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2020年4月28日火曜日

金正恩氏、新型コロナ感染!? 中国医療団が北朝鮮へ「ECMO」「アビガン」持ち込み情報 感染者は「国内にいない」としているが―【私の論評】米空軍と空自の日本海や沖縄周辺空域で共同訓練は、北朝鮮より中国と韓国を牽制するものと見るべき(゚д゚)!


“暴走”北朝鮮

金正恩氏

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の、健康不安情報が飛び交っている。「心臓手術説」や「重篤・脳死説」「療養説」などがあり、北朝鮮メディアは「根拠のないデマだ」と否定しているが、何らかの異変があった可能性は高い。中国の医療チームが、新型コロナウイルス対応の医療機器や薬を北朝鮮に持ち込んだとの情報もある。こうしたなか、米空軍と航行自衛隊が、朝鮮半島周辺で共同訓練を行ったことが注目されている。北朝鮮が国内の動揺を抑え、他国を牽制(けんせい)するために、弾道ミサイル発射を強行することなどを警戒しているようだ。


 「大体分かっている」「遠くない将来に、あなたたちも知ることになるだろう」

 ドナルド・トランプ米大統領は27日の記者会見で、健康不安説が浮上している正恩氏の状態について、こう語った。

 菅義偉官房長官も同日の記者会見で、「(正恩氏の動向と、北朝鮮によるミサイル発射の兆候などについては)重大な関心を持って常日ごろから情報収集、分析に努めており、米国を含む関係国とさまざまなやりとりを行っている」と語った。

 正恩氏については、米CNNが20日、正恩氏が手術を受けた後、重体に陥ったとの情報を報道。韓国の北朝鮮専門ニュースサイト「デイリーNK」も同日、正恩氏が心血管系の手術を受けたと報じ、ロイター通信は25日、「中国、北朝鮮に医療専門家などのチームを派遣」と伝えた。

 確かに、正恩氏は11日の党政治局会議に出席したと国営メディアが翌12日、写真とともに報じたのを最後に、視察活動などは明らかになっていない。北朝鮮最大の祝日であり、毎年必ず出席していた15日の「金日成(キム・イルソン)主席生誕記念日」にも姿を見せなかった。

 一連の健康不安報道に対し、北朝鮮の対外宣伝雑誌「今日の朝鮮」は28日までに、中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」の公式アカウントで、「全く根拠のないデマだ」と非難した。北朝鮮の公的メディアが正恩氏の重体説を否定したのは初めてとみられる。

 北朝鮮の朝鮮中央通信も27日、正恩氏が同日、南アフリカの祝日である「自由の日」に際してシリル・ラマポーザ大統領に祝電を送ったと伝えた。ただ、正恩氏が健在ぶりを示さない限り、動揺は続きそうだ。

 CNNが衝撃報道をした直後、日米同盟が存在感を見せた。

 米空軍と空自は22日、日本海や沖縄周辺空域で共同訓練を実施し、米軍のB1戦略爆撃機1機とF16戦闘機4機、空自のF15戦闘機8機とF2戦闘機7機が参加したのだ。

 B1爆撃機は、全長約44メートル、全幅約41メートル。航続距離1万2000キロ。「死の白鳥」の異名を持ち、超音速で敵地に侵入し、精密誘導兵器で重要拠点を攻撃できる。

日本海や沖縄周辺空域で行われた日米共同訓練(航空自衛隊HPから)

 正恩氏は現在、東部元山(ウォンサン)に滞在しているとみられる。最新の衛星写真によると、21日以降、特別列車とみられる列車が金一族の専用駅に停車しているという。B1爆撃機は元山から約900キロ離れた上空を通過したとされる。

 米空軍は共同訓練の意義について、「われわれはこの地域の平和と安定への関与を続け、新型コロナが世界的に猛威を振るう状況下でも、世界のどの地域にでも同盟国と即応できる能力があると示した」と説明した。

 北朝鮮が今後、中・長距離弾道ミサイルを発射する可能性があり、米空軍と空自は警戒監視を続けている。

 中国の医療チームについても、興味深い情報が飛び込んできた。

 日米情報当局関係者は「中国の医療団が、新型コロナウイルスの重症患者に使用する人工心肺装置『ECMO』(エクモ)や、新型コロナウイルスへの効果が期待されるインフルエンザ治療薬『アビガン』を、北朝鮮に持ち込んだという情報がある」と明かす。

 北朝鮮は、世界保健機関(WHO)に対し、新型コロナウイルスの感染者が「国内にいない」と報告しているが、実は感染が広がっているとの見方は強い。

 エクモやアビガンが北朝鮮に持ち込まれたのが事実なら、正恩氏や党指導部の要人が罹患(りかん)したか、罹患した場合に備えたものと考えられそうだ。

 日米共同訓練を、識者はどう分析するのか。

 軍事ジャーナリストで評論家の潮匡人氏は「米空軍のB1爆撃機は、北朝鮮がこれまでミサイルを発射した場所や、元山も射程に入れて飛行したとの情報がある。これに対し、北朝鮮も戦闘機を飛ばして、つばぜり合いを演じたようだ。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、米軍は、戦略爆撃機の配備をグアムから米本土に移した。抑止力低下が懸念されるが、米軍としては、不穏な動きをみせる北朝鮮と、東・南シナ海から西太平洋に進出しようとする中国に対して、『いつでも来るぞ』と強い意志を示したといえる」と語っている。

【私の論評】米空軍と空自の日本海や沖縄周辺空域で共同訓練は、北朝鮮より中国と韓国を牽制するものと見るべき(゚д゚)!

