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2020年4月25日土曜日

WHO・テドロス事務局長に辞任要求署名「100万人」 米の拠出金停止で日本に泣きつき… 識者「日本も資金を停止すべき」―【私の論評】中国ウイルスの終息後の新世界秩序樹立により、日本は戦後レジームから脱却する(゚д゚)!

WHO・テドロス事務局長に辞任要求署名「100万人」 米の拠出金停止で日本に泣きつき… 識者「日本も資金を停止すべき」

テドロス氏の辞任を求める声は世界中から集まっている

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)をめぐり、責任を免れないのが世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長だ。中国寄りの姿勢や記者会見での暴言、妄言が物議を醸し、辞任要求署名は約100万人に達した。米国も拠出金停止を打ち出すが、テドロス氏は居座りを決め込み、あろうことか日本に泣きつこうとしている。識者からは日本も米国と歩調を合わせて資金を停止すべきだとの強硬論も出ている。


 マイク・ポンペオ米国務長官は22日夜のFOXニュースで、新型コロナウイルスへの対応を巡り「中国には必要な透明性がない。それを実現するのはWHOの責任だ」と指摘。ドナルド・トランプ大統領の拠出停止の決定について「完全に適切だ。WHOの構造的な改善が必要だ」と訴えた。

 さらに「米国は(資金を拠出する立場に)戻らない場合があるかもしれない」と強調。「それ以上に大胆な変化が必要かもしれない」と述べた。

 不満を持つのは政治家だけではない。署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で1月末に始まった辞任要求の署名数は、テドロス氏が記者会見で妄言を吐くたびに増えていった。


 新型コロナウイルスについては1月下旬の時点で中国による隠蔽(いんぺい)疑惑が取り沙汰されるなか、テドロス氏は、中国の迅速な対応ぶりを強調、「内外に完全な透明性を約束した」と称賛した。

中国のほか、韓国やイラン、医療崩壊に至ったイタリアにも感染が拡大した2月下旬にも、「パンデミックという言葉は事実に即さない」と述べていたが、3月上旬に一転、「パンデミックと表現できるとの判断に至った」と声明を出した。すでに100の国・地域に感染が拡大するなか、25日には「われわれは最初の機会を無駄にした」と、当事者とは思えない発言で世界をあきれさせた。

 テドロス氏をトップにいただくWHOの国際機関としての役割に疑問を持つ声も挙がっている。

 米国政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は、「WHOを情報の集約機関として重要視する向きもあるが、感染者数で速やかに正確な情報を出し、メディアも引用しているのは米ジョンズ・ホプキンス大のデータだ」と指摘する。

 世界最大の感染国となった米国は、トランプ大統領が拠出金の停止をぶち上げたのに続き、米下院外交委員会の共和党議員17人は今月16日、拠出再開の条件としてテドロス氏の辞任を求めた。

 島田氏は「予算の承認権を持つ米議会で動きがあるのは大きい」としたうえで、「WHOへの拠出金の大半は運営資金に消えており、実際の医療援助にあたるNGO(非政府組織)からも『援助貴族』との評価もある。米国でも直接、NGOに資金を渡す方が効率的との見方が強まっている」と語る。

 WHOが頼みとしているのが日本だ。テドロス氏は先月13日の会見で、日本による155億円を拠出に感謝を述べ、同30日には、安倍晋三首相と約45分間にわたり電話会談。直後にツイッターを更新し、「非常に生産的な電話」「彼に感謝しました」とする賛辞を投稿した。

さらに米国が「反WHO」の姿勢を明確にしたことで、日本頼みの姿勢が強まっているようだ。安倍首相はトランプ氏と関係が近いことも無関係ではない。

 島田氏は「WHO幹部らが日本に米国の穴埋めを求めているようだが、資金を止めることが最も効果があるので、日本の議員も米国のように声を上げるべきだ」と語る。

 安倍首相は今月17日の会見で、WHOの対応について「問題点や課題もある」との指摘、事態収束後に機能を検証すべきだとの認識を示した一方、「日本が分担金を削ることは全く考えていない」と述べた。「現場で支援を実施する知見を有するWHOの協力は、コロナとの闘いで不可欠だ」と訴えている。

 米国が拠出金を打ち切った場合、中国が発言権をますます強めるだけだという反対論も根強い。

 前出の島田氏は「官僚が事実上の天下りで国際機関に入るケースもあり、『資金を提供することで発言権を確保できる』などと説得するのだが、現に発言権は高まっていない。政治のリーダーシップで官僚の現状維持派をいかに押さえ込めるかが大事だ」と力説した。

【私の論評】中国ウイルスの終息後の新世界秩序樹立により、日本は戦後レジームから脱却する(゚д゚)!

戦後、「国際の平和と安全を維持すること」を目的として創られた国際連合。日本国内では、「愛」や「正義」を体現しているかのように思われてきた国際組織ですが、新型コロナウィルスの感染拡大を通して、その姿勢への不信感が強まっています。

かつて米国は、国連内で大きな力を持っていました。しかし、トランプ米大統領が国連から一定の距離を置く今、影響力を強めているのが中国です。

現在、15ある国連の専門機関のうち、国連食糧農業機関(FAO)、国連工業開発機関(UNIDO)、国際民間航空機関(ICAO)、国際電気通信連合(ITU)の4つの機関で、中国出身者がトップを務めています。

案の定と言うべきか、それらの機関からは、中国の利益を考えているような動きが垣間見える。

例えば、ICAOの柳芳(リウ・ファン)氏がトップになると、中国と反目する台湾の総会参加を認めなくなりました。さらにICAOは、台湾の参加を認めるよう声を上げた有識者らのツイッターをブロックしました。

WHOだけではない、中共に浸透された国際専門機関

また、ITUの趙厚麟(ジャオ・ホウリン)事務局長も、中国の経済圏構想「一帯一路」との連携を主張するほか、中国の通信大手・華為技術(ファーウェイ)を援護する発言を繰り返しています。

