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2014年6月29日日曜日

総務省「和製ジョブズ計画」の名称正式決定!事業名「異能vation」―【私の論評】この異能vationが成功する道筋は一つだけ・・・・・? しかし、これが成功する確率は限りなく「永遠の0」に近い(゚д゚)!



日本「何故、日本にはジョブズが生まれないんだ!」
アメリカ「アメリカにも1人しかいねーよ」

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平成6月27日13時
総務省HPにとある報道資料が公開されていた。
以前総務省が公表した「和製ジョブズ」を見つける新たなチャレンジ、
「独創的な人向け特別枠(仮)」の名称が正式に決定したようである。
その名も

「異能vation」

総務省HPではこのように書かれている。
総務省は、平成26年度「独創的な人向け特別枠」について事業名を「異能innovation」(いのうべーしょん)とすることに決定しました。また、その業務実施機関を選定するとともに、「独創的な人(ICT技術課題に挑戦する個人)」の公募を平成26年7月14日(月)から行うこととしましたのでお知らせいたします。
この「異能vation」の公募は7月14日から開始。
世界で2番目のスティーブ・ジョブズになりたい方は是非とも「異能vation」に応募していただきたい。

【私の論評】この異能vationが成功する道筋は一つだけ・・・・・。それは、日本文化に傾倒したジョブズ氏の本質を知ること。しかし、これが成功する確率は限りなく「永遠の0」に近い(゚д゚)!

なんじゃコリャって感じです。こんな語呂合わせみたいなブロジェクトで、ジョブズのような人間が日本にもたくさんできあがれば、素晴らしいことですが、そんなことはあり得ないと思います。

まずは、こんな企画を立案した人、スティーブ・ジョブズのことをきちんと知っているのでしょうか?マスコミなどでとりあげられたジョブズ氏は虚像であって、その本質は違います。

ジョブズ氏については、このブログでも何度となく取りあげています。それらの記事のURLを以下に掲載します。
Appleを復活させた「魔法使い」、ジョブス氏の休職―【私の論評】ジョブスの生き方は、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という日本人の理想を体現している!?
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事からジョブズの伝説のスピーチの動画と、その私による説明の部分の文章を以下にコピペさせていただきます。





ジョブスは、上の動画の中で、「死を意識すること」の意義、特にポジティブな面を強調していました。これは、日本の武士道の中の「葉隠れ」の思想とも根本では相通じるところがあります。まさに、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という言葉を真の意味で実践しているようです。葉隠れは、一部の人々が曲解しているように、死を美化するものではありません。というより、まさに、上の動画でスティーブ・ジョブスが「死を意識すること」の意義と似ています。というより、生まれ育った環境や活躍してる舞台がIT業界であることなど葉隠れの思想がでてきた時代背景とは大きく異なるので、表現や、出てくる行動が少し異なるようにみえても、本質的には同じだと思います。 
今の多くの日本人が忘れてしまったこのような生き方、少なくとも、少し前までは、多くの日本人の理想とした生き方、彼の生き方は、それを私たちに思い出させてくれます。だからこそ、日本でもジョブスに人気があるのだと思います。今日本では、産業に活気がありません。ジョブスがやってきたような、イノベーションは、少し前までなら日本が行っていたと思います。私は、そのようなイノベーションが行われなくなった今の日本、背景にはジョブスのような一昔前の日本人が理想とする生き方を多くの日本人が忘れてしまったからではないかと、危惧しています。 
さて、そう思って現在のジョブスを見ると、あの有名なプレゼンでみせる、黒を基調とした服装、ジーンズという飾らないいでたち、なにやら、戦に挑む日本の古武士のようにも見えてきます。あの全身全霊を傾けて、ものごとに取り組む姿勢とエネルギーは、本質的には「葉隠れの思想」から沸き出でてくるものであることが、理解できます。今の若い世代には、「葉隠れ」と言っても、ほんどの人が何のことかも理解していないようです。いつから、日本の優れた世界に誇るべき伝統文化が、継承されなくなってしまったのか!!本当に残念なことです。 
だから、私は、ジョブスを単純にカリスマとは呼びたくはありません。私は、彼を偉大なリーダーであると呼びたいです。日本にこのような生き方をする政治家や経営者が昨今、非常に少なくなってきたことを残念に思います。
日本文化にジョブズ氏が傾倒し、しかも実生活でも実践していたということは、なぜか日本のマスコミはほとんど報じません。しかし、ジョブズ氏が禅を実践していたという事実もあります。
“禅”が成功者を生む!あのジョブズ氏も実践―【私の論評】ジョブズの背後には、間違いなく日本文化の存在がある!!
これも詳細は、このブログをご覧いただくものとして、この記事では、禅寺住職でありながら、世界的に活躍する庭園デザイナーでもある、曹洞宗僧侶の枡野俊明氏のお話を掲載しました。その部分を以下に引用させていただきます。

「禅の考え方は、今自分が成すべきことを、ただ一生懸命やるということ。過去を憂えたり、未来を心配したりしても、実体のないものにとらわれているだけ。今に集中すれば、心にゆとりが出てくるし、無駄なところにエネルギーを使わないので、結果は後から自然についてくるようになります」


禅を仕事に生かすことでストレスから解放され、その結果、作業の効率も上がり、精神的にも安定すると言う。 
しかし、成功したいがために禅を学ぶのは本末転倒。禅とは、「物事への立ち向かい方や、心地よく暮らすための生き方を突き詰めていく思想」と枡野氏。禅の思考法を、ビジネスという分野に当てはめたら意外に使えたということか。

枡野氏によるセルリアンタワー東急ホテル「閑坐庭」(かんざてい)

そういえば、かのスティーブ・ジョブズが禅に傾倒していた話は有名だ。
「ジョブズの手がけたアップル製品には一切の無駄がなく、枯山水のような美しさがあります。彼は、毎日鏡に向かい『今日が人生最後の日だとしたら、今日やることはこれでいいのだろうか』と問いかけたと言います。今やりたいことに集中する、まさに禅の発想です」


洗練されたiPadやiPhoneのデザイン。実は、枯山水を体現していたのかも!?
ジョブズが黒タートルを着た理由が今明らかに。きっかけは日本―【私の論評】私たちは、ジョブズ氏のように、日本的なものを再度見直し、自らの活力としていく姿勢が今こそ必要だ!!
これも詳細は、この記事を読んでいただくものとして、以下にジョブズ氏のあの制服のような黒のタートルネックの正体を明かします。


