときの対応策は増税効果を打ち消すような理論的な最善策に可能な限り近づけるべきだ。

最善策とは、8%から10%への消費増税を行うと同時に、全品目を8%の軽減税率の対象として適用することだ。笑い話のようだが、理論的に考えるとこうなる。筆者は、実際にこの話を国会で参考人として答弁したことがある。

これができない場合、何にも増して、景気を過熱させておくことが必要だ。そのために即効的な対策は、有効需要を高める減税を含む意味での財政出動である。一度きりの補正予算より恒久的な本予算でやるほうがいいが、少なくとも複数年度は必要である。手法としては広い範囲で財政出動をしたほうがいい。所得税減税と給付金の組み合わせであれば、全品目軽減税率適用に近い経済効果になる。

規模としては、恒久的な措置であれば増税額に見合う数兆円規模でもいいが、一時的な措置であれば10兆円以上を行って景気を過熱させることが必要になる。現在の需給ギャップなどから、こうした規模の財政出動であれば、景気は過熱するであろうから、増税によって冷や水をかけてもいいだろう。

そこまでして消費増税を行う経済政策上の合理性はない。消費増税が政治的に撤回できないので、増税分も政治的に使ってしまうというもので、あくまでも経済政策としての判断というより、政治的な判断だといえる。

政治的な判断というのなら、いっそのこと、財務省の公文書改竄(かいざん)などの不祥事から政局になりかかっていることもふまえて、国民の行政に対する信頼が回復するまで、当分の間、消費増税を延期するというのが、国民生活をかんがみても正解ではないだろうか。

もっとも、実際の政治スケジュールをみると、今年は大きな国政選挙が行われない可能性が高く、その場合には、消費増税の撤回を政治的な争点にする機会がなくなり、既に法律で決まったものとして、増税が実施されてしまう。

秋に予定されている自民党総裁選で消費増税の是非でも争点になれば、撤回のチャンスも出てくるが、そうならない場合、客観的にみて今の政治スケジュールでは苦しいところだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】消費税を5%に戻せば、日本は再び世界第二の経済大国に返り咲く(゚д゚)!

2019年10月に予定される税率10%への消費増税をめぐり、自民党の若手議員らが11日、増税凍結と、基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)黒字化目標の撤回を求める提言を発表しまた。首相官邸の後押しを受けたもので、消費増税をすでに2度延期している安倍晋三首相の政策判断や、秋の自民党総裁選に影響をログイン前の続き与える可能性があります。

提言をまとめたのは「日本の未来を考える勉強会」(呼びかけ人代表・安藤裕衆院議員)。増税凍結などの理由として、前回14年の増税(5%→8%)の影響が残り、「再デフレ化の危機に直面している」と主張。全派閥の衆院1~3期生と参院1期生、前職の計39人が賛同の署名をしました。

以下に彼らの提言の内容を示す動画を掲載します。動画のタイトルは、「デフレ不況から完全に脱却し、日本経済を成長路線に乗せると同時に、財政再建を果たすために必要な財政政策に関する提言(Ver.2)」記者会見です。 平成30年5月11日にYouTubeに掲載されたものです。



提言は近く、首相と二階俊博幹事長に申し入れるますが、提言には首相の意向が働いています。首相は今年2月、公邸で若手議員と会食。その際、参加者がPB黒字化への異論を唱えると、首相は理解を示し、「党の方でどんどん議論を盛り上げてよ」と応じたといいます。

また、提言の文案は当初、増税「凍結」を「必須」としていましたが、官邸幹部と調整し、「当面の『凍結』を検討」という表現に落ち着いた経緯もあります。勉強会メンバーの一人は「官邸がOKと言わない提言は出せない」と話したそうです。安藤氏は提言発表の記者会見で、「大きな政策変更だ」と述べ、総裁選の争点になるとの認識を示しました。

この動きからすると、自民党総裁選で消費増税の是非が争点になる可能性はあると考えられます。

安倍首相はこの動きだけではなく、党内で様々な「増税見送り」の動きを期待しているでしょうし、実際にそのような動きをする人々を支援するのではないでしょうか。

2018年9月の自民党総裁選で誰が勝者となるのか。安倍晋三総裁の対抗馬として誰が立候補するかもまだ明白にはなっていない状況ですが、私は、安倍氏と岸田文雄政調会長の一騎打ちになる可能性が高いと予想しています。

岸田氏

そうして、こと日本経済にとっては、安倍氏の勝利が望ましいです。

岸田氏が勝って岸田政権が誕生すれば、消費税の8%から10%への引き上げが2019年10月から予定通りに行なわれるはずです。その結果は、火を見るより明らかです。前回の消費税率引き上げ後と同様に、日本の景気が大きく失速することは間違いないです。10%増税ともなれば、切りがよくて計算しやすく、8%増税のときよりもさらに個人消費が落ち込むことが考えられます。

