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2019年1月25日金曜日

中国が台湾に仕掛ける「ハイブリッド戦」―【私の論評】TPP加入で台湾は大陸中国のような卑劣な手を使わずとも「ハイブリッド戦」に大勝利(゚д゚)!

中国が台湾に仕掛ける「ハイブリッド戦」

岡崎研究所

中国の最近の台湾政策は、非軍事面でのプロパガンダに重点を置く「ハイブリッド戦」(hybrid warfare)に移行しているようである。「ハイブリッド戦」とは、サイバー攻撃を含む各種圧力を意味している。もともと中国の台湾政策の中には「入島、入戸、入脳」というスローガンがある。これは「台湾島に入り、各家々に入り、人々の頭脳に入る」ということである。

台湾

 1月18日付け本欄『習近平が大々的に発表した「包OK括的な台湾政策」』で御紹介した通り、中国の習近平国家主席は年明け早々1月2日に行われた台湾政策に関する包括的な演説の中で、次の5つの柱を明らかにした。すなわち、(1)平和的統一、(2)一国二制度の導入、(3)一つの中国、(4)中台経済の融合、(5)同胞意識の促進、である。中国側は、軍事的・政治的・経済的圧力を掛けつつ、プロパガンダや偽情報で台湾人の人心を攪乱・掌握することを目指す「ハイブリッド戦」により、これらの目標の達成を追求していくことになろう。

 ワシントン・ポスト紙コラムニストのイグネイシャスは、12月13日付けの同紙コラム‘China’s hybrid warfare against Taiwan’で、中国の台湾に対する「ハイブリッド戦」や台湾人の意識について報告しており、興味深い。同氏は、両岸関係の専門家や台湾当局者の話として、次のような点を紹介している。

ワシントン・ポスト紙コラムニストのイグネイシャス

・台湾人は長年中国の圧倒的な軍事力に直面してきたが、今や『母なる中国』に誘惑する中国側の努力がより洗練されてきていることも懸念しなければならない。それは、政府と市民社会の強い協力を必要とする挑戦だ。

・中国側は、ソーシャルメディア、新聞、テレビを通じてあらゆるビジネス、企業、労働者に「あなたが民進党を支持すれば台湾は罰せられるが、北京を助けるならば利益になる」と巧妙に働きかけている。

・平和的な統一を促進するため、中国は、台湾により親中的な政権ができるよう影響を与えようとするだろう。

・親中工作員が毎日Facebookなどのソーシャルメディアに何千もの偽情報を投稿している。

 11月24日の台湾での統一地方選において、蔡英文民進党政権は大敗を喫したが、その背後で中国が直接・間接に選挙に介入したことは間違いないと思われる。それがどのような形をとったかについては、種々想像される以上のことは明白ではない。それらが、イグネイシャスが指摘する通り、ソーシャルメディア、新聞、テレビなどを通じ「あなたが民進党を支持すれば、台湾に不利に働くが、北京を助けるならば利益になる」という巧妙な脅し方であったことは、十分に想像できる。

 今日の社会では、フェイク・ニュースの類が意外な影響を与えることがある。今日の台湾と中国の関係は、単にビジネスを通じるものばかりではなく、観光客、研究者、学生等種々の面での人的交流が強まっているので、台湾は中国による硬軟両様のハイブリッド戦の対象となりやすい。イグネイシャスは、蔡英文政権の関係者が今回の地方選挙を控え、「親中工作員が毎日、Facebookなどのソーシャルメディアに何千もの偽情報を投稿していた」と述べたとレポートしているが、あながち、誇張とは言えまい。

 他方、上記イグネイシャスの論説は、中台間の軍事的戦闘が両者の間で近く行われると思っている台湾人はほとんどいない、ということも指摘している。

 これまでの中国と台湾の軍事面での対立で代表的なものは、1996年の中国(江沢民政権下)による台湾周辺海域へのミサイル発射であった。(いわゆる「台湾海峡の危機」)。この危機的事態に対抗して、米国(クリントン政権下)は、第7艦隊の空母2隻を台湾海峡に急派し、中国の活動を阻止した。その時、中国は何もすることなく活動を停止したが、これは中国にとっての屈辱となり、その後の中国の軍事力拡大の原因ともなったと言われる。

 今日の中国は軍事的に強大化したとはいえ、公然と台湾に軍事的侵攻をおこなうことは、米国との間の直接的対決になるばかりではなく、国際的に見ても、中国にとって計り知れないほどのリスクを抱え込むこととなる。とはいえ、中国の戦闘機や爆撃機が、演習と称して、台湾海峡やその周辺で軍事演習をおこなう回数が着実に増えていることには引き続き警戒を要しよう。

 蔡英文自身の基本的立場については、「現状維持」を中心軸に据えながら、中国との関係を平和的で健全なものにすることに変わりはなく、台湾人の大多数がこの「現状維持」を支持している。1月14日、昨年の統一地方選挙での大敗の責任を取り頼清徳内閣は総辞職し、蘇貞昌が後継の行政院長となった。蘇貞昌は陳水扁政権下でも行政院長を務めたベテランであり、今回の再登板に際し、国民とのコミュニケーションを強化しながら円滑な政策推進をしていく、といった慎重な姿勢を表明している。

【私の論評】TPP加入で台湾は大陸中国のような卑劣な手を使わずとも「ハイブリッド戦」に大勝利(゚д゚)!