中国は国際機関への影響力を強めることで世界からの批判をかわし、より"スムーズ"に覇権を広げようしています。

中国が影響力を強める国際機関に期待するのは難しいでしょう。日本は、国際機関の公平さを"絶対視"する考えから抜け出さなくてはならないです。

国連は中国の軍事拡張を放置し、世界に正義を発信できていない上に、「米国や中国といった利害が対立しがちな国が常任理事国に入っているため、そもそも機能していない」という構造的な問題もあります。

世界にはさまざまな文化や価値観、宗教観を持った国が存在します。善悪がない交ぜになり、価値観が多様化する中、今の国連は"本当の正義"を地に降ろすことができていません。

中国に対して強硬姿勢をとる米国と歩調を合わせ、日本は、世界正義を発信できる新しい国連の再構築に貢献していく使命があります。

それは同時に、新たな世界の秩序を形成する道筋でもあります。中国ウイルス感染直前の世界は、トランプ米大統領の怒り、プーチン・ロシア大統領の歴史修正主義、習近平・中国国家主席の野望……これらによって時代が形成される中、戦後世界を支えてきた国際秩序は混乱し、危険とさえいえる状況になってきていました。なぜ、こんなことになったのでしょうか。

第2次世界大戦後の世界は、最近まで寛容かつ自由な国際協調(ただし連合国強調)の時代でした。その基礎が築かれたのは1941年、フランクリン・ルーズベルト米大統領とチャーチル英首相が、大西洋憲章を起草したときでした。二人はナチス・ドイツの打倒にとどまらず、連合国の平和と民主主義の未来に向けた土台を本気で作ろうとしていました。

その成果は、両人の想像を超えるものだったに違いないです。大西洋憲章に続いて、国際連合やブレトンウッズ体制、国際貿易システム、世界人権宣言が生まれたからです。その一方、国連憲章の旧敵国条項(第五十三条、第百七条)は正式には国連憲章からは削除されておらず、日本とドイツは敵国のままです。

1990年代初頭、中国が改革・開放を加速し、ソビエト連邦が崩壊しました。それからの四半世紀は、世界が真の意味で進歩したすばらしい時代でした。大国間で大きな戦争はなく、貿易の拡大によって経済成長は加速。世界の貧困は半減しました。科学技術における進歩の恩恵は世界の隅々に及んだのです。

ところが、この数年で世界は新たな時代に突入しました。中国が戦後の世界秩序に変わり、新たな秩序を作り出すことに挑戦しはじめたからです。

2015年3月8日の中国の王毅外相の8日の記者会見で目立ったのは、戦後70年という節目の今年になって強調し始めた「新型国際関係」という新たなキーワードです。中国が大国としての責任を果たし、米国一極支配を念頭に「これまでの国際秩序を改善」し、「協力と互恵に基づく新たな関係」を目指すとしました。

「戦後70年で国際的な枠組みも大きな変化が生じている」。王外相は米国を念頭に「1騎で戦う古いやり方、勝者総取りの古い考え方は捨て去るべきだ」と指摘し、「これまでの秩序を刷新・改善するための改革」が必要だと訴えました。

そうして、中国は世界の新たな秩序形成への意欲を新たにしました。中国の習近平国家主席が、グローバルな統治体制を主導して、中国中心の新たな国際秩序を構築していくことを宣言したのです。この宣言は、米国のトランプ政権の「中国の野望阻止」の政策と正面衝突することになる。米中両国の理念の対立がついにグローバルな規模にまで高まり、明確な衝突の形をとってきたといえます。

習近平氏のこの宣言は、中国共産党機関紙の人民日報(6月24日付)で報道されました。同報道によると、習近平氏は2018年6月22日、23日の両日、北京で開かれた外交政策に関する重要会議「中央外事工作会議」で演説して、この構想を発表したされています。

この会議の目的は、中国の新たな対外戦略や外交政策の目標を打ち出すことにあり、これまで2006年と2014年の2回しか開かれていません。

この会議には、中国共産党政治局常務委員7人の全員のほか、王岐山国家副主席や人民解放軍、党中央宣伝部、商務省の最高幹部らも出席しました。出席者には中国の米国駐在大使も含まれており、超大国の米国を強く意識した会議であることをうかがわせます。

これに関しては、このブログでも以前解説したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国がこれまでの国際秩序を塗り替えると表明―【私の論評】中華思想に突き動かされる中国に先進国は振り回されるべきではない(゚д゚)!
ドナルド・トランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、米国政府は中国に対してそれまで、警戒や懸念を表明してきいました。ところが、習近平政権はその米国の懸念に対して、正面から答えることがなかったのですが、今回の対外戦略の総括は、その初めての回答とも呼べそうです。

つまり、米国による「中国は年来の国際秩序に挑戦し、米国側とは異なる価値観に基づく、新たな国際秩序を築こうとしている」という指摘に対し、まさにその通りだと応じたのである。その後米国と中国はますます対立を険しくして今日に至っています。

そうして、現在中国ウイルスが世界に蔓延したのです。健在の世界は、中国ウイルスへの対処で精一杯であり、新秩序の形成にまでは考えが及ばないようです。

しかし、過去の歴史をみても、パンデミック後には世界秩序が変わっています。今回も、元々世界秩序の変化があったところに加えて、パンデミックがあったわけですから、世界秩序の変革は相当はやまることになりそうです。

パンデミックがない場合には、世界秩序の変化は緩慢に進み、10年〜20年、もしくは50年もかかって変わったかもしれません。

しかし、パンデミックという不測の事態が加わり、10年以内もしくは数年で変化が起こる可能性が強まりました。

今後、米国はWHOへの拠出金停止を皮切りに、中国の浸透がすすむ、国際連合(United Nation=連合国)に見切りをつけるかもしれません。

米国が本気で世界の新しい秩序を樹立する場合には、中国に対して体制変換を迫り、中国がそれを実行しない場合は、中国の米国およびその関連金融機関において、中国の資産凍結を実施するでしょう。さらには、米ドルと元との交換停止などの過激な手段に打ってでることも十分考えられます。

その上で、新たに国際連合のような新しい組織をつくることになるでしょう。その際には、米国が中心となりその設置を強力に推し進めると、米国に反感を感じる勢力も世界には多いですから、おそらく暗礁に乗り上げることになるでしょう。

その時こそが、日本の出番です。米国と各国との橋渡し役を実行するのです。これまで、国際紛争に直接関わってこなかった日本の役割です。そうして、新たな世界秩序ができあがるときに、安倍総理もかつて主張した戦後レジームからの脱却がはじめ成就するのです。

その意味では、まさに中国ウイルスのパンデミックはまさに旧世界における第三次世界大戦のような役割を果たすことになるかもしれません。

その機会を失わないためにも、日米ともに、まずは中国ウイルスの封じ込めと、経済の早期回復を実現しなければなないのです。

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中国人が世界知的所有権機関のトップに?―【私の論評】日米とその同盟国は、火事場泥棒に意図的かつ慎重に圧力をかけよ(゚д゚)!

