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2019年2月24日日曜日

【田村秀男の日曜経済講座】消費税増税素通りの無責任国会 デフレの悪夢を招き寄せるのか―【私の論評】IMFにも米財務省にも指摘された、日本の消費税増税の非合理(゚д゚)!

【田村秀男の日曜経済講座】消費税増税素通りの無責任国会 デフレの悪夢を招き寄せるのか

 今通常国会は小役人による厚生労働省の統計不正追及に終始し、国民経済を左右する10月からの消費税率引き上げはそっちのけだ。消費税増税はデフレという悪夢を招き寄せかねないのに、真剣な論戦がないのは国政の責任放棄ではないのか。

 「悪夢」と言えば、安倍晋三首相が先の自民党大会で旧民主党政権をそう決めつけた。首相はその前の国会施政方針演説で「デフレマインドが払拭されようとしている」と明言した。首相は、国民にとっての民主党政権時代の最大の悪夢はデフレ不況であることを念頭に、アベノミクスがデフレ病を克服しつつあると誇示したかったのだろう。

 ニュースを見ると、人件費や物流費の上昇を受けて今春以降、牛乳、ヨーグルト、カップ麺、高速バス運賃などの値上げが予定されている(18日付産経朝刊)。物価が全般的かつ継続的に下がるというのが経済学教科書でいうデフレの定義だが、生活実感には必ずしもそぐわない。

 物価がたとえ上がっていても、賃金上昇が追いつかないと、デフレ圧力というものが生じる。懐具合がよくないのだから消費需要が減退する。低販売価格を強いられる企業は賃上げを渋る。こうして物価が下落に転じ、賃金も道連れになる。それこそがデフレの正体だ。こじれると賃金が物価以上に下がる。

 政府がわざわざ国民生活をデフレ圧力にさらすのが消費税増税だ。モノやサービス全体を一挙に増税で覆いかぶせる。平成9年度、橋本龍太郎政権が消費税率を3%から5%に上げると、物価は強制的に上がったが、名目国内総生産(GDP)の成長が止まった。その後、物価下落を上回る速度で名目GDPが縮小する長期トレンドに陥った。



 上述したように、消費税増税後、産業界全体が賃金や雇用を減らすようになり、物価の全般的な下落と国民全体の所得減が同時進行する悪循環が起きた。グラフを見よう。旧民主党政権が発足した平成21年以降の名目GDP、GDP全体の物価指数であるデフレーターと日銀による資金供給(「マネタリーベース」)の前年同期比の増減率を比べている。旧民主党政権下では、リーマンショック後のデフレから抜け出せない中、23年3月の東日本大震災に遭遇するとGDP、物価ともマイナスに落ち込んだ。

 思い起こせば、旧民主党政権は確かに無策そのものだった。筆者は22年初め、経済学者の故宍戸駿太郎筑波大学名誉教授らとともに政権を奪取した旧民主党の鳩山由紀夫首相(当時)に直接会って、財政ばかりでなく金融でも量的拡大策をとるよう進言した。鳩山氏は大きな目をくるくる回しながら聞き入れ、「そうですね、金融緩和は重要ですね」と同意した。

総理大臣だった頃の鳩山由紀夫氏


 だが、日銀は一向に動かないままだ。しばらくたったあと、たまたま国会の会議室で出会った鳩山元首相に問いただすと、「官房長官を通じて、日銀に申し上げたのですが、断られました」とあっさりしたものだった。

 日銀の白川方明総裁(同)は金融政策ではデフレを直せないという「日銀理論」の権化のような存在だ。白川日銀が東日本大震災後、資金供給を増やしたのはつかの間で、資金を回収する引き締めに戻し、デフレを高進させた。

財務官僚は、うぶな旧民主党政権を消費税大幅増税の踏み台にした。野田佳彦首相(同)は言われるがままに消費税増税に向けた旧民主、自民、公明の3党合意を成立させた。税率を3%、2%の2段階で引き上げる内容だった。

