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2020年4月8日水曜日

新型コロナウィルス騒動の裏で、中国に「宮廷クーデター」の匂い!?―【私の論評】コロナ禍は過去の世界大戦のように、終息後の世界の秩序を変える(゚д゚)!

新型コロナウィルス騒動の裏で、中国に「宮廷クーデター」の匂い!?


《本記事のポイント》
  • 携帯解約から"推計"される"真"のコロナ死亡者数
  • 外交部内にも路線対立か?
  • 「宮廷クーデター」の動きも!?
最近、中国では携帯電話を解約した人が急増したという。

「中国移動(チャイナモバイル)」は、ユーザー数9億4216万人を誇るが、1月と2月併せて800万人もユーザーが減っている。「中国聯通(チャイナユニコム)」は、1月と2月併せてユーザー数が780万人減少した。「中国電信(チャイナテレコム)」は、1月にユーザーが前月比43万人増えたが、2月になると560万人も減少している。

これらをあわせると、大手3社だけを見ても、2カ月で2097万人のユーザーが減少したのである。なぜ、これほど多くの携帯所有者が契約を解約したのか。

携帯解約から"推計"される"真"のコロナ死亡者数

この"ご時世"であることも考えると、想定される理由は、以下の5つだ。
(1)「新型コロナウィルス」(以下、「新型コロナ」)に感染し、長期間にわたる入院・隔離を余儀なくされた。
(2)「新型コロナ」のため収入が減り、携帯料金が払えなくなった。
(3)「新型コロナ」で死亡した。
(4) 海外へ長期渡航(出張・旅行)した。
(5) 罪を犯し入獄した。
最悪の、そして読者の多くが想像するケースは、(3)の「死亡説」だろう。さすがに解約した2097万人すべてが「新型コロナ」で死亡したとは考えにくいかもしれないが、その10分の1の人間がそうだとしたら、209万7000人死亡である。100分の1だとしても、20万9700人死亡だ。恐ろしい話ではないか。

中国の内部は、当局が発表するよりもはるかに混乱していることがうかがえる。

外交部内にも路線対立か?

それは、政局についても言える。近頃、中国外交部(外務省)の様子がおかしいのだ。

3月12日、外交部新聞局の趙立堅報道官は、自身のTwitterで「『新型コロナ』は米軍が武漢市に持ち込んだかもしれない」と書き込んだ。

この発言を受けて翌13日、崔天凱駐米大使は、米国務省に呼び出された。そして、記者に趙立堅の主張にいかなる根拠があるのかと尋ねられたが、崔大使は「彼に尋ねたらどうか」「私は中国国家元首と中国政府を代表してここ(アメリカ)にいる」とつっぱねている。

趙立堅氏と崔天凱氏の主張に違いが生じているわけだが、中国共産党の中に路線対立が存在する事を暗示しているのだろうか。

他にも中国内では、"内乱"の匂いがある。

「宮廷クーデター」の動きも!?

毛沢東らと共産革命に参加した長老らの子弟である「太子党・紅二代」に、任志強という人物がいる。任氏は王岐山副主席と親しい間柄である。

同氏が最近、SNSで習近平主席を「裸になっても皇帝を演じ続ける道化師」と揶揄した。そのため3月12日、当局に拘束されたという。

任氏は2016年にも、習主席のプロパガンダ政策を非難するコメントをネットに投稿し、1年間の党観察処分を受けている。

他方、中国でも数少ない独立系メディア「陽光衛視集団」の陳平主席が、WeChat(中国版Twitter)で、中国共産党に対し「政治局拡大会議」を開催するよう求めた。

「政治局拡大会議」には、歴代の国家主席や首相などの長老が参加する。そして陳平氏は、李克強首相(共青団)、汪洋政治局常務委員(同)、および王岐山副主席の3名を「政治局拡大会議開催小組」に指名している。

つまり、習主席に不満を持つ長老達を巻き込んで、主席を引き摺り下ろす算段ではないだろうか。これは一種の「宮廷クーデター」である。ちなみに陳平氏は、自由主義者だと言われている。

もちろん、李首相や汪常務委員、それに王副主席らが、本当に政治局拡大会議開催を望んでいるかどうかはわからない。しかし、もし本当に「宮廷クーデター」が画策されていれば当然、習主席はそれを断固阻止しようと動いているに違いない。