スティーブ・ジョブズと言えば黒のタートル。 

黒のタートルネックを年がら年中着たお陰でジョブズは「世界で最も覚えやすいCEO」になりましたけど、本人は実は最初あれではなくソニーみたいな三宅一生のナイロン製ジャケットを会社の制服にしたかったのだけど提案したら社員たちに却下され、それでしょうがなくひとり寂しく制服を着ていたのだそうな。三宅一生の着ていたタートルをこしらえてもらって...。 
スティーブ・ジョブズが日本に来たときに、当時の稲森会長にソニーの制服について尋ねたところ、稲森氏は、次のように答えたそうです。 
「戦後はみんな服もロクに持っていなかった。だからソニーのような会社では社員になんか毎日仕事に着ていけるものを用意してやらなくてはならなかった。そのうち制服は会社独自のスタイルに発展していき、特にソニーのような会社では社員を会社に結びつけるものになったんですよ、と。それを聞いたジョブズは「そういう結びつきがアップルにも欲しいものだな、と思った」という。 
スタイルにこだわりを持つソニーはあの著名デザイナーの三宅一生に社員の制服のデザインを任せていた。その制服はリップストップ(破れ止め加工)のナイロン製ジャケットで、袖のジッパーを外すとベストになる。ジョブズは早速イッセイ・ミヤケに電話をし、アップルにもいっちょベストをデザインしてくれやと頼んだ。 
「それでいくつか見本を持ち帰って全社員集めて、どうだい、みんなでこのベスト着たら最高だろ、な、と提案したら、いや〜ブーイングの嵐でたちまちステージ退場さ。あの案はみんなにえらい不評だった」 
が、この一件で三宅と親交を得たジョブズは、それからもちょくちょく定期的に彼の元を訪ねるようになる。そして自分だけ制服作っちゃうのも悪くないな、と思うようになった。制服があった方が毎日便利だし(これはジョブズが言ってたこと)、制服を通して自分だけのスタイルを人に伝えることができる、というのがその理由だ。
自身も、タートルネックの着こなしが素晴らしい、三宅一生氏
「そこでイッセイが着ていた黒タートルネックの中から気に入ったものを選んで、僕用にいくつか作ってくれるよう頼んでみたんだ。そしたらイッセイのやつ百着も作ってくれちゃったのよ」
さて、このような黒タートルの秘密も、スティーブ・ジョブズ氏の日本への傾倒を物語る一つのエピソードでもあります。このエピソードに関して、私はこの記事で以下のような論考をしました。
スティーブ・ジョブズ氏というと、アメリカの経営者であり、外見は、典型的なアメリカ人であり、アメリカ人的なライフスタイルを送り、日本人からは、縁遠いような気がしますが、三宅一生氏デザインの、黒のタートルネットを制服として、プレゼンにのぞみ、しかも、日本の武士道的な精神を持っていたということになると、非常に身近な人に思えてきます。 
かつて、ドラッカー氏は、日本の官僚や政治家をみて、「彼らにとって最も重要なのは、経済ではなく社会であり、社会を良くするという観点からものを考え、行動する」と評していました。しかし、現在の日本の官僚や政治家をみていると、そのようにはみえません。かえって、ジョブズ氏のほうが、社会を良くするという観点から行動していたように思います。だからこそ、結果として、経済的に成功できたのだと思います。そう考えると、過去の日本の官僚や政治家も過去においては、まさにそうだったのだと思います。だからこそ、結果として、奇跡の経済発展をすることができたのだと思います。
今の私たちは、政治家、官僚に限らず、多くの人々がこのことを忘れているのだと思います。私は、日本の多くの人が、外見も三宅一生氏デザインのような日本的な装束をまとうように日本的なものを前面に打ち出し、精神的には、日本の武士道的な精神を見なおして、それを自分のものとして、少しでも、ジョブズのように、こうした日本的精神と、アメリカ流の合理的な考えを持ち、社会を変えていくようになればと、願ってやみません。最近日本では、技術的なイノベーションはなされていますが、ジョブズが実践したような社会変革などに結びつく、イノベーションが少なくなったと思います。なぜそうなってしまったかといえば、私は、多くの日本人が、こうした素晴らしい日本由来のものを忘れてしまったことにも大きな原因があると思います。
特に、現在では、日本でも、多くの人が、アメリカ人の中でもかなりユニークだと思われるようなジョブズ氏の本当の姿を見ることなし、アングロ・サクソン的価値観の側面ばかりをみて、それがジョブズ氏の本当の強さと思い込んでいるようでなりません。私たちは、ジョブズ氏のように、日本的なものを再度見直し、自らの活力としていく姿勢が今こそ必要だと思います。そうして、社会を少しでもより良くするように日々努力していく姿勢が不可欠だと思います。
 スティーブ・ジョブズ氏:すし職人が明かすサービスへのこだわり 「おいしかった。またね」が最後に―【私の論評】あなたなら、明日死ぬということなったら、何を食べたいですか?
これも、詳細は、元記事をご覧いただくものとして、この記事では、ジョブズ氏が最晩年に、親しい友人を鮨屋に招き最後の食事と会話をしていたことを掲載しました。

ジョブズ氏が最後に注文した握りずし。(すしゲタの左上から時計まわりで)しめサバ、穴子、タイ、ウミマス=2011年10月18日、パロアルト(米カリフォルニア州)の陣匠で堀山明子撮影

米アップルの共同創業者、故スティーブ・ジョブズ氏(5日死去、享年56)が死期を予感し、ごく親しい友人を招いて“お別れ会”を繰り返したすし屋が米カリフォルニア州シリコンバレーのスタンフォード大近くにある。2人のすし職人、金子典民さん(46)と高橋一郎さん(39)が共同経営する「陣匠(じんしょう)だ。高橋さんが取材に応じ「決して泣き言を言わない人だった」と病と闘う姿を語った。すし職人が見たジョブズ氏とは。 
この記事では、こうした事実の他に、私は、ジョブズ氏が実は仏教徒であったこと、ある意味武士的な生き方をしてきたことなどについて論評しました。以下にその部分のみをコピペします。
 ジョブズ氏は、一般にはあまり知られていないですが、仏教徒です。そうして、このブログにも掲載しましたが、ジョブズ氏は、日本の武士道の精神でもある、「武士道とは死ぬこととみつけたり」といういわゆる「葉隠」の精神ともいえるような、精神を持っていたようです。そのような、ジョブズ氏であったからこそ、最後の食事は寿司だったのだと思います。 
ジョブズ氏は、生前に「死を意識した生き方」を語っていました。それは、決して、消極的なものではなく、日本の武士道精神のような、積極的な生き方でした。明日死ぬと思えば、囚人でさえなければ、やることは山のようにあると思います。 
まずは、世界を変えること、あるいはそこまでいかなくとも、社会やコミュニティーや、もっと些細なことについてもとにかく良いほうに変えることを、見込みのある人にそのエッセンスを伝え、自分の遣り残したことをやってもらいたいと思うに違いありません。しかし、見込みのある人が考え違いをしていれば、それを是正しようとして、多くのマスコミや、伝記の作者さえも指摘したような、ジョブズ氏のように辛らつな言葉になることもあるかもしれません。
あるいは、世話になった人たちに、今生の別れの言葉を伝えたいと思うにちがいありません。そうして、短い時間の中でも、できることは、すべてやっておきたいと思うに違いありません。また、明日死ぬとおもえば、それまで、悩んでいたような事柄がほんの些細なことに見えてくるに違いありません。これこそが、ジョブズ氏の「死を意識した生き方」を意味するものです。そうして、ジョブズ氏は文字通りこれを実践したと思います。
私たち日本人は、武士道的な生き方を忘れがちですが、やはり、ジョブズ氏のように、「死を意識した生き方」を実践して、"one more thing"を追求していくべきです。
以下は、以前のブログにも似たような内容を掲載したものですが、ここにもう一度、ジョブズ氏に敬意を評してジョブズ氏の言葉を掲載します。 
"時代の歩みは止まりませんし、テクノロジーであれ、どんな分野であれ、世界をよりよいものにする One more thing は生み出される時を待っています。"
次の One more thing を作るのは私でありあなたであり、志のある多くの人々です。 
それは iPhone や iPad のような発明かもしれませんし、新たな商品の開発かもしれないです。新しい著作、人を感動させる音楽、誰かの人生を変える小さな一言かもしれません。あるいは、日々わたしたちが取り組んでいるいる仕事かもしれません。しかし志のある人たちが全員がそれを追い求めることで、世界はちょっとだけ良い場所になるはず。そうして、多くの人がそう信じて行動すれば、より良い社会になるはずです。私は、そう信じています。 
Thanks you Steve Jobs for making the world a better place. We will continue in your footsteps to make insanely great stuff. May you rest in peace.
 ジョブズ氏は、日本でいっとき、出家しようと試みたことがあります。結局それは、成就しませんでしたが、ジョブズ氏のなみなみならぬ、日本の伝統文化への傾倒ぶりをうかがい知ることができます。
前アップルCEO、スティーブ・ジョブス氏死去―【私の論評】ジョブスの半生を写真でたどって見えてくるものは?!!日本人が忘れた世界?
この記事では、ジョブズの一生をクロニクル風にまとめました。その一部を以下に掲載します。

