2023年6月6日火曜日

中国軍、台湾海峡と南シナ海で「攻撃性増大」 米がリスク警告―【私の論評】中国軍の攻撃性増大は、少なくとも半年から1年は大規模な軍事行動しないことの証(゚д゚)!

中国軍、台湾海峡と南シナ海で「攻撃性増大」 米がリスク警告

米ミサイル駆逐艦「チャンフーン」

米国のホワイトハウスは、中国の台湾海峡と南シナ海における行動は、中国軍の「攻撃性の増大」を反映しているとし、誰かが傷つくようなエラーのリスクが高まっていると警告した。

米国は増大する攻撃性に対処するための準備を整えており、国際空域と海域で活動を継続するとした。

米海軍は駆逐艦チャンフーンが台湾海峡で中国艦に接近された際の映像を公開。米軍の発表によると、台湾海峡で3日、中国軍の艦艇がカナダ海軍との共同訓練を実施していたチャンフーンに約140メートルまで接近した。

ホワイトハウスのカービー報道官は中国の行動に言及し、判断ミスが起こり誰かが傷つくまでにそれほど時間はかからないだろうと記者団に述べた。

空と海の航行の自由を守るため、米国は引き続き立ち向かうとした。

「中国が行動を正当化するのを聞いてみたいものだ」と述べ「空と海での妨害は常に起きている。われわれもそれを行うが、違いは必要と判断した際にプロフェッショナルに行っていることだ」と指摘した。

要するに、米国は中国の行動を非難し、空と海の航行の自由を守るために引き続き立ち向かう姿勢を示した。

これは元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事を御覧ください。

【私の論評】中国軍の攻撃性増大は、少なくとも半年から1年は大規模な軍事行動しないことの証(゚д゚)!

以下に今回の駆逐艦チャンフーンが台湾海峡で中国艦に接近された際の映像が掲載されたツイートを掲載します。


中国が台湾海峡や南シナ海で攻撃性を高めているのは、中国海軍の非力さを補うためだという側面もあります。その根拠となる事柄があります。

まず、米国防総省は、中国の軍事に関する議会への年次報告書の中で、台湾海峡と南シナ海における中国の "軍事力の増大と自己主張 "は、地域の平和と安定にリスクをもたらすと述べるとともに、 また、中国の軍事近代化努力は、"パワーを投射し、長距離作戦を行う能力の向上に重点を置いている "が、これらの努力は、"まだ完全に能力のある海洋海軍(Blue water navy)を生み出していない "と指摘しました。

海洋海軍(Blue water navy)

ちなみに、海洋海軍とは、グローバルに活動できる海軍のことで、大海原に力を投射することができます。空母、巡洋艦、駆逐艦など、多数の艦船を保有するのが一般的です。また、母港を離れても長期間活動できるよう、強力な後方支援ネットワークを持っています。

ランド・コーポレーション 非営利の研究機関であるランド研究所による2020年の報告書では、中国の海軍は "外洋で効果的に活動するために必要な能力をまだ開発中である "とされています。また、同報告書は、中国の海軍は "近海域を越えて効果的に力を投射することはまだできない "としました。

戦略国際問題研究センター シンクタンクである戦略国際問題研究所による2021年の報告書では、中国の海軍は "真にグローバルな戦力となるにはまだ距離がある "とされています。また、同報告書は、中国の海軍が "外洋での活動経験の不足、十分な訓練を受けた人材の不足、海上での作戦維持能力の限界など、多くの課題に直面している "と指摘しています。

これらの情報源は、台湾海峡や南シナ海での中国の攻撃性の高まりは、中国が海軍の非力さを補うための一手段であることを示唆しています。攻撃的な行動をとることで、中国は、海軍が外洋で大規模な作戦を実施する能力がまだないにもかかわらず、強さと決意をイメージさせることができるのです。

ただ、台湾海峡や南シナ海における中国の攻撃性の高まりには、他の要因もあることに注意する必要はあります。例えば、中国はこの地域での支配力を主張しようとしているのかもしれないし、台湾をめぐる潜在的な紛争に介入しようとする米国を抑止しようとしているのかもしれないです。しかし、中国の非力な海軍もまた、侵略を強める要因ともなっているのです。

ただし、中国が台湾海峡や南シナ海で攻撃性を高めているのは、中国海軍の非力さを補うためだという主張の根拠となる資料がいくつもある。

米国防総省:米国防総省は、中国の軍事に関する議会への年次報告書の中で、台湾海峡と南シナ海における中国の "軍事力の増大と自己主張 "は、地域の平和と安定にリスクをもたらすと述べた。" また、中国の軍事近代化努力は、"パワーを投射し、長距離作戦を行う能力の向上に重点を置いている "が、これらの努力は、"まだ完全に能力のあるブルーウォーター海軍を生み出していない "と指摘した。