「政治局拡大会議」が開催されてしまえば、おそらく「反習近平派」の勝利となるのではないか。習主席が経済不況・米中貿易戦争・アフリカ豚コレラ・香港問題・新型コロナなどの責任を取らされることは必至である。

逆に、拡大会議が開かれなければ、「習近平派」の勝利となる。その場合には、「習近平派」による「反習近平派」への弾圧が起こるかもしれない。「習近平派」は「反腐敗運動」の名の下、「反習近平派」を政治的に葬るだろう。

中国国内では、熾烈な党内闘争が展開されている。

アジア太平洋交流学会会長
澁谷 司
(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~2005年夏にかけて台湾の明道管理学院(現、明道大学)で教鞭をとる。2011年4月~2014年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。2020年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界新書)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

【私の論評】コロナ禍は過去の世界大戦のように、終息後の世界の秩序を変える(゚д゚)!

上の記事の内容は、このブログにも掲載したジャーナリスト、福島 香織氏の記事『
中国で飛び交い始めた「習近平政権ピンチ」の噂』ともかなり、符合するところがあります。やはり中国国内で、熾烈な島内権力闘争が行われているのは確かなようです。
中国で1月から2月の間に、2000万人以上のユーザーが携帯電話の解約をしていたことは、以下の動画でも示されています。以下の動画は3月29日にアップロードされたものです。


武漢の武漢の葬儀場で、携帯電話が山積みにされている動画が掲載されています。この動画は、日本国内でもテレビで報道されました。非常にショッキングなものでした。

中国でのコロナウイルスの被害は、中国の公式発表などとは異なり、甚大なものだったことがわかります。

上の記事で、澁谷氏が述べているように、"「政治局拡大会議」が開催されてしまえば、おそらく「反習近平派」の勝利となるのではないか。習主席が経済不況・米中貿易戦争・アフリカ豚コレラ・香港問題・新型コロナなどの責任を取らされることは必至である。

逆に、拡大会議が開かれなければ、「習近平派」の勝利となる。その場合には、「習近平派」による「反習近平派」への弾圧が起こるかもしれない。"というのは、間違いなさそうです。

いずれにせよ、現状の中国は熾烈な権力闘争が繰り広げられており、習近平派も半習近平派も、持てる能力を最大限に活用し、戦いを繰り広げていることでしょう。敗北すれば、政治生命を失うばかりか、本当に命を奪われかねないですから、凄まじい戦いになっていることは間違いありません。

このような最中、海上自衛隊の護衛艦「しまかぜ」が3月30日夜、鹿児島県屋久島の西約650キロの東シナ海(公海上)で中国籍の漁船と衝突しました。死者や行方不明者はいませんでした。

これに先立ち海上自衛隊のP-3C哨戒機が3月18日、沖縄県・宮古島の南東約80キロの海域を東進する中国海軍ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦1隻、ジャンカイII級フリゲート2隻、フチ級補給艦1隻を確認しました。これらの艦艇は、沖縄本島と宮古島の間の海域を北上して、東シナ海へ航行したといいます

そうして本日午前、沖縄県の尖閣諸島の沖合で、中国海警局の船4隻が日本の領海に侵入し、第11管区海上保安本部が直ちに領海から出るよう警告を続けています。

実は、中国軍は2月、世界最強の米軍にも仕掛けていました。

米CNN(日本語版)は2月28日、「中国軍、太平洋で米哨戒機に軍用レーザー照射」とのタイトルで、中国海軍の駆逐艦が前週、太平洋上空を飛行する米海軍の哨戒機P-8に対し、軍事用のレーザーを照射したと報じました。

米海軍の哨戒機P-8

こレラの動きに対して、中国はコロナ禍にあっても、なおこのような傍若無人な振る舞いをしている、コロナ禍に乗じて、尖閣を乗っ取る腹ではなかろうか、などと考える人もいるかもしれません。

しかし、私自身は、そうは考えていません。現状の中国は、発表しないものの、おそらくコロナ禍で世界一の死者を出していて、それは人民解放軍も例外ではないでしょう。おそらく、米軍よりも感染者数が多くなっているに違いありません。

