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2020年4月25日土曜日

WHO・テドロス事務局長に辞任要求署名「100万人」 米の拠出金停止で日本に泣きつき… 識者「日本も資金を停止すべき」―【私の論評】中国ウイルスの終息後の新世界秩序樹立により、日本は戦後レジームから脱却する(゚д゚)!

WHO・テドロス事務局長に辞任要求署名「100万人」 米の拠出金停止で日本に泣きつき… 識者「日本も資金を停止すべき」

テドロス氏の辞任を求める声は世界中から集まっている

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)をめぐり、責任を免れないのが世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長だ。中国寄りの姿勢や記者会見での暴言、妄言が物議を醸し、辞任要求署名は約100万人に達した。米国も拠出金停止を打ち出すが、テドロス氏は居座りを決め込み、あろうことか日本に泣きつこうとしている。識者からは日本も米国と歩調を合わせて資金を停止すべきだとの強硬論も出ている。


 マイク・ポンペオ米国務長官は22日夜のFOXニュースで、新型コロナウイルスへの対応を巡り「中国には必要な透明性がない。それを実現するのはWHOの責任だ」と指摘。ドナルド・トランプ大統領の拠出停止の決定について「完全に適切だ。WHOの構造的な改善が必要だ」と訴えた。

 さらに「米国は(資金を拠出する立場に)戻らない場合があるかもしれない」と強調。「それ以上に大胆な変化が必要かもしれない」と述べた。

 不満を持つのは政治家だけではない。署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で1月末に始まった辞任要求の署名数は、テドロス氏が記者会見で妄言を吐くたびに増えていった。


 新型コロナウイルスについては1月下旬の時点で中国による隠蔽(いんぺい)疑惑が取り沙汰されるなか、テドロス氏は、中国の迅速な対応ぶりを強調、「内外に完全な透明性を約束した」と称賛した。

中国のほか、韓国やイラン、医療崩壊に至ったイタリアにも感染が拡大した2月下旬にも、「パンデミックという言葉は事実に即さない」と述べていたが、3月上旬に一転、「パンデミックと表現できるとの判断に至った」と声明を出した。すでに100の国・地域に感染が拡大するなか、25日には「われわれは最初の機会を無駄にした」と、当事者とは思えない発言で世界をあきれさせた。

 テドロス氏をトップにいただくWHOの国際機関としての役割に疑問を持つ声も挙がっている。

 米国政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は、「WHOを情報の集約機関として重要視する向きもあるが、感染者数で速やかに正確な情報を出し、メディアも引用しているのは米ジョンズ・ホプキンス大のデータだ」と指摘する。

 世界最大の感染国となった米国は、トランプ大統領が拠出金の停止をぶち上げたのに続き、米下院外交委員会の共和党議員17人は今月16日、拠出再開の条件としてテドロス氏の辞任を求めた。

 島田氏は「予算の承認権を持つ米議会で動きがあるのは大きい」としたうえで、「WHOへの拠出金の大半は運営資金に消えており、実際の医療援助にあたるNGO(非政府組織)からも『援助貴族』との評価もある。米国でも直接、NGOに資金を渡す方が効率的との見方が強まっている」と語る。

 WHOが頼みとしているのが日本だ。テドロス氏は先月13日の会見で、日本による155億円を拠出に感謝を述べ、同30日には、安倍晋三首相と約45分間にわたり電話会談。直後にツイッターを更新し、「非常に生産的な電話」「彼に感謝しました」とする賛辞を投稿した。

さらに米国が「反WHO」の姿勢を明確にしたことで、日本頼みの姿勢が強まっているようだ。安倍首相はトランプ氏と関係が近いことも無関係ではない。

 島田氏は「WHO幹部らが日本に米国の穴埋めを求めているようだが、資金を止めることが最も効果があるので、日本の議員も米国のように声を上げるべきだ」と語る。

 安倍首相は今月17日の会見で、WHOの対応について「問題点や課題もある」との指摘、事態収束後に機能を検証すべきだとの認識を示した一方、「日本が分担金を削ることは全く考えていない」と述べた。「現場で支援を実施する知見を有するWHOの協力は、コロナとの闘いで不可欠だ」と訴えている。

 米国が拠出金を打ち切った場合、中国が発言権をますます強めるだけだという反対論も根強い。

 前出の島田氏は「官僚が事実上の天下りで国際機関に入るケースもあり、『資金を提供することで発言権を確保できる』などと説得するのだが、現に発言権は高まっていない。政治のリーダーシップで官僚の現状維持派をいかに押さえ込めるかが大事だ」と力説した。

【私の論評】中国ウイルスの終息後の新世界秩序樹立により、日本は戦後レジームから脱却する(゚д゚)!