 省内では「欧州でもそんな大幅な引き上げは景気への悪影響を懸念して避け、小刻みな幅にとどめる」との慎重論が出たが、幹部は「民主党政権の今こそ千載一遇の好機だ」と一蹴した。デフレを放置し、慢性デフレを悪化させる消費税増税にのめり込んだ旧民主党は、衆院総選挙で脱デフレと大胆な金融緩和を唱える安倍自民に惨敗した。

 安倍政権は異次元金融緩和を中心とするアベノミクスで景気を拡大させたが、26年度の消費税率8%への引き上げで大きくつまずいた。デフレーターもGDPも大きく落ち込んだあと、輸出主導で少し持ち直したが、昨年後半は2四半期連続で名目GDPが前年同期比マイナスになった。

 頼みの外需では米国景気拡大が止まった上、中国経済は昨年後半から減速が目立つ。トランプ米政権による対中制裁関税の追い打ちで中国の景気悪化は加速する情勢だ。安倍首相がそれでも消費税率10%を実施するなら、「悪夢」という言葉はブーメランになって自身を襲いかねない。

【私の論評】IMFにも米財務省にも指摘された、日本の消費税増税の非合理(゚д゚)!

日本の消費増税をめぐる議論は、全部嘘です。

「日本は1000兆円の借金を抱えていて財政が破綻する。財政再建のために、消費税を増税するしかない」これは、明らかな嘘です。

「日本は少子高齢化が進んでいて、社会保障の財源が足りないから、消費税を増税するしかない」これも、完璧な嘘です。

しかし日本のメディアでは、そのような「嘘の言説」だけ流します。結果として、そのような嘘が日本ではあたかも「まじめな議論」として通り、まことしやかに語られるどころか、様々な理由で増税に反対すれば、倫理的におかしいなどと批判されてしまうことすらあります。

逆に「消費税に関する議論は嘘ばかりだ」と声を上げると、白眼視される雰囲気さえあります。それは長い年月をかけて培われてきた、日本の「特殊な言論空間」以外の何者でもありません。

消費税の議論は、主に3つあります。
1 財政破綻論 
2 社会保障論 
3 景気論
このうち、1の財政破綻論が嘘であることは、2018年10月にIMF(国際通貨基金)が発表したレポートで世界中にバレてしまいました。これについては、このブログでも掲載したことがあります。
コラム:日本の純資産はプラマイゼロ、IMFの新国富論―【私の論評】財務省は解体し複数の他官庁の下部組織として組み入れ、そのDNAを絶つべき(゚д゚)!

IMFのレポートの内容は、私が従来から主張していたことと同じです。まず財政は、資産と負債の両方が書かれたバランスシート(貸借対照表)で見るものであり、資産と負債の差額である純資産(ネット資産)で判断するものです。

純資産で見ると、日本の財政はバランスが取れており、むしろ健全である、というのが私が主張してきたことです。

IMFレポートも、国の財政は負債だけでなく、資産と併せて見るべきものだと指摘しています。その観点から見ると、じつは日本の財政はG7中、カナダに次いで健全であることが示されています。

またIMFが発表するまでもなく、日本の財政が破綻状態にないことは、世界中の金融のプロたちはよく知っています。

その証拠に、世界で経済的リスクが高まると、決まって「リスク回避」や「安全資産への逃避」を理由に円通貨が買われ、円高になります。経済リスクがあるときに、財政破綻の可能性が高い国の通貨を買う人はいません。先進国のなかでも日本が財政破綻する可能性は低いと知っているから、安全な資産として円が買われるのです。

ところが、財務省は「1000兆円の国の借金」ばかりを喧伝し、マスコミも同じことしか書きません。

しかし借金の額だけを見ても、前述のバランスシートで判断しなければ国の財政のことはわかりません。増税を目論む財務省は、自分たちにとって都合の悪いIMFレポートには触れてほしくなさそうですが、このレポートは世界に向けて公表されたものであり、世界の誰でも読めるものです。

「日本の財政は破綻しそうにない」事実が世界に公開され、「財政破綻だから増税する」という財務省のロジックは、まったく根拠のないものであることが明確になりました。

次に、2 の社会保障論も全くの嘘です いま増税派は、財政破綻論から増税論を語るのは分が悪くなってきたと思ったのか、「社会保障費のための消費増税」という論点に軸足を移しています。