このブログでは、以前北朝鮮と北朝鮮の核が、結果として中国の朝鮮半島への浸透を防いでいるということを何度か掲載したことがあります。北朝鮮のミサイルは、北京や上海なども目標にしうるので、これは当然といえば当然です。

それに、金正恩もその父親の金正日も、中国の干渉を極度に嫌うという点は一致していたようです。祖父の金日成のときは、ソ連の力が圧倒的に中国よりも強く、そのような心配はありませんでした。

金日成の時代には、ソ連の力が圧倒的に強く、朝鮮戦争が休戦になり、米中ソは、韓国などの意向とは全く関係なく、38度線を動かしたり、越境したりすることはせずに、現状維持をするということで、米・ソ・中・朝で休戦協定(韓国は関係なし)を結んでいます。

さらに、金日成、金正日、金正恩の三代の金一族の根底に流れているのは、金王朝の未来永劫の存続です。これだけは、現体制の北朝鮮は譲りたくないところです。

金日成時代の中国は経済的にはとるに足りない国であって、当時のソ連は世界第2の経済大国でした。そのソ連は経済で日本に追い越され、その後は、その日本を中国が国全体の経済では追い越しました。現在のロシアの経済は日本でいえば、東京都、国でいえば韓国と同程度の経済規模にまで落ちました。インドにも追い越されて、10位以下です。

ただし、経済の専門家は、中国の経済統計は全くの出鱈目で現実には、中国のGDPは未だに、ドイツ以下とするものもいます。それが事実だとしても、少なくとも国全体のGDPでは、ロシアや韓国よりははるかに大きいことは事実でしょう。


中国の経済が相対的に大きくなったこともあり、これに備えるためにも、金正日のときから核とミサイルを開発し始め、金正恩にもそれが引き継がれて、今日に至っています。

そうして、米国のトランプ大統領もそのような見方を最初はしていなかったのでしょうが、ここ数年は、そのような見方をしているようです。そのせいか、最近は北朝鮮が米国本土に到達することのない、中短距離ミサイルなどを発射しても強く非難することはなくなりました。

その背景には、韓国の反日、反米、従北、親中の姿勢もあったからでしょう。もし北に核がなかった場合には、もう相当前に朝鮮半島は、中国の覇権の及ぶ範囲になっていたかもしれません。

その傾向は近年ますます強まっています、韓国の4月15日の韓国総選挙(定数300)で、文在寅大統領率いる与党「共に民主党」が、系列の比例代表政党「共に市民党」と合わせて改選前の128議席から50議席以上伸ばし、180議席を獲得して圧勝しました。

与党が国会で法案処理が極めて有利になる5分の3の議席を占めるのは、1987年の大統領直接選挙導入以降初めてで、革新系政党が単独で過半数を得たのも2004年以来です。

言うまでもなく、文在寅大統領および与党「共に民主党」は、反日、反米、従北、親中を鮮明にする左翼革新政権です。

今般の選挙結果を受けて、さらにその路線への傾斜を強めるのではないかと懸念され、日韓関係の改善は期待できないばかりか、「米韓相互防衛条約」を締結している同盟国・米国との関係にも亀裂拡大の恐れが指摘されています。

韓国総選挙で当選した与党「共に民主党」の李洛淵前首相(左)=ソウルで15日

このようなことを前提に考えると、米空軍と空自が22日、日本海や沖縄周辺空域で共同訓練を実施したことの意味がまた別の方向からみえてきます。

まずは、この種の訓練には、従来なら韓国空軍も参加していましたが、今回は参加していません。これは、最早米国は、韓国を信用しておらず、朝鮮半島に危機があった場合は、日米が共同で事に臨むことはあっても、親中・従北の韓国は外すという明確な意思表示であることがうかがえます。

そうして、この演習は、北朝鮮に向けての演習でもあるのでしょうが、それはサブの扱いくらいにすぎず、どこに向けての演習かといえば、それは中国でしょう。

もし、中国が軍事的な意図を持って、北を脅かそうとした場合、米国としては何らかの軍事行動をし、中国の意図を挫く意思があることをみせつけ、牽制したとみるのが妥当です。それも、韓国抜きでそれを実行するという意思をみせつけたのでしょう。

さらに、この演習では、日本の最新鋭の戦闘機F35が参加していないのは、日本ではまだ導入したばかりなので、使いこなしがまた時を要するということで理解できるのですが、米国のB35も参加していません。

これは、韓国や中国に対して、手の内を見せないという意味があるものと考えられます。そのため、これは単なる意思表示という側面があるのかもしれません。

金正恩に何があったのかは、未だわかりませんが、今月の11日から消息が不明ということです。習近平も一時的に消息が不明になったことがありますが、1週間から、長くても10日でした。金正恩は、2週間以上も不明であり、何か金正恩の身にあったかもしれないということは、十分に想定されることです。

そのため、これは金正恩に何かあった場合に、中国がなんらかの動きを示した場合、それに対して米国側も動く可能性があることを、中国に対して示して、牽制したものと考えられます。

それにしても、日本人の中には、北朝鮮は中国の傀儡政権のような考えている人もいるようですが、それは完全な間違いです。金正恩は実の兄金正男を暗殺したとされていますが、金正男は中国に近いとされていました。処刑された、実の叔父である張成沢氏も、中国に近いとされていました。

もし、金正恩が死亡して、何らかの構造変化があり、北と中国の関係が強化されることでもあれば、半島の軍事バランスは一気に崩れる可能性もあります。そのことだけは、多くの人が記憶にとどめておくべきものと思います。

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「銃器使用も辞さない」北朝鮮、新型コロナで中国に通告―【私の論評】北朝鮮は中国に厳しい要求をつきつける一方、韓国は反日に走る迷走ぶり(゚д゚)!