しかし、習近平はそのようなことはお首にも出さず、中国国内の感染者数を偽るだけではなく、人民解放軍にも感染者がいないかのように装っているだけでしょう。

では、なぜ最近中国による尖閣等への挑発が繰り返されているかといえば、習近平が、人民解放軍の海軍司令官を陸軍出身に代えたため、海軍には不満が溜まっているからかもしれません。

一連の動きは、海軍の一部や管轄下の組織による『暴発』の可能性があります。軍を掌握しきれていない習氏への『嫌がらせ』かもしれないです。中国海軍は予算配分も待遇も不満が鬱屈してい。その表れかもしれないです。

習近平は、イタリアなど感染でかなり弱体化した国々などに、微笑外交で、医療器具を提供したり、医療チームを送っています。私は、これは外交ではなく、国内向けのブロパガンダの側面が強いのではないかと思います。

中国は、もともと外交は二の次で、自国の都合で動く習性があります。とにかく、統治の正当性を自ら高めるために、様々なことを実行し、国内権力闘争に勝つためには、外交すら利用するのです。

そのため習近平は、国内感染が完璧に終息したようにみせかけ、被害も想定よりは少ないようにみせかけ、さらには微笑外交に打ってでて、国内での統治の正当性を高め、半習近平派を牽制しているのでしょう。

そうして、反習近平派は海軍を抱き込み、尖閣諸島付近で示威行動をしてみたり、挙げ句の果てに米軍にレーダー照射をして、習近平を牽制し、自らの統治の正当性を高める挙にでているとみられます。

中国は現在コロナ感染と、権力闘争にあけくれ、疲弊しています。ここは、米国や先進国にとって付け入る隙です。

中国が内部に権力闘争に明け暮れている間に、コロナウイルス対策をすすめ、早めに終息させ、まずは世界のサプライチェーンから中国を外し、その後も中国を徹底的に封じ込めるのです。

新型コロナウイルス事態で、国際紛争よりも蓋然性の高いパンデミックや自然災害対処への必要性を理解した世界各国は、中国の息のかかったWHOにより、徒に犠牲者が増えたことを決して忘れないでしょう。

そうして、現在の国際連合(United Nations :直訳は連合国)、本来は第二次世界大戦中の戦勝国のものであり、戦勝国が打ち立てた戦後秩序を守るのが、主目的だったはずなのに、いつの間にか中国が浸透していたことに今更ながら、再認識するでしょう。

そのため、現在の国際連合を廃止し、新たな国際機構の設立を考えるでしょう。

国際連合の大改革を行う場合は、国際連合を機能不全にしてきた戦勝国支配体制とそれらの国による安全保障理事会における拒否権の廃止が必須の条件になるでしょう。

世界各国は新たな国際組織が、パンデミックや自然災害対処を即応性をもって十分に行えるようにその機構・機能を強化する必要があります。

そのためには、国連軍に相当する常設の①医療・災害対処機構・部隊の常設、②パンデミック対処のためのワクチン・薬剤の研究開発機関の設立、③そのための財源の確保などが不可欠でしょう。

そうして、新たな国際組織には、当然のことながら、大陸中国は排除し、台湾を加えるべきでしょう。

米国のコロナ炎上で、今の米国には、日本をコロナから救う余力はないようです。日本は、独自で何とかしなければなりません。この事態をどう受け止めるべきでしょうか。これは安倍総理も第一次内閣のときには語っていた「戦後レジーム」からの脱却の良い機会になるかもしれません。

日本としては、米国抜きで日本独自の力と方法でコロナ禍を戦い抜き、勝利をおさめ、戦後のマッカーサー統治以来失った「自分自身・家族・社会・国は自分で守る」という気概を国民が取り戻す好機になるに違いありません。

とにかく、コロナ禍は疫病ですが、これは過去の世界大戦のように終息後の世界を大きく変えることになるのは間違いないです。

このことを理解していないと、コロナ禍終息後の世界の新秩序づくりに乗り遅れてしまうことになりかねません。このようなことを言うと、日本は必ず乗り遅れると考える人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。新たな秩序をつくるには、米国をはじめ多くの国々がのたうちまわり、失敗をいくつも重ねた上でつくっていくことになるでしょう。

何しろ新しい秩序の世界は、未だ誰も見たことのない風景であることは間違いないのですから。

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2013年8月21日水曜日

内閣法制局、驚愕の過去 他省庁担当者を怒鳴り上げ、法案審査は高級仏料理店で―【私の論評】政治主導は最大のコントロール手段である人事から!日銀と内閣法制局をとった安倍総理は着々と政治主導をすすめている(゚д゚)!