Apple IIは爆発的に売れ、1984年には設置ベースで200万台を
超え、莫大な利益を生んだ。 写真は1979年だそうです。
1986年 PIXERを買収  Apple を追放されたジョブズ氏が1986年2月4日、Pixar を買収したしました。買収当初は赤字が膨らんで大変だったようですが、現在では世界を代表するアニメーションスタジオに成長し、ジョブズ氏はディズニーの個人筆頭株主となっています。

新型iPhoneを発表するジョブズ
アップルストア銀座 スティーブ・ジョブズ氏追悼の様子
さて、この記事ではクロニクルとして生前のジョブズをまとめ、記事の最後のほうでは以下のように締めくくっています。
 これにみならず、ジョブスは、風貌やライフスタイルは、まさに、アメリカ人そのものですが、起業家に特有の資質として、ドラッカーが語っているものがありますが、私は、まさに、これを体現したのがジョブスだと思います。 
ドラッカーは、起業家精神について、以下のように語っています。

"「起業家精神とは、個人であれ組織であれ、独特の特性をもつ何かである。気質ではない。実際のところ私は、いろいろな気質の人たちが、起業家的な挑戦を見事に成功させるのを見てきた」(ドラッカー名著集(5)『イノベーションと企業家精神』) 
起業家精神というと、100人に1人が持つという感覚である。100人に1人の気質、100人に1人の才能としかねない。ドラッカーは、そこがそもそもの間違いだという。それは、気質でも才能でもない。 
ただし、一つだけ起業家精神に向かない気質がある。確実性を旨とする気質である。それはそれで立派な気質だが、企業家には向かないという。 
しかし、意思決定を行なうことができるならば、学習を通して、企業家として企業家的に行動することができるようになる。起業家精神とは、気質ではなく、行動であり、同時に姿勢だからである。 
イノベーションは、才能とも関係がない。起業家精神の才能などはなく、方法論が必要なだけなのである。それが今、ようやく各所で開発中である。 
ドラッカーは、起業家精神はインスピレーションとも、ほとんどあるいはまったく関係ないという。逆にそれは、厳しく、組織的な作業である。 
企業家に天才的なひらめきがあるというのは、神話にすぎない。ドラッカー自身、60年以上にわたっていろいろな起業家と仕事をしてきた。ベンチャーを立ち上げた人もいれば、社内企業家もいた。どの人も働き者だったという。天才的なひらめきを当てにするような人は、ひらめきのように消えていったという。 
イノベーションは、変化を利用することによって成功するのであって、変化をもたらそうとすることによって成功するのではない。 
ということは、変化を当然のこととして受け止めることである。日本人にとって、諸行無常を旨とすることは、おなじみなのではないか。 
 「本人が自覚しているか否かにかかわらず、あらゆる仕事が原理にもとづく。起業家精神も原理にもとづく。起業家精神の原理とは、変化を当然のこととすることである」(『イノベーションと企業家精神』)"

さて、この諸行無常という言葉、私達日本人なら、本来誰もが、直感的に理解できるものだったと思います。アメリカ流の合理精神と、もののあわれをも含む日本流の武士道的な精神とをあわせもったジョブス。だからこそ、人生を通じて、エネルギッシュであり、本当に時流に適合して、最期まで、生き抜くことができたのだと思います。 
こうした精神なしに、ジョブスがこれほど、社会を変革できたかどうかは、はなはだ疑問です。 
今の日本人、やはり、上記のジョブスのような、精神を持った人も多いので、未だに、イノベーション力は世界トップ水準にあるのだと思います。しかし、それも、薄れてきいるような気がして残念でありません。日本でも、意図して、意識して、このような生き方をみなおしていくべきです。 
それにしても、当代一といっても良いくらいの起業家が逝ってしまったのは、本当に残念です。しかし、いつ死ぬか判らないという覚悟が根底にあったからこそ、ここ数年のジョブスもあのような素晴らしい活躍が来たのだと思います。 
そうして、彼の最期の考えは、「やり抜いた」という感慨に満ちたやすらかなものであったと信じたいです。そうして、アップルもこれからも、私達の期待に応える企業でありつづていただきものです。ジョブスがなくなっても、彼の考え方を未来永劫にわたって、継承していただきたいものです。そうして、特に、私たち日本人は、ジョブスの生き方から、日本的な物の考え方が優れていることを学びとるべきだと思います。
さて、ながながと掲載してきましたが、私が言いたいのは、総務省の役人など、こうしたスティーブ・ジョブズの日本の伝統文化などへの傾倒ぶりを理解しているのかということです。

ジョブズのこうした側面を理解せずに、ただ「異能vation」といってみたとろで、何が変わるというのでしょうか。

私たち日本人が、本当のイノベーションを起こそうするのであれば、まずはイノベーションの本質とは社会的なものであり、技術的なものではないことを自覚して、しかもジョブズがそうしたように、日本的な考え方や、方法を現代社会に大胆に取り入れていくという視点が重要です。

総務省主導の今回のブロジェクトがここまで、踏み込んだものであり、日本的な考え方を見直そうという趣旨で実施するなら、ひよっとすれば成功する可能性もあるかもしれません。

しかし、そうであったとしても、これが成功する確率は限りなく「永遠の0」に近いと思います。なぜかといえは、以下のような事実があるからです。
【日本の解き方】あまりにヒドい政府の“日本再生戦略”―【私の論評】今の政府や政治家は、自分の頭の上のハエを追えない人が、他人の世話を焼いているようなもの、自分がやるべきことに専念せよ!!
詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、この記事では、実は、あのノキアが、iPhoneや、iPadとほぼ同じようなものをアップルがこれらを発表する数年前から開発ずみであったものを市場に投入する機会を逸したことを例にあげて、以下のように論評しました。