2017年10月4日水曜日

【日本の解き方】安倍自民vs「ポピュリズム」 消費税の使途は小さな話、北朝鮮問題を愚直に訴えよ―【私の論評】平和ボケ日本で半島有事後の戦後処理と新秩序まで考えているのは安倍総理のみ(゚д゚)!


小池百合子氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 希望の党がブームになる可能性があるなかで、衆院選で過半数確保を目指す自民、公明両党には、どのような戦略が必要なのだろうか。

 まず最初に、選挙の争点の練り直しだ。「国難」のうち、北朝鮮の脅威は当然だが、消費増税の使いみち変更は優先順位の低い話だ。国家としては、安全保障が第一で、それが確保された上での経済である。

 ハッキリ言えば、消費増税の使いみち変更は、実質的な規模で1兆円程度の予算の話である。この程度であれば毎年の予算編成で処理できる。

 具体的にいえば、昨年の補正予算で使った財投債スキームを教育支出に応用すれば、増税なし、プライマリーバランス(基礎的財政収支)悪化なしで財源が作れる。しかも、この話は2年先のことなので、それまでに準備できる。総選挙で争点にするまでもないことだ。

 北朝鮮の脅威は、今そこにある危機である。まさに日本にとっての国難であり、その対応のための政府の体制づくりこそ総選挙の争点だ。こうした国難のときに、日本の首相がトランプ米大統領、中国の習近平国家主席と互角に渡り合っていけるかどうか、そのために誰が適任かを問う総選挙である。

 幸いにも、安倍晋三首相は、先進国のリーダーの中ではトランプ米大統領からの信頼が一番あつい。その一例は、日米首脳会談における20秒弱の長い握手、トランプ氏の別荘での1・5ラウンドのゴルフなどである。

米ゴルフ場で安倍首相と楽しむトランプ米大統領
 先日の国連総会での食事会では、トランプ氏の隣は安倍首相だった。トランプ氏が「シンゾウの隣にしてくれ。でないと食事会にはでない」と事務局にねじ込んだという。公式発表はないが、1日に何回も電話連絡を取り合っているらしい。

 客観的にみても北朝鮮情勢は緊迫している。北朝鮮に対する国連制裁は、おそらくあと1回はレベルを上げる余地はあるが、過去の例からみればもう限界になっている。あとは、国連軍か多国籍軍による攻撃しか残っていない。これは国際政治からみれば常識だ。こうした意味で、圧力しか残されていない。

 さらに、11月にはトランプ氏の来日が予定されている。主題は北朝鮮問題への対応だが、米中首脳会談に臨む日米のすり合わせも行われるだろう。

 米中首脳会談は、中国の共産党大会後に行われる中国のお決まりの行事でもある。米中首脳会談とはいうものの、実質的には、日米中が今後の北朝鮮体制をどうするかという極東アジアの安全保障上の最重要問題を話す場になるわけだ。

 残念ながら、先日の安倍首相の記者会見では、こうした国際情勢での国難が強調されずに、消費増税の使いみち変更という安全保障問題に比べて優先順位の低い国内問題に焦点が当たってしまった。

 北朝鮮問題という希有な国難に対して、どうするのか、それをなすためにはこの国のリーダーとして誰がふさわしいのか。そうした国の基本を愚直に訴えないと、悪いポピュリズムで流されてしまうだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】平和ボケ日本で半島有事後の戦後処理と新秩序まで考えているのは安倍総理のみ(゚д゚)!

今回の安倍総理による衆院解散の目的は、先日もこのブログに掲載したように、半島有事後にやってくる、北朝鮮の戦後処理ならびに戦後の朝鮮半島をめぐる新秩序樹立のための話し合いに日本の代表として参加することでしょう。そうして、この会議は当然のことながら、北朝鮮の敗戦がきまる少し前に行われることでしょう。

なぜなら、北朝鮮の敗戦の前にこれを決めておかなければ、さらに混乱が予想されるからです。混乱どころか、さらに戦争の火種になることもあり得るからです。

これについては、太平洋戦争(日本側の呼称は大東亜戦争)の日本の戦後処理と戦後の日本列島をめぐる新秩序樹立のために行われたヤルタ会談になぞらえて、「北朝鮮版ヤルタ会談」としてこのブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中韓メディアが警戒、小池氏は「安倍首相より右寄り」 日本政治の右傾化懸念する声続出―【私の論評】北朝鮮版ヤルタ会談に参加することが安倍首相の真の狙い(゚д゚)!
ヤルタ会談
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの会談の意義などについて掲載します。

この会談は、北朝鮮の敗北が濃厚になったときに開催されるでしょうが、米軍や中国軍、ロシア軍が北朝鮮領内に進駐する前に行われることになります。

そうして、この会議において、ヤルタ会談において敗戦後の日本の運命が決まったように、戦後の北朝鮮の運命が決まることになります。

北朝鮮を韓国に併合するのか、あるいは北朝鮮の領域はそのまま残し、新たな民主的政権を樹立するのか、あるいは北朝鮮の領域を米軍、中国軍、ロシア軍などで分割信託統治するのか、いずれにするかも定められることになります。

これはいずれ必ずそうなります。なぜなら北朝鮮の核、そうして政治体制は、日米にとって脅威であるばかりではなく、中国やロシアにとっても脅威だからです。そうして、これらは当然のことながら、日本を含める多数の国々に大きな影響を与えます。

そうして、この会談に日本が参加できる可能性はかなり高いものと思います。場合によって国連がからむことになるかもしれませんが、それはあくまで形式的なものであり、実際にはヤルタ会談のように少数の強国の話し合いなることが予想されます。

