まとめ
- ロシア凍結資産のウクライナ防衛・経済復興への活用は、G7内で議論が進んいる
- 2月下旬のG7サミットで具体的な方向性が示される見込み
- 現状では、ロシア凍結資産全体の没収は難しい
- 資産価値上昇分及び利子収入の活用が現実的な選択肢として考えられる
- ただし、ロシアの報復措置や国際法上の課題など、解決すべき課題も残されている
これに対し、米国は前向きな姿勢を示している。ロシア資産の没収は、米国の負担なしにウクライナ支援を拡大できるためで、G7サミットでの議題化を他国に働きかけている。一方で欧州諸国は、国際金融市場の安定性に配慮し慎重な立場を取っている。中央銀行の外貨準備資産の没収は前例を作り、一部の国で通貨危機を招く恐れがあるためだ。
ロシアは資産没収に強硬に反発し、過酷な報復をちらつかせている。これが各国の判断を難しくしている。G7内では、凍結資産の過去2年間の価値上昇や利息のみを引き渡す案が有力視されるが、欧州諸国の同意を得るのは容易ではない。ロシアの報復リスクがある中、資産没収についての国際的合意形成には更なる議論と調整が必要であろう。
この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は元記事をご覧になって下さい。
1941年12月7日、真珠湾攻撃を受けた米国は、日本に対して資産凍結措置を発動しました。これは、日本政府および国民の米国における全ての資産を凍結し、貿易を禁止するものでした。
多くの国際法専門家は、この措置が国際法違反であり、恫喝とみなされると指摘しています。
国際法上、国家の財産は不可侵とされ、他の国家の干渉を受けずに自由に処分できる権利が認められています。米国による日本の資産凍結措置はこの原則に違反しており、戦争行為の違法性や中立国の義務違反も問われる可能性がありました。
国家財産の不可侵原則は国家主権の尊重に基づく重要な原則であり、例外的に認められる場合以外は、国家の財産を没収することはできません。米国による日本の資産凍結措置は、国家財産の不可侵原則に違反するものであり、国際法違反の可能性があります。
当時、日本と米国は正式な戦争状態にはなかったため、米国による日本の資産凍結措置は、戦争行為の違法性を問われる可能性があります。米国は当時は中立国であったため、日本の資産凍結措置は、中立国の義務に違反するものであったといえます。
国際法学者・国際関係学者であるマイケル・J・グロス氏は、米国による日本の資産凍結措置を「国際法上の違法行為であり、恫喝以外の何物でもなかった」と指摘しています。
国際法学者である田中正明氏は、米国による日本の資産凍結措置を「国際法上の根拠を欠く違法行為であった」と指摘しています。
このように、多くの専門家は米国による日本の資産凍結措置を国際法違反であると指摘しています。
【私の論評】第二次世界大戦における米国対日資産凍結は国際法違反か? 現在のウクライナ問題に関する示唆
まとめ
- 米国による1941年の日本資産凍結措置は、国家財産の不可侵原則に反し、国際法違反と指摘する専門家も多い
- ただし、凍結資産の多くは戦後に賠償金、日本の経済復興、国民への返還に用いられるなど適正に処理された。
- ウクライナ自身によるロシア資産の軍事目的転用等は、ある程度国際法の例外として容認されうる。
- ただし、ウクライナを支援はしているものの、ロシアと交戦していない欧米によるロシア資産の転用は国際法違反のリスクが高い。
- ウクライナはこのような禍根を残すようなことをせず、戦後の経済成長シナリオを示し、腐敗対策を実施し支援国に支援は費用でなく、投資であると納得させるべき。
真珠湾港攻撃で大破した米戦艦ネバダ |
多くの国際法専門家は、この措置が国際法違反であり、恫喝とみなされると指摘しています。
国際法上、国家の財産は不可侵とされ、他の国家の干渉を受けずに自由に処分できる権利が認められています。米国による日本の資産凍結措置はこの原則に違反しており、戦争行為の違法性や中立国の義務違反も問われる可能性がありました。
国家財産の不可侵原則は国家主権の尊重に基づく重要な原則であり、例外的に認められる場合以外は、国家の財産を没収することはできません。米国による日本の資産凍結措置は、国家財産の不可侵原則に違反するものであり、国際法違反の可能性があります。