一方、安倍氏が勝てば、少なくとも消費税が上がることはないと考えられます。安倍氏はおそらく、自民党総裁選前に再び消費税の凍結、あるいは引き下げを表明すると、私は見ています。なぜなら、内閣支持率の急落という逆境から一発逆転勝利を狙う最後の切り札は、それしかないと思われるからだ。

日本経済にとって最良のシナリオは、安倍氏が消費税率の引き下げを総裁選の争点にして勝利することです。その結果、たとえば消費税が5%に引き下げられれば、日本の株価も一気に上がるはずです。

そうして、実は上記の「日本の未来を考える勉強会」も過去に同じような提言をしています。8%増税で大失敗したのですから、その失敗を取り返すには消費税を5%に戻すというのは自然な流れです。しかし、そうなると決まって出てくるのが、財源の問題です。

しかし、財源はすでに潤沢にあります。消費税を5%に引き下げても、通貨発行益を財源として利用すれば、財源的には何の問題もないはずです。日銀は量的金融緩和で国債を大量に買い増し続けていますが、日銀が保有する国債は、元利の返済が実質不要です。

日銀が国債を買い入れるということは、国債を日銀が供給するお金にすり替えることを意味します。日銀券は元本返済も利払いも不要なので、日銀保有の国債は借金にカウントする必要がないです。それが通貨発行益です。

2017年度ベースの日銀の国債買い入れ額は、約31兆円に上りました。ということは、通貨発行益が2017年度ベースで約31兆円出たということです。一方、2017年度のプライマリーバランスの赤字額は約19兆円なので、2017年度の日本の財政は実質的に約12兆円の黒字だったのです。

それに対して、消費税を5%に引き下げるために必要な財源は約8兆円なので、問題なく可能なのです。これについては、このブログでも政府の日銀の統合政府ベースではすでに、財政は黒字であることを何度かとりあげてきました。


これを語ると、反アベノミクスの方々は、そんなのインチキだと言うのですが、彼らの頭の中は静的で、動的な金融政策を無視しています。景気が悪ければ、日銀が市場(銀行など金融金)から国債を買い取って、市場に大量の銀行券を流通させることによって景気は良くなります。

このままであれば、景気は加熱しっぱなしなりますが、景気が過熱すれば、今度は日銀が市場(銀行などの金融機関)に国債を売り、市場から銀行券(お金)を吸い上げて、景気の行き過ぎを抑制します。これが、中央銀行のオープンマーケットオペレーションというものです。

このようなダイナミックな動きをする機動的金融政策を実施することを前提とすれば、大量の国債を日銀がいつまでもため込んで離さないということではないので、何の不都合も生じません。

反アベノミクスの方々は、過去の日銀が動的に引き締めや緩和政策をその時々実行するという動的な金融政策をとらず金融引締めばかり実行してきたので、日銀風の静的金融緩和(引き締めたら引きしめぱなし)という金融政策を前提でものごとを考えるようになってしまったのかもしれません。そもそも、なぜ日銀が買いオペをしなければならないのかといえば、過去の日銀が頑なに金融引締めばかりを実施してきたからに他なりません。

確かに、日銀が国債をいつまでも市場から国債を買い取る(買いオペ)ばかりをしていれば、いずれ市場にお金が溢れ、ハイパーインフレになることになります。そうなる前に、今度は日銀は市場で国債を売って、市場からお金を引き上げれば良いのです。これが売りオペです。過去の日銀は、このダイナミックな動きをしなかったので、金融政策に失敗し続けてきたのです。

話を元に戻します。もし安倍氏が総裁選に勝って消費税率が8%に据え置かれた場合でも、岸田氏が勝って消費税率が10%になった場合を比べれば、日経平均株価は5000~6000円の差、あるいはそれ以上の差が出ることになるでしょう。一般の個人投資家にとっても、安倍氏の勝利が望ましいです。市場は間違いなく、安倍総裁再選を歓迎しています。


ところで、2108年1~3月期の実質GDPは、2年3か月ぶりのマイナス成長となっています。「リーマン・ショック並みの経済危機がくれば、消費税凍結を考える」と総選挙で発言した安倍総理が、消費税の凍結あるいは引き下げを断行する環境は整ってきています。

安倍総理が3選され、安倍総理が10%増税延期するどころ、消費税を5%に戻すようなことになれば、財政政策は金融政策よりは即効性があるので、あっと言う間に景気が回復して、物価目標も達成され、日本経済は盤石となり、数年後には低迷している中国の経済を追い越し、再び世界第二位の経済大国になることも夢ではありません。それだけ、日本の経済の潜在能力は高いのです。

そうして、無論安倍政権が長期政権になるのも確実です。

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2015年12月10日木曜日

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ  消費増税は延期すべきだ 新聞の「手のひら返し」ありうる―【私の論評】軽減税率に頭を悩ますな!五つの観点から、10% 増税はあり得ない(゚д゚)!

