2023年6月3日土曜日

「フィンランド1.32、ノルウェー 1.41…」北欧の出生率激減 「高福祉」で「ジェンダー平等」なのになぜ? 日本が教科書にすべきはイスラエル?―【私の論評】岸田政権は、ハイリターンの子どもへの投資は継続しつつ、AIとロボット化で少子化の弊害を取り除くべき(゚д゚)!

 「フィンランド1.32、ノルウェー 1.41…」北欧の出生率激減 「高福祉」で「ジェンダー平等」なのになぜ? 日本が教科書にすべきはイスラエル?

 欧で進む少子化の現状について、南デンマーク大学教授に話。社会保障が充実している北欧でも、近年は出生率が大きく低下している。

 北欧は、福祉が手厚く子どもが育てやすいと言われている。北欧では2010年ごろから、急激な少子化が始まった。

 社会・経済的地位の低い人口集団で無子の人たちが増えている。ノルウェーとイタリアを比較した研究がある。出生意欲が下がり、2カ国を比較するとイタリアよりも経済状況が良いノルウェーの方が大きく低下。

 日本政府が進める男性の育休取得などのジェンダー平等は、出生率には影響がない。北欧では「U字型論」という考え方がある。一旦は出生率が下がるが、平等度合いが上がってくるに従い出生率も上がるというもの。

 しかし今の北欧にはその理論が当てはまらなくなり、期待できなくなっている。北欧の少子化問題を見てきた竹下隆一郎氏が、日本の「異次元の少子化対策」について語っている。

 子育て世帯への支援だけでは、根本的な解決は難しい。「経済状況をどんどん上げていくのは短期的には難しい」。

 イスラエルの合計特殊出生率は3.00と高く、子どもが多い。宗教的な理由や国の歴史的背景の中で、国を存続することに対する思いが強い。

 朝日新聞記者は「文句を言い合える社会だから」と分析していた。子どもや大人が自由に文句を言って対等に付き合える社会。何かに困ったら打ち明け、支えてくれる。子育てにはインフラや経済的支援が大事だが、それとは別に社会的な制度がある。

この記事は元記事の要約です。詳細は、是非元記事を御覧ください。

【私の論評】岸田政権は、ハイリターンの子どもへの投資は継続しつつ、AIとロボット化で少子化の弊害を取り除くべき(゚д゚)!

北欧を絶賛してきた人たちの話とは裏腹に、フィンランドの合計特殊出生率ですが、既に2018年には日本に逆転されてます。2019年はもっと落ち込み、急落して1.36になった日本よりさらに低い1.35です。これは、子育て支援をすれば出生率があがるという理屈は必ずしも当てはまらないことを示していると思います。多かれ少なかれ、少子化している国では、いずれの国でも何かしらの施策はしているとは思うのですが、それでも少子化は進んでいるようです。

イスラエルのタウブ社会政策研究センターの2017年の調査によると、イスラエルが3.00という高い合計特殊出生率である理由はいくつかあります。


まずは、上の記事にもあるように宗教的・文化的要因です。 イスラエルのユダヤ人の多くは、子どもを持つことは宗教的な義務だと考えています。さらに、イスラエル政府は子どものいる家庭に経済的な優遇措置を講じており、これも高い出生率の一因となっていると考えられます。

さらに、イスラエルは比較的若い国で、年齢の中央値は30歳です。これは、出産適齢期の人が多いことを意味します。また、イスラエル経済は好調で、子育てに必要な資源を家族に提供しています。

最後に、イスラエル人の中には、大家族を持つことがユダヤ民族の存続につながると考える人もいます。その背景には、同国が近隣諸国と対立してきた歴史があります。

ただし、イスラエルの出生率も低下しつつあることには注目する必要があります。2017年の出生率は3.00でしたが、2035年には2.4まで下がると予想されています。これは、少子化を選択するイスラエル人女性が増えていることなど、さまざまな要因によるものです。

フランスは少子化対策に成功したと日本ではもてはやされていましたが、近年では合計特殊出生率は下がりつつあります。


結局、政府が良かれと思って実施したことが、必ずしも功を奏しているとは限らないということです。少子化している多くの国で、その原因ははつきりとはわかっていません。

しかし、多くの国では、子どもに対する支援を実施しています。なぜでしょうか、それはハイリターンであることが知られているからです。

確かに、政府の子どもへの投資はハイリターンであるという主張を裏付ける資料をいくつか紹介します:

ユニセフによる「Achieving the greatest impact for children」によれば、幼児期への投資が、健康、教育、経済的な幸福の向上など、子どもたちにとって多くの良い結果をもたらすことを明らかにしています。

アメリカ進歩センターによる「幼児期への投資が子ども、家族、そして国の経済に与える強力な影響を検証する」では、幼児期への投資が、子どもたちの収入の増加、犯罪の減少、健康状態の改善につながることを明らかにしました。

全米経済研究所(National Bureau of Economic Research)による「低所得の子供に対する政府プログラムからの高い利益」(High Returns from Government Programs for Low-Income Children)にれば、 この研究では、低所得の子どもたちに幼児教育と支援を提供する政府プログラムは、所得の増加や犯罪の減少など、大きな経済的利益につながることを示しました。

Center for High Impact Philanthropyによる「Early Childhood: High Return on Investment」: このツールキットは、幼児期への投資の利点と、その投資を最大限に活用する方法についての情報を提供しています。

これらは、政府の子どもへの投資がハイリターンであるという主張を支持する多くの情報源のほんの一例に過ぎません。政府が幼児期に投資することは、その社会の未来に投資することになります。質の高い幼児教育と支援を提供することで、政府はすべての子どもたちがその可能性を最大限に発揮する機会を確保することができるのです。

大学や、大学院などの高等教育に対する政府の支援策も、ハイリターンであることが知られています。

であれば、岸田政権は「異次元の少子化対策」というよりは、「ハイリターンの子どもへの投資」をするということで良いのではないかと思えてきます。

そもそも、少子化の原因がはっきりしないのですから、少子化対策というより、子育てを含む、様々な子どもに対する支援をすべきです。さらに、奨学金という名の下で、実際には教育ローンである今の奨学金制度を抜本的に帰るなどの、高等教育への支援もすべきです。

これらの投資はハイリターンであることが知られているのですから、これらを実施するのに増税する必要などまったくありません。国債を用いるべきです。

そうして、少子化の弊害の対策は、少子化の弊害への対策として、産業界でロボット化を推進し、AIを活用すべきだと考えます。

これは、経済学でいうところの"装置化"、過去にも"装置化"は社会に弊害をもたらすとも考えられた時期がありました。

たとえば、ラッダイト運動または機械うちこわし運動が、1811年から1817年頃、イギリス中・北部の織物工業地帯に起こりました。この機械破壊運動は、産業革命に伴う児童労働や低賃金などの労働問題や、粗悪品の量産への抗議のパフォーマンスとして、工場の機械を破壊したのです。

ラッダイト運動

このようなことがあったにしても、19世紀から12世紀における、多くの「装置化」は功を奏して、雇用が破壊されるどころか、新たな雇用を生み出し、経済は拡大し現在に至っています。

AIやロボティクスは、さまざまな産業において生産性を向上させる可能性を秘めています。繰り返し作業や肉体的に負担のかかる作業を人間よりも効率的に行うことができ、生産量の増加や経済的競争力の強化につながります。これは、少子化に伴う労働力人口の減少の悪影響を緩和することにつながるでしょう。

少子化の悪影響は、経済的な側面だけではありません。医療や年金など、高齢化によって影響を受ける可能性のある社会福祉制度の維持にも関わってきます。AIやロボットなどのテクノロジーを活用し、効率化やコスト削減を図ることで、これらの制度を支える資源をより適切に配分し、長期的な持続性を確保することができます。

AIおよびロボティクスの活用により、人類は過去に産業革命を経たような大きな変化を迎えることになるでしょう。そういう時代には、少子化そのものはさほど大きな問題ではないかもしれません。それよりも、AIやロボットには不得手な、人間の創造性をいかに高めていくのかが、大きな課題になっているかもしれません。そうして、これらに対する政府の投資もかなりハイリターンになるでしょう。

増税の必要性など全くありません。増税は、増税するべきとき、経済が加熱して超インフレになりそうなときに、これを防ぐという本来の目的のためにすべきでしょう。


こうした未来への新展開の最前線に、まずは岸田総理からどうぞ足を踏み入れて下さい。

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