かいつまんでいえば「少子高齢化が進み、年金・医療などの社会保障の財源が足りなくなる。消費税を増税しなければならない」という論です。

しかし、この論も全くの嘘で、間違いといわざるをえません。なぜなら年金、医療、介護の3つの社会保障は、基本的には税ではなく「保険方式」で運営されているからです。実際、世界のいずれの国でも古今東西、社会保障を税で賄うなどという途方もない嘘を言ったのは、日本の財務省とそれに追随する日本のマスコミや識者だけです。

最後に、3 の景気論です。

安倍首相は、リーマンショック級のことがなければ消費増税を行なう、といっていますが、一ついえば世界経済、とくに英国のEU離脱の行方が心配です。

私は、英国のEU離脱は世界経済にリーマンショック級の影響を与える可能性がある、としてきました。その当時は「合意ある離脱」が前提であり、英国政府の予測では、GDPに与える悪影響は3・6~6.0%でした。

いまは「合意なき離脱」を覚悟せざるをえない状態であり、そのインパクトは二倍程度でしょう。であれば、まさにリーマンショック級になるのは避けられないと思います。

米中貿易戦争での中国の景気ダウンも心配です。

中国はまだ成長率6%台といっていますが、この数字が当てにならないのは誰でも知っています。本当に6%台なら景気対策の必要はないでしょうが、中国は20兆円台の減税をやろうとしています。

そのなかで、いま16%の消費税率(増価税率)を10%へ引き下げるとしています。あの中国ですら消費減税しようとしているのですから、これもリーマンショック級といって良いでしょう。

日本としては政策総動員を準備すべきであり、このタイミングで消費増税をするのは間違いです。リーマンショック時に「蚊に刺されたような」と楽観視し、適切な政策が打てずに大混乱したことを忘れてはいけません。

そうして、最後に米国財務省の動きも掲載しておきます。

米国財務省による米外国為替半期報告書に次のような記載があります、"In Japan, growth also has become more uncertain, with setbacks highlighted by a large, tax-induced contraction in the second quarter."

これを日本語に翻訳すると、

「第2四半期の消費税増税という政策的逆行(setback アベノミクスの経済成長路線を妨げた・逆行)のせいで景気後退してしまったので、日本の経済成長率の見通しはより不透明になりつつある」です。

この報告書の本編は以下のリンクからご覧いただけます。


第2四半期の消費税増税とは、2014年の4月の8%への消費税増税を指します。米国財務省は、これが失敗し景気後退したとはっきり述べているわけです。

米国財務省が日本に対して増税を延期しろって直接言うと内政干渉になってしまいますから、婉曲的な表現にして、その中で増税延期を迫っているとみるのが妥当な見方だと思います。これについては、日本のマスコミは完全無視です。

トランプ大統領はなぜ「日本の消費税」に怒るのか、安倍総理は理解しているのか?

このブログで過去にも述べたように、トランプ政権は、日本の消費税を日本の輸出産業に対する補助金のようにみなしていて、反対しています。さらに、米国では元々消費税は不公平な税制とみなしています。これに関しては下の【関連記事】のところに当該記事を掲載しておきますので、詳細を知りたいかたはこの記事をご覧になって下さい。

世界にリーマン級の危機が訪れているにもかかわらず、わざわざ増税するのには何か魂胆があると米国側にみられて、実際増税すれば、それへの対抗措置として日米通商交渉で関税を上げられてしまうということにもなりかねません。

以上に述べたように、これだけのリスクがあり、IMFと米国財務省からも指摘されているのに、なぜ来年消費税を10%に上げるのは異常といっても過言ではないです。

【関連記事】

コラム:日本の純資産はプラマイゼロ、IMFの新国富論―【私の論評】財務省は解体し複数の他官庁の下部組織として組み入れ、そのDNAを絶つべき(゚д゚)!

2018年11月7日水曜日

米財務省からの「恐怖の電話」に韓国銀行は白旗! “徴用工”で日本も敵に回した韓国に援軍なし―【私の論評】根拠のない選民思想で崩壊する民族(゚д゚)!