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ  消費増税は延期すべきだ 新聞の「手のひら返し」ありうる

前回の本コラムで書いた軽減税率の自公間協議がようやく終わろうとしている。争点となっていたのは軽減税率をどこまで対象とするかであり、その必要財源について「政治的には4000億円に増額調整が加えられて、自公間では決着するだろう」と書いたが、1兆円規模というから、内容としては公明党の要求の丸呑みである。公明党の後ろにいる官邸が自民党・財務省を押し切った。

軽減税率が論じられているが、これに頭を悩ます必要はないかも?


4000億円なら食品のうち生鮮食品のみ、1兆円ならそれに加工食品まで含めるということだ。政治家同士の話なので、軽減税率の対象に「梅干しやノリ、豆腐、納豆が含まれないのはおかしい」という、朝食の定番メニューを例にして加工食品を適用すべしとのやりとりがあったようだ。

新聞への軽減税率の適用は絶望的

ところで、新聞への軽減税率の適用は絶望的である。かつては、「米、味噌、醤油、新聞」とやはり朝の食卓風景の一角で、新聞を軽減税率対象にするとのスローガンがあったが、今回の話は「米、味噌、醤油」までだ。

これで、これまで軽減税率を受けたいがために、消費増税に賛成していた新聞の論調がどうなるのかが見ものである。

軽減税率については、低所得者以外も恩恵が及び、消費税税収が減るなどの問題点がいわれている。その批判はもっともであるが、日本では確定申告者数が少なく、税務申告時に給付・還付を行いにくいという事情もあるので、軽減税率でもやむを得ない面もある。公明党は、そうした批判を承知しつつ、納税者の分かりやすさや手間を考慮して、選挙で軽減税率を訴えてきた。

また、軽減税率の問題を指摘する人の多くが、2017年4月からの消費再増税に前のめりなのは気になるところだ。

ただ、軽減税率にかかわる懸念は、その消費再増税がないなら、杞憂となる。筆者の見立てでは、その方向になりつつある。


選挙対策上からも「延期」やりやすい

一つには、民主党の枝野幹事長が、軽減税率の導入について「明確に民主、自民、公明の3党合意が破棄されたと言わざるを得ない」と述べ、消費増税に反対する意向なのだ。

3党合意をよく読めば、軽減税率の導入がそれに反しているとはいえない。政治合意文章は、融通無碍に書いてあるからだ。にもかかわらず、枝野幹事長がそういう主張をするのは、消費増税で先手を打ちたいからだ。軽減税率での自公間協議の中、消費増税延期で来16年7月に衆参ダブル選挙という噂が流れた。昨14年の総選挙で、民主党の海江田代表(当時)は当初消費増税賛成といったが、慌てて取り消して、ぶれまくり、結局惨敗したトラウマがあるのだろう。

GDP統計の改定で、2期連続マイナス成長は免れたものの、消費低迷によってGDPがさえないのは事実だ。しかも、補正予算は3兆円余で力不足だ。こうした状態だと、これまで消費増税を主張していた新聞も今後ゆっくりと意見を変えていくだろう。

そう考えると、今回の軽減税率の政治決着は絶妙だ。まず新聞を対象としないので、新聞が、消費増税延期に世論を向けやすい。またかなりの減収になるので、財政当局から見ても「消費増税延期でもやむなし」になりやすい。さらに、野党からの消費増税延期発言を引き出し、選挙対策上からも消費増税延期をやりやすい。

こうした点を踏まえると、今回の軽減税率の政治決着から、2017年4月からの消費増税はかなり可能性がなくなったことが見えてくる。


【私の論評】軽減税率に頭を悩ますな!五つの観点から、10% 増税はあり得ない(゚д゚)!

上の高橋洋一氏の論評に賛成です。かなりの確率で、2017年4月からの消費税増税はないでしょう。私としては、100%なしと言い切りたいくらいです。なぜそう思うのか、本日はそれを掲載しようと思います。

