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2009年7月20日月曜日

無登録営業:札幌の投資会社、FX「100億円集める」 容疑で道警家宅捜索―根底には大きな時代の変化がある?

Adds by Yutakarlson

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無登録営業:札幌の投資会社、FX「100億円集める」 容疑で道警家宅捜索(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)
 札幌市北区の投資会社「オール・イン」が金融庁に無登録のまま、「外国為替証拠金取引(FX取引)で資金を運用し、月20%を配当する」などの触 れ込みで、全国の会員から巨額の資金を集めていたことが分かった。同社は会員に対し、全国の約2万人から約100億円の資金を集めたと主張しているが、実 際には昨年秋ごろから配当は途絶えており、会員の返金請求にも応じておらず、一部の会員が民事訴訟を起こしている。道警は近く、金融商品取引法違反(無登 録営業)容疑で、同社本社や全国の関連施設を家宅捜索する方針。

●株式会社オール・イン
     http://www.allin.jp/index.html
所在地:札幌市北区北10条西1丁目10-1 浦野ビル6F
代表取締役:森克彦(写真左)
代表取締役専務:小原寛也
資本金:1000万 (……単位は円か?)

 関係者らによると、オール・インは07年以降、「会員になれば、FX取引のソフトを使って利益を得ることができる」「月20%を配当する」などとうたい会員を募った。同社が指定する銀行口座に入金すれば、ソフトを使って自動的に運用されるとして資金を集めた。

 神戸市内の会社社長の訴状によると、社長は07年9月に会員になり、同年12月~08年5月にかけて、同社指定の口座に5回に分けて総額約1億1500万円を預けた。当初は配当が出たが、昨年秋ごろから配当が途絶えるようになったという。

 社長は同年12月、オール・インに返金を求めたが、同社は今年3月に4月10日までに資金を支払うと約束しながら払わなかったため、6月、神戸地 裁に返金を求める民事訴訟を起こした。また、大阪府や福岡県など9都府県の出資者31人も、大阪地裁に同様に1億1500万円の出資金の返金を求める集団 訴訟を起こしている。

 オール・インの広報担当者は19日、金融庁に登録していないことや出資した会員の多くから苦情が寄せられていることを認めたが、「詳細な事実関係についてはコメントできない」としている。

根底には大きな時代の変化がある?

さて、金融危機がきてサブプライム・ローンや金融工学は完全に地落ちたという感じて、いまさら、これらによるリスクヘッジなど誰も信用しなくなりましたが、まだ、上の記事のようにこうした古典的とでもいえるような手口で騙される人がいるんですね。

FXというのは、もともと、個人や法人などが自分で実施して、自己責任で行うものです。お金を預けておけば、自動的にやってくれて、配当がもどってくるなどのことはあり得ません。単純な詐欺手口だと思います。

やはり、強欲がそうさせるのでしょうか。こうしたことに騙される人たちは、良く内容を確かめないとか、調べるためのわずかの手間を厭うという人が多いです。多額のお金を預けるというなら、それなりの調査は絶対に必要だと思います。

こんな単純な手口で、全国2万人から、100億円も集めることができたなんてとても考えられません。しかし、少し前の、サブプライム・ローンや、金融工学なども同じようなものだと思います。私は、これは、結局は詐欺だったのだと思っています。これらのからくりも、少し考えば、わかることです。これらを操って荒稼ぎをした人たちは、金融馬鹿とか、賭博士などと呼ばれても仕方ないと思います。こういう人たちのなかでも、特にCEOといわれる人たちの年収が数十億円などと天文学的なのにもびっくりします。

そうして、もうこうした動きは、時代遅れだと思います。人の幸福とは、お金を得られることだけではありません。強欲で、自分の資産を増やすことだけに地道をあげる人は決して幸せになれないと思います。

さらに、金融危機という現実が証明して見せたように、そのようなことばかりを多くの人が行うと長続きせずに破綻してしまうということです。上の記事の詐欺師は、あまりに単純な手口だったので、短期間に破綻したという違いがあるだけです。

自由な市場で、強欲な投資家がやりたい放題をすると、いずれ破綻するということがはっきりしてきました。私は、強欲な投資家に問いたいです。なぜ、そんなに強欲なのか。そうして、多額の資産を得て結局は最後に何をしたいと思っているのか?

答えられる人はいないのだと思います。金融危機とは、一体なんだったのか一体何が終焉したのかをもう一度問い直して見るべではないかと思います。70年前の世界大恐慌で、明らかに変ったのは、特にアメリカでは生産者主体の時代の終焉を意味していました。

それまで、世の中にマーケティングなどという考え方はありませんでした。あまりにも、物資が不足していたので、多くの人は現在のように、お金さえあれば何でも買えるという時代ではなかっのです。食料でもなんでも、不足しており、市場は、まさに売り手市場だったのです。たくさん作って売り出すことだけを考えていればよかったのです。いかに効率良く、製品を生産して供給するかが最大の課題だったのです。金融恐慌が起こった真の原因意は、買い手市場に変ってしまったのに、生産者サイドは、そのことに気づかずに、売り手市場のつもりで、ものをたくさん作っていたのが、本格的に売れなくなり、在庫の山になってしまったということです。そうしてそのことが、金融機関の信用の問題にまで発展してしまったということです。