NokiaのCM、なぜ女性のランジェリーなのか?
民間企業ですら、このような失敗をすることがあるわけですから、政府が成長する産業を見極めることなどほとんど不可能です。特に自由主義経済下では、そのようなことは誰もわからないというのが事実です。いろいろなタイプの企業が種々様々な工夫をして、その結果いずれかの事業がその時々の市場に適合うして、それが産業として伸びて行くというのが普通です。
スマホは、アップルがiPhoneで、現在の原型をつくりあげ、それを市場に投入しました。これが、たまたま、市場に適合していたため、それが、大ヒットして、今日につながっています。そうして、今では、iPhoneだけではなく、Android携帯なども様々の種類のものが、開発され、一大産業となっています。しかし、その影て、ノキアに限らず、ブルーベーリーその他、失敗しているところたくさんあります。それに、私としては、これら携帯電話に限らず、いまでは完璧に姿を消したPDSだって、電話機能さえつければ、現在のスマホと変わりないものがいくつもありました。
スマホの例でもわかるように、どの産業でも、いくつもの会社が、いくつもの新しい次世代のものを開発しており、そのうちの本の数社、場合によっては、1社だけが、次世代の産業を担って、大きく発展していのです。今日確かにアップルは大成功を収めましたが、何かがどこかで違っていれば、アップルがノキアのような目にあっていたかもしれないのです。
そんな自由主義経済下の競争において、政府が発展する産業を見抜けるわけはありません。政府はもともと、そのようなことをする機関ではありません。城山三郎氏の小説「官僚たちの夏」では、あたかも、通産省が日本の産業を主導してきたような扱いですが、あれは、幻想にすぎません。現実には、通産省主導で行ったことは、何一つ成功していません。大成功したのは、先送り戦術だけです。
この自由主義経済下においては、いくつもの民間企業が、競争環境の中で、その時々で様々な努力をして、その時点ではうまくいくかどうかもわからないですが、数年後には、決着がつくといった具合で、政府が主導で、成長産業を見つけることはほぼ不可能ということです。

最初にタブレット端末をこの世に出したのはアップルだったが、本当ノキアになったかもしれない

「異能vation」などと銘打って、アイディアを公募したとしても、まともなものは集まらないでしょう。そもそも、本当にイノベーションが起こせそうなアイディアなど世界中の企業が放置しておくはずもないし、今やKickStarterのようなサイトもあるわけですから、お金のない人はそちらに応募して、オープンソースで今まででは考えられないようなスピードでイノベーションを実行していくと思います。おそらく、このような公募に応募するようなアイディアは残りカスだけだと思います。

官僚主導のイノベーションなどこの程度のものです。そもそも、政府はイノベーションのためのインフラを整備するのが仕事であって、出来上がったインフラの上で政府が直接何かをやっても必ず失敗します。インフラの上で活動すべきは、民間営利企業や、民間非営利企業であるべきです。

もし、官僚主導のイノベーションがうまくいくのなら、あの共産主義もうまくいったはずです。旧ソ連では、いわゆる設計主任と呼ばれる優秀な人たちがいて、この人達が兵器や、ロケットや民間用の製品などを計画的に設計し、計画的に製造し、計画的に市場に提供していました。

その結果どうなったか、皆さんはお分かりでしょう。共産主義はことごとく失敗しました。

だから、「異能ベーション」なるプロジェクト最初から失敗しています。何も具体的なイノベーション(社会変革)など生み出すことはできないでしょう。

総務省などは、このような馬鹿真似をせずに、自分たちの管轄である社会インフラを整備することが本来の仕事です。たとえば、公共の電波の枠など拡張するなどすれば、衰退退廃した既存のテレビ・ラジオ局など、どんどん出てきて、既存の腐れメディアなどすぐにも視聴者を失うことでしょう。ただし、野放図に拡張してしまえば、その悪影響もあるでしょうから、そのようなことがないように規制も考えるなどのことをすべきです。

たとえば、このようなことをするのが本来の総務省の仕事であるはずです。

馬鹿な官僚に、税金を使って、無駄な言葉遊びをさせるなと言いたいです。こういうことが、過去にもあったように、無駄な箱物行政のようなとんでもない事態を生み出す土壌になるのです。(ただし、私は公共工事が全部無駄だとは思っていません)。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年6月17日月曜日

安倍晋三首相 復活劇のウラに“月1”で行ってきた修行あり―【私の論評】安倍総裁快進撃の裏に座禅あり!成功者にみられる効用(゚д゚)!日本文化を見なおせ!!

安倍晋三首相 復活劇のウラに“月1”で行ってきた修行あり
女性セブン2013年6月27日号
わずか1年で退陣したときには「無責任」と批判の声も強かった。それから5年。昨年12月の政権発足から安倍晋三首相(58才)の支持率は最高で70%を超えた。この復活劇のウラには、彼が“月1”で行ってきた意外な修行があった。

「自分は政治家としてやっていけるという自信。それまで抱いていた自信も誇りも、粉々に砕け散りました」

安倍首相は、雑誌のインタビューで5年前の総理辞任後の心境についてこう語った。第1次政権時代の2007年9月、所信表明から2日後、突如、記者会見を開いて辞任を表明。「政権投げだし」「無責任すぎる」と批判を受けた。

すっかり自信喪失をしたときに出合ったのが禅だった。友人の山本有二衆院予算委員長の勧めで禅の道へ足を踏み入れた安倍首相。その時、訪れたのが東京・谷中にある禅寺、全生庵だった。当時の様子を全生庵の住職・平井正修さん(45才)が次のように振り返る。

禅寺、全生庵入り口

「首相を辞任してから半年ほど経ってからでしょうか。以前からこちらに来ていた山本さんや経済産業省のOBのかたと一緒に来られました。その時、“心を落ち着かせたい”と座禅を組まれて、私のほうからもいくつか禅にまつわるお話をしました。それ以来、月に1回来られるようになりましたね」(平井さん・以下同)

現政権で首相に就任してからは4月13日、北朝鮮の弾道ミサイル発射の警戒が強まるなか、全生庵におもむき、約1時間、座禅を組んだ。

平井さんは最近の安倍首相の姿には、以前に比べ姿勢がよくなり、自信を持っているように感じられるという。実際、アベノミクス、TPP交渉、外交問題などさまざまな課題を抱えながらも、その言葉や表情は自信に満ちている。


どん底にいた安倍首相の復活を支えた座禅とはいったいどのようなものなのか。どのように首相の心に響いたのか。まず、座禅は禅の基本と平井さんは語る。

「人間の心は本来落ち着いているものなんです。けれど自分で自分の心を引っかき回してしまう。人間関係、将来のことが不安になってしまうのも、自分で自分を追いつめてしまうから。もちろん苦しめられた原因は外的なものかもしれませんが、そこから先、不安になっていくのは、自分で勝手に妄想して、あれこれ考えてしまうから。それをいったん、リセットして本来の自分に戻すのには座禅を組むのがいいんです」

とはいえ、座禅はリラックスするためにするものではない。


「リラックスするなら温泉にいったほうがよほどいいわけでしょう。自分と向き合い、本来の姿を取り戻すには自分の体と心にある程度の緊張感を持たせたほうがよいのです。座禅をやる上で大切なことは『調身』『調息』『調心』といい、これは姿勢と呼吸を整え、心も整えていきましょうという考えです。これによって本来の姿に戻していくのです」

安倍首相は全生庵の本堂で1時間、座禅を組む。静寂に包まれる雰囲気のなかで自然と心が整っていくようだ。

女性セブン2013年6月27日号

【私の論評】安倍総裁快進撃の裏に座禅あり!成功者にみられる効用(゚д゚)!日本文化を見なおせ!!