2019年11月13日水曜日

【国家の流儀】韓国と連動して中国、ロシア、北朝鮮による「日本海」争奪戦が始まる…安倍政権はどう対応するか―【私の論評】二正面作戦不能の現在の米軍では、日本を守りきれないという現実にどう向き合うか(゚д゚)!


海自のイージス艦「あたご」

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、数年前から日本の防衛費を上回る軍拡を推進しており、このままだと対馬海峡をめぐって日韓「紛争」が起こることになりかねない。

 もちろん、同盟国・米国は、韓国の「暴走」を必死で押さえ込もうとしている。日韓が紛争を引き起こせば、北朝鮮や中国、ロシアを喜ばせるだけだからだ。

 しかし、残念ながら文政権は、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定するなど、米韓同盟を空洞化させる方向に進んでいる。しかも厄介なことに、この文政権の背後には中国共産党政権がいる。

 2017年12月に訪中した文氏は、習近平国家主席から、(1)米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)の追加配備はするな(2)米国のミサイル防衛に参加するな(3)日米韓の安保協力を軍事同盟に発展させるな-の「3つのNO」(三不の誓い)を突き付けられた。この指示通りに、文政権は「離米・反日」を強化しているわけだ。

 この韓国と連動して、今年に入って中国、ロシア、北朝鮮による「日本海」争奪戦が始まった。

 日本海の「大和堆(たい)」という豊かな漁場で違法操業を続けている北朝鮮は、日本の排他的経済水域(EEZ)周辺に連続してミサイルを発射しているが、日本政府は「遺憾の意」を示すだけだ。そうした弱腰に付け込んで、中国やロシアも日本海での活動を活発化させており、7月には中ロ両国の爆撃機が空中集合したうえで、対馬海峡を抜けて東シナ海まで編隊飛行する合同パトロールを実施した。

 東シナ海では、沖縄県・尖閣諸島を含む南西諸島沖に連続で60日以上にわたって、中国海軍の軍艦や海警局の巡視船が出没し、領海「侵入」事件が続いている。中国軍機による挑発行為も深刻で、自衛隊機によるスクランブル発進は過去最多になりそうだ。

 私が知る米軍関係者も「日中両国は、東シナ海で事実上の『戦争状態』にある」と憂慮を隠さない。そうした危機感を背景に、マイク・ペンス米副大統領も10月24日、「米中関係の将来」と題する演説で、東シナ海における「親密な同盟国である日本」に対する中国の軍事的挑発を激しく非難した。

 安倍晋三政権は、海上保安庁第11管区海上保安本部の定員を大幅に増員し、600人を超える「尖閣警備専従部隊」を創設するなど、尖閣を含む東シナ海を必死で守ろうとしているが、劣勢だ。しかも、「紛争」は今年に入って、日本海にも波及しつつあるが、自衛隊と海上保安庁の現有能力で対応できるとはとても思えない。

 南シナ海が奪われ、東シナ海も風前の灯、そして、今度は日本海だ。中国、ロシア、韓国、そして北朝鮮による連携「攻勢」にどう対応するか。大局を見据えた国家戦略の見直しが急務だ。

 ■江崎道朗(えざき・みちお) 評論家。1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集や、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、現職。安全保障や、インテリジェンス、近現代史研究などに幅広い知見を有する。著書『日本は誰と戦ったのか』(KKベストセラーズ)で2018年、アパ日本再興大賞を受賞した。他の著書に『天皇家 百五十年の戦い』(ビジネス社)、『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』(PHP新書)など多数。

【私の論評】二正面作戦不能の現在の米軍では、日本を守りきれないという現実にどう向き合うか(゚д゚)!

冒頭の記事で、江崎氏が指摘するように、日本海の争奪戦がはじまるかもしれない可能性は確かにありますが、ではすぐにそれが実行されるかといえば、すぐにはないというのが正解だと思います。なぜなら、日本には現在世界で唯一の超大国である、米軍が駐留しているからです。

韓国、中国、ロシア、北朝鮮等が日本海をいずれ我がものしようとしても、米軍が駐留している日本に対しては、挑発くらいしかできません。本格的に奪うことなどできません。

しかし、争奪戦が始まり実際に奪われる可能性も、否定できません。それはどのような場合かといえば、このブログでも以前指摘させていただいたように、中東などで大規模な戦争がはじまり、それに米軍が介入したときなどです。

現在の米軍は、残念ながら世界の警察官として、大規模な二正面、三正面作戦などできません。米国も関与する本格的な戦争が世界で、一箇所にとどまらず二箇所、三箇所と起こってしまえば、米軍は一箇所だけを優先的に選択して戦争するしかなくなります。

米軍の海外配置の状況(グァムは米国領なので含まず)

中東などで米軍が大規模な作戦を遂行しているときに、日本海で同時大規模な作戦を遂行する能力は今の米軍にはありません。

これについては、以前のブログにも掲載したことですが、最近米国のシンクタンクが、これについて研究した結果を発表しています。

中露や中東の軍事的脅威に対応する米軍の能力が「限界」にあるという厳しい評価が下されたのです。これは、米軍事専門シンクタンクによるもので、「現在の姿勢では、米軍は重要な国益を守るとの要求に、わずかしか応えられない」と強調しています。