戦後、「国際の平和と安全を維持すること」を目的として創られた国際連合。日本国内では、「愛」や「正義」を体現しているかのように思われてきた国際組織ですが、新型コロナウィルスの感染拡大を通して、その姿勢への不信感が強まっています。

かつて米国は、国連内で大きな力を持っていました。しかし、トランプ米大統領が国連から一定の距離を置く今、影響力を強めているのが中国です。

現在、15ある国連の専門機関のうち、国連食糧農業機関(FAO)、国連工業開発機関(UNIDO)、国際民間航空機関(ICAO)、国際電気通信連合(ITU)の4つの機関で、中国出身者がトップを務めています。

案の定と言うべきか、それらの機関からは、中国の利益を考えているような動きが垣間見える。

例えば、ICAOの柳芳(リウ・ファン)氏がトップになると、中国と反目する台湾の総会参加を認めなくなりました。さらにICAOは、台湾の参加を認めるよう声を上げた有識者らのツイッターをブロックしました。

WHOだけではない、中共に浸透された国際専門機関

また、ITUの趙厚麟(ジャオ・ホウリン)事務局長も、中国の経済圏構想「一帯一路」との連携を主張するほか、中国の通信大手・華為技術(ファーウェイ)を援護する発言を繰り返しています。

中国は国際機関への影響力を強めることで世界からの批判をかわし、より"スムーズ"に覇権を広げようしています。

中国が影響力を強める国際機関に期待するのは難しいでしょう。日本は、国際機関の公平さを"絶対視"する考えから抜け出さなくてはならないです。

国連は中国の軍事拡張を放置し、世界に正義を発信できていない上に、「米国や中国といった利害が対立しがちな国が常任理事国に入っているため、そもそも機能していない」という構造的な問題もあります。

世界にはさまざまな文化や価値観、宗教観を持った国が存在します。善悪がない交ぜになり、価値観が多様化する中、今の国連は"本当の正義"を地に降ろすことができていません。

中国に対して強硬姿勢をとる米国と歩調を合わせ、日本は、世界正義を発信できる新しい国連の再構築に貢献していく使命があります。

それは同時に、新たな世界の秩序を形成する道筋でもあります。中国ウイルス感染直前の世界は、トランプ米大統領の怒り、プーチン・ロシア大統領の歴史修正主義、習近平・中国国家主席の野望……これらによって時代が形成される中、戦後世界を支えてきた国際秩序は混乱し、危険とさえいえる状況になってきていました。なぜ、こんなことになったのでしょうか。

第2次世界大戦後の世界は、最近まで寛容かつ自由な国際協調(ただし連合国強調)の時代でした。その基礎が築かれたのは1941年、フランクリン・ルーズベルト米大統領とチャーチル英首相が、大西洋憲章を起草したときでした。二人はナチス・ドイツの打倒にとどまらず、連合国の平和と民主主義の未来に向けた土台を本気で作ろうとしていました。

その成果は、両人の想像を超えるものだったに違いないです。大西洋憲章に続いて、国際連合やブレトンウッズ体制、国際貿易システム、世界人権宣言が生まれたからです。その一方、国連憲章の旧敵国条項(第五十三条、第百七条)は正式には国連憲章からは削除されておらず、日本とドイツは敵国のままです。

1990年代初頭、中国が改革・開放を加速し、ソビエト連邦が崩壊しました。それからの四半世紀は、世界が真の意味で進歩したすばらしい時代でした。大国間で大きな戦争はなく、貿易の拡大によって経済成長は加速。世界の貧困は半減しました。科学技術における進歩の恩恵は世界の隅々に及んだのです。

ところが、この数年で世界は新たな時代に突入しました。中国が戦後の世界秩序に変わり、新たな秩序を作り出すことに挑戦しはじめたからです。

2015年3月8日の中国の王毅外相の8日の記者会見で目立ったのは、戦後70年という節目の今年になって強調し始めた「新型国際関係」という新たなキーワードです。中国が大国としての責任を果たし、米国一極支配を念頭に「これまでの国際秩序を改善」し、「協力と互恵に基づく新たな関係」を目指すとしました。