米財務省からの「恐怖の電話」に韓国銀行は白旗! “徴用工”で日本も敵に回した韓国に援軍なし 

徴用工でまた…韓国“異常”判決

米国と中国の狭間で揺さぶられる韓国。北朝鮮に接近し、「中立国家」を妄想する文在寅(ムン・ジェイン)政権に対し、「米国の“お仕置き”が始まった」と指摘するのは、元日本経済新聞編集委員の鈴置高史(すずおき・たかぶみ)氏だ。いわゆる「徴用工判決」をめぐり、日本は国際司法裁判所(ICJ)に単独提訴する方針を固めた。朝鮮半島情勢をウオッチしてきた鈴置氏は、韓国の現状を「打開策はない」と分析する。

鈴置氏は近著の『米韓同盟消滅』(新潮新書)で、韓国の歴代政権の対外姿勢の変遷や韓国人のメンタリティーなども論じている。

チェ・スンシル問題に類似していると話題の『密会』という
韓国ドラマの2話に「中二病」と発言するシーンが・・・・

「韓国人の若者の間で『中二病』という言葉が出てきた」と鈴置氏。韓国紙、中央日報でも「中二病」が使われているという。

「中二病」とは、中学2年生前後の思春期特有の自意識過剰や妄想にふける様子を示す日本生まれの言葉だ。「韓国は自分に隠された力があると信じているが、世間が認めてくれないので世界に知らしめなければいけないと思っている」というのだ。

韓国社会でそうした傾向が強まってきたのが2008年のリーマン・ショック以降だといい、「中国と一緒になって、米国や日本を見下すような姿勢を取るようになった」と鈴置氏。呼応するように、政権も米国に反発する態度を取るようになってきたとみる。

歴代大統領は「朴槿恵(パク・クネ)政権になると中国を、文政権は北朝鮮を敵としなかったことで『米韓共通の敵』がなくなった。韓国人の多くは南北分断を解消するには大国の力を排除して中立化するしかないと思っている。観念論者の文氏は経済のことは考えていないようだ」と鈴置氏は分析する。

もちろん米国が黙って見過ごすわけはない。鈴置氏が注目するのが、中央日報(日本語版)が5日報じた《米財務省の「恐怖の電話」で南北経済協力の窓を閉めた韓国の銀行》との記事だ。韓国の7つの銀行が米財務省テロ金融情報局から「対北朝鮮制裁を順守すべきだ」という内容の要請を直接受け、緊張の度合いを高めているといった内容で、同紙は「韓国政府の表情を眺めていた銀行が今では米国の顔色をうかがっている」と表現した。

「これまでにない“お仕置き”の仕方だ」と鈴置氏は強調する。「韓国の大手銀行は、ドルで決済しないと生きていけない。米韓同盟が消滅すると当然、資本は一斉に引くが、情報が流れるだけでも信用不安につながる」

資本流出への備えとなるのが通貨交換(スワップ)協定だが、韓国は米国とのドル建てスワップはすでに終了している。中国とのスワップも、韓国側は延長したと公表したが、鈴置氏は「中国は明言しておらず、何かあったときにスワップに応じるかどうかは分からない」と喝破する。

実は頼みの綱は日本しかないのだが、最高裁判決でほぼ不可能になった。「まさに『レミングの群れ』(集団で水に飛び込んで死ぬとされるネズミ科の動物)だ」と鈴置氏。「米国の韓国専門家も『微妙な段階で余計なことをした』と懸念を示すほどで、米国自身も韓国に手を焼いている。韓国は援軍のいないところで日本を敵に回したことになる」

日本はICJへの単独提訴や、第三国の仲介による仲裁委員会での判断を視野に入れている。鈴置氏は今後の動向をこう予測する。

「ICJや仲裁委員会では韓国は不利だと思っており、財団方式(での補償)を求めてくるだろうが、慰安婦で失敗して日本も認識しているので甘い顔はしないだろう」

打つ手のない韓国はどこへ行くのか。

鈴置高史(すずおき・たかぶみ) 1954年生まれ。早大政経学部卒業後、日本経済新聞社に入社。1987~92年にソウル特派員を務める。香港特派員、経済解説部長、編集委員などを歴任し2018年退社。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。朝鮮半島情勢の鋭い分析と予測で知られる。『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞出版社)などの著書がある。

【私の論評】根拠のない選民思想で崩壊する民族(゚д゚)!