実際には、韓国や他の諸国なども形式上はこの会談に参加することになるかもしれませんが、やはり、米国、中露が実質的な役割を果たすことになるでしょう。

しかし、昨日も掲載したように、北朝鮮の核開発や政治体制が終焉後には、米国が半島情勢にかかわり続けることは難しいです。

なぜなら、朝鮮半島からかなり遠くにある米国は、北朝鮮の核の問題が解決された後にまで、この地域で影響力を及ぼし続けることには、根拠が薄弱だからです。それに対して、中露は、国境を接しているということで、戦後にも大きな影響を被る可能性があるということで、この地域に影響力を及ぼし続けることには、一定の根拠と合理性があります。む

そうなると、この会談では米国ではかなり不利な立場に追い込まれます。そこで、日本の存在が一躍クローズアップされます。

ますば、日本は海を挟んでいながらも、朝鮮半島の隣に位置します。中露のように、戦後にも大きな影響を被る可能性が高いため、この地域に影響力を及ぼし続けることには、一定の根拠と合理性があります。

中露だけに朝鮮半島の新秩序樹立させるわけにはいかない・・・・
そうして、米国は日本の同盟国であるということから、戦後もこの地域に影響力を及ぼし続けることに一定の根拠と合理性を主張することができます。

さらに、この記事に示したように、日本は安倍総理の外交努力により、インド、アセアン、オセアニアの国々とは、友好関係にあります。

そうなると、日本がこの会談で、これらの地域の仲介役として大きな役割を果たすことが期待されることになりそうです。

そうして、トランプ大統領は、外交の経験は少ないですが、経験豊富な安倍総理と共同でこの会談に参加することにより、トランプ氏単独で臨むよりはるかに有利な交渉をすることができます。

中露二国のみが、実質的に朝鮮半島の運命を決めるということには、米国は大反対でしょうし、他のアジアの国々も大反対でしょう。

本来、このような役割は韓国が果たすべきなのでしょうが、現在の韓国のリーダーは文在寅であり、文はこのような大役を果たせるほど能力はないということが、すでに暴露されています。

そうなると、やはり日本が、そうして安倍総理がこの会談で中露と他のアジア諸国や米国の間を取り持ち利害関係を取り持つことに大きな意義と意味があります。

安倍総理とトランプ大統領
やはり、この会談で日本は欠くことができないのです。日本がこの会談に参加しなかった場合、中露によって半島の新秩序が定められることになります。特に、中国の意向が大きく反映されるものになるでしょう。

そうなれば、海洋進出に着手した中国により、アジアにはさらなる脅威が温存され、結局北朝鮮の脅威がなくなっても、新たな中国の脅威により、アジアの冷戦状況はさらに継続されることになります。そうして、この状況が定着すれば、中国だけではなく、ロシアも海洋進出にのりだすかもしれません。

それでは、せっかく北朝鮮問題を解決したとしても、アジアの国々にとって新たな脅威が温存されるだけです。

やはり、日本が中露の防波堤となって、アジアの平和と繁栄寄与すべきです。

まさに、今年から来年にかけては、日本が朝鮮半島の新秩序を樹立するための会談に参加でき、リーダーシップを発揮でできるかできないかが決まってしまう正念場なのです。

安倍総理は、これを意図して意識して、今の時期に解散総選挙をする道を敢えて選んだのです。

戦後70年も続いた偽りの平和(実際には、拉致問題も発生していて平和だったとはいえないが)により、多くの日本人は、この会談の重要性には気づいていないようです。この会談に日本が参加できるできなのとでは、その後の日本は随分と変わります。

それは、ヤルタ会談で戦後の日本の運命が決まったのに匹敵するくらいに、変わることが考えられます。もし、日本が会談に参加し、世界中の国々が納得できるようなアジアの新秩序を樹立するこに貢献できれば、日本はヤルタ会談で決まった、戦後体制の呪縛からようやっと開放されることになるでしょう。

政治の世界でも、半島有事後の戦後処理、新秩序樹立にまで考えが及んでいるのは安倍総理のみではないかと思います。ほとんどのマスコミもこれには考えが及んでいません。

他の政治家は、「解散の大義」などと語っていますが、あまりにも平和ボケ過ぎて、安倍総理の考えなど全く理解できないのでしょう。

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2015年1月25日日曜日

【本の話WEB】日本人人質事件に寄せて――「日本人の心の内」こそ、彼らの標的だ―【私の論評】日本にこそ、世界に新秩序を確立するためのヒントがある!日本人の心の内にある霊性を重んじる精神、これこそが世界の宗教的混乱を救う一里塚なると心得よ(゚д゚)!

【本の話WEB】日本人人質事件に寄せて――「日本人の心の内」こそ、彼らの標的だ

池内恵氏


テロリストの狙い

「安倍首相の中東での発言がテロを招いた」という議論がありますが、これは軽率であるか意図的なら悪質な反応と思います。安倍首相が中東を歴訪してこれまでと違う政策を発表したからテロが行なわれたのではない。単に首相が訪問して注目を集めたタイミングを狙って、従来から拘束されていた人質の殺害が予告されたのです。本末転倒の議論です。

日本では往々にして、「テロはやられる側に落ち度がある」「政府の政策によってテロが起これば政府の責任だ」という声があがります。しかし、「テロはやる側が悪い」というところから出発しないと始まらないでしょう。その上でそのような暴力を振るう主体からどう人質を取り返し、暴力を振るう主体をどう無力化していくか

暴力に威圧されて、武装勢力の意のままに語ったり、自ら意を汲んでしまいがちなのは人間の抗いがたい習性ですが、もし意図的にテロの暴力を背景に日本での政治的な意思を通そうとする人が出れば、まさにテロリストの思う壺です。テロの目的は、まさに、ターゲットとなった社会の人々に「相手ではなくこちらが悪い」「自分たちの政府が悪い」と思わせて内紛を生じさせ、精神的に屈服させることにあるからです。

