2009年3月29日日曜日

北ミサイル 進まぬ国民保護、警報整備11%止まり―こういう仕事こそNPOに任せるべき?

北ミサイル 進まぬ国民保護、警報整備11%止まり(この内容すでにご存知の方はこの項は読み飛ばしてください)
 北朝鮮が「人工衛星」名目で長距離弾道ミサイルの発射準備を進める中、政府は国民保護という麻生太郎首相の強い意向を受けて、非公表が原則である破壊措置命令の公表に踏み切った。しかし、他国の武力攻撃や大地震などの際、瞬時に住民に危険情報を知らせる「Jアラート」(全国瞬時警報システム)をすでに整備した自治体はわずか11・7%の211市区町村(24日時点)に過ぎない。国民保護法制が整備されて5年近く経つが、地方自治体レベルでの体制整備ははかどっていないのが現状だ。

海上自衛隊のイージス艦が北朝鮮のミサイル迎撃のために配備

 Jアラートは国民保護法制の一環として平成19年2月から運用を開始した。政府が大地震、津波などの災害や、大規模テロやミサイル攻撃などの情報を入手すると、東京・霞が関の総務省消防庁に設置したアンテナから人工衛星を通じて全国の自治体に瞬時に警報が伝わるシステムだ。

 消防庁はホームページで「日本に向けて弾道ミサイルが発射された場合、早い時は10分弱で着弾するとされていますが、このような場合にはJアラートの活用が不可欠です」と紹介するなど、整備を呼びかけてきた。

 ところが、導入は「義務」ではないことから、多くの自治体は「財政難」などを理由に導入を渋ってきた。導入済みの211自治体でもJアラートと防災無線などを直結し、全自動でサイレンや音声で危険情報を流すシステムを導入しているのは138市区町村にとどまる。

 今回ミサイルの上空通過が予想される秋田県(25市町村)で導入済みの自治体はゼロ。岩手県(35市町村)も釜石市など5市町に過ぎない。

 このため、政府は27日の安保会議で「北朝鮮飛翔体発射事案に関する対応」を決め、ミサイル発射後10分以内にJアラートより性能の劣る「一斉同報システム」を使い、都道府県を通じて全国市町村に通報し、報道機関にも広報する。30~60分後に落下予測地点の情報も提供し、地上に落下した場合は立ち入り禁止区域の設定を行う予定だ。

 ところが、この一斉同報システムでさえ接続済みの自治体は68・8%(27日現在)。岩手は18市町村、秋田は24市町村が未接続で一両日中にパソコンソフトをインストールして接続するという。

 国民保護法では、地方自治体に対し、有事の際の住民避難や救援活動のマニュアルである「国民の保護に関する計画」の策定を義務づけているが、すでに策定した市区町村は98・7%(昨年10月1日現在)。東京都の国立、立川両市、新潟県加茂市、同県刈羽村、長崎市、沖縄県沖縄市、道同県宜野湾市など23市町村は総務省の要請にもかかわらず策定していない。

陸上でも、PAC3が北朝鮮のミサイル迎撃のため配備されただが、肝心要の警報システムは?

 ■国民保護法制 テロ攻撃や大地震などの大規模災害の際に、国民の生命や財産を守るために国や地方自治体、公共機関の役割・責務を具体的に定めている。国民保護法(正式名称は武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律)は有事関連法制として小泉内閣で検討が進められ、平成16年6月に成立、同年9月に施行された。政府が定めた基本方針に基づき、地方自治体は住民の避難誘導や救援の具体的な方法、被害を最小限に抑える対応マニュアルを事前に作成することが義務付けられている。

こういう仕事こそNPOに任せるべき?
この記事に書かれているように、秋田県では危機管理チームなど設置したようですが、肝心の通報システムが満足のいくものではありません。本部に伝わってきて、それを町に伝えるのには、何とファックスです。関係町村に完全に伝えるまで、10分以上かかるそうで、そうなると、速報システムとして用をなさないということになります。

少し話しがずれますが、同じ秋田県内の大舘市の構内電話に関して、見積もり2億円のものを、800万円で導入できたということです。
大舘氏のHPから、そのくだりをそのまま引用します。
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大館市は、平成17年6月に1市2町が合併し、従前の庁舎の有効活用を図るため分庁舎制を採用しました。しかし、各庁舎間の電話連絡を公衆回線に依存していたため、多大の電話料金が生じておりました。本庁舎の構内交換機が交換時期を迎えるにあたり、従来型の機種を導入した場合に交換機だけで約2,000万円の費用が発生することから、経費節減を目的として、IP-PBX(インターネットプロトコルを利用した構内交換機)を導入しました。オープンソースのフリーウェアAsteriskをインストールし、発案者の職員がカスタマイズを行い、8庁舎9事務所の電話機500台を一括コントロールする大規模なシステムを構築しました。
交換機本体に要した費用はサーバ購入費20万円足らずで、その他電話機500台の新規購入等が約800万円でした。
各庁舎内の回線については、セキュリティの観点から業務系システムと切り分けて、新たに総延長9kmのケーブルの敷設も職員が行いました。
電話番号については、従来の各庁舎代表番号に代わり、各課にダイヤルイン番号を持つことで、外線電話を直接受信することが可能になり、交換手の介在する手間を大幅に軽減しています。
導入の結果、電話料金を年間約400万円削減することが出来ました。
また、停電時における対応として、瞬断時にはUPS(無停電電源装置)による電力供給、長時間に渡る停電時には発電機による電力供給やNTTの転送サービスを利用したFAX回線等のアナログ回線への切替えを行なうなど、災害時にも通話ができる体制を整えました。
今後の課題としては、保守運用に携わる人員の養成が挙げられます。操作マニュアルの整備や地元の職訓短大と提携して技術の習得に努めるなどです。
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これは、数年前の常識と異なるITシステムの価格と、自分たちが実際に配線を行うなどのことで市の職員が努力した結果であり、こうしたことは全国の自治体でも見習うべきことだと思います。ただし、こうしたことは他の自治体でも最近結構行われています。

