2020年4月1日水曜日

新型コロナ危機を利用し世界的地位向上を図る中国―【私の論評】世界に謝罪しないと米国の怒りをかい、石器時代に戻るかもしれない中国(゚д゚)!

新型コロナ危機を利用し世界的地位向上を図る中国
岡崎研究所

 新型コロナウィルスの武漢での感染が、制御の利かない様相を呈し、海外に拡散する勢いを見せ始めた当初、中国は負い目を感じ、あるいは海外からの批判に神経を尖らせていたのではないかと思う。米国が中国からの入国制限に動いたことに過剰反応だと反発したのもそれであろう。


 ようやく感染を封じ込める見通しが立ったかに思われるこの段階に至って、中国は反転攻勢に出て来た。「環球時報」など中国メディアは、中国は新型コロナウイルスの拡散を遅らせることに貢献して来た、中国はウイルスとの戦いに勝ちつつある、しかるに欧米諸国は警戒と対応が緩慢で感染を広げてしまった、との説を流すことに忙しいようである。例えば、3月19日、中国は前日の新たな国内感染が初めてゼロになったこと、34の感染例はすべて海外感染のケースだったことを公表した。

 3月13日、アリババのジャック・マー(馬雲)が、50万個の検査キットと100万枚のマスクを米国に寄贈すると発表した。このことに関して、米国バード大学のウォルター・ラッセル・ミード教授は、3月16日付のウォールストリート・ジャーナル紙で、この危機を利用してグローバルな地位の強化を図りたいという中国の思惑の兆候であると述べている。3月11日に、四川大学華西医院の医師や中国赤十字関係者ら7人の専門家チームが、検査キットやマスクなど医療器材を携行してイタリアに入ったと伝えられることも、その表れだと指摘する向きもある。

 この種の中国の行動を、純粋に国際協力の精神によるものだと受けとれないことには理由がある。上述の中国メディアの宣伝工作もそれである。更に言えば、コロナウイルスの震源地である中国が、事態発生の初期に、問題発生の経緯、中国が講じつつある措置、諸外国および国際機関に対する協力の要請をとりまとめて最高指導者が内外に宣明するという一事を怠ったことがある。それがために、海外に不満と不信が漂う状況ではなかったか。3月 11日、米国のロバート・オブライエン大統領補佐官が「武漢の感染拡大は隠蔽された」「そのため世界は対応までに2週間を失った、その間に我々は中国で起きたこと、および世界で今起きていることを劇的に抑え込めていたであろう」と述べたのは、不信の表れであろう。翌3月12 日、これに反応して、中国外務省の趙立堅(報道官)は、「武漢にウイルスを持ち込んだのは米軍かも知れない......米国には説明責任がある」とツイートしたが、中国の弁護に有用だったとは思われない。

 その後、トランプ大統領は「中国のウイルス」、ポンペオ国務長官は「武漢のウイルス」と言ったが、国内対策の遅れに対する批判もあって、言外に中国の責任を問うたものであろう。

 いずれにしても、ミード教授の論説の主眼は、中国の影響力拡大の危険を警告することにあった。今後、新型コロナウイルスは途上諸国に拡散することになるかもしれないが(もっとも、気温が高い気象条件の影響を受けるかも知れないが)、新型コロナウイルスだけでなく、原油価格の暴落その他の複合的な原因で途上諸国は混乱に陥る。これに乗じて、中国は援助の提供と中国のガバナンス・モデルの優位性(共産党の一党支配体制が欧米流の民主主義よりも優れている)についてのプロパガンダにより、その影響力の拡大を企てる。その結果、嵐が過ぎて見渡せば世界は一変しているかも知れないと、ミード教授は警告する。この主張は誇張が過ぎるようにも思えるが、10日間で病院を作って見せる中国のことだから、この可能性はある。

 そうであれば、西側諸国としては、途上国の混乱の早期収束に協力する他ない。この論説では、西側諸国にその用意があるかを疑っているように読めるが、そうするしかない。新型コロナウイルスについては、WHOを中心に支援の体制を組むことが正攻法であろうが、それとともに西側主要国が枢要な途上国に効果的な援助が出来るかどうかが鍵となろう。

【私の論評】世界に謝罪しないと米国の怒りをかい、石器時代に戻るかもしれない中国(゚д゚)!