中東現地の情勢において、2人の日本人を人質にとることに軍事的な意味は何もありません。「日本人の心の内」こそ、彼らの標的なのです。

日本におけるイスラーム理解のゆがみ

今回の人質事件は、国内の不満勢力の「反安倍」「反政権」の感情を刺激し、対策や方針をめぐる合理的な議論を妨げました。テロは首相の責任である、あるいは小泉政権以来の政策全てが悪い、さらには戦後日本の対米関係そのものが悪い、といった議論が盛んに提起されましたが、ついには首相が責任を取って辞任すれば人質を解放してもらえるのではないか、といった議論まで元政府高官から出てきた。テロを利用して政権批判をするどころか、いったい現役世代の政治家や官僚たちにどういう恨みがあるのか知りませんが、首相をやめさせればテロは解決するというのですから、テロリストも想定しなかった反応でしょう。

日本社会は根底で何かが壊れかけているのでしょうか。あるいは高齢化などもあり、新しい現実に対する思考停止が広がっているのかもしれません。ただ思考停止は中核の現役世代には及んでいないと感じています。だから、テロに対する基礎的な原則を述べた私のブログが異様なまでに拡散されたのでしょう。現実離れしたメディアや評論家には頼っていられないと。日本の外には自分たちとは異なる原理によって成り立っている社会が存在しているということ。この現実の直視から始めるしかありませんし、直視する気構えを備えた新たな中堅層が現れてきていると感じています。

この記事は、要約です。詳細はこちらをご覧になって下さい(゚д゚)!

【私の論評】日本にこそ、世界に新秩序を確立するためのヒントがある!日本人の心の内にある霊性を重んじる精神、これこそが世界の宗教的混乱を救う一里塚なると心得よ(゚д゚)!

上の記事、もともとは池内恵氏の『イスラーム国の衝撃』という書籍の書評なのですが、上では、現状の日本の状態に関係した部分のみ、ピックアップしました。この書籍は、イスラーム国のことを理解するためには、非常に良い書籍だと思います。まだご覧になられていない方は、是非ご覧になって下さい。

さらに、イスラーム国を理解するには、石原慎太郎氏による以下の記事も非常に役にたちます。

【正論】イスラムテロに絡む歴史の背景 作家・石原慎太郎
石原慎太郎氏

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の、結論部分のみを以下にコピペさせていただきます。
 近世において近代国家として再生した日本はその中での希有(けう)なる例外だったが、日本もまた、敗戦後の日本を統治解体したマッカーサーが退任後、アメリカ議会で証言したように、あくまで自衛のための手段として西欧の列強を真似(まね)して軍国化し植民地支配に乗り出さざるを得なかった。 
 そうした歴史の流れのもたらした必然を無視して、植民地支配と等質の論拠で戦後に行われた東京裁判での歴史観を踏襲した「村山談話」なるものを、日本の政府が今さらに踏襲するというのは、歴史の流れという大きな現実を無視した無知の露呈といわざるを得ない。まして「河野談話」をやである。 
 起こした戦争を含めて有色人種の中で唯一の近代国家としての日本の誕生と存在は、世界史の流れに逆らって大きな引き金を引いたのだ。 
 ≪新しい宗教戦争の到来≫
視点を現実に起こっているイスラム系のテロに向け直せば、中世以後のアラブやアフリカが強いられ被った歴史を見直せば、彼らが今改めて、西欧の神を殺すと宣言して憚(はばか)らぬ所以(ゆえん)の歴史的な蓋然性に気付くべきにちがいない。
 パリの新聞社に向けられたテロについての強い非難の論拠に、フランスがかつての革命で手にして国是として掲げている「自由、博愛、平等」を踏まえるのは妥当としても、かつて植民地として支配したアルジェリアや他のアフリカや中東のイスラム圏で、それらの国是がはたして同じ人間のイスラム教徒に保証されていたかどうかは、あのドゴールさえが手を焼いたアルジェリアを巡る紛争を振り返れば自明のことだろう。 
 世界中を大きな不安におとしめているイスラム系のテロに冷静に対処するためには、あれらの暴力行為の歴史的蓋然性について自覚することこそが何よりも肝要に違いない。 
 要約すれば、数世紀続いてきた白人の世界支配がようやく終わろうとしている今、新しい宗教戦争が始まろうとしているのだ。(いしはら しんたろう)
ジャーナリストの西村幸祐氏が、この記事に関して以下のようなツイートをしています。

まさに、サミュエル・ハンティントンの『文明の衝突』があちこちて現在進行形で起こっています。

『文明の衝突』については、このブログでも何度か掲載したことがあります。その記事の一つを以下に掲載させていただきます。
「中韓」とは異質な日本人の「精神世界」…仏作家は「21世紀は霊性の時代。日本は神話が生きる唯一の国」と予言した―【私の論評】日本は特異な国だが、その特異さが本当に世界の人々に認められ理解されたとき世界は変る。いや、変わらざるをえない(゚д゚)!
式年遷宮「遷御の儀」で現正殿から新正殿に向かう渡御行列。
伊勢神宮は日本人と心のふるさと、未来への道しるべだ
=平成25年10月2日夜、三重県伊勢市の伊勢神宮
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事でハンティントンの『文明の衝突』を取り上げた部分を以下に掲載します。

世界各地には、いわゆる建国の話が残っています。そうして、建国の歴史といえば、比較的新しいものがほとんどで、新しいことから、建国したのは誰ということがはっきりわかっていて、歴史上に残されています。しかし、日本の場合は、日本という一つのまとまりができたことを示す、建国の歴史はあまりにも古いにので、残っておらず無論、誰が建国したかということははっきりしていません。そのかわり、神話という形で残っています。こんな国は他にないです。 
こんな素晴らしいことを戦後の日本人は、教育もされず、忘却してしまいました。そうして、こうした特異な歴史を持っているからこそ、出版された頃には、アメリカの長期国家戦略ともいわれた、サミエル・ハンティントンの「文明の衝突」にも、日本は東アジア文明の一角に含まれるのではなく、日本独自の日本文明としたのだと思います。これについては、以前このブログにも掲載したことがあるので、そのURLを以下に掲載します。
さよならニッポン、新時代の国際人としての心構え―【私の論評】こんにちは、日本と日本人、さよならニッポン、ニッポン人、古から続く国際人としての心構え!!