台湾は、中国からの浸透をなんとか防ごうとしているようですが、これを台湾だけが行うことは難しいです。やはり、他国の助けが必要です。そうして、その動きはすでにあります。

蔡英文総統は2日、中国の「台湾同胞に告げる書」発表40年式典で習近平国家主席が発表した談話に関し、断固として「一国二制度」を受け入れないとする台湾の立場を表明しました。欧州連合(EU)、英議会、欧州議会、ベルギー議会などが最近、蔡総統の談話内容を支持する発言を行っています。

断固として「一国二制度」を受け入れないとする台湾の立場を表明した蔡英文総統

2日の蔡総統の談話を受け、欧州連合の関係者は直ちに、台湾メディアの取材に対して、「欧州連合は台湾海峡両岸を含むアジア地域の安全、平和、安定を重視している。また、台湾海峡両岸関係の建設的な発展が、アジア太平洋地域の平和と発展のために重要な一環となると考える。過去2年間、台湾海峡両岸の関係は停滞しているが、欧州連合は現状維持と対話の再開、相互自制が極めて重要だと考える。欧州連合はいかなる対話、協力、信頼確立のための提唱にも賛成する。今後も台湾との関係を発展させるために尽力し、台湾と欧州連合が共有する価値観の拠りどころとなっているガバナンス・システムを支持する」などと発言しました。

これに続き、台湾との関係強化を目指す英国の超党派国会議員連盟「台英国会小組(The British-Taiwanese All-Party Parliamentary Group)」の共同代表を務めるナイジェル・エヴァンス(Nigel Evans)下院議員やデニス・ローガン上院副議長は今月10日、蔡総統を支持し、中国の指導者が掲げる「一国二制度」に反対する旨の共同声明を発表しました。共同声明は、台湾海峡に対するいかなる脅威や威嚇も無責任な行為であり、圧倒的多数の台湾人は「一国二制度」に強く反対していると強調するものでした。

ナイジェル・エヴァンス氏

この声明はまた、「台湾の民主主義は成熟しており、イギリスを含む各国と同様に、自由、人権の尊重、法治など普遍的価値観を共有している。台湾に住む2,300万人の住民の自由と民主主義に対するこだわりは尊重されるべきである。東アジアの繁栄と安定は国際社会と密接に関わっており、台湾海峡両岸がWHO(世界保健機関)やICAO(国際民間航空機関)でいずれも意見を表明できるようになることを望む」と指摘。さらに、台湾海峡両岸双方が話し合いと交渉によって、この地域の平和と安定を確保して欲しいと呼び掛けました。

ベルギー議会の親台湾派グループの共同代表者であるPeter LUYKX議員、Georges DALLEMAGNE議員、Vincent VAN QUICKENBORNE議員は今月10日、ベルギーのディディエ・レンデルス外務・欧州問題大臣宛てに、欧州議会の親台湾派グループのWerner LANGEN議員、Andrey KOVATCHEV議員、Hans van BAALEN議員、Laima ANDRIKIENE議員は今月14日、欧州連合外務・安全保障政策のフェデリカ・モゲリーニ上級代表宛てに、それぞれ連名で蔡総統の台湾海峡両岸関係に関する談話を支持する内容の書簡を送りました。いずれも、大多数の台湾人が「一国二制度」を拒否していることを強調。ベルギーあるいは欧州連合は台湾との関係を発展させるべきだと訴えるものでした。

そのうちベルギー議会の親台湾派グループの書簡は、ベルギー国会が2015年に採択した決議に言及。中国による台湾への武力行使は、台湾海峡及びアジア太平洋地域の平和と安定に損害を与えるものであり、これに強く反対すると主張しました。また、欧州連合や米ホワイトハウスも最近、台湾海峡両岸の平和と発展を支持する旨の発言を行い、台湾と中国の双方が速やかに話し合いを再開するよう呼びかけていると指摘しています。

また、欧州議会の親台湾派グループが欧州連合外務・安全保障政策のフェデリカ・モゲリーニ上級代表に宛てた書簡は、台湾海峡両岸の最近の動向が地域の平和と安定に与える影響について関心を寄せるよう呼びかけると共に、中国の習近平国家主席が掲げる「一国両制度」は香港で失敗しており、蔡総統及び大多数の台湾人がこれに明確に反対していると指摘する内容でした。いずれの書簡も、台湾に住む2,300万人の住民が自由と民主主義の価値観を守ろうとしていることについて、これを支持すると表明しています。

