英系金融大手HSBCが2009年3月2日発表した首都圏の住民の投資意識調査によると、「マス富裕層」(金融資産1000万円以上の個人)の39% は、現在の金融危機を「資産を増やすチャンス」とみており、その比率は「マス層」(金融資産1000万円未満の個人)の15%の2.5倍にも上った。
全体の60%以上は「現在の金融危機は2年以内に終わる」と予測。マス富裕層の67%は金融危機で資産を減らしたが、30%以上資産を減らした人 は20%以内にとどまった。金融危機で資金流出が拡大している新興国への投資については、マス富裕層の55%(マス層の37%)が「関心がある」と回答。 関心を示したマス富裕層56%(マス層53%)はとくにインド市場に強い関心を示し、IT部門の成長力と内需の拡大を理由に挙げた。
金融危機以前と比べマス富裕層の60%(マス層34%)が、より積極的に金融市場についての情報収集を行いたいと回答。また専門的客観的なアドバ イスを聞きたいマス富裕層は39%(マス層19%)とのニーズも判明した。マス富裕層55%(マス層の35%)は、金融機関への格付けや評価、時価総額、 決算内容の情報を気にするようになったと回答。これまで以上に金融機関に安心感を求めている。
さらにマス富裕層の62%(マス層51%)が、「自分の資産が目減りしているようなときにも、きちんと連絡をくれる金融機関に好感を持つようになった」と回答。金融機関の顧客フォローの体制強化が望まれているという。
調査は昨年12月16~17日に東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県在住の30代から60代の男女929人を金融資産額により、マス富裕層とマス層 に分けてネット上で実施。929サンプル中、マス富裕層は311サンプル、マス層は618サンプルだった。
・HSBCのWebサイト http://www.hsbc.co.jp/1/2/
・第1回マス富裕層投資意識調査の詳細 http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0213929_01.pdf
日本が最も魅力的な投資先?
上の文章にある富裕層の投資マインドは依然として日本人らしく、良く海外から揶揄される「日本人は、儲かりそうなときには慎重で、海外の投資家が進んで投資しているときには、投資しないで、海外投資家が引き始めると一転して投資し始める」という傾向を示しているのかもしれないと思ってしまいます。
私自身もこのブログでも、インドに注目すべきだという内容を何回か書いたことがあります。確かに、少し前であれば、中国などよりは余程魅力があったと思います。しかし、今は模様眺めをすべきときです。
インドに関しては、平たく言うと現在クレジットクランチ(金融システム全体が信用不安に陥り、金融機関にとって最も大切な信用創造(貸付と預金を繰り返すことで、世の中のマネー流通量がふくらみ、経済活動を円滑にさせること)の機能が麻痺してしまう状態)と、最近あった同時多発テロの影響があって、おそらく前回の通貨危機と同程度の危機がおこりそうです。というより、起こると思います。
この状態だと、このクレジット・クランチとテロの不安要素で、今は大丈夫だと思っている企業でも破綻するかもしれません。海外の普通の投資家は模様眺めという状況だと思います。何か別の、素晴らしい状況をつかんでいるのならともかく、そうでなければ、模様眺めをして様子を見る時期だと思います。
日本の富裕層のうちでも、金融資産1000万以上~1億未満の人は、意外とだまされやすかったり、良く調べもしないで資産を購入したりする人が多いです。このインドに関する情報源もひよっとして少し前に放映されたNHKスペシャルの「インドの衝撃」程度のものかもしれません。
この番組が放送されたのは一昨年あたりのことであり、現在は状況が激変しています。なのに、インドが投資先ですか?本当にインドなんですか???????こんな最中に?10年先、20年先の将来を見通して投資するというなら良いかもしれませんが、5年以内くらいのことを考えての投資なら、今は模様眺めをすべきです。
このような話を聴くと、私は例の事件を小室哲哉の事件を思い出してしまいます。あの事件もちろん、小室哲也が悪いのですが、だまされたほうにも問題があります。著作権協会などに電話一本でもかければすぐに判るのにだまされた人はそれをしていませんでした。これに限らず、いろいろな詐欺事件がありました。東南アジアに終の住家を購入したらゴミ溜めみたいなところだったとか、振り込め詐欺の被害額が大きいものだとか、真珠の養殖だとか?これらに、共通するのは、ろくに相手を調べもせずに、というより、調べる手間や経費を惜しんで巨額の投資をしてしまうということです。インド投資もこれとあまり変わらない考えで行おうとしているなら、問題ありですね。
私は、現在であれば、中国は控えて、インドも控えて、アメリカはどうか、ヨーロッパはどうかなどと考えていくと、やはり日本ということに落ち着くと思います。その中でも、東京はかなり注目に値します。大方の人は、マスコミの論調に騙されて、日本などとんでもない、日本経済は破綻するとか、東京など明日にも吹っ飛ぶと思っているかもしれませんが、現実は大違いです。
下に最近NHKスペシャルで放映された番組の感想をある人がYouTubeにアップロードしていたので、引用させていただきます。(あまり有名な人ではないようですが、内容は参考になります)
上の感想の動画など見ているとは、以前からこのブログでも主張してきたように、日本は輸出大国でもなく、外需大国でもなく、内需大国、それも将来性のある内需大国であることは明白な事実であると思います。
さて、以上の事などから、一部の富裕層の方には、はっきり言います。「騙されるな!!」と。いずれ、インド詐欺が横行するかもしれません。インドの工場が格安で手に入るとか、現地インドレストランのオーナに手ごろな投資でなれるとか、インド別荘とか、土地とか、ルビー採掘権とか・・・・・・・etc.etc.です。こんな話があった場合、少なくとも、多少の時間と経費をかけて相手を良く確かめるべきです。
騙されるのは問題外として、そうではなくても、インドへの投資などということを考えるくらいなら、日本国内に投資したほうが余程確実です。現在下げきっている株でも、将来上がるとみられるものはたくさんあります。それに、東京という沸騰都市をがあることを忘れてはいけません。身の回りを良く見渡せば、これから超優良な投資先はいくらでも見つかると思います。こんな国は他にありません。ましてや、インドではないはずです。
それから、日本国内の内需関連産業で頑張っている人たちには、投資をしたいとしている富裕層が日本に間違いなく存在しているのに、その中には日本に全く関心がなく、インドに投資したいなどという人が少なからず存在するという現実をみてください!!それだけ、魅力がないのか、あるいはプレゼンテーションの仕方が悪すぎるのか?振り込め詐欺などを見習って、もっと、効き目のあるメリハリのある活動をしましょう!!無論、詐欺をやりなさいと言っているのではありません。それに、お客様に末永く満足していただけなければ、それは最早商売ではありません。しかし、皆さんには、商売人であり、売りたいもの、売るべきものがあるのですから、それに、振り込め詐欺と同等以上の売り込み能力がつけば、鬼に金棒だと思います。内需拡大にも大きく寄与できると思います。
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