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2015年2月19日木曜日

【田母神事務所不明金】「ショック。会計責任者に少なくとも3千万円横領された」…政治資金の使途不明問題で田母神氏が記者会見―【私の論評】戦後保守の終わりの始まりか?田母神氏と、水島氏の両氏にみる現代人に必要不可欠な"虚実皮膜の間"の真実(゚д゚)!


事務所スタッフによる政治資金横領について、
厳しい表情で語る田母神俊雄氏=19日

昨年2月の東京都知事選や12月の衆院選に出馬した元航空幕僚長、田母神俊雄氏(66)の政治資金の一部が使途不明となっている問題で、田母神氏は19日、都内で記者会見し「少なくとも3千万円が会計責任者に横領されていた。信頼していただけにショックだ」と話した。

田母神氏側の説明によると、田母神氏の政治団体「田母神としおの会」には都知事選後に約6千万円の残金があったが、衆院選前には約1千万円に減少。調査の結果、会計責任者の50代男性が横領を認めた。横領したカネは高級クラブでの遊興費や生活費などに充てていたという。

横領額について田母神氏は「詳細は調査中だが3千万~4千万円」とし、「(買収などの)不正に使われたことはないと考えている」との見解を示した。さらに男性は弁済を約束しているが、弁済が滞るなどした場合は横領罪などでの刑事告訴も検討するとしている。

田母神氏は「男性は、自衛隊で先輩だった(田母神としおの会)事務局長が連れてきた人間で、信頼し任せっきりになってしまっていた。寄付を頂いた皆さまには申し訳なく、監督責任を感じている」と話した。

【私の論評】戦後保守の終わりの始まりか?田母神氏と、水島氏の両氏にみる現代人に必要不可欠な"虚実皮膜の間"の真実(゚д゚)!

上記の出来事については、様々な方面で波紋を呼んています。まずは、水島氏が動画でこの件について語っています。その動画を以下に掲載します。


この動画の説明は、以下の様ものです。

本日、政治資金の使い込みが発覚した田母神俊雄事務所が釈明の記者会見を行いましたが­、残念な事に、この期に及んで嘘と保身と責任転嫁の姿勢が露わになりました。記者会見­の模様を逐次振り返りながら、彼等がどんな嘘をついて事件を糊塗したのか、水島より具­体的に指摘させて頂きます。

さて、この動画の内容、まだ真偽ははっきりしません。しかし、いずれこの問題は明らかになっていくものと思います。新聞やテレビでどの程度報道されるかは、わかりませんが、おそらく週刊文春あたりで明るみに出ると思います。

以下に、会見の模様のみまとめておきます。
19日午前、田母神俊雄氏が会見し、政治資金の一部が使途不明になっていると報じられたことについて説明を行った。 「選挙が初めてだったので、通帳も印鑑もカードも渡しっぱなしにしていた。うかつだった。」「ご心配をおかけし、ご寄付いただいた皆様にも申し訳なく思っています」と陳謝した。

田母神氏によると、団体「田母神としおの会」(都知事選後「東京を守り育てる都民の会」から名称変更)の会計責任者が、資金を赤坂のクラブなどで私的に使い込んでいたことを認めたという。具体的な金額については現在調査を進めているとしたが、田母神氏は「3000万円から4000万円程度使い込んでいるのではないか」とした。

昨年2月の都知事選時点では、供託金や寄付金などを合わせ約1億3500万円の資金があり、12月の衆院選後もなお残ると考えていたというが、支払いの遅滞が発覚。田母神氏本人が弁済する状況になったため、今年に入って会計責任者を問い詰めたところ、使い込みを自白したという。使途については、「 選挙で不正に使われたことは無いと思っている。生活費や遊興費に使われた」と述べた。

会計責任者に対し、田母神氏は「かわいそうだから名前は調べたらわかると思いますので控えせていただきます」としながらも、「本人の証文も取っており、一部は弁済をし、残りはこれから弁済をしていくとしているが、弁済ができないと思われる場合には刑事告訴をせざるを得ない」とした。

今後の政治活動については、「私にとって大変な問題。ショックですけれども、潰れないように早く処置を終えて、なんとか来年の参議院を目指して頑張りたい」とコメントした。