坐禅は姿勢と呼吸を整え、心も整え人間本来の姿に戻すものである

さて安倍政権の、皆さんの評価はいかがなものでしょうか。変態マスコミや、変態識者に惑わされ、安倍総裁の評価をかなり低くする人、あなたはないものねだりをしているだけかもしれません。あるいは、もうご自分でもご存知のとおり、自らの主義主張や日本国民のことは別にして、自らの短期的利益のために意図して意識してそうしているのかもしれません。あるいは、自我が確立されていなくて、他者に操られてるだけなのかもしれません。

私たちは、現実世界に住んでいるのであり、理想と現実は違います。理想世界ばかり求める人は、単なる夢想家です。夢想家は、現実世界を評価することはできません。批判のための批判を繰り返すに過ぎません。まあ、いわゆる厨ニ病水準だということです。

わずか半年ほど前はどういう状態だったのか、それに安倍総理以外の人が、総理・総裁になっていたとしてたら、今の日本はありません。そうして、安倍政権誕生には、様々奇跡がありました。いくつかの奇跡が重ならなければ、安倍政権は誕生しませんでした。

さて、私の評価などは、二の次にして、他の人たちがどのような評価をしているのか、以下の動画をご覧になって下さい。







この動画、あらゆる分野の人たちが、安倍政権の評価をしています。あからさまに悪い評価をするひとは誰もいません。日本の現実を見ていれば、当然のことと思います。今の段階で、安倍政権駄目などと語る輩は、単なる馬鹿か、背後に中国とか、プロ市民などが控えている人とみなすべきと思います。

さて、安倍総理は、自信に満ち溢れ、安定した政権運営をしているようで、頼もしい限りです。そうして、その行動を支えているのが、日本の文化の粋である、坐禅だということです。

 全生庵の住職・平井正修さんは、上の記事で、以下のように語っています。
 「人間の心は本来落ち着いているものなんです。けれど自分で自分の心を引っかき回してしまう。人間関係、将来のことが不安になってしまうのも、自分で自分 を追いつめてしまうから。もちろん苦しめられた原因は外的なものかもしれませんが、そこから先、不安になっていくのは、自分で勝手に妄想して、あれこれ考 えてしまうから。それをいったん、リセットして本来の自分に戻すのには座禅を組むのがいいんです」
以下に、 平井正修の動画を掲載させていただきます。


公開日: 2013/03/03
超人大陸2013年3月4日号 全生庵七世現住職 平井正修氏「寒さに耐え可憐な花を咲かせる「梅」にみる人生観


さて、このような人生観に安倍総理も影響され、そうして、心の平安を得ているということです。第一次安倍内閣の時の安倍総理には、このようなことはありませんでした。ここが今安倍総理との大きな違いです。

坐禅に関しては、このブログにも以前掲載したことがあります。以下にその記事のURLを掲載します。
“禅”が成功者を生む!あのジョブズ氏も実践―【私の論評】ジョブズの背後には、間違いなく日本文化の存在がある!!

 この記事では、あの元アップルCEOのスティーブ・ジョブズ氏が、坐禅をしていたこと、さらに、武士道にもかなり影響を受けていて、自らのライフスタイルに取り入れていたことなどを掲載しました。詳細は、にいくつか抜粋しコピペさせていただきます。

まずは、曹洞宗僧侶の枡野俊明氏のジョブズに対する言葉です。
 「ジョブズの手がけたアップル製品には一切の無駄がなく、枯山水のような美しさがあります。彼は、毎日鏡に向かい『今日が人生最後の日だとしたら、今日やることはこれでいいのだろうか』と問いかけたと言います。今やりたいことに集中する、まさに禅の発想です」
スティープ・ジョブズ氏
それから、私の論評から、ジョブズ氏が、日本の武士道を自らのライフスタイルに取り入れたことを示したものです。
 これに関しては、ジョブズが日本の「武士道とは死ぬことと見つけたり」という「葉隠」とも相通じる考え方を持っていて、実際仏門に入ろうと企てたこともあったことをこのブログにも掲載したことがあります。詳細は、以下のURLをご覧になってください。

Appleを復活させた「魔法使い」、ジョブス氏の休職―【私の論評】ジョブスの生き方は、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という日本人の理想を体現
 以下に一部分のみコピペさせていただきます。
私たちは、こうした多くの外国人をも魅了する、伝統文化に培われた日本に育っていますが、そのことを忘れがちです。そうして、その文化を受容して、日々の生活を送っていれば、あまり悩むこともなく、日々やるべきことに集中できるはずなのに、そうではなく、先のことを悩んだり、過去のことに引きずられがちです。

 私たちは、こうした多くの外国人をも魅了する、伝統文化に培われた日本に育っていますが、そのことを忘れがちです。そうして、その文化を受容して、日々の生活を送っていれば、あまり悩むこともなく、日々やるべきことに集中できるはずなのに、そうではなく、先のことを悩んだり、過去のことに引きずられがちです。

そのようなことから決別するためにも、もう一度日本文化を見直すべきだと思います。座禅など、私も久しくやっていませんか、また、やってみようと思います。私は、この古い伝統文化を思い出し、それこそ、スティーブ・ジョブズがやったように、良いところを現代的に取り入れるということにより、次世代の新しい日本をつくりだすことができるのではないかと期待しています。皆さんは、どう思われますか?
この記事にもあるように、安倍総理は座禅を自らのライフスタイルの中に取り入れ、まさしく上の文章で私が掲載した「この古い伝統文化を思い出し、それこそ、スティーブ・ジョブズがやったように、良いところを現代的に取り入れるということにより、次世代の新しい日本をつくりだす」ことを日々実戦れさているわけです。この記事を掲載したときには、よもやこのようなことを実践し、次世代の新しい日本をつくり出す、リーダーが本当に出てくるとは思ってもみませんでした。


しかし、これを実践する日本のトップリーダーが登場したということです。何と素晴らしいことではありませんか。日本国内では、知的レベルの低い、マスコミや識者などが、虎視眈々と安倍おろしを狙って、低レベルのアベノミクス批判など繰り返しています。しかし、日本文化を味方につけた、安倍総裁、もうそんなことには惑わされず、自らの道を進むことでしょう。


私自身も、微力ながらこのようなことを実践しつつ、自らの道を進み、次世代の新しい日本を作り出すことに寄与できるよう邁進して行きたいです。皆さんは、どう思われますか?

【私の論評】

“禅”が成功者を生む!あのジョブズ氏も実践―【私の論評】ジョブズの背後には、間違いなく日本文化の存在がある!!

Appleを復活させた「魔法使い」、ジョブス氏の休職―【私の論評】ジョブスの生き方は、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という日本人の理想を体現

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2012年10月11日木曜日

グーグルがApp Storeに忍び込ませたスティーブ・ジョブズの名言―【私の論評】ジョブズ氏は、ドラッカーのイノベーションの原則を守り、さらに日本的な考え方でそれを補強していた!!

グーグルがApp Storeに忍び込ませたスティーブ・ジョブズの名言:


121010_gmail_steve_ipad.jpg
グーグルのこういうところ、いいね。

上の画像はApp StoreにあるGmailアプリのスクリーンショットなんですが、よく見てみるとここに、ついこのあいだ亡くなってから1年が経ったアップルの創業者スティーブ・ジョブズの名言が載っていることをThe Next Webが発見しました。

その名言がこちら。日本語訳も一緒に。
That's been one of my mantras -focus and simplicity. Simple can be harder than complex. You have to work hard to get your thinking clean and simple. But it's worth it in the end because once you get there, you can move mountains.
集中することとシンプルであることは私の信念である。シンプルであることは複雑であることよりも難しい。思考を整理し、シンプルになるまで考えぬかなければならない。しかし、それにはものすごい価値がある。もし、それを達成することができれば、山をも動かせる。

今のいままで全然気づかれてなかったってことなのか、最近こうなったのかわからないですが、これを忍ばせたグーグルの担当者、粋なことしますね。

121010_gmail_steve.jpg

The Next Web via ラシカル開発記
Gmail[App Store]
(鈴木康太)

【私の論評】ジョブズ氏は、ドラッカーのイノベーションの原則を守り、さらに日本的な考え方でそれを補強していた!!