第一には、新聞の軽減税率の適用が完璧に除外されたことは高橋洋一氏が指摘するように、大きいです。新聞への軽減税率の適用については、このブログでも以前何度か掲載したことがあります。ここでは、一番古いものを掲載します。この記事は2011年のものです。
「米国債はデフォルト危機」と大騒ぎする日本の新聞は「財政破綻」「増税」は好きだが、自分たちだけ「軽減税率」求める浅ましさ ―【私の論評】消費税率アップが、新聞業界と財務省の共通の利益だが、アメリカの利益にはならない!!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、新聞に対する軽減税率の適用に関する部分のみ下にコピペします。
その一方で、新聞協会は7月12日、経済産業省が募集していた来年度の税制改正要望に対して、要望書を提出し、消費税については軽減税率の適用を求めている。新聞業界は、消費税軽減のために海外調査を行う等なりふりかまわぬスタンスだ。つまり消費税率アップが、新聞業界と財務省の共通の利益なのだ。 
新聞は消費税アップによっても新聞代の引き上げを避けられる。一方財務省にも利権が発生する。というのは、消費税率がアップすると、必ず軽減税率やゼロ税率の話が出てくる。新聞業界もそのひとつだ。社会的使命を主張しながら、消費税の軽減税率を財務省に働きかけている。これはもちろん新聞では報道されないが事実だ。どの業界に軽減税率を適用するかどうかは財務省の胸先三寸である。 
財務省の事務次官であった丹呉泰健氏が読売新聞に天下りしたことは昨年11月22日の本コラムで述べている。消費税率引き上 げと新聞業界の軽減税率・ゼロ税率の願望とは無縁とはいえない。 
新聞業界と財務省は既に蜜月関係にあると見ていいだろう。だから、新聞が行う世論調査で、増税が必要かというものはあてにならないことを留意する必要がある。そんなものは質問の仕方によってかなり変わるからだ。
新聞業界と財務省はその後も、つい最近まで蜜月関係が続いていて、新聞は財務省の資料などに基づき、増税の正当性を報道してきました。財務省としては、新聞にそのような対応をしてもらうことを引き換えに、新聞に軽減税率を適用することをちらつかせ、自分たちに都合の良い報道をするように圧力をかけてきたのです。

しかし、いつの間にか、新聞への軽減税率の適用は完璧に立ち消えになってしまいした。これは、最近の報道をご覧いただければ、おわかりになると思います。生鮮食品、加工食品、外食、酒類に関しては、軽減税率の論議が行わていますが、新聞に関してはなしのつぶです。

新聞は、過去に本当に増税に関しては、積極的に推進すべきという報道を繰り返してきました。特に、2013年はそのピークに達した感がありました。すべての新聞が、安倍総理が増税すると発表する前から、「安倍総理増税決断」と何度も連呼していました。この状況は全く異常としか言いようがありません。

おそらく、財務省が周到に根回しをして、識者、新聞などに増税の連呼をさせた結果であると思われます。

これに関しては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【衆院選】首相はなぜ解散を決断したのか 幻となった4月総選挙 決断を早めたのは…―【私の論評】産経新聞ですらのってしまった昨年の総理増税決断の虚偽報道!今年は破壊的革命集団財務省が、安倍総理の解散時期をはやめた、その意味するところは?
昨年10%増税を見送り、解散総選挙を表明する安倍総理

この記事は、昨年11月20日のものです。この記事から、新聞の平成13年の増税報道の異常ぶりを示す部分を以下にコピペします。
まず、主要メディアの報道をざっと振り返っておきます。実際には、これ以外も、多くの報道がありましたが、代表的なもののみにとどめます。報道に間違いがなければ、安倍首相は11日から20日にかけて、少なくとも4度(11日、12 日、18日、20日)にわたり「決断」を繰り返したことになります。
"安倍首相は11日、消費税率を来年4月に現行の5%から8%に予定通り引き上げる意向を固めた。出典:読売新聞9月12日付朝刊1面「消費税 来年4月8% 首相、意向固める 経済対策に5兆円」
安倍晋三首相が、来年4月に消費税率を5%から8%へ予定通り引き上げる方針を固めたことが12日分かった。出典:共同通信9月12日「消費増税 来年4月8%に 首相、10月1日表明へ」
安倍晋三首相は12日、現行5%の消費税率を、消費増税関連法に沿って2014年4月に8%に引き上げる意向を固めた。出典:時事通信9月12日「消費税、来年4月に8%=経済対策5兆円で下支え=安倍首相、来月1日にも表明」
安倍晋三首相は、現行5%の消費税率を、来年4月に8%へ予定通り引き上げる方針を固めた。出典:毎日新聞9月12日付夕刊1面「消費増税 来年4月8% 安倍首相『環境整う』判断 経済対策、5兆円規模検討」
安倍晋三首相は18日、現在5%の消費税率について、来年4月に8%に引き上げることを決断した。出典:産経新聞9月19日付朝刊1面「消費税来春8%、首相決断 法人減税の具体策検討指示」
安倍晋三首相は来年4月に消費税率を8%に引き上げる方針を固めた。(…)複数の政府関係者が19日、明らかにした。出典:日本経済新聞9月19日付夕刊1面「消費税来春8% 首相決断 法人減税が決着、復興税廃止前倒し 来月1日表明」
安倍晋三首相は20日、来年4月に消費税率を現在の5%から8%に予定通り引き上げることを決断した。出典:朝日新聞9月21日付朝刊1面「首相、消費税引き上げを決断 来年4月から8%に」
安倍首相は10月1日の発表の前までは、自らの肉声で「決断」の意思を表示したわけではありません。仮に会見等の場で表明していれば「~を表明した」と報じられるし、一部の関係者に伝達していれば「決断したことを~に伝えた」と報じられるのが普通です。しかし、昨年はどのメディアも「表明」「伝達」いずれの事実も報じておらず、「意向を固めた」「決断した」といった表現で報じていました。
「意向」とか「決断」とかいう内面的事実を、メディアは一体どのように確認したというのでしょうか。さまざまな周辺情報(増税に備えた経済政策の検討を指示した等)から「決断している可能性が高い」と推測できるからといって、「決断した」と断定していいはずはなかったはずです。 
もし、「決断」の裏付けを取れたなら、その根拠となる事実関係や、ソース(情報源)を読者に示してしかるべきでした。ところが、各紙の「決断」報道は、日経新聞だけが「複数の政府関係者によると」と書いたほかは、全くソースについて触れていませんでした。
これは、本当に異常で異様なことでした。最近の大手新聞は、発行部数がかなり減っており、そもそも8%増税のときも、できるなら軽減税率を適用して欲しいというのが本音でした。ご存知のように、それは単に間に合わないという理由で、見送りされました。