今回の会見は、ネット番組「チャンネル桜」(2月17日放送分)で「頑張れ日本!全国行動委員会」の水島総会長が指摘したこともきっかけの一つ。都知事選では支援を受けていた水島氏について問われると、田母神氏は「信義違反だと感じている。都知事選では私が彼の手のひらの上で踊るということになっていたが、だんだん私が彼の言うとおりにならないということになり、あまりいい感情をもっていなかったのではないか。都知事選後の活動についてもこき下ろされた。ずいぶんひどいことをするなと感じていた」とコメントした
さて、いずれに転んだとしても、水島総氏の田母神氏の見方、田母神氏の自分の会計責任者に対する見方など、人物の見方について問題がありそうです。水島氏は、田母神氏を大嘘つきと語っていますが、ではなぜそのような大嘘つきの人物の選挙応援をしたのか、それも遠い過去のことではなく、つい最近のことです。選挙が終わった途端、田母神氏が大嘘つきに突然変身するというのは、考えられないことです。これも本当に疑問です。

私は、もともと田母神氏は、政治家向きの人ではないと思っていました。無論言論人としての田母神氏を否定するつもりは毛頭ありません。現在の日本において、一定の役割を果たしているということでは、敬意を払っています。しかし、政治と言論活動は別物です。

次世代の党に関しては、期待感はあったのですが、何というか、経済政策に関してはかなり理解し難い内容のものだったので、次世代の党には経済通はいないと思います。長くデフレの続き、塗炭の苦しみを味わった多くの国民が存在する今の日本では、国民の関心事からいえば、経済であって、天下・国家論は二の次だと思います。

しかし、次世代の党は、天下・国家論を中心に訴え、経済に関しては明確な路線の打ち出しが足りなかったように思います。私としては、次世代の党の知名度が足りなかったことと、経済対策の軽視が、大きな敗因だったと思います。

政治家にとって、一番大切なのは金庫番です。金庫番が駄目だと、政治資金規正法や選挙違反で足元すくわれることになります。だから、金庫番は最も信頼できる人をあてなくてはいけないです。金庫番の人は、不適切な人物を排除する意味でも重要なはずです。しかし、田母神氏がこのようなことができなかったということで、今回の事件は、やはり政治家向きではないということの査証になったのではないかと思います。

こういう話題になると、私は「虚実皮膜の間」という言葉を思い出します。これは、原典は詳しくは知りませんが、もともとは芸は実と虚の境の微妙なところにあることを指し。事実と虚構との微妙な境界に芸術の真実があるとする論です。江戸時代、近松門左衛門が唱えたとされる芸術論だそうです。

近松門左衛門の肖像

そこから発展して、現在では、「虚実」はうそとまこと。虚構と事実。「皮膜」は皮膚と粘膜。転じて、区別できないほどの微妙な違いのたとえとされています。「膜」は「にく」とも読みます。

この言葉、非常に含蓄があるもので、現在正しいとされていることであっても、条件や状況が変われば、正しいとはいえない場合もおうおうにしてあります。だから、「これが絶対に何が何でも正しい」などということは、この社会ではあり得ません。

これは、企業などの組織の中でも同じことです。会社の中で職位が何であれ、私たちは、組織の中で一人ひとりが独立していなければなりません。自分の足で立っていなければなりません。自分の考えを持たなければなりません。しかし会社組織には、多数決という考え方がないことも事実です。責任範囲の狭い人と、責任の範囲の広い人の考え方が最終的に異なった場合、どんなに反対者が多くても、責任範囲の広い人である職位の高い人の意見が優先するのは言うまでもありません。

ただし、だからといって組織人として、自分の意見がないということも許されるものではありません。だから、上司を信じることは良いのですが、上司に頼りすぎるのも良くありません。また、部下をみる場合には、性善説でみる場合と、性悪説で見る場合とを臨機応変に変えていかなければなりません。性悪説でのみ部下と接すれば、そこには信頼関係がなくなります。そのような見方だけをする上司には、部下は誰もついていきません。

かといって、性善説だけで見れば、管理上のリスクが常について回ることになります。時と場合によって、臨機応変に変えなければなりません。片方の見方しかできないようであれば、管理者失格です。管理者や経営者の立場においては、いずれの立場からでも見られるようにしておかなければなりません。