上の記事に掲載されていた、以下の名言は、素晴らしいです。集中することと、シンプルさの重要性を力強く訴えています。何回読んでも、ぐっときます。
That's been one of my mantras -focus and simplicity. Simple can be harder than complex. You have to work hard to get your thinking clean and simple. But it's worth it in the end because once you get there, you can move mountains.
この名言に近いことは、ドラッカー氏も何十年も前から語っていることです。それに関しては、このブログにも掲載したことがあります。


詳細は、上のURLからご覧いただくものとして、この記事には、「イノベーションに成功するには3つの心得」、「イノベーションの三つのタブー」を掲載しています。


心得のうち、ドラッカーが、第一にあげているのが以下です。
第一に、集中しなければならない。複数の異なる分野でイノベーションに成功することはほとんどない。あのトーマス・エジソンさえ、発明を発明したといわれるほど発明の方法論に通暁しながら、電気の分野でしかイノベーションを行なわなかった。
 イノベーションには、勤勉、持続、献身を必要とする。集中することなくして、これらのものを手にすることはできない。知識は多分野のものを必要とするであろう。だが、目指すものについては、集中がなければならない。 
タブーの第一は、以下です。
 第一に、凝り過ぎてはならない。凝り過ぎは失敗の元であり、生産者側の自己満足にすぎない。懲り過ぎた財・サービスに大事な時間とおカネを使う者はいない。博物館で見せてもらえばよい。  
 大きな事業にしたいのであれば、時間もおカネもさほど余裕のない人たちが、気軽に買って気軽に使えるものでなければならない。ドラッカーは、組み立て方や使い方の凝ったイノベーションは、ほとんど例外なく失敗してきたという。 
凝りすぎてはならないという言葉を使っていますが、これは、要するにシンプルさを追求せよと言っているのと同じことです。

イノベーションには、『集中』と、『シンプル』が必須であることをまさに、ドラッカー氏が原理原則として示し、ジョブズ氏が、実践して見せたということだと思います。

ジョブズ氏がドラッカーの提唱した、イノベーションの心得と、タブーについて知っていたかどうかは、わかりませんが、それは別として、自ら実践していたということは間違いありません。


それから、ジョブズ氏は、日本文化にも傾倒していました。これも、以前このブログに掲載したことがあります。


詳細は、上のURLをご覧いただくものとして、庭園デザイナーであり、曹洞宗徳雄山建功寺住職でもある、枡野 俊明氏は、以下のようにジョブズ氏について語っています。
「ジョブズの手がけたアップル製品には一切の無駄がなく、枯山水のような美しさがあります。彼は、毎日鏡に向かい『今日が人生最後の日だとしたら、今日やることはこれでいいのだろうか』と問いかけたと言います。今やりたいことに集中する、まさに禅の発想です」 
私は、ドラッカーのイノベーションの原理原則をジョブズ氏が実践し、ジョブズ氏は、その原理原則を貫くために、日本文化に傾倒し、良いところを取り入れていたのだと思います。ドラッカーの名言には、他にも様々なものがありますが、私の好きなものに、"社会にone more thingを付け加えよ"というものがあります。社会に、もう一つ何かを付け加えることを生きがいにせよということです。これも、もともとの日本人の考え方に馴染むものだと思います。これも、イノベーションの本質を語っています。イノベーションとは、技術に関するものではなく、社会に関するものであり、社会を変えるものです。


そうして、現在の私たちは、ジョブズ氏の大成功をみるときに、特に日本文化が大きな役割を果たしていることをすっかり忘れているのではないかと思います。、

多くの人が、グローバル化とか、英語の能力向上だとか、皮相なことにとらわれすぎ本質を見失っていると思います。今の私達が、世界に通用するイノベーションを実践しようとした場合、まずは、日本文化の伝統を思い返すべきなのではないかと思います。ドラッカー氏が、「武士道とは死ぬことと見つけたり」という考え方を体現していたこと、常にシンプルさを追求していたことの根底には、昔の日本人の価値観や、物の考え方に大きな影響を受けていたという事実に思いを馳せるべきと思います。

皆さんは、どう思われますか?


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2012年9月16日日曜日

“禅”が成功者を生む!あのジョブズ氏も実践―【私の論評】ジョブズの背後には、間違いなく日本文化の存在がある!!

“禅”が成功者を生む!あのジョブズ氏も実践


★本当に効く成功法則はコレだ!

有名経営者や名だたるビジネス作家の本が並ぶビジネス書コーナーで、異彩を放つ作家がいる。曹洞宗僧侶の枡野俊明氏だ。


枡野氏は禅寺住職でありながら、世界的に活躍する庭園デザイナーであり、美大教授。禅の思想に裏打ちされた著作はすでに十数冊に及び、仕事術の本も人気が高い。「禅」とビジネス。一見関連がなさそうだが、禅を学んで果たして成功できるのか?枡野氏に聞いてみた。

「禅の考え方は、今自分が成すべきことを、ただ一生懸命やるということ。過去を憂えたり、未来を心配したりしても、実体のないものにとらわれているだけ。今に集中すれば、心にゆとりが出てくるし、無駄なところにエネルギーを使わないので、結果は後から自然についてくるようになります」


禅を仕事に生かすことでストレスから解放され、その結果、作業の効率も上がり、精神的にも安定すると言う。

しかし、成功したいがために禅を学ぶのは本末転倒。禅とは、「物事への立ち向かい方や、心地よく暮らすための生き方を突き詰めていく思想」と枡野氏。禅の思考法を、ビジネスという分野に当てはめたら意外に使えたということか。

枡野氏によるセルリアンタワー東急ホテル「閑坐庭」(かんざてい)
そういえば、かのスティーブ・ジョブズが禅に傾倒していた話は有名だ。

「ジョブズの手がけたアップル製品には一切の無駄がなく、枯山水のような美しさがあります。彼は、毎日鏡に向かい『今日が人生最後の日だとしたら、今日やることはこれでいいのだろうか』と問いかけたと言います。今やりたいことに集中する、まさに禅の発想です」


洗練されたiPadやiPhoneのデザイン。実は、枯山水を体現していたのかも!?

【私の論評】ジョブズの背後には、間違いなく日本文化の存在がある!!

まずは、枡野氏の略歴など以下に掲載させていただきます。

ますの しゅんみょう
枡野 俊明

曹洞宗 徳雄山建功寺 住職

庭園デザイナー (日本造園設計 代表)

多摩美術大学 環境デザイン学科 教授

ブリティッシュ・コロンビア大学 特別教授(Adjunct Professor)