中国は、新型コロナ危機を利用し世界的地位向上を図っているようですが、そのようなことが本当に成功するでしょうか。これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
今も新たな感染者、武漢封鎖を解除する中国の無謀―【私の論評】微笑外交でEUを取り込もうとする中国(゚д゚)!
武漢駅で消毒作業の準備をするために集まった消防士たち
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で中国が微笑外交でEUを取り込もうとしている様を掲載しました。しかし、この記事で、イタリアを例に出してそのようなことはできないであろうことを掲載しました。この記事から結論部分を掲載します。
しかし、そのようなことが簡単に成就できるでしょうか。現状では、確かにイタリアなど武漢ウイルスにより社会経済が沈んでおり、中国の助力を請おうとする姿勢もみられますが、コロナであれほどの惨禍に見舞われたイタリアです。そうして、そうなったのは、中国の隠蔽による初動対応のまずさにあります。 
ある程度武漢ウイルスが終息すれば、多くの国民から中国への批判は相当高まることになるでしょう。 
さらに、中国で再び中国で武漢ウイルスの第二次の爆発的感染がはじまるかもしれません。 
中国がEUを中国の傘下に取り込むことに執着すれば、インド太平洋との2正面作戦になってしまいます。無論EUに対しては、軍事的な行動はとらないでしょうが、それにしても、経済支援などはし続けなければならず、現在の中国にそれができるのかは疑問です。 
いずれにせよ、コロナ後の中国の動きに関しては、日米ともに協調し、注意深く見守りつつ、EUへの中国の動きも牽制しなければならない時が来るかもしれません。 
日米ともにまずは、国内の武漢ウイルス感染を一日も早く終息に向かわせるべきです。
いずれ、武漢ウイルスの感染が静まれば、当然のことながら、イタリアでは中国に対する批判の声どころか怨嗟の声があがるでしょう。

      新型コロナウイルスにより毎日多くの死者が出ているイタリアで、
      柩が多く並べられた教会内の写真が公開された。

ただし、気をつけなければならないところもあります。EUは最近の感染拡大が著しいイタリアやスペインなどが、大規模な対策に迫られているとして、財政状況の厳しい加盟国を支援するための基金も活用することや、ユーロ圏の各国が共同で発行し資金を調達する「ユーロ共同債」の発行を求めましたが、ドイツやオランダの反対で見送られました。これでは、何のための「EU」なのかという声がイタリア国民からあがるのは当然です。

イタリアの政治は、武漢ウイルス禍の前からかなり混乱していました。

第1に、「EU懐疑主義」はいわゆるイギリスに特有の病気ではなかった、ということです。イタリア国民は3月の総選挙で、2つの「ポピュリスト(大衆迎合主義)」党である「同盟」と「五つ星運動」を勝利させました。EUに不満があるから、というのがその大きな理由の1つです。

第2に、今回のイタリア政治の混乱は、EUに異議を唱えるのが、特に単一通貨ユーロ圏に加わっている国の場合はいかに大変か、というのを示しています。イタリア政府はEUとの関係を再交渉で見直し、おそらくユーロを離脱することを望んでいるのかもしれないですが、どうしたら実現できるのか見えてきません。EUはただ1つの方向、つまり統合に向かってのみ進み続けていて、後戻りはできないのです。これこそが、EUに向けられる非難の1つです。

第3に、イタリア危機は、単一通貨が経済にもたらす悲惨な結果を物語っています。実際のところユーロは、ヨーロッパの国々を「ますます緊密な連合」にまとめ上げようとするための政治的なプロジェクトでした。その前提となり得るほどにはこれらの国々の経済は「同水準に近付いて」いなかったし、今もそうなっていません。イタリアはそのために苦しみ続けてきた国の1つです。

イギリスが単一通貨ユーロに参加しないことを決定した当時は、親EU派からは「歴史的なチャンスを逃した」と言われたものでした。ところがイギリスの選択が賢かったことは、これまでに十分証明されています。

ユーロ圏内最強の経済国ドイツにとっては、確かにユーロは利点が大きいです。経済のより弱い他の加盟国のおかげでユーロ価格は比較的低く抑えられ、ドイツの輸出を助けています。ところが経済の弱い国々からしてみれば、ユーロは強過ぎ、ドイツ経済のせいで高止まりしているようなものです。それが、こうした国々の景気を阻害しています。

南欧諸国の若年者失業率は、破滅的な状況が続いています。イタリアでは18~25歳の45%が失業中です。EUが移動の自由をあれほど主張している理由の1つもここにあります。もしも仕事のないスペインやイタリアの若者がイギリスのような、雇用創出できるほど経済が好調な他の国々に移動できないとしたら、社会的影響は恐ろしいことになるでしょう。

失業が多ければ、日本や米国のような国であれば、金融緩和をすれば、雇用が良くなるのはマクロ経済の常識です。ただし、各々の国生産性を超えたところまで、緩和をしてしまうと、ハイパーインフレになってしまいます。

ユーロ圏では、イタリアが金融緩和をしようとしても、イタリア銀行(イタリアの中央銀行、日本の日銀にあたる)自由にはできません。それを実行できるのは、欧州銀行です。あくまで、欧州全体が緩和をしたほうが良いと判断された場合、緩和をするのです。だから、イタリア等はいつも割を食うわけです。

財政政策に関しては、各々の国の財務省が実行することができますが、それにしても、このブロクでも以前述べたように、イタリアの経済も、マンデル・フレミングの法則があてはまります。

マンデル・フレミングの法則とは、変動相場制において、財政政策の効果は非常に低くなるということです。だから、効果のある財政政策を実行しようとすれば、金融政策も同時に行う必要があります。しかし、イタリア銀行は、イタリアのために独自の金融政策を実行することはできないのです。