だから、組織人は、組織と個、善と悪に関して、いつもこれらのバランスを図っていく必要があります。そうして、虚実皮膜の間という言葉どおりに、場合によっては個と組織、性悪説と性善説の間を揺れ動きつつ、その場、その場で判断をしていく必要があります。どんな場合にも、全体のためだけとか、個のためだけということはあり得ず、絶対善、絶対悪もないわけで、このバランスをとるという意味合いもこめて、私は「虚実皮膜の間」という言葉を座右の銘の一つとしています。



私は、組織や人を見るときにはいつもこのように見るようにしています。これは、組織人にとっては必要な視点です。これができないような人は、人を管理する立場にたったり、ましてや経営者や政治家などの重要なポストについてはいけません。

現代は組織の時代ですから、このような資質にかけた人は、社会人としても未熟だということです。

このような見方を常にこころがけて、絶対善、絶対悪などということはあり得ないということをいつも念頭においていれば、水島氏のように人を見限ぎらざるをえないとか、田母神氏のように人に裏切られるとなどということになってしまうことの確率をかなり低減することができると思います。

これができない人は、いつも人を見限り続けるか、人に裏切られ続けることになります。

現状を振り返ってみると、左右上下問わず、このような見方のできる人が戦後日本、特にここ最近は減っているように思われます。これについては、現在ではとても革新などとは呼べない、戦後体制利得にしがみついているいわゆる左派という人たちに顕著でしたが、この田母神騒動をみていると、右派といわれる人たちも例外ではないと思えてきます。

戦後70年の本年、長期にわたって継続されてきた異常ともいえる戦後体制下において長い間築かれてきたいわゆる戦後革新派が、革新などとは呼べなくなり、とうの昔に堕落してしまいましたが、戦後保守にも制度疲労が発生し、再編する必要があるのではないかと思います。

日本の古来からある伝統を引き継ぎつつ、「虚実皮膜の間」を理解しつつ、現在の変化に柔軟に対応し続けることのできる新たな保守の確立が急務だと思います。そうして、今の日本、幸いなことに若い世代の人々にそれを期待できそうです。

私はそう思います。皆さんは、どう思いますか?

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2013年9月5日木曜日

消費税増税に7割が賛成 結論見え見えの有識者会議の意味 - 高橋洋一の俗論を撃つ!―【私の論評】確かに、これだけ増税賛成派ばかりだと作為的である。最終的には安倍総理はこれを吹き飛ばし、官僚を震撼させ覚醒のための大ショックを与え政治主導を勝ち取る腹か?

消費税増税に7割が賛成 結論見え見えの有識者会議の意味 - 高橋洋一の俗論を撃つ!


以下に、要約を掲載します。

消費税増税に関し、8月26日から31日まで60人の有識者から「集中点検会合」として政府は意見を聞いた。7割超は消費税増税に賛成・積極的であった。一方、各種の世論調査では、消費税増税に反対・消極的な人が半数を超えている。

本来であれば、消費税増税は総選挙のテーマとして国民の信を問わなければいけないテーマである。その代わりに有識者会議を設けて議論するというのだから、世論を代表する形で禍根を残さないようにしっかりした透明性の高い議論が必要だ。

有識者のメンバーでやや疑問であった人も含まれていた。浜田宏一・エール大学名誉教授と本田悦郎・静岡県立大学教授の内閣参与がメンバーであったことだ。彼らは経済政策の専門家として首相が判断する時にアドバイスをするのが仕事だ。彼らはアベノミクスを推進する立場から、消費税増税に消極的な立場である。その意見はすでに政府に届いているはずだが、それを一人の有識者の立場にして、再び政府が聞くというのは理解できない。

こうした結論が見えるメンバーにして意見を聞いて増税やむなしという決定をするとすれば、まさしく官僚主導そのものになる。政治主導という安倍政権の手法として、あまりに事務方のお膳立ては度が過ぎた。7割超の増税賛成・積極派の意見に従って、安倍首相がすぐに「増税やむなし」と言ったら、民主党の野田首相のように、官僚のいいなりといわれてしまう。事務方の過度のお膳立ては、最終決断を下す政治家にとっては面白くないはずだ。