1975 玉川大学農学部農学科卒業。在学中より斉藤勝雄氏に師事。
斉藤勝雄氏の弟子となる。
1979 大本山總持寺にて雲水として修行する。 
1982 日本造園設計を設立。 
1985 曹洞宗徳雄山建功寺の副住職となる。 
1987 ブリティッシュ・コロンビア大学より招聘され、特別教授として集中講義を行う。(中曽根基金の特別教授)'87年より海外の大学において毎年講演。 
1989 コーネル大学、トロント大学等において講演。 
1990 ハーバード大学GSDにて講演。 
1994 ブリティッシュ・コロンビア大学より特別功労賞
『AWARD OF MERIT』を受賞。併せて同大学教授に就任。 
1995 新渡戸記念庭園改修においてCSLA(Canadian Society OfLandscape Architects)より『NATIONAL MERIT AWARD』を受賞。 
1997 日本造園学会賞受賞 (設計作品部門)
横浜文化賞奨励賞受賞。 
1998 多摩美術大学 環境デザイン学科 教授に就任。 
1999 芸術選奨文部大臣新人賞受賞(美術部門)。 
2001 曹洞宗 徳雄山 建功寺 の住職となる。 
2003 外務大臣表彰受賞。 都市緑化功労者 国土交通大臣表彰受賞。
2005 『Gala Spa Award 2005 (Special prize) 』 ドイツ。
カナダ政府より『Meritorious Service Medal』(カナダ総督褒章)を受章。
ブリティッシュ・コロンビア大学より名誉博士号を授与。 
2006 ドイツ連邦共和国 功労勲章 功労十字小綬章を授与。 
2007 第17回AACA(日本建築美術工芸協会)賞奨励賞受賞。 
2010 第55回神奈川県建築コンクール 優秀賞・神奈川県建築士事務所協会賞 受賞。 
素晴らしい、経歴です。この方は、日本文化を追求することにより、これだけの偉業を達成できたのだと思います。今のニッポン人、グローバリズムなどなんだのといいつつ、日本文化文化の素晴らしさを忘れていると思います。私は、日本人が日本人たる所以を忘れてしまっては、文化的背景もなにもない、ただの弱いニッポン人(日本的文化の背景のない日本人という意味)になるしかないと思います。


本当の意味で、国際人となるには、日本人ならば、日本の文化的背景を忘れては、決してなれないと思います。たとえ、英語ができたとしても、海外に行けば馬鹿されるだけです。最近私は、Google+のハングアウトで海外の人とも話す機会がありますが、そのときに海外の人から「どこからなの?」という質問をうけて、「日本から」というと、日本人だというだけで、"So, Smart"などといわれて、歓迎されるので、やはり、日本は、世界の中でも、尊敬されている国であることを実感しています。

そんな彼・彼女らに、話をして評判が良いのは、やはり、日本文化です。いろいろなことを話していて、「日本的なやり方だとこうだ・・・・・」といいつつ、その背景になる日本の伝統文化などについて、話をするとかなり評判が良いです。やはり、日本には、西欧にはない日本の古来から知恵があるのだと思います 。


このようなことがわかったので、最近では、英語で書かれている日本文化に関する、サイトの記事や、書籍を集めておき、いろいろな機会に話ができるようにしています。最近では、アニメの話題も多いので、アニメに関することも集めています。

そのような中で、「只管打坐(しかんたざ)」についての話もかなり外国の人々の関心を惹くことが、よく分かりました。只管打坐とは、詳細は、以下のURLをご覧いたてだくものとして、その意味は、『余念を交えず、ただひたすら座禅すること。仏教、特に禅宗の語。「只管」はひたすら、ただ一筋に一つのことに専念すること。「打坐」は座ること、座禅をすること。「打」は助字。「只」は「祇」とも書く』です。

http://www17.plala.or.jp/tozanji/sikantaza.html

この只管打坐の考えかたに、外国人の方々も共鳴するものがあるよゔです。実際、ハングアウトで、只管打坐について語った人の中には、次の週に自分の近くの禅道場をみつけて、やりはじめた人も、一人や二人ではありません。アメリカ人の良い思ったことは、躊躇せずにすぐに行動に移す態度には、いつも感心させられます。 上の文章にも、「ジョブズの手がけたアップル製品には一切の無駄がなく、枯山水のような美しさがあります。彼は、毎日鏡に向かい『今日が人生最後の日だとしたら、今日やることはこれでいいのだろうか』と問いかけたと言います。今やりたいことに集中する、まさに禅の発想です」とありましたが、まさにそうです。


これに関しては、ジョブズが日本の「武士道とは死ぬことと見つけたり」という「葉隠」とも相通じる考え方を持っていて、実際仏門に入ろうと企てたこともあったことをこのブログにも掲載したことがあります。これについては、詳細はここでは述べません。詳細は、以下のURLをご覧になってください。

Appleを復活させた「魔法使い」、ジョブス氏の休職―【私の論評】ジョブスの生き方は、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という日本人の理想を体現

私たちは、こうした多くの外国人をも魅了する、伝統文化に培われた日本に育っていますが、そのことを忘れがちです。そうして、その文化を受容して、日々の生活を送っていれば、あまり悩むこともなく、日々やるべきことに集中できるはずなのに、そうではなく、先のことを悩んだり、過去のことに引きずられがちです。


そのようなことから決別するためにも、もう一度日本文化を見直すべきだと思います。座禅など、私も久しくやっていませんか、また、やってみようと思います。私は、この古い伝統文化を思い出し、それこそ、スティーブ・ジョブズがやったように、良いところを現代的に取り入れるということにより、次世代の新しい日本をつくりだすことができるのではないかと期待しています。皆さんは、どう思われますか?



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2012年4月9日月曜日

“萌え”のルーツは「源氏物語」にあり!?― 【私の論評】"かわいい"のルーツは、「枕草子」にあり!?私たちは、未だに日本人の古(いにしえ)の情念を受け継いでいる存在!?

“萌え”のルーツは「源氏物語」にあり!?

http://journal.mycom.co.jp/c_cobs/jijinews/trend/2012/04/0810pt1.html



【私の論評】"かわいい"のルーツは、「枕草子」にあり!?私たちは、未だに日本人の古(いにしえ)の情念を受け継いでいる存在!?

上記の記事では、萌えに関する、核心部分は、以下のようなものだと思います。

「『萌え』というのは、一言でいうと未熟なものを愛でる気持ちのことです。本来、『萌える』というのは草木の芽が出る様を指す言葉であり、今はまだ未熟な状態を指しています。人はこれから大きく育っていくものに、心ひかれるのだと思います。アホ毛やツインテールが「萌え」の対象になるのは、子どもっぽい女の子の象徴だからではないでしょうか。そうした子どもっぽい女の子を見ると、男性は自分が守ってあげたいという気持ちになるのです。そうした気持ちは、あの『源氏物語』にも描かれています。主人公・光源氏が18歳ぐらいのとき、10歳ほどに見える幼い紫の上を見初めたのも、そうした『自分が育ててあげたい』という気持ちから。考えてみると『萌え』のルーツは『源氏物語』にあったのかもしれませんね」(内藤先生)(写真上は、いわゆる、アホ毛、下は、ツインテール)