問題なのは、特に海軍において、この相対的弱体化に即効性のある解決策がないことです。「世界最強」のはずの米軍に何が起こっているのでしょうか。

評価は著名な米保守系シンクタンクのヘリテージ財団によるものです。同財団が10月末に発表した「2020年 米軍の軍事力指標」と題する年次報告書は、米陸海空軍と海兵隊の軍事的対処能力を、非常に強い▽強い▽限界▽弱い▽非常に弱い-の5段階で評価しています。ただ、基準は「2つの主要な戦争を処理する能力」などとしており、2正面作戦を行うにおいての評価であるあたりが超大国米国らしいです。

とはいえ、中東ではイランの核開発、南シナ海では中国の軍事的膨張、さらに北朝鮮の核ミサイル開発と、地域紛争が偶発的に発生しかねない「火薬庫候補」は複数あり、2正面を基準にするのは米国としては当然の条件です。

この5段階で「限界」とは、乱暴な言い方をすれば「戦争になっても勝てるとは言えず、苦い引き分けで終わりかねない」、あるいは「軍事的目標を達成するのは容易ではない」ということです。

同報告書では欧州や中東、アジアの3地域での軍事的環境を分析。例えば中国については「米国が直面する最も包括的な脅威であり、その挑発的な行動は積極的なままであり、軍事的近代化と増強が継続している」などと、それぞれの地域の脅威を明らかにしたうえで、対応する陸海空軍などの米軍の能力を個別評価しています。ところが驚くことに、その内容は、「限界」ばかりなのです。


米陸軍女性兵士

まず陸軍は、昨年に引き続き「限界」のまま。訓練や教育など多大な努力により旅団戦闘団(BCT)の77%が任務に投入できる状態となった点は高く評価されたのですが、兵力を48万人から50万人に増強する過渡期にあり、その準備や訓練に加え、陸軍全体の近代化が課題となっています。

米海軍女性兵士 ネイビー・シールズ隊員

さらに問題なのは海軍です。前年同様「限界」ですが、内容は厳しいです。まず艦艇の数で、「中国海軍300隻と(海軍同様の装備を持つ)175隻の中国沿岸警備隊」(米国海軍協会)に対し米海軍は290隻。トランプ政権は「2030年代までに海軍の保有艦艇を355隻に増やす」との構想を持っています。一部には予算面から、この構想の無謀さを指摘する声があるのですが、本当の問題は355という数字をクリアすることではなく、艦艇の運用面、いわばクリアした後にあるのです。

海軍艦艇は整備と修理や改修、耐用年数延長工事や性能アップのため、定期的にドック入りして「改善」を行う必要があります。一般的に、全艦艇の3分の1はこうした「整備中」にあり、訓練中も含めれば、即時に戦闘行動に投入できるのは半数程度とされます。

ところが米海軍には、大型艦艇に対応するドックが足りないのです。全長300メートルを超える原子力空母ともなれば、ドック入りしなければならないのに他の艦船が入渠(にゅうきょ)しているため、順番待ちが生じている状態なのです。

米国海軍協会などによると、米海軍原子力空母11隻のうち現在、任務として展開しているのはロナルド・レーガン▽ジョン・C・ステニス▽エイブラハム・リンカーン-の3隻のみ。ニミッツをはじめほか8隻はドックで整備や部分故障の対応中といった状態なのです。

しかも空母に限らず米海軍艦艇がドック入りした際の整備の工期は、予定を大幅に超える事態が頻発しているというのです。

過去のオバマ政権時の軍事予算削減が響き、ドックも足りず、整備できる人間の数も足りないのです。このような状況でなお艦艇数を増やしても、整備や修理待ちの列が長くなるだけです。また原子力空母の多くが建造後20年が経つということに代表される、各種艦艇の老朽化、さらには新型艦の不足も海軍を悩ませています。

報告書では「資金不足と利用可能な造船所の一般的な不足により、艦艇のメンテナンスが大幅に滞り、配備可能な船舶と乗組員に追加の負担がかかっている」と指摘されています。

確かに、このような状態で中東と南シナ海、あるいは朝鮮半島で緊迫した事態が発生したらと考えると「限界」の評価はうなずけます。ベトナム戦争の際、米海軍はベトナム近海に常時数隻の空母を展開していたのですが、現状の3隻、訓練中を含めても5~6隻の稼働では「2正面の展開」は困難です。

米空軍女性パイロット

一方で空軍は前年の「弱い」から「限界」にランクアップという、とても素直には喜べない状態です。

戦闘機と攻撃機の数が必要数の8割にとどまっているほか、パイロットの不足などをこの評価の理由にあげています。また海兵隊も「限界」で、近接支援を行う武装ヘリなど海兵隊配備の航空機の維持や保守要員の不足などがマイナスとなりましたた。

報告書は「(米軍は)現在の作戦と準備レベルの維持に人的・物的資源が振り向けられているため、近代化プログラムは苦戦している」としたうえで、「現在の姿勢では、米軍は重要な国益を守るとの要求に、わずかしか応えられない」と結んでいます。

なかでも海軍には「水平線の向こうに警告を示す不吉な雲が見えている」との表現で、“進路”を変えるなら今だとの警鐘を鳴らしていますが、まずはドックから作らねばというのは、「おいしいおにぎりを食べたいから、まず水田を作ろうや」という状態ともとれます。トランプ米大統領が北大西洋条約機構(NATO)や日本に軍事的対処能力の向上を求めるのも当然といえば当然なのです。