「戦後70年で国際的な枠組みも大きな変化が生じている」。王外相は米国を念頭に「1騎で戦う古いやり方、勝者総取りの古い考え方は捨て去るべきだ」と指摘し、「これまでの秩序を刷新・改善するための改革」が必要だと訴えました。

そうして、中国は世界の新たな秩序形成への意欲を新たにしました。中国の習近平国家主席が、グローバルな統治体制を主導して、中国中心の新たな国際秩序を構築していくことを宣言したのです。この宣言は、米国のトランプ政権の「中国の野望阻止」の政策と正面衝突することになる。米中両国の理念の対立がついにグローバルな規模にまで高まり、明確な衝突の形をとってきたといえます。

習近平氏のこの宣言は、中国共産党機関紙の人民日報(6月24日付)で報道されました。同報道によると、習近平氏は2018年6月22日、23日の両日、北京で開かれた外交政策に関する重要会議「中央外事工作会議」で演説して、この構想を発表したされています。

この会議の目的は、中国の新たな対外戦略や外交政策の目標を打ち出すことにあり、これまで2006年と2014年の2回しか開かれていません。

この会議には、中国共産党政治局常務委員7人の全員のほか、王岐山国家副主席や人民解放軍、党中央宣伝部、商務省の最高幹部らも出席しました。出席者には中国の米国駐在大使も含まれており、超大国の米国を強く意識した会議であることをうかがわせます。

これに関しては、このブログでも以前解説したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国がこれまでの国際秩序を塗り替えると表明―【私の論評】中華思想に突き動かされる中国に先進国は振り回されるべきではない(゚д゚)!
ドナルド・トランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、米国政府は中国に対してそれまで、警戒や懸念を表明してきいました。ところが、習近平政権はその米国の懸念に対して、正面から答えることがなかったのですが、今回の対外戦略の総括は、その初めての回答とも呼べそうです。

つまり、米国による「中国は年来の国際秩序に挑戦し、米国側とは異なる価値観に基づく、新たな国際秩序を築こうとしている」という指摘に対し、まさにその通りだと応じたのである。その後米国と中国はますます対立を険しくして今日に至っています。

そうして、現在中国ウイルスが世界に蔓延したのです。健在の世界は、中国ウイルスへの対処で精一杯であり、新秩序の形成にまでは考えが及ばないようです。

しかし、過去の歴史をみても、パンデミック後には世界秩序が変わっています。今回も、元々世界秩序の変化があったところに加えて、パンデミックがあったわけですから、世界秩序の変革は相当はやまることになりそうです。

パンデミックがない場合には、世界秩序の変化は緩慢に進み、10年〜20年、もしくは50年もかかって変わったかもしれません。

しかし、パンデミックという不測の事態が加わり、10年以内もしくは数年で変化が起こる可能性が強まりました。

今後、米国はWHOへの拠出金停止を皮切りに、中国の浸透がすすむ、国際連合(United Nation=連合国)に見切りをつけるかもしれません。

米国が本気で世界の新しい秩序を樹立する場合には、中国に対して体制変換を迫り、中国がそれを実行しない場合は、中国の米国およびその関連金融機関において、中国の資産凍結を実施するでしょう。さらには、米ドルと元との交換停止などの過激な手段に打ってでることも十分考えられます。

その上で、新たに国際連合のような新しい組織をつくることになるでしょう。その際には、米国が中心となりその設置を強力に推し進めると、米国に反感を感じる勢力も世界には多いですから、おそらく暗礁に乗り上げることになるでしょう。

その時こそが、日本の出番です。米国と各国との橋渡し役を実行するのです。これまで、国際紛争に直接関わってこなかった日本の役割です。そうして、新たな世界秩序ができあがるときに、安倍総理もかつて主張した戦後レジームからの脱却がはじめ成就するのです。

その意味では、まさに中国ウイルスのパンデミックはまさに旧世界における第三次世界大戦のような役割を果たすことになるかもしれません。

その機会を失わないためにも、日米ともに、まずは中国ウイルスの封じ込めと、経済の早期回復を実現しなければなないのです。

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