税を経済政策として使う鉄則は、景気の悪い時には減税、景気が過熱しているときには冷や水をかけるように増税、それ以外であれば、何もしないというものだ。

8月12日に発表された2013年4~6月期GDPの一次速報は実質GDP成長率(年率換算)で2.6%とまずまずだったが、雇用、生産は順調、デフレ脱却は今一歩となっている。これらをみれば、景気はよくなりつつあるが、過熱という状況ではない。したがって、増税をスキップというのが正しい。

有識者会議で出ていた「増税すると景気が心配」という意見は、財務省にとって思う壺である。というのは、すでに税収の上振れが数兆円単位であることがわかっているので、それを財源として補正予算の話も出ている。さらに、今回の消費税増税法でも、附則18条2項では、「成長戦略並びに事前防災及び減災等」にカネを回せる。この条項は、自民党が修正させたものだ。これらをみれば、今回の消費税増税分は、すべてバラマキのために使って、景気の落ち込みを防ぐというのは、政府の既定路線である。

しかし、マクロでは税金を集めて政府がすべて配れば景気の影響はなくなるはずだが、政府がカネを民間から吸い上げて政府が配るという「まともでない」方法だ。具体的にいえば、消費税増税を負担する一般庶民が泣いて、減税や公共支出で潤う既得権者が得をするという、アンフェアなものだ。こうしたことをやると、結局、経済成長はできなくなる。

有識者会議では、増税以外の代替案がほとんど出なかったのは情けない。筆者は、歳入庁創設によって、税・社会保険料の徴収漏れ10兆円の増収、消費税インボイス導入(筆者注:脱税がしにくい仕組み)で3兆円の増収が可能だと、これまで再三述べてきた(2012年6月14日付け本コラム参照)。このコラムはアベノミクスの登場以前に書かれたが、ほとんどの部分は今でも妥当する。

こうした措置は、世界標準の社会保障政策や税制変更するための社会インフラというべきものだ。世界ではどのような立場に立っても合理的なので、ほとんど先進国で導入されている。これらを導入すれば、消費税増税が不要になるばかりか、社会的な不公平をなくすこともできる。

今回の有識者会議では、1%ずつ消費税税率を上げて景気に配慮するという案もあった。1%の引き上げというのは、欧州で行われているが、それが可能なのは、欧州ではインボイスが導入されていて、税転嫁が容易だからだ。だから、1%ずつの引き上げの前に、インボイスの導入をいわなければいけなかった。なお、世界の消費税でインボイスが導入されていないのは日本だけである。

このような有識者会議の結論なら、安倍首相が蹴散らしてもいいだろう。そのほうが、官僚主導で騙されたフリをして、最後でどんでん返しをするので、安倍首相らしい政治主導を演出できるというものだ。

この記事の詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】確かにこれだけ増税賛成派ばかりだと作為的である。最終的には安倍総理はこれを吹き飛ばし、官僚を震撼させ覚醒のための大ショックを与え政治主導を勝ち取る腹か?

上の高橋洋一氏の記事、全くまともであり、非の付け所がありません。いつもながらの、まともな論考です。

そうして、一番気になったところは、最後の結論です。
このような有識者会議の結論なら、安倍首相が蹴散らしてもいいだろう。そのほうが、官僚主導で騙されたフリをして、最後でどんでん返しをするので、安倍首相らしい政治主導を演出できるというものだ。
私も、この結論は多いにありそうだと思っています。まずは、有識者会議のヒアリングやマスコミの論調に関しては、このブログでもいくつか紹介したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
日経世論調査 消費増税「7割容認」本当なの? 複数の質問で独特の計算法 ―【私の論評】とにかく酷い増税推進派のズタボロ論拠!ポエムは、無視すべし!これでガス抜き完了後は安倍総理は増税延期まっしぐら(゚д゚)!
この記事では、日経新聞の消費税容認派が7割という、とんでもな世論誘導に関して掲載しました。良く見ると、日経新聞の調査では、増税容認派は少数派です。何をもって、増税容認派を定義するかで、随分印象が変わります。私は、デフレの時期に増税するのは、絶対に反対ですが、デフレから脱却して、インフレが亢進したときには、逆に増税すべきと思っています。