韓国旗

慰安婦問題や北朝鮮との宥和政策など、国際的な取り決めを一方的に反故にし、自分たちだけの勝手な理屈で動く韓国。なぜそのような理屈が通ってしまうのでしょうか。なぜ「韓国の常識は、世界の非常識」と言われるのでしょうか。評論家の室谷克実氏は、「世界で稀な優秀なる単一民族、と教えられるからそうなるのだ」と解説します。

室谷克実氏


(以下「新潮45」3月号、【特集】「非常識国家」韓国 「歪んだ教育が生む『選民意識』の国民たち」(室谷克実)より抜粋)

新潮45 3月号表紙

"
「韓国の常識は、世界の非常識」と、かねて韓国ウオッチャーの間で言われてきた。

「お客様は神様です」との台詞は日本の上方芸人が言い出したらしいが、P・ドラッカーも難しい表現で同じようなことを言っていた。(ブログ管理人注:「企業の目的は、顧客の創造」であるのことか?)

「お客様は神様です」は資本主義が発達した国では常識だ。もちろん韓国でも「お客様は神様です」だ。

ところが、韓国の場合は「神様の偉さ」が度を超えている。

例えば「韓国の神様」は、衣料品店に外出の際に1度、あるいは2度ぐらい着た服を持ってきて、「気に入らないから返品する。金を返して」と要求する。店が断ると「消費者をバカにしている店だとネットにいろいろ書いてやる」と恫喝する。

仕方がなく店が返金に応じても、それでは終わらない。謝罪要求が続く。店員に土下座を強要するような「神様」が韓国にはたくさんいる。(中略)

店が「神様」をバカにすることも多々ある。前述の衣料品店なら、返品された服を新品として大人しそうな客に売りつけるのは当たり前だ。

飲食店で、客の食べ残しを次の客に出すのは、まさに“韓国の常識中の常識”だ。

気に入らない客が来たら、痰を吐き入れたドンブリを出すことも珍しくない。

日本人からすると「信じがたい非常識」「悪質きわまる」となるだろうが、まるで武勇伝を記録するかのように、そうした場面を映したユーチューブはたくさんある。



ソルロンタン(牛の頭などを煮込んだ白濁したスープ料理)や、粥の類は要注意だ。

「高級ホテルで食べる鮑粥なら大丈夫」などと思ってはいけない。なにしろ「世界の常識」が通じない国なのだから。

選民思想と自己主張の国

なぜ韓国では、「世界の非常識」が常識になったのだろうか。

私は教育によるところが圧倒的だと思っている。

韓国の教育は、賤民いや選民思想に基づく。

「われわれは世界でも稀な単一民族であり、世界で最も優秀な民族だ」

「われわれは加害者になった歴史がなく、常に被害者だった」

「世界中の民が韓国に憧れている」

「われわれの価値観は常に正しい」

「日本人は文明的に遅れた民族であり、われわれは日本人に対して常に道徳的優位にある」

こんなことを幼い時から刷り込むのだ。そして、協調性の大切さよりも、自己主張を立派にできることの重要さを教え込む。

では、そうした「正しい教育」を受けて育ち、物心がついた頃に見る韓国社会はどんなものなのか。

私利私欲に走ることが当たり前であり、悪いことをしても見付からなければ良いとする社会だ。

滅私奉公の精神など存在しない。その逆の「滅公奉私」が彼らの基本的価値観だ。

原子力発電所で大事故が起きたら、大惨事になる。

福島原発の大事故の際、東京電力の現場は、まさに滅私奉公の精神で対処した。

韓国では、安全性に細心の注意を払うべき原発に、性能証明書を偽造して不正部品を導入した。原発を運営する国策会社の社長を含む幹部、部品納入会社の関係者ら百余人が逮捕された。