このようなお寒い状況では、確かに米軍大規模な二正面作戦などできません。中東で米軍が大規模作戦を実行し始めた場合、日本海で大規模な侵略があった場合、米国はこレに十分に対処できない可能性が大です。

かといって、米国ではシェール・オイルの採掘によって、石油は自国で賄えるようになったため、米軍が中東から引き揚げ、現在中国の台頭に悩まされているアジアに主力を置くようにすれば、日本にとっては一見良いようにみえるかもしれません。それで、今まで通り、日本は米国に守ってもらえると安堵するかもしれません。

しかしそれだけでは、日本自体は、安全が確保されるかもしれません。しかし、米軍が引き揚げた中東は不安定化するでしょう。原油の輸入を頼っている日本とししては、これは死活問題です。中東に原油を頼る、他先進国とも協調しつつ、中東に大規模な軍隊を派遣して、中東の安全保障を確保しなくてはならなくなります。

いずれにしても、日本の安全保障は今のままでは、脅威にさらされることになります。まずは、現行の憲法や法律でできることはすべて実行するべきです。防衛予算は、現行のままでも増やすことはできます。無意味な1%枠など捨て去り、少なくとも2%に増額して、同盟国である米国等とも協調しつつ、アジアと中東の安全を確保すべきです。

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2016年3月10日木曜日

北朝鮮 日本海に向け短距離弾道ミサイル2発を発射―【私の論評】東京大空襲のあった日にミサイル発射の魂胆は?



動画・写真・図表は以下すべてブログ管理人挿入

北朝鮮が10日午前、日本海に向けてスカッドミサイルとみられる短距離弾道ミサイル2発を発射したことについて、韓国軍は、今月7日からアメリカ軍と行っている合同軍事演習に北朝鮮が反発したものとみて、警戒を強めています。

韓国国防省によりますと、北朝鮮は、10日午前5時20分ごろ、朝鮮半島西側のファンヘ(黄海)北道から北朝鮮の上空を通過して東側ウォンサン(元山)の北東方向の日本海に向けてスカッドミサイルとみられる短距離弾道ミサイル2発を発射したということです。

いずれのミサイルも500キロほど飛んで、日本海に着弾したということです。韓国国防省のムン・サンギュン(文尚均)報道官は、10日の記者会見で、「韓国軍は、綿密に追跡と監視を行っており北朝鮮の挑発に対する万全の態勢をとり続けている」と述べ、北朝鮮の挑発に対して警戒を強めていると説明しました。

韓国国防省は、北朝鮮は去年も米韓の合同軍事演習の期間中にミサイルを発射しており、今回も演習に対する威嚇との見方を示しました。

演習について北朝鮮は、韓国大統領府やアメリカ本土などへの先制攻撃も辞さないとする、軍最高司令部の「重大声明」を出したほか、9日、国営メディアを通じて核弾頭の小型化に成功したと主張して米韓両国を強くけん制するなど、合同軍事演習を中止するよう繰り返し求めています。

防衛省によりますと、弾道ミサイルは、午前5時22分ごろと午前5時27分ごろに北朝鮮西岸のナンポ(南浦)の付近から東北東に向けて発射されたとみられるということです。発射されたミサイルは、およそ500キロ飛んで日本海上に落下したと推定されるということです。

「スカッド」 発射の兆候つかむのが難しい

短距離弾道ミサイルの「スカッド」は、1950年代に旧ソビエトが開発し、その後、北朝鮮に輸出されました。北朝鮮は、スカッドの配備や改良を続け、射程はおよそ300キロから1000キロに達するとみられています。

また、スカッドは、車両で運んで発射する移動式の弾道ミサイルで、防衛省は発射の兆候を事前につかむのが難しいとしています。

北朝鮮は、おととし、5回にわたってスカッドとみられる弾道ミサイルを発射したほか、去年3月には米韓合同軍事演習の初日に北朝鮮西部のナンポ(南浦)から日本海に向けてスカッドとみられる弾道ミサイル2発を発射しています。

外相「強く非難する」 北朝鮮に抗議

岸田外務大臣は、参議院外交防衛委員会で、「一連の国連安全保障理事会の決議に違反するものだ。北朝鮮による挑発行為がエスカレートすることは、わが国や地域の安全を脅かし、強く非難する」と述べました。

そのうえで岸田大臣は、北朝鮮に対し、午前8時すぎに、中国・北京の大使館ルートを通じて抗議したことを明らかにしたうえで「引き続き、安保理の場を含め、アメリカや韓国をはじめとする関係国と緊密に連携し、関連情報の収集など、しかるべき対応に努めていきたい」と述べました。

中谷防衛相「さらなる挑発の可能性も」

中谷防衛大臣は、10日午前、防衛省で記者団に対し、「引き続き、アメリカや韓国と緊密に連携しながら、必要な情報の収集や分析、警戒監視に努めていく。北朝鮮が、国連安保理決議や米韓の演習などに反発して、さらなる挑発行動に出る可能性は否定できないので、対応に万全を尽くしていく」と述べました。

また、中谷大臣は、今回発射されたミサイルは、「スカッドミサイル」の可能性があるとしたうえで、「今回の発射が、わが国の領域や周辺海域に到達しうる弾道ミサイルの能力の増強につながるものであれば、わが国の安全保障上、強く懸念すべきものだ」と述べました。

【私の論評】東京大空襲のあった日にミサイル発射した北朝鮮の魂胆は?

