新聞記事からの転用(本編は転用記事の下にあります)---------------
14日午前の東京株式市場は、前日の外国為替市場で1ドル=100円を突破した円高進行が一服したことを好感して買い注文が先行し、日経平均株価 (225種)は反発した。米国市場で上昇したことで安心感も広がった。上げ幅は一時150円近くとなる場面もあったが、円高への警戒が根強く午前の取引終 了にかけて伸び悩んだ。
午前の終値は、前日比64円19銭高の1万2497円63銭。全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は4・73ポイント安の1211・14。出来高は約19億9600万株。
一方、14日午前の東京外国為替市場の円相場は反落し、1ドル=100円台後半で取引された。
前日の海外市場では、約12年ぶりの円高水準である99円77銭をつけた。その後、米大手格付け会社が、金融機関の米サブプライム住宅ローン絡みの損失計上が収束に向かうと見方を示したことなどを受け、ドルが買い戻された。
本編-------------------------------------------------------------------円高の動きとか、株価の動きなどをみてみると、やはりアメリカのいわゆる自由主義経済はだんだんと勢いが衰えてきているような気がします。今の現象は、ユーロ高とか、円高ではなくドル安というのが実情です。
では、ユーロひいては、EU(ヨーロッパ連合)は次世代の切り札になりえるのでしょうか?私はなりえないと思います。現在、アメリカの力が衰えているため、それを補完するものとして受入れられているだけだと思います。ヨーロッパの人々の中には、昔からローマ帝国への憧れがあり、昔のように一致団結してローマ帝国のように強くなろうという願望があります。そうしてその心の中には「パクスロマーナ(ローマによる平和)」という願望があると思います。
上は神聖ローマ帝国の紋章つきの王冠。王冠は残ったが国は消え去った。
古くは神聖ローマ帝国、その後はナポレオンも全ヨーロッパを統一しようという野望を持ちました。ヒトラーも第三帝国という名称で同じような野望を持ちました。でも皆さんもご存知のように、ことごとく失敗に終わりました。
第二次世界大戦後には、アメリカが強大な軍事力と経済力を背景に繁栄し一時パクスロマーナにたとえられて、パクスアメリカーナとも言われてきました。しかし、最近のイラク戦争をはじめとする、世界紛争などからみると最早パクスアメリカーナの時代も終焉したのではないかと思います。
同じくヨーロッパではEUという、経済においての統一が試みられ、統一貨幣としてユーロが生まれました。ヨーロッパの人々の中には、こうした試みによって「パクスロマーナ」が再興できるとの淡い期待があるものと思います。私は、この経済圏も過去の試みと同じように没落すると思っています。ただし、次に何が来るのかという明らかなビジョンがないため、没落せずに生きながらえているのだと思います。
その次に来るものとは何でしょうか。過去の延長線上のものではありません。過去といえば、パクスロマーナもパクスアメリカーナもすべて、陸地に縛られた考え方です。陸地には、海岸線があり、大きな河川があり、大きな山や森、砂漠があり現実にこれらが障害となり、国境線となったりして昔から紛争の種となってきました。人類は、陸地という制約から、戦略や戦術を考え、地政学という一つの学問領域もつくりあげてきました。最近では地政学的リスクなどということが言われ、株式市場などに大きな影響を与えています。さらには、最近では陸上の資源はかなり開発され、これ以上無制限に開発し続けると、地球環境に影響を与え、大変なことになるので、持続可能な経済を考えなければならないということが真剣に取りざたされています。確かに今のままであれば、そうです。
しかし、この次に来るものとは、地政学、地政学的リスクとか、パクスロマーナ、パクスアメリカーナとも全く関係ない世界です。私達生物の祖先はすべて海から生まれきました。海は私達生物の生みの親です。しかし、この海から陸上にあがり、陸上で生物は多様化し人類も生まれました。
次の時代にはこの海に戻るのです。そうです、人類の最後のフロンティアである海に戻るべきなのです。考えただけでも、面積だけでも海は陸の何倍もあります。さらに、陸地には最高の高さでも3000メートル級の山しかありませんが、海には世界最高峰の山を何十個も沈められるような海溝がいくつもあります。海は陸よりもはるかに広大なのです。さらに、地下資源、漁業資源、海底の深くに沈んでいるマリンスノーなど大資源の宝庫です。陸地と比較すれば、無尽蔵とも言っていいくらいの資源があります。