首相公邸より豪華といわれた内閣法制局長官の旧公邸=東京・東五反田
安倍晋三首相が、新長官に集団的自衛権の行使容認派を起用して注目されている内閣法制局は、財務省や外務省と同じ政府の一組織だ。一般にはあまり知られていないが、霞が関で知らない者はいない。各省庁がまとめた法案を国会に提出できるかどうかは法制局の判断次第で、「官庁の中の官庁」と恐れられてきた。過去、他省庁担当者を怒鳴り上げたり、高級フランス料理をたかるなど、やりたい放題のわがままも通ってきたという。

「(政府解釈の見直しで集団的自衛権の行使を認めることは)非常に難しいと思う」「完全な集団的自衛権を実現するためには、憲法改正をした方が適切だ」

内閣法制局長官から最高裁判事に任命された山本庸幸(つねゆき)氏は20日、最高裁で会見し、こう語った。最高裁判事として政治課題に言及するのは異例といえるが、こんな山本氏がトップを務めた内閣法制局とは、一体どんな組織なのか。

法制局は定員77人の小所帯で、幹部はすべて各省庁からの出向者で占められる。憲法解釈など法律問題について首相らにアドバイスするとともに、各省庁が起草した法案を一字一句までチェックする。

各省庁の担当者と直接向き合うのが、法制局で課長級の参事官だ。

法案審査では「省庁担当者に『こんな法律、出せるわけないだろ!』と怒鳴り上げることもある」(政府関係者)という。某省庁の中堅幹部は「金曜日の夜から土曜日の夜まで、延々と法案審査に付き合わされたこともある」と語る。

参事官の機嫌をいかに取るかについては、各省庁ごとにマニュアルが存在するという。「資料のとじ方や、座る位置が細かく書いてある」(外務省幹部)ぐらいならまだいいが、驚きの内容が盛り込まれている省庁もあったという。

【私の論評】政治主導は最大のコントロール手段である人事から!日銀と内閣法制局をとった安倍総理は着々と政治主導をすすめている(゚д゚)!

民主党の政治主導は絵に描いた餅でした。彼らの政治主導とは、役人がやっていることを自分たちもやろうとして頓挫してしまいました。本当に馬鹿でした。民主党のやったことは、会社でいえば、事務部門のスタッフの仕事も役員が自らやろうというような、馬鹿げたものでした。役員は事務をするのではなく、意思決定をすべき存在です。

民主党の事業仕分けは、政治主導にみせかけるたのパフォーマンスに過ぎなかった

それは、政治家の世界でも同じことであり、官僚はそもそも、国家の膨大な事務を司るのが本来の役割です。意思決定のための資料は作成するが、意思決定には参加しないというのが本分です。意思決定を行うのは、政治家の領分であり、その中でも、時の政府が重要な意思決定をするが本来の姿です。

ところが、こうした意思決定も形骸化して、役人が決めたものを追認するというようなことが行なわれてきて、これではいかんということで、政治主導という言葉がでてきたはずです。

しかし、民主党は勘違いして、役人の事務仕事までやろうとして、役人からかなり仕事をとりあげ、自分たちでやろうとして役人にそっぽを向かれ、それでは結局何もできず、何も決められないまま、右往左往して漂流していたというのが実体です。鳩山さんが、官邸にはいるときに、いつも資料の入った大きな袋を持っていたことがそれを如実に示しています。本来資料が重要なのではなく、資料に基づいた判断、意思決定が重要なはずが、いつの間にか資料そのものが重要と勘違いしていたのかもしれません。

何も決められず流れに身をませて漂流していた民主党

そもそも、一般の企業で、本社のスタッフが言うことをきかないからといって、役員が、本部スタッフの事務仕事をやりはじめたら、うまくいかないのが当たり前です。そんなことをしては、本部スタッフをただ遊ばせるだけになります。こんなことをやったからといって、役員主導になるはずがありません。ますます、本部スタッフはつけあがるだけになります。

しかし、現実には政治の世界はそうなっていますが、企業ではさすがにそのようなことはありません。この違いどこからでてくるのでしょう。それは、良く考えれば、わかることです。そうです。人事です。本部スタッフで役員の言うことをきかない連中がでてくれば、それは、人事異動で左遷するか、酷い場合は解雇です。だからこそ、本部スタッフは役員のいうことをきき、会社は正常に運営されます。