"萌え"に関しては、多くの人々が知っているとおもいますが、その本来正しい定義とか、いつからいまのように盛んに遣われるようになったかは、知らない人もいると思いますので、以下に掲載しておきます。
萌え(もえ)とは本来の日本語では、草木の芽が出る(伸びる)様を言う。
  1. 一方でオタク文化におけるスラングとしては、主にアニメ・漫画・ゲームソフトなどにおける、登場キャラクターなどへのある種の強い好意などの感情を表す言葉として使用されている。また、そこから転じた若者言葉では、同様のニュアンスがより広い対象に対して用いられる。
  2. スラングとしての萌え(もえ)とは、一部文化において、アニメ・漫画・ゲームソフト等様々な媒体における、対象(主として登場キャラクター)への好意・恋慕・傾倒・執着・興奮等のある種の感情を表す言葉である。「対象物に対する狭くて深い感情」という意味を含み、それよりは浅くて広い同種の感情を表す「好き」という言葉を使うのにふさわしくない場合に用いられる。最大公約数的には架空の人物、アイドル、無機物といった現実的には恋愛対象になりえない対象に対する、自覚的な「擬似恋愛」といった定義でくくることもできるが、必ずしも恋愛感情とは同一視されない。
  3. 原初は異性・小動物等の愛玩的対象に対して熱烈にのめり込み、恋愛感情や性的欲求に近い感情が「燃え上がる」という意味のスラングから来たものであるとみられている。元はパソコンでの「燃える」の誤変換から発生したと見られる。また、愛玩的対象に対して、恋愛感情ではない何かが感情として現れることを、萌え元来の意味である芽が出ることから何かに芽生えるという意味の俗語として使われていったとされる。「心に春を感じる」といった語感で用いられる。
  4. 日本にて1980年代後半から1990年代初頭頃に成立した説が有力だが、その成立の経緯は不明な点が多い。また現在は様々な分野で使用されているが、元々がそれまで適切な表現のなかった、興味の対象によって喚起される様々な感情を一括りにした表現であるために、使用法や解釈を巡る議論は絶えない。当初は専らフィクションの美少女キャラクターを形容する表現として使われたが、後年になって当初の定義を離れて対象が多様化している。幅広い概念を含むゆえに共通言語として多用されている面もある。
  5. 当初はおたくの間で使われる俗語であったが、2000年頃からおたく用語としてマスメディアを中心に取り上げられるようになる。認知度が上がったことにより大衆に浸透するようになり、やがて日本語本来の「萌え」の用法よりも一般的となっていく。2005年にはユーキャン流行語大賞に選出された。若者言葉として定義される場合もある。

このような、"萌え"について、内藤先生は、源氏物語に源流があるとしているわけです。源氏物語の価値観など、やはり日本人の潜在意識に深く刻み込まれています。この萌え、最近では、海外でも真似されているようではありますが、まだまだ、珍しいと思います。日本でも従来はおたく系のものだったと思いますが、最近でしっかりと市民権を得たようで、あまり珍奇な現象とは受けとられなくなっています。だから、源氏物語が源流とう見方は正しいのかもしれません。

それれから、いわゆる「かわいい系」のフアッションは、いまだに日本に根付いています。これは、上の記事でも『萌え文化が日本で花開いた理由には、そんな文化的な背景があったんですね。大人になってもリボンやピンク、フリルの洋服を好む女性が多いのも、自分の中に失いかけた「子どもらしさ」をどこかで追い求めているのかもしれませんね』としています。私は、このブログでは、"萌え"については、掲載したことがないのですが、「かわいい」については、掲載したことがあります。詳細は、当該記事をみていただくものとして、下にその核心部分のみを掲載しておきます。

・・・・・・・・・・ でも、この「かわいい」という表現、それもありとあらゆるシーンで、「かわわいい」と遣うということ、何かを思い出しませんか?

そうです。あの清少納言による古典「枕草子」にでてくる、「をかし」とか、「いとをかし」の表現です。
春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは 少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は、夜。月の頃はさらなり。闇もなほ。螢の多く飛び違ひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。
秋は、夕暮。夕日のさして、山の端(は)いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの列ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。
冬は、つとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火など急ぎ熾して、炭もて渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし。(下の写真は、枕草子原本)


(現代語訳)
春は、あけぼのの頃がよい。だんだんに白くなっていく山際が、少し明るくなり、紫がかった雲が細くたなびいているのがよい。
夏は、夜がよい。満月の時期はなおさらだ。闇夜もなおよい。蛍が多く飛びかっているのがよい。一方、ただひとつふたつなどと、かすかに光ながら蛍が飛んでいくのも面白い。雨など降るのも趣がある。
秋は、夕暮れの時刻がよい。夕日が差して、山の端がとても近く見えているところに、からすが寝どころへ帰ろうとして、三羽四羽、二羽三羽などと、飛び急ぐ様子さえしみじみとものを感じさせる。ましてや雁などが連なって飛んでいるのが小さく見えている様は、とても趣深い。日が沈みきって、風の音、虫の音など、聞こえてくるさまは、またいいようがない。
冬は、朝早い頃がよい。雪の降ったのはいうまでもない。霜のとても白いのも、またそうでなくても、とても寒いのに、火を急いでつけて、炭をもって通っていくのも、とても似つかわしい。昼になって、寒いのがゆるくなってくる頃には、火桶の火も、白く灰が多くなってしまい、よい感じがしない。

枕草子には、この「をかし」「いとをかし」が、これでもか、これでもかという勢いで連発されます。
この「をかし」だって、特に限定された言葉ではなく、いろいろな場面で使われおり。とにかく「よいこと」の意味程度で用いられています。そうして、この「をかし」は、随筆「枕草子」のなかでは清少納言自身の多様な価値観を表した言葉だと思います。

最近の女の子たちや女性が用いる「かわいい」も同じことで、現代女性の価値観を現す言葉として
用いられているのだと思います。本質は、あの古典の「枕草子」とちっとも変わりません。まさに、「かわいい」は、現代版「をかし」「いとおかし」なのだと思います。それに、清少納言が「枕草子」を書いたのは、30歳台だあったと推定されています。だから、清少納言もアラサーだったということであり、本日の話題にピッタリだと思います。
こうして、考えてみると、「かわいい」は、「萌え」と不可分ではないということです。そうして、このブログ記事にでも書いていたように、「やはり私たち日本人は、清少納言から連綿と続く"言霊"の威力が精神に刻まれているのだと思います。だからこそ、別に宗教心がないと思わる人も、初詣をしたり、ゲンかつぎをしたり、お正月には晴れ着を着たりするのだと思います」ということなのだと思います。(下の写真は、TokyoかわいいTVに出演した、田井中茉莉亜さんのブログに掲載されている写真。ブログはこちらから!)

多くの現代人は、源氏物語や、枕草子などの古典と現代とは、全く関係ないと思っているようですが、潜在意識には、この日本の文化がしっかりと刻み込まれているということなのだと思います。これは、なぜかといえば、学問や、産業などの世界では、技術革新などがあって、それが、知識として受け継がれ、それに伴ういわゆる、日々のライフスタイルなどは、数百年も昔と現在では、考え方やあり様が全く異なるのですが、恋愛とか、親子の情とか、恨みや、憎しみの情とか、根底での価値観など、いわゆる理屈ではない、情念の世界は、人の寿命は、限られているため、年を経て蓄積されていくものではなく、自分生きている間に感じ取らなければならないということで、時代が変わってもあまり変わらないのだと思います。

実際、源氏物語の世界や、枕草子の世界でも、情念の世界ということでは、本当に理解しやすいです。いろいろ、時代背景が変わっていても、人を思う気持ちなど変わりないことが良く理解できます。これは、本当にそう思います。なにもこれらの古典でなくても、たとえば、鴨長明の「方丈記」、など読めば、吉田兼好の「徒然草」など読むと情念では良く理解できます。これらと、枕草子は、日本三代随筆ともいわれるもので、日本人の心が良く描かれています。これら、随筆に限らず、たとば、万葉集の防人の歌など、読むと、情念の世界では、時代をのりこえて、様々な人間の心、情感が良く理解できます。(下の写真は、"おとなかわいい"がテーマである雑誌『Sweet』の表紙)


まさに、私たちは、未だに日本人の古(いにしえ)の情念を受け継いでいる存在であり、根底では、このような情念でつながっており、過去からこれを受け継ぎ、未来にこれを引き継いでいく存在なのだと思います。なにがあっても、この世界は、潰すことなど、できないのだと思います。若い人たちの萌えの心も、現代のライフスタイルにあわせてはいるものの、情念の世界では同じなのだと思います。



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