ただし、来年の4月時点ではどう考えてみても、デフレから回復していないだろうし、ましてやインフレが亢進しているということも考えにくいので、絶対反対という立場です。しかし、この記事で掲載した日経新聞のアンケートの取り方だと、へたをすると私ですら増税容認派になってしまいます。とんでもないです。

それから、経済評論家の上念司氏のツイートを掲載して、実は有識者の増税に関する、ヒアリングの資料に関して、ほとんどエビデンスとかまともな論考に欠けているので、ほとんどポエムだと揶揄しました。

それから、他の記事では、最近のテレヒなども、理詰めではなく、情感に打ったえるポエムのようになってきていることを掲載しました。その記事のURLを以下に掲載します。
消費税増税反対の浜田参与 財務省の説得工作の前に完オチか―【私の論評】増税派の焦りがでてきた!まともな論理なし、論理を展開すれば負けることが明らかに!残された手段はポエムと色仕掛けしかない(゚д゚)!
この記事では、増税推進派は、旗色が悪いとみえて、ごく最近では、ジャーナリストの須田慎一郎氏まで動員していますが、須田氏の論考は、伝聞と憶測のみであり、これもポエムの領域を超えていないことを掲載し、とにかく増税推進派は、まともな論考では、木っ端微塵に粉砕されしまうので、情感に訴える戦略に出ていることを掲載しました。

最近のテレビではほとんどが、まるで増税推進派が優勢であるかのような扱いですが、テレビタックルでは、見ている限りでは、推進派と反対派が拮抗しているようにみえました。テレビではこんなものですが、ネットの世界では、圧倒的に増税反対派が優勢です。

増税推進派が何かコメントするにしても、理詰めでたとえば、ついこの間まで増税しないと「ハイパーインフレ」になるという論は、さすがに影を潜めましたが、増税は国際公約とか、増税しない国債が暴落するなどの論も、これをコメとしたりツイートしても、増税反対派から理詰めでコテンパンにやつけられるという状況になっています。

だからこそ、最近の増税推進派は、論理ではなく、ポエムで情感に訴えるようになってきています。

このような状況、Facebookや、Twitterを活用している安倍総理大臣が知らないはずはありません。しかし、有識者会議の内容などに対して、何のコメントもなく、ひたすら、10月の最新指標を見てから決めるということを繰り返しています。

もう、安倍総理としては、財務省や、裏切り者の内閣府のいうことなど聴いてまともに論議しても仕方ないということで、言いたいことを言わせて、その直後にこれらをすべて吹き飛ばし、官僚どもの震撼させて、増税推進派どもに、覚醒の大ショックを与え、大混乱させ、これから先はまともな政治主導で政治が進むことを強烈に知らしめることを目論でいると結論づけても良いのではないかと思います。

増税推進派の官僚どもは、今までも官僚主導でやってきたので、これからもそうできるものとをたかをくくっていナます。こういう連中と、コミュニケーションを交わすには、ありきたりの方法では無理です。相当なことをしないと無理です。