しかし、さすがに大館市でも、今回のこの警報システムなどの話を聞いていません。やはり、導入していないのだと思います。IP電話では、知恵を絞った職員もさすがに、警報システムにまでは手は回らなかったのだと思います。私は、特に大舘市職員が怠けているとか、能力がないなどと言いたいわけではありません。実際、上記のような活動をして、経費削減に大きな足跡を残しています。しかし、様々な地域のニーズにすべて応えていくということはもともと無理なのではないかと思っています。

このブログでも従来から示してきたように、たとえば、社会福祉的な問題に関しては、行政が実施すると、どうしても一律的なものにならざるをえず、本当にサービスが必要な人には、サービスがいきわたらず、必要もない人に手厚いサービスをするということになりがちです。そうして、非効率という問題も発生してしまいます。

大舘市の場合は、市役所の職員自らが、自分たちのニーズを満たすこととなるべく経費をかけないために実施したので、そのようなニーズは自分たちが一番知り尽くしているため、実現できたのだと思います。ところが、通報システム、それも、様々なタイプの町や村のそれぞれ特有のニーズを満たすということになると、大館市のIP電話のようなわけには行かないのだと思います。しかし、最近のITの知識を駆使し、知恵をつかえば、やりようはいくらでもあると思います。

個々の町村の事情は、個々の町村に長い間在住している人が一番知り抜いているはずです。また、地域にはそれなりにシステムなどに知識を持っている人もいるはずです。さらには、何も、当該地域の知識だけに限定せずに、全国から広く知識を求めれば、とんもでもないアイディアも浮かんでくるのではないと思います。これが、行政であれば、行政のテリトリーが決められているだけに、なかなか、衆知を結集するなどのことはできないと思います。

そこで、こうした不合理を排除する有効な方法があります。「Jアラート」そのものの策定を、国が主導で行うのではなく、それをNPOに任せるのです。無論、国の予算などは、補助金の形で提供します。そうして、仕事を任せる際には公募方式をとります。最も優れたアィデアを提供したNPOに受け持たせることにします。無論実際に非難など実施する際には、国や地方自治体も協力するものとします。ただし、そのシステムの根幹などはNPOがつくり、運用方法や運営の主体もNPOとします。できれば、法律関係も骨子はNPOが作成し、無論承認の手続きなどは従来と同じとします。

こうした目的のためのNPOなら、有能な方で無償のボランティアでその活動に参加する人もかなりいると思います。また、NPOなので、行政テリトリーなども頓着する必要はありません。それに、必要なら、市町村でも小さなNPOを構築すれば良いと思います。さらに、予算が足りなければ、個人や企業から寄付金を集めることができるようにします。さらには、こうした寄付をした個人や企業に対しては、税制上かなり優遇するなどのことで、寄付金も集めやすくなります。

以上のようなことをすれば、Jアラートを最も効率良く運用することを使命とした事業体ができあがります。行政や民間企業などでやれば、どうしても、他のことの方が重要になると思います。行政ならば、他にもっと切羽詰っていて、重要なことにお金や、人手を割きたいというのが本音だと思います。民間企業であれば、当然利益の出ることが最優先で、このようなシステムの構築には消極的になるのが当たり前だと思います。

しかし、Jアラートを効率よく運用することを使命としたNPOを設立してしまえば、そのNPOにおいては、Jアラートそのものが、何よりも重要であり、それができなければ、使命を遂行していることにはなりません。おそらくこうした事業体は、行政が実施する場合の1/10の予算と時間で素晴らしいシステムを構築するのではないでしょうか。さらには、多くの人がボランティアで参加することにより、自分たちが実際に関わったかけがいのないシステムということで、啓蒙活動なども容易になるし、安全・防災意識も高まると思います。

Jアラートに関して、このシステムをつくる国の委員会にかかわった、ある軍事評論家の方が、「私も、このシステムづくりにはかかわったのですが、こんなことじゃ、駄目なんですけれどね」と、語っていました。日本のように、この種の仕事に関して、実施できるのは政府や自治体、民間企業だけであるとの認識であれば、確かに「駄目なんですけれどね」で済ませてしまう以外にありません。しかし、NPOも視野に含めれば、やりようはあります。

今回は、Jアラートについて述べましたが、このように、政府や自治体、民間企業も積極的に取り組まないような事業で、本当はかなり重要なシステム、事柄など世の中にはたくさんあります。こうした仕事こそ、NPOが取り組むべき立派な社会事業になりえると思います。アメリカでは年金は、NPOが運用しています。徴収から、運用までNPOである年金基金が実施しています。都市計画のほぼすべてを実施するNPOなども存在します。日本では、なかなかNPOにこうした類の仕事をNPOに実施させませんが、海外ではかなり実施させています。日本も、そろそろ、社会問題への対処のために、NPOに対して従来では考えられなかったような大掛かりな仕事を実施させるときに来ているのではないかと思います。

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