この記事では、国際人になるということは、日本を捨てることであるかのようなことを述べた愚かな論評に対して、そうではないことを主張したものですが、その中にサミュエル・ハンティントンの「文明の衝突」のことも掲載しています。 
このような霊性が今でも息づき、古い歴史と文化と格式が受け継がれた日本と日本人は、それだけでも、世界ではユニークな存在です。これを忘れた日本人は、たとえ国際的に活躍したとしても、似非国際人に過ぎません。なぜなら、日本という特異な国の素晴らしい文化を無視しているからです。まともな、国際人であれば、マルローのように日本の特異性と将来性について関心を抱くに違いありません。

さらに、この記事では、 以下のように続けました。
マルローや、ユングの思想は、カネ・モノに執着する物質依存世界から、人間の理性と精神世界を重視する義と捉えるならば、超大国アメリカや金と軍事力で餓鬼道に陥った中国を痛烈に批判・否定しているように思えます。それに比して、多神教日本は、古来、山や川に霊性を感じ、自然を畏れ、神を尊ぶ心を抱いてきたわけで、その代表が伊勢の森だったといえるのであり、日本のあり方が本当に世界の人々に認められ理解されたとき世界は変るかもしれません。 
マルローや、ユングは、世界は霊性の時代に入ると予測しているわけですが、その霊性を2000年以上にわたって、守りつづけ継承し続けて来た国が日本なのです。まさに、奇跡の国日本です。こうした日本のあり方が、いずれ、世界にも大きな影響を与えることになると、マルローは予言しているのです。そうして、ユングは、日本がそうなるとは語ってはいませんが、霊性の世界を夢観ていたことには変らず、もしユングが知日派であれば、日本の精神世界が世界に影響を与えることになるだろうと予言したと思います。
 このあたり、部分的に掲載しているので、これだけでは非常に理解しにくいと思いますので、少し補足させていただきます。

今日のように、宗教が人を支配する以前には、どこの地域でも霊を重んじる風習がありました。それは、文明化されていない民族などの研究からも理解されていることです。それは、文明化されていない地域で、アニミズムとか、シャーマニズムという形で今日もみられるものです。

宗教を信仰するようになった人類も宗教以前には、このようなものがあったであろうことは、民族学者らの研究でわかっていることです。しかし、文明化するとともに、人類はこうしたアニミズム、シャーマニズムを完全に捨て去り、宗教に完璧に乗り換えてしまったのです。それが、日本における神道であり、これは宗教よりもさらに根源的な日本人の精神の支柱ともなるべきものです。

しかし、他の文明世界では、人や、自然や物にも霊が宿るとする霊性の世界から、宗教が精神を支配する世界になったのです。

しかし、宗教はたびたび教条主義的になったり、他の目的に利用されたりすることがありました。それが何をもたらしたからといえば、魔女狩り、宗教戦争、十字軍、現代のイスラム原理主義の行き過ぎによる、過ちなどの悲惨な事例は、枚挙に暇がありません。今回のイスラーム国による、人質事件もこの延長線上にあるものです。

しかし、日本は霊性の世界を捨て去ることなく、維持発展させ、今日のような形式にまで昇華させてしまいました。日本にも、仏教などの宗教もありますが、日本人の精神世界の根底には、宗教よりもさらに根本的なところに、霊性の世界があります。文明化され、宗教が入ってきても、この霊を重んじるという精神を維持発展させて、さらに高めてきたのは、世界では日本だけです。

宗教的世界観だけでは、人類の精神はまともに維持していけないことが、今日はっきりしています。イスラームと、キリスト教文明はなかなか相容れるものではありません。宗教的世界観には限界があるのです。

それについて、フランスの作家マルローは、以下のように述べています。
21世紀は霊性の時代となろう。霊性の根源には神話があり、それは歴史の一面を物語っている。世界の神話が現代なお生きているのが日本であり、日本とは、それ自体、そのものの国で、他国の影響を吸収し切って、連綿たる一個の超越性である。 
霊性の根源に万世一系の天皇がある。これは歴代天皇の連続性であるのみならず、日本文化の継続性の保証でもあるのに、戦後日本はそのことを忘却してしまった。しかし、霊性の時代が、今や忘却の渕から日本の真髄を取り戻すことを要請している。また文化は水平的に見るのではなく、垂直的に見るべきだる。
アンドレ・マルロー

スイスの心理学者グスタフ・ユングもマルローと同じような予言をしています。ユングは、以下のようなことを語っています。
キリスト教中心の西洋文明の終末は20世紀末から21世紀初頭にかけて到来する。そして次の文明は、一神教や独裁専制ではなく、霊性の支配する時代となるであろう。
グスタフ・ユング
日本人の精神世界は、宗教だけではなく、その根本に霊性を重んじるという観念が今でも根付いて、息づいています。これは、多くの人々が、意識するしないにかかわらず、日本人の生活習慣や考え方に自然と組み込まれていて、多くの人にとってはごく自然てあり、空気のような存在になっています。しかし、霊性が失われて、宗教が精神世界の大きな部分を占めるようになった他国ではこのようなことはないのです。 

私たち日本人は、このような国日本に誇りを持ち、自信を持ち、世界に日本の素晴らしさを伝えてていくべきです。日本のやり方が、世界伝わりそれが理解されれば、世界は変わります。

霊性を重んじるという精神を捨てて、宗教一色に染まった世界は、ますます混迷を深めていくばかりです。

さて、この記事の元記事を書かれた、上田和男(こうだ・かずお)氏は、元記事ので以下のように結論を述べています。
考えるに、人類文化の危機は「画一化」にあり、文明が衝突するのではなく、文明に対する無知が紛争の根源となるのだと思います。思考のプロセスを自省し、他にかぶれたり迎合させられたり、徒に自虐的になることから一歩距離を置いて、確信されてきたものを再吟味し、忘れ去っていた古き良きものへ思いをきたし、一方で他民族との交流においては、異質なもの・新たなものを受容し合う-。こうしたことが、文明間の対話で重要だと思います。 
国家的文化戦略は、長期構想として構築し、粘り強く世界へ向けて発信してゆくことが最重要です。世界的有識者の言説を待つまでもなく、21世紀が霊性の時代へと向かうならば、日本人としても1300年間継承されてきた伝統精神を矜恃し、発信・交流してゆくことが、自らの背骨を正すとともに、世界平和への貢献に資することにもなると確信いたします。
まさに、この通りです。今まで通り、多くの人々が信奉してきた宗教を捨て去り、霊性の世界に戻る必要などありません。それは、日本がすでに具現化しています。日本には、様々な宗教が混在しつつ、その精神世界の根底には、霊性を重んじる習慣が根付いています。日本では、年配の人が、「ご先祖様に申し訳がたたない」という言葉を発することがありますが、これこそ、霊性の発露でもあります。