本日は、このニュースあまり詳細は、報道されていないので、掲載させていただきました。

ところで、71年前の昭20年3月10日は東京大空襲と呼ばれる、実際には東京大虐殺の日です。東京は1944年(昭和19年)11月14日以降に106回もの空襲を受けましたが、特に1945年(昭和20年)3月10日、4月13日、4月15日、5月24日未明、5月25日-26日の5回は大規模でした。


その中でも「東京大空襲」と言った場合、死者数が10万人以上と著しく多い1945年3月10日の空襲(下町空襲)を指すことが多いです。この3月10日の空襲だけでも罹災者は100万人を超えました。

同時に3月10日は陸軍記念日でもあります。米国はこれに合せ東京大虐殺を企てました。明治38年(1905)日露戦争の天下分け目の奉天会戦で日本が勝利、日露戦争の勝敗を決定づけた。日本軍が奉天(現瀋陽)のロシア軍を駆逐し奉天城に入城した日でもあります。

そのため本日は、私は、平和への祈りを捧げていました、その矢先、ブログ冒頭の記事のように、北朝鮮にやるミサイル発射がありました。本日は、戦争は良くないという趣旨の慰霊祭の声が報道されましたが、どちらかと言えば親米派の私ですら、アメリカのあの爆撃に対しては怒りを感じるにもかかわらず、戦争を反対する人々から当時のアメリカへの怒りが全く感じられないというのは不思議なことです。
「大山巌の奉天入城式典」
わざわざ、この日を選んで、北朝鮮がミサイルを発射したのには、やはり東京大空襲を意識してのことでしょうか。そうして、その狙いは日本に対する威嚇と、日米の分断でしょうか?

このようなことを掲載すると、多くの方々は、「単なる偶然」とおっしゃるかもしれません。しかし、北朝鮮が東京大空襲を考慮したかどうかは、定かではないものの、この打ち上げには前もってかなり周到に準備していたと思われます。

ブログ冒頭の記事では、「演習について北朝鮮は、韓国大統領府やアメリカ本土などへの先制攻撃も辞さないとする、軍最高司令部の「重大声明」を出したほか、9日、国営メディアを通じて核弾頭の小型化に成功したと主張して米韓両国を強くけん制するなど、合同軍事演習を中止するよう繰り返し求めています」としています。

そうして、これに関する本日の朝鮮中央通信の報道全文は以下の通りです。
われわれの警告を誤って判断するな 朝鮮中央通信社論評
【平壌3月9日発朝鮮中央通信】米帝と南朝鮮のかいらい好戦狂らが、われわれの警告にもかかわらず7日から南朝鮮全域で「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル16」合同軍事演習をとうとう開始した。 
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今回の演習は、好戦狂らが公然と唱えた通り、朝鮮革命の首脳部を狙った「斬首作戦」と戦略的要衝を不意に占領するための奇襲上陸作戦、われわれの核打撃手段に対する核先制打撃作戦などを含む「作戦計画5015」の実戦の可能性を確定するのに目的を置いた挑発性と悪らつさ、無分別さにおいて、史上極致を成す大規模な北侵核戦争演習騒動である。 
侵略者は、犯罪的目的を公開した今回の核戦争挑発策動にも「定例的」という看板を公然と付けることによって、自分らの反共和国圧殺野望が過去も、現在も少しも変わっていないということを世界に余地もなくさらけ出した。
今、国際社会は敵対勢力がわれわれの自衛的な初の水爆実験と合法的な地球観測衛星「光明星4」号の打ち上げに言い掛かりをつけてつくり上げた不当極まりない国連「制裁決議」によって生じた朝鮮半島地域の険悪な情勢に懸念を表し、それが一日も早く緩和することをいつよりも切に願っている。 
まさにこのような時に、米国とかいらい一味が膨大な兵力とほとんどすべての3大戦略核打撃手段まで総動員してわれわれの尊厳と自主権を併呑するために最後のあがきをしているのである。 
これこそ、平和と安全を願う国際社会の念願に対する正面切っての挑戦であり、侵略者、情勢破壊の主犯としての正体を赤裸々に見せる明白な証拠である。 
凶器を振り回して横暴非道に襲い掛かる強盗は、いかなる論理や頼みごとによっては絶対に追い出すことができない。 
今日の厳しい現実は、敵の不正義の力を正義の力で圧倒するために、わが共和国が早くから自衛的戦争抑止力、核先制打撃力を千倍、万倍に打ち固めてきたのがどんなに正当で、先見の明のある措置であったのかを再びはっきり実証している。
上の文中にでてくる、「作戦計画5015」とは以下の様な作戦です。以下にハンギョレ新聞の記事をコピペします。
朝鮮半島有事「作戦計画5015」で北朝鮮の核・ミサイルを先制打撃
 2015.08.28