10%増税では、何がなんでも軽減税率適用をと考えていた大手新聞にとっては、これは財務省の裏切り以外の何ものでもありません。

浅ましいといえば、浅ましいのですが、それにしても、財務省のために増税すべきと報道してきたのに、 肝心要の新聞への軽減税率の約束は反故にされたわけですから、恨み骨髄というところだと思います。

こんことから、もう、新聞がかつてのように狂ったように、増税の連呼をするということはないでしょう。それどころか、もう財務省の手にのらず、手のひらをかえしたように、まともな報道をして、今度は減税すべきなどと報道し始めるかもしれません。

第二には、そもそも増税する必要性は全くないということがあります。それに関しても、このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
税収上ぶれで国庫収支改善 「国の借金」1054兆円だが資産も653兆円―【私の論評】日本国借金まみれ説は、財務省と追従者が築く馬鹿の壁(゚д゚)!
 

この記事では、あらゆる方向性から、増税する必要性など全くないことを掲載しました。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事の結論部分を掲載します。
以上のような考え方をすれば、日本政府は決して他国に比較して、借金まみれではないことが良く理解できると思います。

日本国借金まみれ説は、奇妙奇天烈、摩訶不思議な論理であり、とても受け入れることはできない戯れ言に過ぎないことがわかります。そうして、これを理解すれば、8%増税は必要なかったし、10%増税などとんでもないという結論になります。

それにししても、財務省はこのような戯れ言で、本当に日本借金まみれ説をすべての人に信じこませることができると思ったのでしょうか。私のように経済に疎い人間でも、上記のようにこのような戯れ言は受け入れらないのですから、まともな経済学者などはこのようなことは、すぐに見破るどころか、最初からわかりきったことだと思います。

日本国借金まみれ説は、財務省およびこれに追従する識者が築く馬鹿の壁に過ぎないのだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
財務省の官僚はこのようなことは、良く知っていると思います。しかし、そのようなことは、おくびに出さず、新聞や識者、政治家などの増税の正当性を主張してきたし、これからもそうすることでしょう。何のためかといえば、財務省益のためであり、国民や政府がどうなろうと、自分たちによる税金の配賦権を強化し、権力を掌握しつづけるためです。結局政治だ何だといっても、予算がすべてで、政治家も他省の官僚も予算がなけば何もできません。

第三には、経済成長なくして財政再建なしという事実があります。日本のGDPの60%は個人消費によるものです、増税すれば、個人消費が冷え込み、経済成長ができなくなり、結局のところ税収も減ります。増税すれば、増税したばかりの年などは、一時的に税収が増えることもありますが、次の年あたりから消費がかなり減り、税収はもかなり減ります。

これについても、このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【日本の解き方】経済成長なくして財政再建なし 歳出カットのみ主張なら財務省の術中―【私の論評】財務省・内閣府の嘘吐き官僚には、徹底した報復人事を行い、政治主導を達成せよ(゚д゚)!
各国の名目GDP成長率 (1997-2012)
出所:IMF WEO Apr 2013 縦軸:パーセント
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、増税などしなくとも、金融緩和だけしていれば、税収弾性値とGDPデフレーターの計算をまともにするだけで、2020年から23年度ぐらいには財政再建はできてしまうという見込みは十分になりたつことを掲載しています。

第四には、大勢の識者が8%増税の影響は軽微としていたにもかかわらず、実際に蓋を開けてみれば、甚大な影響がありました。これからもどうなるかは、わかりません、結局のところ2015年は全体でマイナス成長ということも十分ありえます。

そんなときに、10%増税をししまえば、さらに消費は冷え込むことは、はっきりしています。考えてみてください、10%増税といえば、非常に計算しやすいです。1000円の10%は、100円、10000円のそれは、1000円、10万円のそれは1万円です。これは消費者の心理にかなり大きな影響を及ぼし。経済は致命的な打撃を受けます。