自分の懐が温まるのなら、世界の常識である「原発の安全性」など、どうでもいい――まさしく私利私欲が公益に優先する滅公奉私の社会だ。

そして「見付かっちゃったとは、運が悪かったね」で終わるのだ。

端的に言えば、公徳心の欠片もない社会であり、誰もが常に「騙されないようにしなくてはいけない」と身構えている総体的不信の社会だ。

が、彼らにとっては、それが「世界中が羨む韓国社会」なのだ。

だから彼らは、世界のどこへ行っても「韓国の正しい常識=世界の非常識」を貫こうとする。

それが外国人から批判されると、「遅れた民族は、われわれの進んだ常識に対応できずに文句を言っている」と思い込む。

例えば、韓国の留学生は、図書館で地図帳を借りては、「日本海」あるいは「ジャパンシー」(JAPAN SEA)とある表記を消して「東海」(EAST SEA)と書き込む。

最近は「東海」(EAST SEA)と印刷されたシールが、留学に出る学生に国策団体から渡されるという。

公共の図書館の蔵書に、そんな工作をするとは、まさに「世界の非常識」だ。ところが彼らは、図書館の職員に見つけられ注意されると「正しい知識を、遅れた国の民に教えてやっているのに何が悪い」と居直るのだ。(中略)

韓国の教育は、韓国人に自国に対する限りない自信を与えている。韓国人にとって“進んだ韓国型常識”で動いている韓国は「素晴らしい国」なのだ。(後略)
"

***

全文は「新潮45」3月号に掲載。韓国社会の「信じがたい非常識」の実例や、韓国を知る日本人ほど韓国を嫌うという実態、韓国で行われる国際イベントの杜撰な運営体制などを詳しくレポートしています。また、同特集では他にも「自滅に向かう『親北トンデモ外交』」(李相哲)、「『願望』史の国」(八幡和郎)など、「非常識国家」韓国を多角的に分析しています。

室谷克実も語るように、韓国人には選民思想があるといいますが、では選民思想とは何なのでしょうか。それは、無論本当に神がその民を選んだということではなく、神に選ばれたという事にして民を率いることが実行しやすいということで、行われたようです。

例えばモーゼが、エジプトで奴隷になっていたイスラエルの民を出エジプトさせるのに、モーゼ個人の力だけでは不足であるため、モーゼには神が付いている、イスラエル民族に出エジプトさせようとする神がいるとして、神の名を借りたのでしょう。モーゼに神が付いている以上、イスラエルの民は従わざるをおえないです。

映画「十戒」より

バビロン捕囚に遭ったイスラエル民族も、その後民族をまとめるために、多神教から一神教に変更し、イスラエル民族を導く神・ヤハウェイを作り出しました。そうして、イスラエル民族は、神ヤハウェイが選んだ民、選民となったのです。そうする事で指導者は民衆をまとめやすくなったのです。

日本では、江戸時代に黒船が来て大騒ぎになりました。このままでは欧米列強に蹂躙されてしまうということで、深刻な情勢となり、それを乗り切るため天皇を神として、日本の民族主義が始まったようです。どの国でも一国をまとめるためには、政治よりも宗教中心の民族主義が一番効果があるようです。

幕末浦賀に来校した“サスケハナ”と同型の“ポーハタン”の図 所蔵:神奈川県立歴史博物館

では韓国人はどうなのでしょうか。彼らは選民なのでしょうか。韓国朝鮮の歴史の中で、これといった一神教の宗教は存在しません。

せいぜい儒教とか、事大主義、両班(ヤンパン:貴族のこと)中心の奴隷制度は存在するものの、これは宗教とは呼べないものであり、「チャングムの誓い」の宮廷ドラマなどを見ても、神という言葉は一切出てきません。

キリスト教が盛んになったのは戦後であり、神から程遠い国でした。文鮮明教祖が、神に最も近いのが韓国人であり、神に最も遠いのが日本人であると言ったそうですが、これは真っ赤な嘘です。

韓国人の選民意識とは、神を抜きにした民族主義であり、「朝鮮人とは紀元前2333年から続く純潔の単一民族」というのもです。もちろんこれは、根拠が全く薄弱な話ですが、国民を洗脳してまとめ上げていくのに効果があるようです。