 韓米が今年6月に署名した作戦内容
 韓米軍当局が朝鮮半島の有事を想定し、新たな「作戦計画5015」を作成したことが分かった。安保環境の変化に合わせて先制打撃の概念を適用するなど、従来の「作戦計画5027」より迅速かつ積極的な軍事対応を強調していると伝えられた。 
 軍関係者は27日、「チェ・ユンヒ合同参謀本部議長とカーティス・スカパロッティ韓米連合司令官兼在韓米軍司令官が6月、新たに作成された作戦計画5015に署名したと聞いている」と述べた。この関係者は、「今回に合意された作戦計画は戦争勃発など有事の際、韓米軍事力運用に関する大きな下図に当たる」とし「韓米両軍は、新しい作戦計画に基づいて除隊別の隷下部隊にまで適用される具体的な作戦計画を、年末までに作業することになる」と述べた。作戦計画5015は、来年から本格的に適用される予定であることが分かった。 
 今回の作戦計画5015は、2010年10月、第42回韓米安保協議会(SCM)で韓米国防長官が北朝鮮の脅威と戦略状況の変化に総合的に対応できる新しい作戦計画樹立のため、「戦略企画指針」 (SPG)に合意したことによる後続措置だ。当時、新しい作戦計画の作成は、今年末に予定された戦時作戦統制権(戦作権)の転換に備えるための意味が大きかった。しかし、韓米軍当局は昨年、戦作権の転換を2020年代半ばまで再延期することに合意したが、「作戦計画5015」は当初の計画通りに進めてきた。 
従来の作戦計画5027と新規の作戦計画5015 
年末までに具体的な計画を完成北朝鮮による局地挑発に共同で対応し大量破壊兵器の脅威への備えに焦点既存の「5027」よりも迅速・積極的   
 ミサイルなどの大量破壊兵器の脅威の増加など、軍事安保上の環境の変化に対する韓米連合戦力の軍事的対応に焦点を当てていることが分かった。従来の作戦計画5027は、主に北朝鮮の南侵に伴う全面戦争の状況を想定したシナリオに沿って、6段階の対応で構成されている。北朝鮮軍の奇襲南侵が発生した場合、ソウル北側の防衛線で北朝鮮軍を阻止し、米軍の増援戦力が到着したら、戦列を整備して反撃に出るという概念だ。 
 今回の作戦計画5015は、北朝鮮の局地挑発による戦争拡大の可能性が大きくなるにつれ、韓米連合戦力が局地挑発にどのような手順で対応するかなどが検討されたものと見られる。韓米軍当局は、すでに2013年3月に「局地挑発への韓米共同対応計画」を策定したと発表した。今回の作戦計画5015には、当時合意された内容が以降の状況の変化まで反映して含まれたと伝えられた。軍関係者は、「作戦計画5027が、主に北朝鮮の全面的な南侵に備えるのに焦点を当てているのに比べ、今回の作戦計画5015には、北朝鮮の全面戦争挑発の前に、局地挑発の段階から韓米連合防衛体制をどのように稼働するかなどが盛り込まれた」と述べた。 
 また、北朝鮮の核・ミサイル発射の兆候が見られたら、30分以内に先制打撃するという韓国軍の「キルチェーン」の概念も、今回の作戦計画に反映されたことが分かった。軍関係者は、「北朝鮮の核・ミサイル攻撃の脅威に対しても、韓米連合防衛体制で備えるようになる」とし「北朝鮮が核・ミサイル攻撃をする前に、あらかじめ軍事的に対応して被害を予防することは、先制攻撃ではなく、自衛権に基づく対応」と述べた。 
 一方、チョ・サンホ国防部軍構造改革推進管はこの日、ソウルの戦争記念館で韓国国防安保フォーラム(KODEF)の主催で開かれた安保学術セミナーに参加し、あらかじめ配布した発表文で、「私たち(韓国)主導、私たち優位の非対称戦略概念の開発」の必要性を提起し、心理戦、情報優位性、精密打撃能力とともに「斬首作戦」を例示して問題になった。斬首作戦は、有事の際、敵国が核兵器を使用しようとする兆候が見られたら、核兵器承認権者を除去し、核兵器の使用を防ぐものだという。最近、南北が軍事衝突を防ぎようやく作り上げた対話の雰囲気に、水を差すような発言だという指摘も出ている。
 「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル16」は、かなりの規模の軍事演習です。そうして、新たな軍事作戦「5015」もかなり大掛かりな作戦です。

この新たな軍事作戦「5015」に含まれる、要人斬首のための部隊をすでに米軍が、朝鮮半島に駐屯させていることはこのブログでも以前掲載しました。

北朝鮮の場合は、北朝鮮政府が情報を統制しているので、この軍事訓練の規模など人民には詳細までは知らせないので、混乱などおこりませんが、自分たちの実力を良く知っている幹部連中は心穏やかではないでしょう。特に斬首作戦にはかなり心理的効果があるものと思います。幹部など、警備の手薄なところにはなかなか出かけられないということになります。

最近の金正恩
このようなことを、中国と北朝鮮あたりが、日本の近海で行えば、日本はどうなることでしょう。日本なら大混乱するかもしれません。いや、それどころか、日本国民は再軍備や、核武装などを望むようになるかもしれません。そうなれば、元も子もなくなるので、今までのところ中国や、北朝鮮も日本に対しては、挑発してもある程度以上のことはしなかったのだと思います。

それにしても、斬首作戦など、本当に実行するかもしれません。何しろ、アメリカはあのオサマ・ビンラディンを斬首した国です。

本当に警備などが手薄な場所や日時を特定できたら、実行する可能性は十分にあると思います。そうして、核兵器の使用を承諾できる幹部を全員を斬首または、捕獲できた場合、その後に戦争に雪崩れ込むというシナリオも十分考えられます。

特に、最近は、南シナ海で増長する中国に対して、見せしめのために、中国の目の前でそれを実行するかもしれません。これを実行した場合、中国もパニックに陥ることでしょう。

最近、増長して身の程知らずになってしまった、北朝鮮や中国にとっては、有効な手段であると思います。それにしても、オバマは「アメリカは世界の警察官をやめる」などと公言したり、及び腰の態度で外交に臨んだため、中国、ロシア、北朝鮮、韓国などを増長させてしまいました。

これに対する見せしめにするためには、北朝鮮の要人などは、格好の標的だと思います。

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2014年2月4日火曜日

米紙が相次ぎ「日本海」支持 米州の「東海」併記法案 下院委員会でも可決―【私の論評】中韓の反日を封印させるためには、まずは内なる敵を駆逐せよ(゚д゚)!