そうなれば、増税時の政権が安倍政権であれ、他の政権であっても、政権が崩壊するのは必至です。そんな冒険を侵す必要性などありません。

それに、上で述べていた選挙対策という第五の観点もあります。

以上五つの観点から、10%増税は見送られる可能性がかなり高いどころか、私自身は100%そうだと踏んでいます。これだの観点から見て、増税はすべきではないのに、実施してしまえば、本当に愚かしいことだと思います。

それにしても、大手新聞は、財務省から裏切られても、増税すべきという愚かな報道を続けるのでしょうか。そうして、来年の選挙が衆参同時選挙となり、自民党の公約の一つに増税見送りがなったとしたら、またぞろ「大義なき解散」などと馬鹿げた報道をするのでしょうか。そうだとすれば、本当にジャーナリズムとしての、プライドも能力もなく、愚かとしか言いようがありません。

私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年5月1日水曜日

官邸周辺でくすぶる「消費税増税延期論議」!参院選に向けた「人気取り策」の代償はいかに?―【私の論評】 次の決戦は、増税阻止!!増税延期はメリットだけでデメリットなし!馬鹿の言動に騙されるな!!惑わされるな!!

官邸周辺でくすぶる「消費税増税延期論議」!参院選に向けた「人気取り策」の代償はいかに?:
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[ 町田徹「ニュースの深層」 ]
官邸周辺でくすぶる「消費税増税延期論議」!参院選に向けた「人気取り策」の代償はいかに? 

変なおっさん?
[町田 徹]

【私の論評】 次の決戦は、増税阻止!!増税延期はメリットだけでデメリットなし!馬鹿の言動に騙されるな!!惑わされるな!!

増税まっしぐらの、勝栄二郎氏が財務省から事実上放逐されてから、目立って増税論議は下火となり、安心していたところ、本日上記のような記事を見つけたので掲載しました。私自身、上記の記事はじっくりは読んでいません。読んでも意味がないし、時間の無駄だからです。

前財務次官

一難去って、また一難という感じです。それにしても、上の方は、財務省の勝栄二郎氏の放逐をどのように捉えていらっるのでしょうか?勝栄二郎氏の放逐に関しては、以前のこのブログにも掲載したことがあるので、以下にそのURLを掲載させていただきます。

日銀・黒田新体制を待つ罠 異例の人事で不気味な兆候も…―【私の論評】日銀反リフレ派主流派の攻撃を阻止するには、縦深防御で臨め!!

 詳細は、上の記事をごらんいただものとして、勝栄二郎氏に関するところのみ以下に掲載させていただきます。
 ただし、財務省においては、従来の勝栄二郎財務次官は、すでに財務省を放逐され、IT企業に天下りました。財務高級官僚にとって、銀行や財務省関連の外郭団体などへの天下りならば、順当な天下りですが、IT企業などへの天下りなどは、放逐、島流し以外のなにものでもありません。やはり、財務省主流派は、勝氏の増税路線などは問題外の挙動だったのだと思います。ちなみに、財務省引き際の勝氏は、真砂財務次官から、部屋を取り上げられたそうです。真砂氏は、まさに、神か悪魔かといわれるような凄まじい人間ではないかと思います。それに、勝氏は財務省出身者の元老たちからは、末席に座らせてもらえないというとてつもない、しっぺ返しをくらわされたということです。
財務省というと、官僚の中でも、エリート中のエリートで、そこのキャリア組といえば、天下人と言っても良いくらいです。勝氏は、ご存知のように、自民党の谷垣氏が自民党総裁だったとき、野田さんとともに、徹底的にこの双方に対してレクチャーをして増税の正当性を認めさせ、結果として、増税の三党合意までの道筋をつけました。しかし、橋本龍太郎内閣のとき、消費税を増税してから、このかた一度も、増税前の税収を上回ったことはありません。

不景気の時には減税するなど財政出動政策を行うのが当たり前であり、増税などの緊縮財政を行こなえば、さらに景気が悪化するだけです。そんなことをしてしまえば、せっかく金融緩和をしても効果が薄れます。デフレから脱却するには、金融緩和ならびに絶対に財政出動も必要です。これは、実際にどのように金融緩和をするか、どのように財政出動を行うかという問題あると思いますが、方向性としては常識中の常識です。

センター試験

もし、大学入試センター試験で、不況期に景気対策として、日銀は金融引き締めを政府は、緊縮財政をすべきだという問題に○か☓かで答える問題があったとして、これに○をつければ、不正解です。☓をつければ、正解です。この回答を間違いだとする、高校教師や大学教授は、その資格が疑われます。ところが、ここ20年もの間、デフレ不況だというのに、政府は緊縮財政ばかりやっていました。まともに財政出動したのは、小渕内閣と、麻生内閣だけでした。