外交部(日本の外務省に相当)は、欧州連合など台湾と近い理念を持つ国々との関係を引き続き強化し、自由、民主主義、人権という価値観を共同で守っていきたいとの立場を改めて強調すると共に、各国からの声援を歓迎し、感謝すると述べています。

米国連邦議会下院は23日(米東部時間22日)、台湾が世界保健機関(WHO)にオブザーバーの身分で復帰できるよう支持する決議を採択しました。これに対して総統府は23日、米下院に感謝するニュースリリースを発表しました。内容は以下の通りです。
中国による台湾への圧力が続き、台湾は国際社会で苦境に立たされている。しかし、米国など理念の近い国々は台湾を支持し、協力する立場を表明し、台湾に住む2,300万人の人々の権益や福祉に関心を寄せている。全国民はこれに心より感謝している。国際社会の一員として、台湾は今後も米国の行政及び司法部門と緊密な協力関係を築き、より強力なパートナーシップを育み、国際社会の平和と安定や幸福のために貢献したいと考えている。
そうして、日本もこの動きに呼応して台湾を支援しています。

蔡英文総統は2017年6月、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加意欲を示した台湾に対して、日本の菅義偉官房長官が「歓迎したい」と台湾を支持する発言をしたことについて、自身のツイッターで大きな自信を得たとともに日本の支援を感謝すると投稿しました。

蔡総統のツイッターによると、米国を除く11カ国でのTPPへの参加意欲を示したことを受け菅官房長官は、記者会見で台湾の参加を支持する発言をしました。そこで、蔡総統はツイッターに、この発言で台湾はTPP参加への更に大きな自信を得ることができたことのほか、日本の支援に対し謝意を投稿した。

蔡総統のツイッターには日本経済新聞が報道した関連記事も掲載されていました。

日本経済新聞は同年6月26日、日本政府報道官、菅官房長官が記者会見で、TPPへの参加意欲を示した台湾に対して「歓迎したい」、「台湾やそのほか関心のある地域・国に対して、必要な情報を提供する」と発言したことを報道しました。

林全行政院長(首相)は、同年同月23日に日本経済新聞から受けたインタビューで、TPP11への参加意欲を表明していました。

このブログにも過去に掲載したように、TPPは中国に対する包囲網になるばかりではなく、米国が保護主義に走ることも牽制します。

そうして、中国はTPPには加入できません。なぜなら、TPPに入るために整っていなければならない諸制度などが中国では整っていませんし、それを整えようとすれば、中国は根本的な構造改革を迫られます。

しかし、台湾は他の先進国並に社会構造的にはTPPに入りうる体制になっているので、あとは足りない諸制度などを整えれば、十分入ることは可能です。

中国には入れないTPPに台湾が入ったとすれば、これは大きな意義があります。TPPにはなから入れない遅れた社会体制の中国が、TPPに入ることができる中国よりははるかに進んだ社会体制の台湾を取り込むことなど、全く矛盾しています。

本来ならば、台湾のような社会体制を大陸中国こそが取り込むべきなのです。それを長年中国共産党が阻止して、中国の遅れた社会構造は建国以来ほとんど変わっていません。これこそ、本当に異様で異常であるにもかかわらず、海外からの天文学的な投資があったからこそ、経済的に発展できたというのが真の中国の姿です。

各国の様々な支援とともに、台湾がTPPに入れば、台湾は中国のように卑劣な手を使わずとも「ハイブリッド戦」(hybrid warfare)に大勝利を収めることができます。

【関連記事】

2019年1月22日火曜日

混迷深める英国のEU離脱 「リーマン級」打撃に現実味…日本も政策総動員で備えを ―【私の論評】日本は英国のTPP加入で窮状を救い、対中国包囲網を強化せよ(゚д゚)!

混迷深める英国のEU離脱 「リーマン級」打撃に現実味…日本も政策総動員で備えを 
高橋洋一 日本の解き方

英メイ首相

英国議会で、欧州連合(EU)離脱案が大差で否決された。今後、どのような影響が出てくるだろうか。

 英国のEU離脱は2016年6月23日に国民投票が行われ、僅差で決まった。

 そもそも英国は、貿易取引ではEUに加盟して有利な条件を受ける一方、ユーロに加盟せずに独自通貨のポンドで金融政策の自由度を確保するという「究極のいいとこ取り」であった。このため、筆者はそもそもEU離脱には懐疑的だったが、もはや時間は戻せない。

 国民投票の結果、英国のEU離脱の期限は3月末となった。ただし、行政機関や企業などが混乱しないように20年12月末までは「移行期間」として現行の諸法制が適用されるとされていた。

