日本テレビ放送網はこのほど、無料動画配信サイト「第2日本テレビ」が1月に単月黒字を達成したと発表した。テレビと連動した動画配信や、完全無料化によるコスト削減が奏功した。
スポンサーのニーズに合ったコンテンツを制作し、テレビとネット両方で放送・配信する仕組みが好評で、「企画・制作力を持たないほかの無料ネット動画配信サービスと差別化できた」としている。
第2日テレは2005年10月に有料動画配信サービスとしてスタート。昨年10月からは完全無料モデルに移行し、ユーザー登録制も撤廃した。「無料化でシステムコストを削減でき、有料配信サービスと差別化できた」ことも黒字化の要因という。
最終的には企画・制作力が鍵か?
このビジネスモデルの成功は以下のような背景があると思います。
有料の動画配信サービスは,顧客管理や課金システムなどの運用に多くのコストがかかります。こうしたコストを削減するため,会員登録不要の無料サービスへと方 針を変更しました。また、インターネットのサービスでは利用者が広告に触れないまま別のコンテンツに移動するケースが多く,これが広告媒体としての価値が上が らない原因となっていました。そこで利用者が確実に広告に触れるように,エンタテインメントコンテンツの内容そのものを商品やサービスに紐付ける仕組みを考えまし た。例えば,携帯電話機メーカーがスポンサーとなって,誰が一番きれいに携帯電話機で自分撮りできるかを出演者が競うコンテンツを制作するといった具合 です。
第2日テレ黒字化の要因
日本国内でも、ようやっと、テレビとインターネットのコラボレーションの成功事例ができそうです。これからは、「テレビ対インターネット」という視点で広告を奪い合うのではなく,双方を組み合わせた効果的な広告手法を開発することで,広告市場全体を拡大するのではないかと思います。
特に若い世代では、現在ではテレビというものはハードディスクに蓄えておいてみるものという認識が高まっています。それに比較すると、インターネットはそのような認識はなく、メールやニュースを見たり、ショッピングをする道具として、テレビより身近な存在になっています。
テレビの番組となると、余程はっきりした動機がないと、なかなか見られなくなっているのだと思います。いずれ、テレビとインターネットの境目がますます、あいまいになっていきます。
そうした中では、テレビ、インターネットの動画配信に限らず、やはり最終的には企画力・制作力がモノを言うと思います。少し前に、一般ユーザーがCMをつくるという試みがあり、ドミノピザなどが積極的に行っていたことがありました。最近では、あまり報道されないし、それにYouTubeで確認してみても、その後ほとんど動画の数が増えていません。
やはり、素人が作ったCMだと、最初はもの珍しさも手伝って多少の効果があったのかもしれませんが、飽きられてしまったのだと思います。素人のつくったものだと、企画・制作力などが格段に劣り、"千三つ(せんみつ)"、"万が一"などという言葉があるように、よほど多くのユーザーが作らない限り、面白いものは出てこないのだと思います。それだけのユーザーに対してCMをつくるように仕向けることは、大変なことだし、依頼する側も偶然という要素が多すぎて、効果を読み取ることが難しいのだと思います。
インターネットが介在しようがなんであろうが、最終的には企画力・制作力の両方がなければ、CMはなかなか効果をあげられないと思います。ただし、現代ではインターネットがあること、さらには、映像機材が格段に安くなっていることから、企画力・制作力があれば、とてつもないことができる時代になってきているのであり、こうしたことを活用して新たなビジネスモデルが多く輩出するのではないかと期待しています。
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