これに関しては、あの経営学のドラッカーも語っています。以下にドラッカーの著書より、企業の精神は何によって決まるのかコピペさせていただきます。
「貢献させたいのならば、貢献する人たちに報いなければならない。つまるところ、企業の精神は、どのような人たちを昇進させるかによって決まる」(『創造する経営者』) 
ドラッカーは、組織において真に力のあるコントロール手段は、人事の意思決定、特に昇進の決定だという。 
 それは組織が信じているもの、望んでいるもの、大事にしているものを明らかにする。 
 人事は、いかなる言葉よりも雄弁に語り、いかなる数字よりも明確に真意を明らかにする。 
 組織内の全員が、息を潜めて人事を見ている。小さな人事の意味まで理解している。意味のないものにまで意味を付ける。この組織では、気に入られることが大事なのか。 
 “業績への貢献”を企業の精神とするためには、誤ると致命的になりかねない“重要な昇進”の決定において、真摯さとともに、経済的な業績を上げる能力を重視しなければならない。 
 致命的になりかねない“重要な昇進”とは、明日のトップマネジメントが選び出される母集団への昇進のことである。それは、組織のピラミッドが急激に狭くなる段階への昇進の決定である。 
 そこから先の人事は状況が決定していく。しかし、そこへの人事は、もっぱら組織としての価値観に基づいて行なわれる。 
 「重要な地位を補充するにあたっては、目標と成果に対する貢献の実績、証明済みの能力、全体のために働く意欲を重視し、報いなければならない」(『創造する経営者』)

企業でも、政治の世界でも、様々なコントロールの手段があります。しかし、その中でも、何をさておいても、人事が最も重要であり、最大のコントロール手段です。その他のコントロール手段はこれには及びません。

業績、株価、その他の企業情報をいろいろ見ても、なかなかわからないことがあります。しかし、ある特定の企業について長年人事の内容をみていると、その企業の実体が本当に良く理解できます。特に重要な人事は、その企業の意思决定の内容がもろに反映されています。

本来、政治の世界でも同じことです。政治主導にするためには、ますは、人事を掌握して、役人の人事を適正に行う必要があります。民主党は、このあたりが全くお粗末でした。

しかし、安倍総理は、前の民主党政権とは全く異なります。政治主導などという言葉は遣いませんが、人事で政治主導の体制を固めています。その手腕は、まずは日銀人事における、白川討伐とその後の総裁、副総裁人事にものの見事に現れています。

そうして、上の記事にもあるように、内閣法制局のトップ人事です。上の記事でもみられるように、他役人に恐れられる内閣法制局の人事は政治主導としては、最高のコントロール手段です。

内閣法制局長官の辞令を受け、首相官邸を出る小松一郎氏

これに関しては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
【スクープ最前線】安倍政権転覆を画策か 中国の大物工作員が東京で暗躍―【私の論評】安倍潰しに最も有効なのは増税?増税すればアベノミクスは頓挫するが、果たして現在の安倍総理にその手は通じるのかは、はなはだ疑問(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、この人事を軽くみるべきではないことを強調しました。財務省よりも強い法制局が安倍首相に屈伏したということです。これは、意外といえば、意外かもしれませんが、財務省を屈服させるよりも、意表をつくということて、かなりやりやすいかもしれません。やりやすいとは、無論役人のコントロールという意味です。

役人にも恐れられる組織のトップをすげ替えたということは、少なからず、多くの役人に絶大な影響を与えると思います。心理的な圧迫感がかなりあります。なにせ、役人がいくら法案を作成して、大臣を説得したとしても、法制局が首を縦に振らなければ、それはただの作文になってしまいます。

それにしても、安倍総裁、したたかです。安倍首相は、外交といい、人事といい、見事な仕事をしています。これなら、増税に関して安倍総理が結局見送りの判断をしたとしても、財務省もなかなかたてをつくことはできません。たてをつけば、次の法案などを通すときに内閣法制局とどうなるかという心配は拭えないことになります。もう、軽々しいことは一切できなくなりました。少なくとも、これからは、あの勝栄二郎のような財務次官が誕生する余地はなくなりました。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

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