2023年5月29日月曜日

岸田首相の長男、翔太郎秘書官を更迭 公邸内の不適切行動に批判―【私の論評】外交成果が帳消しになった岸田首相は、そろそろ国内経済の強化に本腰をいれるべき(゚д゚)!

岸田首相の長男、翔太郎秘書官を更迭 公邸内の不適切行動に批判


 政府は29日、首相公邸内で親族と記念写真を撮るなど不適切な行動が批判された岸田文雄首相の長男の翔太郎首相秘書官(政務担当)が6月1日付で辞職し、後任に山本高義元首相秘書官を充てる人事を発表した。事実上の首相による更迭となる。6月21日の今国会会期末が迫り、重要法案の審議が残っている中、政権運営へのダメージ回避を図ったとみられる。

 26日の参院予算委員会では、立憲民主党の田名部匡代氏が「公私混同がはなはだしい」と追及。首相は「公邸内には迎賓機能や執務機能を有する公的なスペースがあり、不適切な行動だった」と陳謝し、本人に厳重注意したと説明した。更迭は否定していた。

 ただ、与党からも「大変遺憾だ」(公明党の石井啓一幹事長)などと批判が出ており、更迭が不可避な情勢となった。

 首相は2月にも、LGBTなど性的少数者に対する差別発言をした当時の首相秘書官、荒井勝喜氏(経済産業省出身)を交代させた。今年、首相秘書官2人を更迭する異例の事態となった。

【私の論評】外交成果が帳消しになった岸田首相は、そろそろ国内経済の強化に本腰をいれるべき(゚д゚)!

長男秘書官がG7広島サミット支持率アップをぶち壊してしまったようです。日経新聞の調査では、岸田内閣の支持率47%になり、5ポイント低下しました。

このようなさなか、自民党は29日、政府が6月に決定する経済財政運営の指針「骨太の方針」の骨子案を巡り議論した。萩生田光一政調会長は「少子化対策、外交安全保障など、あらゆる課題に応え得る骨太の方針にしていきたい」と述べました。

萩生田光一政調会長

骨子案では、岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」に関し、労働市場改革による構造的な賃上げの実現、「人への投資」の強化、分厚い中間層の形成を明記した。ロシアによるウクライナ侵略を受けたサプライチェーン(供給網)の強靱化や少子化対策の抜本強化も盛り込みました。

出席者からは、歳出改革に関し、医療、介護などの社会保障費を削減しないよう求める意見が目立ちました。少子化対策の財源に関しては、「国債を充てると明記すべきだ。将来の負担の付け回しではなく投資なのだと書けば理解してもらえる」との意見もありました。これは、まともな意見だと思います。

一方、財政制度等審議会は、政府が目指す少子化対策の強化に必要な財源について、赤字国債で賄うことは認められないとの姿勢を明確にしました。



また、財源を検討する際には、税も選択肢から排除すべきではないとの意見が出されました。政府は、社会保障費の歳出改革などに加え、社会保険料に、新たな支援金として上乗せして集めることで、年間3兆円程度を確保したい考えです。

一方、自民党の茂木幹事長は社会保険料の引き上げや上乗せなどを考えている訳ではないと述べています。

国債発行も認めず、また増税も匂わす、国民にとって最悪の諮問機関です。まさに、財務省のいいなりの、ザイム真理教団の諮問機関といわれても仕方ない連中だと思います。

政府は少子化対策に充てる当面の財源を確保するため、国債の一種である「つなぎ国債」の発行を検討しています。政策を早期に実行するために、当初不足する財源を借金で穴埋めし、将来の社会保険料の上乗せなどで入ってくるお金で借金を返済するという流れです。

つなぎ国債は赤字国債の一種ですが、返済に充てる財源をあらかじめ決めて発行するという特徴があります。財政規律を維持する狙いで、将来の増税で入ってくるお金を財源に充てるケースが多いです。そうして、今の日本だとこれは、結局のところ増税になります。

少子化対策に限らず、子どもへの投資はリターンが大きいことが世界中で確認されています。以下直近では日本ではあまり良い例がないので、海外の事例をあげます。

政府による子どもへの投資対効果(ROI)は相当なもので、1ドルの投資に対して最大17ドルのリターンを示す研究もある。これは、幼児期の体験が、学力、健康、経済生産性など、子どもの将来の成長に大きな影響を与えるからです。