だからこそ、市場が売り手市場から、買い手市場になったとい社会的な大変化をとらえて、アメリカでは、まさに、金融恐慌の最中に今日のスーパーマーケットの原型が出来上がったのです。その他、いろいろと、それまでの時代にはなかった、社会的な変革が次々と行われたのです。

実は、今回の100年に一度といわれる、今回の世界的な金融恐慌に関しても、何かが終わったのです。上の記事に出ている、初歩的な詐欺に引っかかる人は、良く調べないということもあるのですが、こうした社会的変化に気づいていないのだと思います。実際、金融恐慌の時代にも、かなり、大規模な詐欺事件があったことが報告されています。しかし、これも現代の詐欺師にはかないませんでした。ご存知のように、世界中の投資家から計約130億ドル(約1兆2000億円)をだまし取り、米史上最大の詐欺事件として注目を集めた元ナスダック会長、バーナード・マドフ被告(71)に対し、ニューヨーク連邦地裁は先月29日、禁固150年の判決を言い渡しました。

さて、何が終わったかといえば、無制限の自由主義市場の終焉です。まさに、自由主義市場が何でも発展させるという無邪気な考え方の終焉なのです。自由な市場が何にも増して、重要だという価値観の終焉です。現在、世界的な金融危機の状況なので、金融馬鹿や、賭博士たちも影を潜めていますが、いずれ、経済がまた元に戻ったら、表にでてきて同じようなことが始まるかもしれません。だから、いずれ、アメリカでも、規制を始めることになるでしょう。

しかし、私自身は、70年前の金融恐慌ですっかり変ってしまったことを元に戻そうとしても、誰もできないのと同じように、現在の金融危機によって変ってしまったことも、誰にも元には戻せないと思います。もう、金融馬鹿も、賭博士たちも昔のような一攫千金はできなくなったのです。

現在では、一般の人たちは、今回のFX詐欺に簡単にひっかかる人たちもまだいますが、もう、金融機関や、政府や、民間企業も随分考え方が変っています。現在、世界的に金融に関する規制をしようとい動きが各国政府の間で検討されています。国連でも、規制をする動きがあります。

しかし、こうしたことの根底には、その根本的な原因があります。それは、前世紀の後ろから、今世紀の初めにかけて、先進国や新興国の社会が変ってしまったということです。こちらの、この社会の変化が、

この社会の変化については、このブログで何回も書いてきたので、ここに詳しく掲載することはしませんが、手短にいえば、大きなところでは、知識労働者の台頭と少子高齢化です。この社会の変化に関しては、見逃すことはできないです。

現在、社会がすっかり変わったのに、先進国や、新興国がこの変化に対応していません。無論北欧などの一部の国が、対応をし始めてはいるのですが、まだまだ不十分です。この変化に対応することから、全く新しいイノベーションが生まれくる可能性が大きいです。

新しい高度な社会には、新たな社会的なイノベーションが必要になります。これには、技術的なイノベーションも伴います。古い社会のままでいれば、古い時代のテレビ、冷蔵庫、車ということになってなんらの発展もなくなり、結局のところ現代の中国が目指す10年後の姿よりはみ出すことはできません。先進国の中には、こうした中国の内需をあてにしているおろかな国々もあります。何のことはありません、先進国が1980年代までにやってきたことの繰り返しです。中国などの新興国は、まだそれでしばらく良いでしょうが、先進国の場合は行き詰ってしまいます。

さて、皆さんは、この大きな社会の変化と、その可能性について、もうお気づきでしょうか?それとも、上の記事で騙された人と同じように強欲で、古い時代の価値観に縛られているのでしょうか?これからの、キーワードは「社会」です。社会について良く考える人間が先端を行き、大成功できる時代の幕開けに私たちは立ち会っているのだと思います。

ただし、成功とは言っても、前世紀の成功とは違います。これからの成功は、いまだはっきり形はみえてきませんが、おそらく、いかに社会に貢献したかで測られることになります。前世紀のように、ただ、お金を儲けることが、成功の証ではなくなると思います。お金をただ天文学的に儲けるだけということは、単なる強欲の証になり、成功の尺度とはならない時代になります。

無論、社会に貢献するためには、善意だけでは何もできません。だから、たとえお金を強欲に儲けたとしても、それをもとにして、社会をどれだけ豊かにすることができるかが基準となっていきます。だからこそ、NPOも必要になってきます。21世紀には、NPO(非営利企業)が爆発的に伸びることになります。これは、20世紀に、近代的な政治組織、企業組織が爆発的に伸びたのと似ています。しかし、PO(営利企業)もなくなるわけではありません。

NPOとPOの垣根はいままでよりも、かなり低くなると思います。しかし、営利企業で実施したほうが、効率的にできる事柄は、POが、そうではない分野はNPOが実施するようになります。後世の歴史家は、まさに2008年~2009年に関して、「このあたりから、社会の変化に対応する動きが顕著となり、その象徴は100年に一度といわれる金融危機であった。この時代に規制のない強欲な自由主義市場は終焉した」と書物に記載するでしょう。

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