日銀は、小泉政権のときに、一時金融緩和をしましたが、その前後では、金融引締めばかりやっていました。特に、リーマンショック直後には、他国が大規模な金融緩和をしたというのに、日銀は、行わず、結果として、このショックの震源地であるアメリカよりも、立ち直りがはるかに遅くなりました。世の中では、リーマン・ショックと言っていますが、日本経済は本来リーマン・ショックなど微々たるものに過ぎなかったのが、日銀が金融緩和しなかったため、甚大な被害を受けることになってしまいました。


私は、あれは、特に日本においては、リーマン・ショックなどではなく、金融緩和しなかった日銀による、日銀ショックだったと思います。そのほうが真実を正しく表していると思います。あのとき、日銀が他国と横並びで大幅な金融緩和を実施していれば、日本はほとんど影響を受けなくてすんだことと思います。

とにかく、日本では上記にも掲載したように、あまりにも長い間、金融引締め、緊縮財政ばかりやってしまったため、デフレから抜け出すどころか、長期化していましました。特に日本の経済対策のまずさでは、不況のときに政府の財政出動と、日銀の金融緩和の両方を同時に行い速やかに、不景気から脱出すべきなのに、過去20年間は、一度も両方を同時に行ったということはありません。

これでは、デフレが長引くのも無理はありません。アベノミクスの第一の矢は、金融緩和、第二の矢は、財政出動です。この両方を同時に行えば、かなり短い間に景気は回復します。しかし、緩和だけして、増税すなわち緊縮財政をするということになれば、景気が浮揚する見込みはなくなります。

ロンドンオリンピック・コラージュ

だからこそ、しばらく増税しない、増税を見送るというのが正しいありかたです。このことは、何も、日本国内だけではなく、古今東西の事例をみても明らかです。 最近ではイギリスの例があります。これについては、以前このブログに掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。

五輪に沸くロンドンが「ゴーストタウン」化 短期的な景気浮揚効果の予測に疑問符―【私の論評】不況のイギリスでは増税した後で増刷して、さらにオリンピックでも景気浮揚の効果はなくなったというのに、日本ではこれから増税とはこれいかに?

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、イギリスでは、不況であるにもかかわず、財政赤字を解消することを企図して、2011年に大幅な付加価値税の増税を行いました。そうしたところ、2012年には、大不況となり、若者の雇用が大悪化したので、イングランド銀行(イギリスの中央銀行、日本の日銀にあたる)が、大金融緩和を敢行しました。そうしたところ、インフレ率が一時5%を超え、不況時に大金融緩和をするとハイパーインフレになると囃し立てました。

イギリスの緊縮財政に対するデモ
しかし、その後すぐにインフレ率は、2%台に落ち着き、ハイパーインフレにならずじまいでした。このような貴重なケーススタディーがあるというのに、日本では、ほとんど顧みられないどころか、ほとんど報道されもせず、せっかくの良い事例が活用されずじまいです。

それに、以前IMFや、世界銀行が主張していた、不況期で財政赤字のときには、財政出動などしても効果がなく最初に財政均衡をはかるべきとした、イギリスの付加価値税増税の有力な根拠となった説が実は出鱈目だったといことも明らかになっています。それに関しては、以前のこのブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。

「ごめんなさい」では済まされない! 財政切り詰め策の根拠となった論文に誤り 欧州連合の方針に疑問―【私の論評】 これは経済学者というか、科学者として許すまじ行為!!世界を日本を惑わした罪は大きい!!見せしめのために、学会から追放せよ!!日本は、消費税増税絶対にみあわせようぜ!!

これも、詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に核心部分のみを掲載させていただきます。
  2009年にギリシャ問題が発覚し、それが欧州財政危機問題へと拡大した際、欧州委員会は危機を回避する政策を策定するにあたってひとつの論文を参考にしました。

それはハーバード大学のケネス・ロゴフ教授とハーバード・ケネディ・スクールのカーメン・ラインハート教授による「Growth in a Time of Debt(国家債務時代の経済成長)」という論文です。

ロゴフ教授とラインハート教授は『国家は破綻する』という本の著者でもあり、日本でも知られています。

ところがマサチューセッツ大学アマースト校の博士課程に学ぶトーマス・ハーンドンがこの論文に書かれている結果を再現しようとしたところ、ロゴフ教授とラ インハート教授が主張するような、「国家負債が90%を超えるとGDP成長が著しく鈍化する」という結果が得られませんでした。そこで彼の指導教授である マイケル・アッシュ教授ならびにロバート・ポーリン教授とともに「結果がそうならなかった」という指摘をしました。
 これが両者の間で論争を巻き起こしましたが、結局、ロゴフ教授とラインハート教授がエクセルのスプレッドシートを操作する際、コーディングのミスをした為、一部のデータが演算に反映されていなかったことが判明しました。