世界の人々が、宗教以前に、その根底には霊性の世界があることに目覚め、それを重要視するようになれば、世界から宗教戦争は消えます。そうして、今回のような人質事件のようなこともなくなると思います。

そのために、霊性の世界を維持・発展させてきた私たち、日本人ができることがあるはずです。無論、今回の人質事件をすぐに解決するということはできないかもしれません。宗教で凝り固まった人々の精神を解きほぐすには、かなり長い時間を要するかもしれません。

しかし、私は日本人の心の内にある霊性を重んじる精神、この精神を土台としつつどの宗教でも受け入れてしまう寛容さ、これが世界の宗教的混乱を救うための、一里塚になると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【追記】

2015/01/26

ジャーナリスト西村幸祐氏より、この記事に関して昨日ツイートで、以下のような感想をいただきました。

【関連記事】

「中韓」とは異質な日本人の「精神世界」…仏作家は「21世紀は霊性の時代。日本は神話が生きる唯一の国」と予言した―【私の論評】日本は特異な国だが、その特異さが本当に世界の人々に認められ理解されたとき世界は変る。いや、変わらざるをえない(゚д゚)!

さよならニッポン、新時代の国際人としての心構え―【私の論評】こんにちは、日本と日本人、さよならニッポン、ニッポン人、古から続く国際人としての心構え!!

日本人の対応礼賛「伝統文化に基づいた新日本誕生も」との指摘も 米研究機関討論会―【私の論評】朝廷をはじめとする私たち日本人の日本の伝統文化は、これからも悠久の歴史の中に燦然として輝き続けるどころか、さらに輝きを増す!!



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2012年11月4日日曜日

中国は世界で最もストレスの大きい国に―【私の論評】日本の円高・デフレを終わらせ、中国麻薬漬け政策を終わらせ、中国に新社会秩序を打ちたてよ!!

中国は世界で最もストレスの大きい国に:

中国人から「日本はストレスが多すぎる。中国は気楽で良いよ」なんて聞かれたのはほんの10年前。確かに日本社会もストレスが多いが、今や中国はそれを超えるストレス大国になってしまったようだ。レンタルオフィス世界最大手・英リージャスが行った調査によると、中国国内のサラリーマンが一年間に受けたストレスは世界で一番大きい事が分かった。



この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】日本の円高・デフレを終わらせ、中国麻薬漬け政策を終わらせ、中国に新社会秩序を打ちたてよ!!

中国のサラリーマンにストレスが多くなっているということは、マスコミなどの報道だけでは到底理解することはできません。なぜ、ストレスが高まっているかといえば、本来は、中国の社会構造が前から変わっていなければならないのに、全く変わっていないし、現在の中国指導層には、その気もないということです。

ノーベル文学賞の莫言氏は作品で、中国社会の矛盾あぶり出している。日本文学に影響を受けている。
これを理解するには、まずは、中国の過去の経済が、どのように発展してきたかを理解しなければなりません。それに関しては、日本の大手マスコミが報道しているようなことだけでは、到底理解できません。このことは、このブログにも過去にいく度か掲載してきたものです。以下にその最近のものを掲載しておきます。

中国人民銀、日銀の追加緩和にいら立ち 過度の資本流入懸念−【私の論評】中国の経済破綻が始まる?!日銀を何とかしなければ、日本は草刈場になる!!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして以下に要点のみコピペしておきます。
どういうことか、さらに解説すると、日本銀行がどんなことがあっても、金融緩和をせず、金融引き締めに固執しており、特に増刷はかたくなに拒否しています。だから、中国は、過去には、国内が不況になりかけても、元を大量に刷っても、元安傾向になるため、日本に対して大量に輸出ができ、インフレ傾向となっても、あまり被害をこうむることはありませんでした。これは、まるで、打ち出の小槌を持っているようなもので、いままでは、一種の担保、安全弁のようなものであり、中国経済の発展に寄与してきました。 
しかし、このような打ち出の小槌もそろそろ効き目がなくなってきたということです。なぜなら、今までだと、日本銀行の安全弁をあてにして、固定相場制の中で、元をかなり大量に刷り増したとしても、さほど危険はなかったのですが、今や、大量に刷り増しすると、ハイパーインフレになってしまいます。かといって、緊縮財政、金融引き締めをすれば、ただでさえ、景気が悪いのにさらに落ち込みます。このようなことは、なかなかできません。


さて、このことは、最近このブログにも登場する経済評論家 上念司氏が、雑誌正論12月号に、『日銀“退治”が中国経済を粉砕する』というタイトルで掲載していますので、下に簡単にその要点を記載させていただきます。この雑誌、他にもいろいろと面白い記事が満載ですので、実際に購読され、読まれることをお勧めします。

中国を支えているのは為替操作によるキャッチアップ型の経済成長であり、円高とデフレを放置する日本銀行によるものだ。からくりはこうだ。 
慢性的な円高に苦しむ日本企業は、過度な「元安」政策をとる中国に生産拠点を移し、出来上がった製品の一部を逆輸入している。国内で一貫生産するより、わざわざ中国を経由した方がもうかる構造になっているのだ。つまり日銀は、「デフレ政策で日本の産業空洞化を促進し、雇用と技術を中国に貢ぎ続けた」ことになる。 
これ以上、日本経済が中国に振り回されないで済むにはどうしたらいいか。答えは簡単だ。日銀にデフレ政策をいますぐやめさせることである。
さて、上記を読んでいただければ、中国の経済発展に、日銀がいかに寄与しているか、おわかりいただけたものと思います。しかし、この日銀の中国にとっての、打ち出の小槌のような政策は、最近では効き目がなくなりつつあります。