例えば、Center for American Progressの調査によると、低所得層の子どもたちのための幼児教育プログラムに1ドル投資するごとに、子どもの生涯を通じて7ドルの経済的利益を生み出すことがわかりました。この利益には、収入の増加、犯罪率の低下、社会サービスの必要性の低減などが含まれます。

また、全米経済研究所の調査によると、質の高い幼児教育プログラムに参加している子どもは、高校を卒業し、大学に進学する可能性が高いことがわかりました。また、投獄される可能性も低く、雇用される可能性も高いことが分かっています。

政府の子どもへの投資に対するROIは、特定のプログラムや対象となる人々によって異なります。しかし、幼児期への投資は、長期的に見れば賢明な投資であり、その成果が得られるという証拠は明らかです。

以下は、政府による子どもへの投資のROIに関する研究からの具体的な数字です。

Center for American Progressの調査によると、低所得層の子供向けの幼児教育プログラムに1ドル投資するごとに、子供の生涯を通じて7ドルの経済的利益を生むことがわかりました。

全米経済研究所の調査によると、質の高い就学前教育プログラムに参加した子どもは、高校を卒業し、大学に進学する確率が高いことがわかりました。また、投獄される可能性も低く、雇用される可能性も高いことが分かっています。

ブルッキングス研究所の研究によると、すべての子どもたちのための幼児教育プログラムに1ドル投資するごとに、子どもの一生を通じて4ドルの経済効果が生まれるとされています。

これらの研究は、政府による子どもへの投資が、長い目で見て報われる賢明な投資であることを示しています。幼児期に投資することで、子どもたちの潜在能力を最大限に引き出し、より強い経済に貢献することができるのです。

子どもへの投資効率が高いことを考えれば、少子化対策などでの子どもへの投資は、国債によって賄われるが順当であると考えられます。

子どもに投資をすれば、その分将来確実に日本は豊になるのです。そんなことは、少し考えてみればわかります。十分に教育が受けられない子どもたちが、政府の投資により、まともな教育を受けられるようになれば、この子どもたちは、将来有能な働き手となって、政府が投資した分よりもはるかに大きい富をもたらすことになるのです。

そんな計算もできないのが、財務省であり、財務省の走狗財政制度等審議会なのです。彼らが行っているのは目先の省益のために、子どもの機会を奪い、将来国を貧乏にすることです。このようなことを繰り返すのはもうやめるべきです。

子ども投資は経済にとって、プラスになることはご理解いただけたと思います。実は防衛費の支出でも似たようなことがいえるのです。

防衛費が経済にプラスの影響を与えることを示唆する証拠は数多くあります。例えば、米国の戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies)の研究では、「国防費は、商品やサービスの需要を刺激し、雇用を創出し、研究開発を支援することで経済成長を促進することができる」とされています。また、この研究は、"防衛費は、経済が低迷しているときに収入源や雇用を提供することによって、経済を安定させることができる "と述べています。

この主張を裏付ける数字があります。

米国では、防衛費はGDPの約3.5%を占めています。この支出は、直接的・間接的に約240万人の雇用を支えています。

英国では、国防費はGDPの約2%を占めています。この支出は、直接・間接的に約70万人の雇用を支えています。

イスラエルでは、国防費はGDPの約5%を占めています。この支出は、直接・間接的に約120万人の雇用を支えています。

これらの数字は、国防費が経済に大きな影響を与えることを示しています。雇用の創出だけでなく、商品やサービスに対する需要の喚起、研究開発の支援、経済の安定化など、国防費は様々な効果を発揮します。

しかし、防衛費が経済に与える影響は、経済規模、防衛費の種類、全体的な経済情勢など、さまざまな要因によって異なることに注意する必要はあります。場合によっては、国防費が債務の増加やインフレにつながるなど、経済にマイナスの影響を与えることもあります。まさに、現在のロシアがその状況です。