ロゴフ教授とラインハート教授がエクセル操作上の凡ミスを全面的に認め、謝罪の声明を出すということで論争には終止符が打たれました。

しかし切り詰め政策を強要されているギリシャやスペインの国民からすれば「間違いでした、ごめんなさい」ですまされることではありません。
要するに、財政赤字が90パーセントを超えているときに、財政出動などを行なっても経済成長はしないので、財政出動をするのでなく財政均衡をはかるために、増税などの緊縮財政を優先すべきであるとの説が全く間違いであったことが発覚したということです。この説は、日本の増税にも有力な根拠となっています。

イギリスも、この説に従い、不況であるにもかかわらず、財政赤字が90%以上だったので、増税などの緊縮財政をしましたが、結局物の見事に失敗して不況が深刻化してしまい、さらに財政赤字縮小の目処もたたない状況に陥ってしまいました。

特に日本は、いわゆるリチャード・クー氏が従来から主張しているバランスシート不況に陥りそこからなかなか抜け出せない状況にあることから、この時期の増税は絶対にすべきでありません。これについては、以前のこのブログにも掲載したことがあります、その記事のURLを以下に掲載します。

野村総研クー氏「今は消費増税すべきでない」(QUICK特別セミナー)―【私の論評】各界のリーダーが虚心坦懐にならなければ、日本は良くならない?!

 詳細は、この記事をごらんいただくものとして、バランスシート不況とは、多くの企業が不良債権を返済することにばかり走り、銀行からお金を借りて投資するということをしないがために、至っている不況ということです。最近の先進国の不況は、この型が多く、日本はこの型の不況に入った、最初の国です。この型の不況は、世界でははじめのことだったので、ほとんどの人が理解できなかったようです。

連日巨額の不良債権が新聞などで報道され、世論もとにかく不良債権の存在を明るみに出し、それをなんとかすべきという方向に傾き、企業の成長並びに日本の経済成長は、なおざりにされるようになりました。多くの企業がバランスシートの均衡をはかるため、銀行に負債を返すことばかりに集中し、銀行からお金を借りて投資をして、設備や人材を充実して、成長するということをやめてしまったということです。しかし、企業がなぜこのような行動をとってしまったかといえば、デフレを解消しない政府や、日銀の政策により、そうせざるをえない状況に追い込まれたということです。

これも、デフレが長引いたことの大きな原因の一つだと思われます。私も、当時はなかなか理解できず、新聞などを読むとますますわからなくなり、数年たってからその真の意味を理解しました。理由がわからなければ、有効な手を打つことはできません。その内容を以下に抜粋して掲載します。
 しかし、驚いたことに、当時バランスシート不況に関することを自分の周りの人に話してみても、かなり社会的地位が高い人でさえ、あるいは金融関係の人たちでさえ、ほとんど理解していないし理解できないし理解するつもりもないという事実に気づきしまた。

そんなものなかと思っていたら、つい、数年前ですか、リチャード・クー氏の記事がサイトに掲載されていて、「私が一番最初に、バランスシート不況について気が付き、それを当時の与党の人に話してみたが、その時にすぐ私の話を理解していただいたのは、麻生太郎、亀井静香、中曽根康弘氏の3名のみだけだったと語っていました。
 おそらく、私は当時安倍晋三氏は、このことを理解していなかったし、もしリチャード・クー氏から説明を受けても理解できなかったと思います。第一次安倍内閣のときも、理解していなかったと思います。しかし、第一次安倍内閣が失敗しそこから、安倍晋三氏はいろいろなことを学んだと思います。

日本人よりも日本経済を知っているリチャード・クー氏

だからこそ、いまいわれている、アベノミクスを実行しつつあるのだと思います。そうして、この背景からいえば、アベノミクス第二の矢である、大規模な財政出動をするのは当然の理であり、こんなときに、緊縮財政をするなど愚の骨頂です。増税は、金融緩和、財政出動した結果、経済が過熱して、インフレ率が高まったときに実施すべきものです。

それに、アベノミクスの第二の矢である財政出動は、増税ではありません。増税はあくまで緊縮財政の一手法です。安倍自民党は、財政出動をすることを公約に掲げて、勝利しているわけですから、これは、間接的ではあるものの、増税はしばらくしないと公約しているのと同じことです。

安倍総理は、本当は、増税しないとはっきり名言したかったのでしょうが、谷垣総裁のときに、増税の三党合意をしたので、はっきりとは言い難かったのだと思います。

三本の矢をプレゼントされた安倍総理


しかし、三党合意のとおりに、平成14年春より増税するというは、完全な間違いです。しかし、このような間違いを三党合意したのだからとか、このブログの冒頭の記事の方のように、変な屁理屈をつけて、主張するのは、間違いであり、今更このような主張をするというのは、ただの馬鹿か、日本国弱体化を狙うスパイであるとしか私には、思えません。皆さんは、どう思われますか?

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野村総研クー氏「今は消費増税すべきでない」(QUICK特別セミナー)―【私の論評】各界のリーダーが虚心坦懐にならなければ、日本は良くならない?!

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