ノミニケーションだけがコミュニケーションではない
これは、ドラッカーのコミュニケーションに関する、有名な論考を考えても良く理解できることです。
「上司の言動、些細な言葉じり、癖や習慣までが、計算され意図されたものと受け取られる」(『エッセンシャル・マネジメント』)  
階層ごとに、ものの見方があって当然である。さもなければ仕事は行なわれない。だが、階層ごとにものの見方があまりに違うため、同じことを話していても気づかないことや、逆に反対のことを話していながら、同じことを話していると錯覚することがあまりに多い。  
コミュニケーションを成立させるのは受け手である。コミュニケーションの内容を発する者ではない。彼は発するだけである。聞く者がいなければコミュニケーションは成立しない。  
ドラッカーは「大工と話すときは、大工の言葉を使え」とのソクラテスの言葉を引用する。コミュニケーションは受け手の言葉を使わなければ成立しない。受け手の経験に基づいた言葉を使わなければならない。  
コミュニケーションを成立させるには受け手が何を見ているかを知らなければならない。その原因を知らなければならない。  
人の心は期待していないものを知覚することに抵抗し、期待しているものを知覚できないことに抵抗する。コミュニケーションの発する側が、何かを話したとしても、受け取る側は、自ら既知の枠組みの中に、あてはめて受取り、既知のものとして受け取ってしまう。  
 「受け手が期待しているものを知ることなく、コミュニケーションを行うことはできない。期待を知って初めてその期待を利用できる。あるいはまた、受け手の期待を破壊し、予期せぬことが起こりつつあることを認めさせるための覚醒のための大ショックの必要を知る」(『エッセンシャル・マネジメント』)
安倍総理の言動・行動は、官僚にとっては、些細な言葉じり、癖や習慣までが、計算され意図されたものと受け取られるわけです。安倍総理と、官僚とでは、同じことを話していても気づかないことや、逆に反対のことを話していながら、同じことを話していると錯覚するのです。だから、安倍総理は、官僚の期待を知るために、有識者会議を開催し、増税に関する役人の期待を隅々まで知ろうとしたのです。これによって、安倍総理は役人が期待していることを知り、その期待を利用しようとしているのだと思います。そうして、最終的には、官僚の期待を破壊は、予期せぬこが起こりつつあることを認めさせるだめの覚醒の大ショック必要をみとめ、それを実行しようとしているだと思いす。

本当の意味でのコミュニケーショは本当難しい
安倍総理、とにかく官僚は一筋縄ではいかないので、そうした配慮をし、いずれ増税延期で、官僚に覚醒のための大ショックを与え、以後の政治主導をやりやすいように、準備しているのだと思いす。

そうして、ドラッカーはコミニケーションの大原則に関して、最後に以下のようなことを語っています。

コミュニケーションとは、私たちの中の一人から、私たちのもう一方に伝わるものであって、私から、あなたへ、あなたから私へと一方的に伝わるものではありません。このためには、コミュニケーションを交わさなければならない人々と、普段から「私たち」という関係を構築しておかなければならないということです。覚醒のためのショックを与えたとしても、それだけでは、コミュニケーションはなりたちまぜん。普段から「私たち」という関係を築いておかなければならないのです。

安倍総理は、第一次安倍内閣の失敗を踏まえ、コミュニケーションの徹底を図っています。それは、たとえば、日銀人事や、内閣法制局の人事などで実証できていると思います。

お母様の誕生日を祝う安倍総理 コミュニケーションは重要だ(゚д゚)!
そうして、「私たち」という関係を構築するには、「経験の共有」が不可欠であり、そのためには、企業内では、「目標管理」が重要であるとドラッカーは説いています。経験の共有は、その他いろいろあります。長時間による話し合いとか、場合によっては、一緒に食事をするとか、いろいろです。政府の組織も同じことであり、目標管理および、ふだんから様々な安倍総理と、官僚の経験の共有が必要不可欠なのです。

コミュニケーションを成立させるためには、普段から経験の共有が重要
対立軸だけを鮮明にするだけでは、何もできません。官僚を納得させ、安倍総理と一つの目的に向かて、進むには、嫌でもコミニュケーションを蜜にしなければならないのです。それが、今後の戦後体制から脱却にも欠かせないのです。日本の政治には官僚の力は必要不可欠です。民主党のように、いたずらに政治主導と称して、役人の力を活用しないで実施することは困難です。

いずれにせよ、今までの政治主導はことごとく失敗しています。これを勝ち取るためには、安倍総理と官僚とのコミュニケーションは、必要不可欠です。嫌な相手ほど、コミュニケーションを蜜にしないと何事もうまくはいきません。官僚の期待を打ち砕く覚醒のためのショックを与えて、官僚の本来の存在価値、理由を自覚させ、「経験の共有」も含めて、安倍総理は、現在増税をめぐって、政治主導を確立すべく、様々な対応策を練っているのだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【私の論評】

日経世論調査 消費増税「7割容認」本当なの? 複数の質問で独特の計算法 ―【私の論評】とにかく酷い増税推進派のズタボロ論拠!ポエムは、無視すべし!これでガス抜き完了後は安倍総理は増税延期まっしぐら(゚д゚)!

消費税増税反対の浜田参与 財務省の説得工作の前に完オチか―【私の論評】増税派の焦りがでてきた!まともな論理なし、論理を展開すれば負けることが明らかに!残された手段はポエムと色仕掛けしかない(゚д゚)!