もちろん、この無尽蔵と言われる海洋資源ですら、貪欲な人類の手にかかれば短期間に使い尽くしてしまうかもしれません。私達は、陸上での失敗を海でも繰り返すべきではありません。しかし、現在の海洋は陸と比較すれば、全く手付かずといっても状況です。しかも、陸上のような農業や畜産のようなものはまだほとんど行なわれていません。
今後、こうした海洋に注目して、収奪するだけではなく農業や畜産のように、海藻や植物プランクトンなどや、動物プランクトンや魚介類を育てるようにすることによって革命的な産業や、文化・文明が発祥してくることでしょう。このような、育てる資源の中には鯨も含まれるかもしれません。事実、最近北欧の自然保護団体では、鯨肉を食べることは環境に優しいということが判ったなどと発表しています。
マグロの資源枯渇が叫ばれている中、近大ではマグロの養殖に成功した。近大式の養殖で育ったマグロには、一つ一つ上記のような卒業証書が付されている。今後、このように育てる漁業が成長していくだろう。次はどの魚が養殖されるようになるのか楽しみだ。
育てる海洋資源としては、現在でも、まだ規模は小さいですが、養殖場や、海洋牧場などがあります。海の資源を収奪するだけでなく、育てながら持続可能な経済をつくることは十分可能なことだと思います。海洋牧場に関しては、経営学の大家である故ドラッカー氏も著書の中で、人類最後のフロンティアであると述べています。これによって、人類は今までの陸という呪縛から逃れて、新たな世界を構築することができます。陸という呪縛から逃れることにより、明るい未来を信じることができます。おそらく、将来にはこの海洋牧場が至るところにつくられ、さらには、それらがネットワーク化されることでしょう。太平洋地域においては、北極から日本オーストラリア、南極までの巨大牧場が作られ、それらが互いに関連性を持ち、持続可能な資源開発に日々取組んでいることでしょう。無論大西洋にもそのようなものができるでしょう。海の資源を利用しつつ、低エネルギー、低炭素社会を構築することができます。海藻や植物プランクトンや、マリンスノーからバイオエタノールが作られるようになるかもしれません。余裕を持って食糧難・エネルギー不足を克服することができます。さらに良いことには、海には実質上線引きができません。現在でも、排他的経済水域などという考え方がありますが、これは人為的に作ったものであり、海に実際にそのような線引きがあるわけではありません。現在インターネットで多くの国とのコミュニケーションが国境を超えてできるようになっていますが、海にはもともと線引きがなく、海を中心にものを考えた場合、人類を縛り付けてきた、地政学的な見方は成り立ちません。
おそらく、地政学的な歴史観からつくられてきた、パクスロマーナとかパクスアメリカーナなどの考え方は用を成さないと思います。もう、どこかの国が強大になってその国の傘下のもとでの平和などという考えはなりたたくなります。なぜなら、有り余る資源があることから、奪い合いをする必要がなくなるからです。海洋開発がかなり進めば、人類は今よりかなり鷹揚になるものと思います。あいかわらず、競争社会であることには変りはないと思いますが、もともと普通に働きさえすれば、誰もがある程度の生活水準を保つことができるし、努力すれば努力しただけのものを得られる時代になるからです。衣食足りて礼節を知るという故事があるように、このときになって人類は初めて本当の意味での礼節を知り、戦争や紛争など起さなくなるのかもしれません。
無益な戦争もなくなるでしょう。こうして、人類は新しい次元に進むと考えます。こうした、海を中心としてた文明が開花したあかつきには、海を中心とてた平和な時代となることでしょう。私は、これを「パクスマリーナ」と呼びたい。
いろいろな、夢物語を勝手に描いてしまいましたが、これを完全に実現するためには、1~2世紀を要するかもしれません。人類は未だ「パクスマリーナ」に向かって、スタート地点にも立っていないのかもしれません。海洋には関係がありながら、それそれぞれ、分割された思考体系、パラダイム、哲学、学問体系や、技術体系しかもっていないかもしれません。しかし、このような人類のビジョンを実現するために、日々努力することは、陸地に縛られて、その範囲内だけでものを考えて、穀物相場や、日々為替レートや株価を気にしている生活よりもずっと楽しく有意義だとは思いませんか。明るい展望が見えてはきませんか?子供達に向かって、新たなビジョンに向かって努力すべきことを高らかに宣言することができるのではないですか?人類はパクスマリーナに向かって邁進すべきと思います。今はまだその時期ではないのかもしれませんが、このまま放置しておいても、いずれそうせざるを得ない状況に追い込まれると思います。
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