当時、日本と米国は正式な戦争状態にはなかったため、米国による日本の資産凍結措置は、戦争行為の違法性を問われる可能性があります。米国は当時は中立国であったため、日本の資産凍結措置は、中立国の義務に違反するものであったといえます。
国際法学者・国際関係学者であるマイケル・J・グロス氏は、米国による日本の資産凍結措置を「国際法上の違法行為であり、恫喝以外の何物でもなかった」と指摘しています。
国際法学者である田中正明氏は、米国による日本の資産凍結措置を「国際法上の根拠を欠く違法行為であった」と指摘しています。
このように、多くの専門家は米国による日本の資産凍結措置を国際法違反であると指摘しています。
第2次世界大戦中、火炎放射器を用いる米兵 |
しかし、米国は、凍結した日本の資産の最終的な処理を以下のように実行しています。
1. 賠償金支払い
- 凍結資産の一部が賠償金として被害国に支払われた。
- 船舶や繊維製品などの製品も供与された。
- 凍結資産の一部が輸入物資購入や産業設備復興などに使用された。
- 一部は国民に配当され、一部は政府の財源となった。
- 所有者の特定困難なものや所有権紛争があるものがあり、処理が完了していない。
さて、上記のような理由から、国際法的にみて、ウクライナが凍結したロシア資産については、国際法の例外として、ウクライナの裁量でウクライナが軍事目的や、復興のために用いることは、ある程度認められると考えます。ただ、第二次世界大戦後に米国が日本の凍結資産の処理を行ったように、戦後に行うのが望ましいでしょう。
ただし、米国や、EUなど、ウクライナに支援はしているものの、ロシアと直接交戦していない国々については、資産凍結自体も問題になりかねないです。それをウクライナの軍事支援や復興に用いることは、国際法上認められないと思われます。
これを実行できるようにするためには、国際法上の議論を深め、明確な法的な枠組みを構築していくことが重要です。様々な場合を想定して、国際法上の例外を明確に定めないうちに現段階でロシア資産を処分すれば、後々禍根を残すことになります。例外規定を定めるにしても、戦後にすべきです。
私は、米国や、EUがウクライナの要請があったからといって、ロシアの凍結資産に手をつけてしまえば、後々禍根を残すことになると思います。ウクライナにとっても禍根を残す可能性があります。
戦費調達に苦しむ、ウクライナが明日の100万円より、今日の10万円という心境にあるのは十分に理解できますが、EUや米国、ウクライナに禍根をもたらすかもしれないことをするよりは、やはり昨日私が主張したように、ウクライは戦後に高度経済成長をするシナリオを描くべきでしょう。
日露戦争の戦費は、覇権国家である英国と、それを追い上げる新興国である米国の金融街で調達されました。
当時の資金調達の責任者であった高橋是清は、世界の投資家を相手に見事なプレゼンテーションを行い、投資家を十分納得させた上での国債発行を行いました。日本がこの時外債を使って調達した資金は、その多くがポンドのまま英国の銀行に預けられました。
具体的な金額については、日露戦争の戦費は総計で19億8612万円でした。そのうち、14億7329万円は国債で補われ、つまり日露戦争の費用の4分の3は海外からの借金によって補われたわけです。 当時の国家予算が2億5000万円だったことを考えると、その8年分に相当する戦費が調達されたことになります。これは当時の日本にとって非常に大きな負担でした。
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高度経済成長したウクライナの首都キーウ AI生成画像 |
ウクライナは、EUや米国そうして日本に対して支援は、経費ではなく投資であるとの見通しを提供し、それに向かって今から努力すべきです。特に国内の酷い汚職や腐敗を徹底的に根絶して、このシナリオを実現させるという本気度を見せるべきと思います。
そうして、ウクライナは自由と自決を通じて内部から繁栄を築くべきです。これに成功すれば、投資や支援はすぐにでもついてくるでしょう。しかし、ウクライナの未来はウクライナ人だけで勝ち取らなければならないです。
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