ランド・コーポレーション 非営利の研究機関であるランド研究所による2020年の報告書では、中国の海軍は "外洋で効果的に活動するために必要な能力をまだ開発中である "とされています。また、同報告書は、中国の海軍は "近海域を越えて効果的に力を投射することはまだできない "としました。

戦略国際問題研究センター シンクタンクである戦略国際問題研究所による2021年の報告書では、中国の海軍は "真にグローバルな戦力となるにはまだ距離がある "とされています。また、同報告書は、中国の海軍が "外洋での活動経験の不足、十分な訓練を受けた人材の不足、海上での作戦維持能力の限界など、多くの課題に直面している "と指摘しています。

これらの情報源は、台湾海峡や南シナ海での中国の攻撃性の高まりは、中国が海軍の非力さを補うための一手段であることを示唆しています。攻撃的な行動をとることで、中国は、海軍が外洋で大規模な作戦を実施する能力がまだないにもかかわらず、強さと決意をイメージさせることができるのです。

ただし、台湾海峡や南シナ海における中国の攻撃性の高まりには、他の要因もあることに注意する必要があります。例えば、中国はこの地域での支配力を主張しようとしているのかもしれないし、台湾をめぐる潜在的な紛争に介入しようとする米国を抑止しようとしているのかもしれないです。ただ、中国の非力な海軍もまた、侵略を強める要因となっているのも事実です。

中国は近年、台湾に対する主張を強めており、台湾を支配下に置くために武力を行使すると脅している。しかし、中国が実際に台湾への侵攻を準備しているという証拠はありません。

米国は、中国を監視衛星で監視しており、中国が台湾への侵攻準備をしているなら、必ず何らかの兆候が監視結果から判断できるはずです。しかも、数ヶ月前からそのような兆候が見られるはずです。

ロシアによるウクライナ侵攻の直前にも、ロシア・ウクライナ国境付近にロシア軍が多数集結していることが、報告されていました。私は、従来はロシアのウクライナ侵攻は軍事的にも、経済的にも無理だっと思っていたのですが、この事実を知った後には、ロシアのウクライナ侵攻はあり得ると考えを変えざるを得なくなりました。

2021年の年末にウクライナ国境付近に多数集結していたロシア軍部隊

現在中国にはそのような兆候はありません。

その理由は以下のようなものがあります。侵攻にかかるコストが高い。米国が介入してくる可能性が高い。さらに、国際社会は、侵略を非難するでしょう。台湾への侵攻は国際法違反とみなされ、中国に対する制裁につながる可能性が高いです。それは、南シナ海も同じことです。

侵略には高いコストとリスクが伴うため、中国がすぐ(今年中)に侵略を開始することはないでしょう。しかし、中国が台湾に対して脅威を与え続けていることは、この地域の緊張の源であり、今後も状況を注視していくことが重要です。

ウクライナによる大規模反転攻勢が取り沙汰されてから久しいですが、同国国防省は6月4日、ロシア軍に対する攻勢の公式発表はないことを示唆する35秒のビデオ映像を公開しました。 

映像は、複数のウクライナ軍兵士が唇に人差し指を当てて、「秘密」という意味を込めて「シー」というジェスチャーを繰り返して、「謀は密なるを良しとす。開始の発表はない」というテキストに続いて、ウクライナが供与を切望していた2機のF-16戦闘機が映って終わるという短いものでした。

大規模反転にしても、侵攻にしても、大規模な軍事作戦です。しかも、これは軍事機密です。これを公表してから、戦争を開始することはあり得ないです。そんなことをしてしまえば、相手側は準備を整え、攻める側の被害が増えることが想定されます。

中国が台湾に侵攻するとか、南シナ海で何か事を起こそうというときには、わざわざ公表しないで、黙って準備をしていきなり攻撃を始めるでしょう。ロシアのウクライナ侵攻もそうでした。

中国軍、台湾海峡と南シナ海で「攻撃性増大」しており、しかも中国が大規模な軍事作戦を準備していない現在、中国による台湾侵攻などの軍事行動は、少なくともここ半年から1年くらいはないと見るべきと思います。

ただ、注意しなければならないいのは、中国は確かに台湾に侵攻するためには、数ヶ月間の準備が必要ですし、実際に侵攻すれば中国も被害を受けるのは必定ですが、台湾を破壊するだけであれば、今すぐできるというということです。

運悪く様々な条件が整ってしまえば、中国は台湾を破壊する可能性は捨てきれません。それに防いだり、それに備えるべきことは言うまでもありません。これを認識していない人が、中国が台湾に簡単に侵攻できると思い込むことを否定しているだけです。


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