日本で生まれ、東南アジアに広がる「マック難民」―中国メディア―【私の論評】マック難民の原因はデフレ!増税すれば、またぞろマック難民を増やすだけ、皆さんマック難民になりたいですか?身の回りの人をそうさせたいですか?

話題沸騰! あの『デフレの正体』の著者・藻谷浩介「里山資本主義」で日本は復活する―【私の論評】藻谷ファンタジー炸裂!増税推進派を含むアベノミクス反対派の思想的背景は結局空想的社会主義によるファンタジーか?そんなことでは、何も解決できない(゚д゚)!

話題を呼ぶ「ナベツネ書簡」消費税増税は政局化する―【私の論評】国売より、増税阻止のほうが自らの保身につながる!なら、特別な事情がない限り中国を裏切るべき!まともになるべき(゚д゚)!

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2012年4月17日火曜日

【投票】石原都知事が表明した尖閣諸島の買い取り、賛成?反対?(The Wall Street Journal-Japan Real Time)―【私の論評】 石原氏の今回の行動は、受け手の期待を破壊し覚醒の大ショックを与えるためのコミュニケーションである!!

【投票】石原都知事が表明した尖閣諸島の買い取り、賛成?反対?(The Wall Street Journal-Japan Real Time)


本日の最大の話題は、石原知事が、尖閣諸島の買取を表明したことだと思います。そのため、本日は、私のブログでもその話題をとりあげることとしました。WSJもこの内容を扱っており、さらに、賛成・反対のアンケートもできるようになっています。詳細と、アンケートは、WSJのほうをごご覧いただくものとして下に要旨だけ掲載しておきます。


石原慎太郎東京都知事が16日、訪米中の講演で突然、尖閣諸島の買い取りを表明した。

この島々について、日本政府は実効支配をしていると主張しているのに対し中国や台湾は領有権を主張している。2010年にこの付近で操業中の中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件以降、国民的な注目を浴びているこの島々を都のカネ(つまり都民の税金)で買おうというのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

読売新聞によると、石原氏は、訪米前に「物議を醸してくる」と公言していたそうだが、この発言が、地震や原発や放射能問題で頭がいっぱいで、しばらくこの問題を忘れていた日本国民に大きな波紋を呼んだことは確かだ。その間も中国がこの海域で存在感を強めようとしていたことを考えると、それだけでも石原氏としては目的を達成したかもしれない。

【私の論評】 石原氏の今回の行動は、受け手の期待を破壊し覚醒の大ショックを与えるためのコミュニケーションである!!

尖閣列島


これは、石原知事が、最近では、マスコミもほとんど報道しなくなり、政府もなんら対応をしないためと、さらには、国際的にも日本の立場をはっきりさせるために、意図して意識して行ったデモンストレーションということだと思います。本来、政府がやるべきことをいくら待ってもしないので、痺れを切らしてやったということだと思います。

何はともあれ、国際舞台での発言だったのが、良かったと思います。日本国内での発言であればね海外にはほとんど報道されないですから、前々から機会を狙い、準備して、行ったものだと思います。

だから、石原知事にとっては、実際に土地を購入できるとか、できないとかなどの問題は、さして重要なことではなく、国際舞台で、物議を醸すことができたことで大成功なのだと思います。ただし、効果的なコミュニケーションをするためには、実際に交渉をすすめていること自体が必要だったのだと思います。単に、そうするつもりだというより、すでにそのような行動をしているというほうが、かなりインパクトがあります。

そうしてこれは、かなり効果的なコミュニケーションです。このやり方で、石原知事は、日本国内はもとより、中国に対しても、並々ならぬ日本の意思を表明することができました。コミュニケーションとしては、大成功だったと思います。先日のあの、鳩山さんのイラン訪問とは、対照的な効果的なものであったと思います。

昨年の10月時点で、中国からのパンダ貸与に関してくだらない与太話をしていた、藤村官房長官をして、尖閣列島を国が購入することもありえるとの発言をさせたということは、予想外の大成果だったと思います。