韓国の学校では、神話上の「檀君がBC2333年、朝鮮を建国し・・・」等と本気で教えています。

日本に関しては、「未開で何の文化的背景ももっていなかった石器時代の倭人に対し、優れた単一民族の朝鮮人が移民し文明化してやった、日本という国も文化も作ったのは我々である」「日本人とは優れた韓民族と野蛮な縄文人の混血である」という考え方であると教えています。

こうした背景から、日本や日本文化に対して韓国人は非常に特別な感情を持っています。彼らは公教育で「日本という国と文化は自分達が作ったのだ」「古代、百済人は日本を支配していた」と教えられて育つため、日本人も「同じ“正しい”歴史観を持たなければいけない」と非常に強く感じています。

彼らの歴史観では檀君の時代からずっと一つの民族が、他の国や民族から支配される事無く、朝鮮半島で民族の純血を守り通し単一民族国家を形成し、「日本を支配していた事になっていなければならない」のです。

選民意識の強い韓国人は、特に日本人の「劣等性」を指摘する事で自己の優越性を実感しやすいため、逆に日本人から「韓国社会の問題」を指摘されることを極端に嫌う傾向にあります。彼らの価値観では、相手から問題点を指摘されたときに、それを認めるという事は自らが相手よりも劣等であると認めるのと同じだからです。

韓国人の選民意識とは、「韓国朝鮮人は5000年の歴史があり、世界一優秀な単一民族である」ということです。

ここには神は存在しません。神抜きの思想であると言いうより、自らを絶対的な民、神としているようです。

自分たちは選民だとする彼らは、自分たちは絶対的な民であると、自らを最高の善とし、自分たちに従わない国は悪であるし、自分たちより優れた国は感情的に許せないのです。

この選民思想は、史実とは無関係であり、とにかく傲慢極まりない悪質な思想です。そうして、これは、戦後、国民をまとめ上げるために作られた民族主義に過ぎません。自国民を美化神格化した民族主義です。

イスラエル民族の選民思想場合は、イスラエルの神が弱い民を導いているという神中心の民族主義です。

韓国は、再臨主のために準備された民族ではなく、根拠のない選民話を作り上げて、信者を増やし、組織拡大しているだけです。韓国の選民思想における、再臨論は韓国の妄想民族主義で成り立っています。

それらしい嘘の話をでっちあげて、自国民を籠絡して服従させるための韓国宗教が、韓国選民思想です。一般信徒は信じて利用されているだけなのですが、教祖や幹部は信徒をコントロールするのが仕事です。

戦後50年くらいまでは、まともな大人には、このような作り話はあまり信用されていなかったのでしょうが、戦後70年もたち、子供の頃からこのような教育をされると、選民思想にかなり染まる韓国人が主流になったのでしょう。

だからこそ、選民意識の強い韓国では、国民情緒法という、他国からみると非常識と思われる、韓国の常識ができあがったのです。

国民情緒法とは、国民世論次第で判決が決まるなど罪刑法定主義が崩れがちな韓国の社会風潮をマスメディアなどが皮肉った言葉です。国民情緒に合うという条件さえ満たせば、行政・立法・司法は実定法に拘束されない判断・判決を出せるという意味です。

このような、状況が許容されつづければ、いずれ社会不安が深刻化して、韓国の体制は崩れるでしょう。そうして、最終的には北朝鮮に吸収されることでしょう。

その末路は、一般国民は北朝鮮の人民と同じ生活水準で労働を強制され、能力のある人間は、とてつもなく安い賃金で、北朝鮮のインフラづくりや、核兵器を含む兵器づくりに従事させられることでしょう。

さらには、北朝鮮の富裕層をさらに富ませるためのみに、輸出産業に従事させられ。とことん働かされることになるでしょう。

そうして、実質国のない民として、北朝鮮人民とは別扱いされ、徹底的に搾取されることになるでしょう。その時には、彼らは反日で盛り上がっていた過去の韓国を懐かしく憧憬の念を持って思い出すことでしょう。そのときになって自分たちは選民でなかったことに、はじめて気づくことになるでしょう。

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