この状況ですから、イタリア国民には以前から、EUに対する不満が鬱積していたのです。イタリアのポピュリスト政党が推し進めようとする経済計画が現実的だなどと言う気もないし、イタリア国内の多くの問題を生んだ責任がイタリア自身にはないなどとも言うつもりもないですが、それでもイタリア有権者がこの政治状況を選んだ理由の一部は、EUにあるといえます。

このあたりの事情を中国が理解し、イタリアに対する支援を強化すれば、イタリアがEUを脱却して、中国の傘下に入るということも十分考えられます。それどころか、多くの南欧諸国が右にならえで、EUを脱退するかもしれません。

さらに、中国はイタリアやEUだけではなく、世界中の国々の不満を利用して、傘下に収めるかもしれません。

そうなると、EU崩潰や、戦後の米国を頂点とする世界秩序も崩れる可能性があります。そうならいためにも、EUはもっと柔軟な体制に構築し直すとか、日米なども当面は自国の武漢ウイルス対策に追われるものの、早期に解消して、EUや世界中の国々、経済的に弱体化している国々を支援するべきです。支援としては、経済支援だけではなく、中国になど頼らなくても、独立独歩の道を歩めるように様々な支援をすべきです。

そうでないと、武漢ウイルスを奇貨として、中国は世界中の国々を自らの傘下に置き、世界秩序を自らの都合の良いように作り変えていくかもしれません。

ただ、中国では新型コロナウイルスに感染したものの症状が出ない人(無症候性キャリアー)が相当数存在するもようですが、最新の統計では、これらを感染者に含めていないため、実態は不明のままです。そのため無症候性キャリアーが現在もなお、自覚がないままウイルスを拡散させている恐れがあるとの不安が高まっています。

中国共産党としては、独裁体制であるため、これらの問題は十二分に対処できると高をくくっていると思われますが、私はそのように簡単に事がすむとは思っていません。

日本を含めた多くの国々も、中国からの入国制限を継続しています。一度、中共とWHOに裏切られているわけですから、これは、相当期間にわたって継続されるものと思います。

米国では、「消防士を装う放火犯」である中国に対して、多くの人々が怒り心頭に達しています。

米国議会では、中国政府の法的かつ財政的な責任を問う具体的な動きがすでに広まっています。

米国連邦議会の上院のジョッシュ・ホーリー議員(共和党)、下院のセス・モールトン議員(民主党)、エリス・ステファニク議員(共和党)ら約10人の超党派議員グループは3月23日、コロナウイルス感染症に関して中国政府の責任を法的に追及し、感染の国際的拡散によって被害を受けた諸国への賠償支払いを求める、という趣旨の決議案を上下両院に提出しました。

同決議案に署名した1人、ジム・バンクス下院議員(共和党)は議場での発言で、中国の責任追及のためには、単なる決議ではなく、米国として強制力を持つ法律を作って、中国政府への損害賠償を法的に迫るべきだという提案を明らかにしました。

それは以下のような提案でした。
全世界に被害をもたらした中国政府の法的な責任を明確にして、中国に賠償金を支払わせる方法として、第1には、中国政府が保有する莫大な額の米国政府債券の一部を放棄させる方法、第2には、中国からの輸入品にこの賠償のための特別な関税を新たにかけて、「コロナウイルス犠牲者賠償基金」を設けさせる方法、などが考えられる。
こうした方法の実効性は現時点では不透明ですが、米議会にここまで具体的な中国政府への賠償請求の動きが広がっていることは注視すべきです。

米国議会の共和党、民主両党が一致してここまで強硬な態度をエスカレートさせたことは、今後の米国の中国への姿勢がまた格段と厳しくなる展望を示したといえます。その展望は“脱中国”とも呼べるでしょう。米国のこうした極端で過激な対中姿勢は、同盟国の日本の対中政策にも複雑に影響してくるはずです。

中国がこのような厳しい措置を受けるようになっても、ウイルス発生源であるにもかかわらず、世界の「ヒーロー」になる試みを継続するなら、米国はさらに厳しい最終手段をとるかもしれません。それは、中国に対する全面戦争等ではなく、ドル元交換の禁止やドル使用の禁止などの厳しい措置です。


そのようなことになれば、中国は貿易ができなくなり、石器時代に戻るかもしれません。そうなる前に、中国は「ヒーロー」になることをやめて、世界に感染を広めたことを真摯に謝罪すべきです。しかし、中共は絶対に謝罪はしないでしょうから、石器時代にまっしぐらかもしれません。いや、その前に統治の正当性を失い崩潰するでしょう。

イタリア人も、日本人も、韓国人も、その他の国々の人たちも、もっと怒るべきです。今日世界がこのような状態にあるのは、あなたや私や、各国の政府が悪いのではなく、元を正せば、中国共産党だけが悪いのですから。怒りの矛先は、中共だけに向けられるべきなのです。

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