それにしても、上の動画の各政治家の声、だれも、石原都知事の真意を読み解いていないと思います。だからこそ、石原知事のような行動をこれかも取れないことでしょう。まあ、民主党のガキ大臣には、一生かかってもできない芸当かもしれません。

われわれも、このコミュニケーション方式を真摯に学ぶべきです。特に、最近のどうしようもない政治家など、爪の垢でも煎じて飲むべきです。

ドラッカーは、コミュニケーションについて、以下のように語っています。
「上司の言動、些細な言葉じり、癖や習慣までが、計算され意図されたものと受け取られる」(『エッセンシャル・マネジメント』) 
階層ごとに、ものの見方があって当然である。さもなければ仕事は行なわれない。だが、階層ごとにものの見方があまりに違うため、同じことを話していても気づかないことや、逆に反対のことを話していながら、同じことを話していると錯覚することがあまりに多い。 
コミュニケーションを成立させるのは受け手である。コミュニケーションの内容を発する者ではない。彼は発するだけである。聞く者がいなければコミュニケーションは成立しない。 
ドラッカーは「大工と話すときは、大工の言葉を使え」とのソクラテスの言葉を引用する。コミュニケーションは受け手の言葉を使わなければ成立しない。受け手の経験に基づいた言葉を使わなければならない。 
コミュニケーションを成立させるには受け手が何を見ているかを知らなければならない。その原因を知らなければならない。 
人の心は期待していないものを知覚することに抵抗し、期待しているものを知覚できないことに抵抗する。 
 「受け手が期待しているものを知ることなく、コミュニケーションを行うことはできない。期待を知って初めてその期待を利用できる。あるいはまた、受け手の期待を破壊し、予期せぬことが起こりつつあることを認めさせるためのショックの必要を知る」(『エッセンシャル・マネジメント』)
石原さんは、まさしく、上でいうところの、「人の心は期待していないものを知覚することに抵抗し、期待しているものを知覚できないことに抵抗する」をよくわかっていたのだと思います。それに、ドラッカーは、これに加えて、「人の心は、期待していることにばかり向かい、言っても、間違ってうけとられる」ということも良くわかっているのだと思います。

だからこそ、この受け手(現政権ならびに中国)の期待を破壊し、予期せぬことが起こりつつあることを認めさせるための覚醒の大ショックの必要を知り、このような行動をとったのです。


石原氏は、中国と日本政府の脳に覚醒のためのショックを与えた?!

人とコミュニケーションをはかるとき、特に相手の期待を破壊するには、手っ取り早いのは、叱ることです。しかし、何度叱っても、効果がないときには、他の方法を講じなければなりません。石原さんも、尖閣列島に関して、何度も苦言を呈してきました。しかし、それによって、中国も、それに、本来この問題に対してもっとも関心があるべき政府にもなんらの変化も反応もえられませんでした。だからこそ、このような行動をにでたのです。同じことばかり繰り返しても効果がなければ、やり方を返ることの格好のケーススタディーになったものと思います。

それから、時期的にも、今は中国は、薄熙来・元重慶市党書記の「政治的死」でも理解できるように、権力闘争の真っ只中ですから、これも長い間機会をうかがって、意図して意識して選んだものと思います。この時期にこのような行動をとれば、さらに存在感を増すことができるという計算づくの行動だと思います。それから、これは、あまりにも当然のことですが、石原新党がうまくいかないいま、存在感を増すためにも、必要な行動だったのだと思います。まさに、中国を覚醒させ、だらしのない今の民主党政権を覚醒させ、さらに、竹島問題のある韓国にも波及効果を及ぼし、さらに北方領土問題のあるロシアに波及効果をおよぼし、それだけではなく、国内外での存在感を増すという一石五鳥を狙って成功した、素晴らしいコミュニケーションだったと思います。

アメリカでは、ドラッカーのマネジメントは、いわゆるリバイズド・エディションというのがあり、ドラッカーの『マネジメント』にもそれがあります。これは、ドラッカーの著書のなかで、事例など、古すぎて現状にそぐわなかったものを現在のものに置き換え、ドラッカーの考えはそのままという版があり、私もキンドル本で持っているいるものです。今後改定されたときに、この事例は、是非掲載していただきたいと思えるほど、良い事例だと思います。





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