米紙が相次ぎ「日本海」支持 米州の「東海」併記法案 下院委員会でも可決

2014.2.4 08:59 [米国]

他の州ではすでに日本海(東海)併記がなされているところもある

【ワシントン=青木伸行】米バージニア州下院教育委員会は3日、「日本海」と記載されている州内の公立学校の教科書に、韓国政府が主張する「東海」を併記する法案を賛成19、反対3で可決した。こうした中、複数の米紙が社説で法案に異議を唱え、同州の地元紙は「日本海」の単独呼称に支持を表明した。

同州議会では、上下両院にそれぞれ提出された2法案が並行審議されており、3日に可決されたのは下院提出法案。6日に本会議で可決される見通しが強まっている。これとは別に先月、上院本会議で可決され下院に送付された法案は、今月中旬にも下院小委員会で採決される見通し。

こうした情勢下で米紙ワシントン・ポストは3日付の社説で「(学校で)教える歴史は、歴史家の優れた判断に準拠するべきだ」とし、議会が立法措置により、歴史認識に判断を下すことは妥当ではないとの認識を示した。

さらに、韓国系団体がロビー活動を展開し法案を推進している現状を踏まえ、「『バージニアには韓国系が多くいる。日系人はとても少ない』という考慮によるべきではない」と反対した。

また、地元紙「リッチモンド・タイムズ・ディスパッチ」(3日付)も社説で「議会と議員は、教科書の問題に関与し学校(教育)の詳細を管理すべきではない」と指摘。「州は何であれ、連邦政府が採用しているものを採用すべきだ。それは『日本海』だ」とし、連邦政府と同様、「日本海」の単独呼称を支持すると明確に主張している。

【私の論評】中韓の反日を封印させるためには、まずは内なる敵を駆逐せよ(゚д゚)!

現在の韓国は、このブログでも紹介したように、経済はどん詰まり、国際関係では、北朝鮮の脅威に輪をかけて中国の脅威もあり、とんでもない状況にあります。そんなときに、アメリカの一州の教科書の表記をどうのこうのと言っているような余裕などないはずですが、こんなことに血道を上げるのが今の韓国です。

このバージニア州では、日本海(東海)と表記すべきことが決まりそうですが、アメリカ合衆国そのものの見解は、むろん日本海単一表記が当然のことされています。それは、下の写真ご覧いただければ、おわかりになると思います。




さて、このような合衆国の見解に抗って、バージニア州は日本海(東海)併記をしようというわけです。上記のようにアメリカのマスコミは、この動きには反対しているものも多いということです。このようなことがなぜおこるかといえば、日本のマスコミにもその責任が一端があります。

下の動画では、杉田水脈議員が、放送法に罰則規定がないことを指摘しています。



現在の日本では、放送法があっても、罰則規定がありません。河野談話についても、非難しています。

慰安婦問題も、日本海(東海)併記問題も根は同じです。まずは、日本のマスコミ、政治家の嘘です。大方のマスコミと、日本の政治家が慰安婦問題に関して嘘の見解を示す限り、永遠に解消されることはないでしよう。

日本海(東海)併記に関しても、報道しない自由を発揮して、報道しないマスコミにも問題がありすぎです。この問題について、Googleで調べてみたところ、まともに報道しているのは、産経くらいなものです。本日20:20の段階でのGoogleの検索結果を以下に示しておきます。


まともに報道しているのは、産経くらいなもので、あとは朝日テレビが報道していますが、大手の新聞社などのサイトはありません。このような報道をしない、大手新聞などは、報道しない自由という権利ばかり主張していて、義務は履行していないようです。

こんなマスコミの状況を上念、倉山両氏は、動画で徹底的に揶揄しまくっています。その動画を以下に掲載します。



詳細は、この動画をご覧いただくものとして、この動画では海外では新聞社とテレビ局が同じグループであることなどあり得ないことを掲載していました。それは、当然のことです。情報があまりにも集中してしまいます。日本では、まずテレビ局と、新聞を分離する必要があると思います。

それから、各新聞・テレビのグループを徹底的に揶揄しまくっています。この動画の中から、各グループにお二方がつけた呼称を以下に掲載しておきます。
・NHK                       =上海電視台
・読売新聞、日本テレビ=日和見保守
・朝日新聞、テレビ朝日=流行通信
・毎日新聞、TBS        =第二聖教新聞
・日経新聞、テレビ東京=観測気球
・産経新聞、フジテレビ =八百長保守
徹底的な揶揄ですが、それぞれのグループの特徴を見事に言い当てています。

日本のテレビも新聞も本当にこんなものです。かなり劣化しています。このような新聞・テレビでは、まともな報道もできず、中国・韓国を利するばかりです。やはり、日本でもテレビだけではなく、新聞も、少なくとも故意であうがなかろうが、明らかな嘘を報道したときには、何か罰則を課するべきです。

中国・韓国が反日などのバカ真似をすれば、この国々に対して厳重な抗議をすることは当然のことですが、それと同時というか、それより先くらいに、内なる敵であるマスコミ、政治家を何とかしなければなりません。それをしない限りにおいては、いつまでたっても、いわれのない中韓の反日の呪縛から解き放たれることはありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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