現在中国では、バブルは崩壊し、経済は停滞しているものの、物価は最近は、ひところよりは、落ち着いてはいますが、上昇し続けています。これは、スタグフレーションといっても良い状況です。

実質経済成長率の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

このような状況で、日銀が円高・デフレ政策により、中国に対して支援したとしても、本格的にダメになることは防げても、立ち直るところまではできません。中国が、これ以上元を擦り増しして、金融緩和をしたとしても、景気は良くならなず、物価が上昇し、スタグフレーションが進化するだけです。

このようなことを書くと、最近日銀は、政府と覚書をかわし、金融緩和をすることを約束しているので、中国では大変なことになると思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そんなことは絶対にありません。日銀は、円高・デフレ政策を変えることはありません。それは、以下の動画をご覧いただけばご理解いただけるものと思います。


この動画は、SakuraTVによる、世に溢れる「経済ニュースのウソ」を暴いていく上念司の「メディアの嘘を見抜け!」というシリーズの中の一つです。今回は、日銀が政府に何の「制約」もなしに約束した事を、あたかも『中央銀行のコミットメント』のように報じるインチキ記事について、その抜け落ちている部分を解説しています。

要するに、日銀は、政府に対して金融緩和することを約束していますか、その約束たるや、普通は、約束としての項目として、ある程度の高い数値目標、期限、履行できなかった場合の罰則などが含まれるのですが、そんな項目は一つもなく、結局日銀は、政府との約束事守る気などさらさらないということです。

少し話がずれてきたので、話を本題に戻します。話の本筋は、中国のサラリーマンのストレスが増加していて、その背景には、本来は、中国の社会構造が前から変わっていなければならないのに、全く変わっていないし、現在の中国指導層には、その気もないということです。

もはや世界の工場ではなりたたない中国
中国の現在の経済体制は、まともな資本主義体制にあるわけではありません。形は、資本主義の形式をとていますが、実態は、国家資本主義体制です。この体制では、政治と経済の分離がなされていません。この体制では、資本主義体制におけるようないわゆる起業家のような努力などする必要はありません。というより、そんな努力を重ねても無駄です。必要なのは、私たちには、常識となっている起業家的努力ではなく、政府の中枢などの人物との人脈です。これさえあれば、小さな商売はもとより、大きな事業でも成功することを保証されたようなものです。それに、中国では、何も起業家にならなくても、官僚であれば、金儲けができたということもあります。

しかし、上で述べたように、このようなことも、最近ではだんだんとなりなりたたなくなってきたということです。何しろ、政府が経済をコントロールできなくなってきているわけですから、いくら、政府に人脈があったとしても、それは何の保証にもならなくなってきたということです。であれば、サラリーマンも昔のように人脈だけにこだわっているわけにもいかず、本気で市場に対応しなくてはいけなくなってきたということです。だから、ストレスも増してきたということです。

それに、いくら市場に本気で対応しようとしても、サラリーマンには限界があります。中国では、社会構造が著しく遅れています。なぜかといえば、過去において、中国は、社会構造など無視して、国家社会主義体制を推進することに注力してきたからです。しかし、この体制ももう破綻しかけているということです。中国が経済低迷から回復するには、もう過去のやり方は通用せず、国家資本主義体制から、資本主義体制に転換しなければならないということです。


そうして、これは、相当困難なことです。なぜなら、中国では、エリートと言われる人々でさえ、資本主義の意味がわかっていません。このためには、まずは、政治と経済の分離、民主化、法治国家化が必要不可欠です。しかし、中国の指導層には、このようなことは理解できません。なぜなら、誰も本当の意味での資本主義を経験したこともなく、本当に学んだこともないからです。それに、中国での資本主義体制の移行は、他国と比較しても、空前絶後の大きなものです。これほど、転換は、過去にどの国も経験したことがありません。だから、他国の事例も役に立ちません。

そうして、どこの国でもずいぶん前から終焉し、特に今世紀になってからは、どこの国にも残っていないような中国の古い社会構造がそのまま残ってしまいました。これは、過去においては、中国が、何か社会問題が起こったとしても、国家資本主義体制の推進ばかり優先して、それらをことごとく圧殺してきたからです。そうして、特に今世紀に入ってからは、日銀が円高・デフレ政策によって、中国の経済発展に寄与してからです。



麻薬による経年変化。わずか数年で、要望がすっかり変わってしまう!!
本来まともな資本主義体制には、まともな社会構造が必要不可欠であり、少なくとも他の資本主義体制の先進国では、社会構造を変えてきました。無論では、日本をはじめとする、他の国々の社会が問題がないかといえば、そのようなことはありません。まだまだ、理想的ではなく、理想を追求すべきです。しかし、中国では理想を追求するどころか、多くの高級官僚やエリートですら、このようなことをそもそも理解していません。だから、古い社会構造のままの環境で、サラリーマンが市場に本気に対応しようとしても、そもそも、限界があるのです。だから、ますます、ストレスが高まるのです。

社会構造そのものを変えないと、まともな資本主義体制は、体裁だけでも整えることすらできません。しかし、これを変えなければ中国の経済の回復はありえません。しかし、中国政府はこれを変えることは、本気では考えてはいないようです。これは、今までも、日銀の支援があったし、これからもあるであろうという希望的観測があるからだと思います。

現代中国の最大の矛盾。強制立ち退き。
しかし、このようなことが長続ききするはずはありません。日銀は、はからずも、中国を人間でいえば、麻薬漬けにしてしまったといえるかもしれません。しかし、先に述べたようにこのような麻薬漬け政策をつづけたとしても、日本を、デフレと円高で苦しめるし、中国は麻薬漬け体質からなかなか抜け出しにくくするだけです。日銀の白川総裁も、いい加減、中国麻薬漬け政策など、中国を駄目にしていずれ人民に恨まれるだけであろうことを認識していただきたいものです。

やはり、日本の円高・デフレを終わらせ、中国麻薬漬け政策をおわらせ、中国に新社会秩序を早期に打ちたてるためにも、日銀のとんでもない金融政策は、一刻もはやく終わらせるべきだと思います。そう思うのは私だけでしようか?

 

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