全体として、国防費は経済にプラスの影響を与えますが、その影響は多くの要因によって異なります。ただ、現在の日本では、防衛費を倍増したとしても、プラスの面の方が大きいです。なぜなら、現在の日本経済は依然として、20兆円ほどの需給ギャップがあるので、有効需要を喚起する必要があります。そのため、国防投資をすれば、それができるからです。

防衛費増は日本経済にプラスになる

肝心なのは、子どもへの投資はハイリターンであること、防衛投資も、投資した分がすべて無駄になるわけではなく、雇用の創出だけでなく、商品やサービスに対する需要の喚起、研究開発の支援、経済の安定化に寄与する面があるということです。

そのようなことを忘れて、子どもへの投資や国防投資やその他の財源を税金だけで賄い続けたとしたら様々な悪影響が生じることが考えられます。
その一つは、政府が支出を賄うための資金を国債を発行して借りられない場合、増税を余儀なくされることです。その結果、人々が使うお金が減り、経済活動が低下する可能性があります。また、増税は、税負担が富裕層に偏るため、格差の拡大につながる可能性があります。ただし、消費税は、富裕層よりは、貧困層に負担が重くなります。
増税ができない場合、政府は支出を削減せざるを得なくなります。その結果、教育や医療などの行政サービスの質が低下する可能性があります。さらに、歳出削減は、政府が労働力を削減するため、雇用の喪失につながる可能性があります。
政府が増税や歳出削減を行えない場合、債務不履行を余儀なくされる可能性があります。これは、投資家が政府の債務返済能力を信用しなくなり、金融危機につながる可能性があります。金融危機は、企業が投資意欲を失い、消費者が支出に慎重になることで、景気後退につながる可能性があります。
これは、税金だけで政府支出を賄った場合に起こりうる結果の一部に過ぎません。実際の結果は、上述したように多くの要因に左右されます。最近の日本は、政府支出のほとんどを税金で賄おうとし続けてきたため、上記で述べた状況に近い状況になっています。

このようなことは、もうやめるべきでしょう。そうして、最近このブログにのべてきたように、政権維持のためには、経済の安定が必要不可欠です。そのため安倍首相はアベノミックスを打ち出し、結果として二回の消費税増税をせざるを得ない上記に追い込まれたものの、金融緩和は今でも継続され、雇用は劇的に改善しました。そのためもあって、安倍政権は安定し、長期政権になったのです。

岸田首相は、G7などの成果が、帳消しなった現在、国内経済を強くして安定させる方向に舵をきるべきです。

強い経済と安定した政権との間には相関関係があることを示す証拠は数多く存在します。

例えば、ピュー・リサーチ・センターの研究によると、"国内の物事の進め方に対する国民の満足度は、経済の状態と密接に関連している "という結果が得られています。また、この研究では、"経済がうまくいっているとき、人々は大統領の仕事を承認する可能性が高い "ということもわかっています。

ブルッキングス研究所による別の研究では、"経済成長と政治的安定の間には強い関係がある "とされています。この研究では、"経済成長率が高い国は、政治的な不安定さを経験する可能性が低い "とされています。

これらの研究は、強い経済が政治力を維持するのに役立つことを示唆しています。しかし、強力な軍隊やよく機能する政治システムなど、政治的安定に貢献する他の要因もあることに注意する必要があります。ただ、30年間も賃金があがらず、需給ギャップが20兆円も存在している現在の日本おいては、強い経済が政権を維持することにつながることは、疑問を挟む余地はありません。

強い経済は、政府に必要な資金を提供し、インフラを維持することを可能にします。強い経済は、人々に雇用と機会を創出し、社会不安を軽減するのに役立ちます。

強い経済は、政府に正当性を与え、反対派が政府の権威に挑戦することをより困難にします。

もちろん、強い経済が政治の安定を必ず保証するものではありません。しかし、経済が弱ければ、政府が権力を維持することがより困難になることは明らかです。

岸田首相は、そろそろ国内経済の強化に本腰をいれるべきです。その方法は、簡単です。財務官僚のいうこと、白川日銀元総裁のような古いタイプの日銀官僚のいうことの反対のことをすれば良いのです。岸田首相は、「聞く力」を大いに発揮し、財務官僚、古いタイプの日銀官僚の言うことをじっくりに聴き、その反対を実行すべきです。

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