 そのためには、英国とEU間で離脱条件などが合意される必要がある。EUとの合意を前提として英国に有利なソフト・ブレグジットか、EUに有利なハード・ブレグジットのどちらになるかが関心事であった。

 今回、英議会が離脱案を否決したので、英国とEU間の合意の可能性はかなり遠のいた。つまり、「合意なき離脱」ということになりそうだ。この「合意なき離脱」ということになると、英国には打撃が大きい。

 EUのユンケル欧州委員長は、「もうすぐ時間切れだ」とし、「無秩序な離脱のリスクが高まった」と述べ、英国国内での意見集約を促している。

 しかし、英国のメイ政権ではいかんともしがたい状況だ。英議会でEU離脱案が大差で否決されたので、コービン党首率いる労働党が提出した内閣不信任案は否決されたが、英国内の政治が混乱したまま時間が過ぎ、3月末の期限を迎える公算が高い。

英政府は、その場合、国内総生産(GDP)を8・0~10・7%押し下げるという予測を昨年11月に出した。イングランド銀行は3~8%、国際通貨基金(IMF)は5~8%のマイナス効果になるとみている。

 具体的には、製造業で欧州から受け入れてきた労働者が不足して生産不足に陥る可能性が高い。金融業でも、適用ルールの不明確さから企業活動に混乱が生じかねない。こうした「合意なき離脱」による経済活動への悪影響はいうまでもなく計り知れない。EU側で、離脱の期日延期が検討されていると報じられているのもこのためだろう。

 筆者は、かつての本コラムで、英国のEU離脱は、世界経済にリーマン・ショック級の影響を与える可能性があると書いている。その当時は「合意ある離脱」が前提であり、英国政府の予測ではGDPに与える悪影響は、3・6~6・0%であった。今は、「合意なき離脱」を覚悟せざるを得ない状態であり、そのインパクトは2倍程度だろう。であれば、まさに、リーマン・ショック級になるのは避けられない。

 日本として政策総動員を準備すべきだ。実際のリーマン・ショック時は、「ハチに刺された程度」と楽観視し適切な政策が打てずに、大混乱したことを忘れてはいけない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】日本は英TPP加入で窮状を救い、対中国包囲網を強化せよ(゚д゚)!

英国が欧州連合(EU)と合意したEU離脱案の採決は、保守党内から大量の造反者が出て、432対202という歴史的な大敗北となりました。

強硬離脱派も、残留派も反対し、労働党からは内閣不信任案が出されました(下院で否決)。EU側は当然ながら失望を表明し、メディアでは「合意なき離脱の可能性が高まる」との見出しが踊っています。

しかし、英ポンドはそれにも関わらず売られていません。「合意なき離脱」の可能性が高まっているのであれば、英ポンドはもっと売られていて良いはずです。つまり、表向きの混乱とは裏腹に「合意なき離脱」の可能性はやはり低いのです。そして今後ますますその可能性が低いことが明らかになっていくでしょう。

英ポンドは市場で売られていない

離脱案が否決されたので、メイ首相は3日以内(1月21日)に代替案を出すことになっているが、この代替案もどうなるかわからないです。

とはいえ、今後は野党の労働党との折衝が始まります。その中で、与野党の多くの議員はソフトな離脱案か再度の国民投票を希望しており、強硬離脱派はあくまで少数意見ということが明らかになってくるでしょう。

そして、万が一「合意なき離脱」の可能性が高まった場合、多くの議員は一致団結してそれを阻止するということがはっきりしてくるでしょう。

つまり、双方の多数派である労働党と保守党の穏健派が合意して超党派的な連合ができれば、簡単に終わる問題なのです。

ところが、そこに英国の政治事情が絡むので、スッキリとは進まないでしょう。メイ首相の頑な態度が、すんなりと合意に向かう道を閉ざしているとも言えるし、態度をはっきりさせないコービン党首が障害になっているとも言えます。

労働党は、結局どうしたいのか、はっきり態度を表明しなければならないです。ソフトな離脱案で行くのか、それとも再度の国民投票を行うのかです。それがはっきりすれば、超党派の連合も形成しやすくなるでしょう。

私は、ソフトな離脱案が結局成立する可能性が6、7割、再度の国民投票の可能性が3、4割と見たいです。個人的には「合意なき離脱」に至る確率は低いとみています。

現在、外国為替市場で少しずつ英ポンドが買われ始めているのは、結局「合意なき離脱」という選択肢が消えて、英ポンドが再評価され買い戻される、その動きを先取りしつつあるのでしょう。

英ポンドは極めて安い水準に放置されていたので、戻り始める(価値が上がる)とかなりのポテンシャルがあります。そして、「合意なき離脱」の選択肢が消えることは、この(2018~19)年末年始に不安定化していた市場に安心感を取り戻すことになるでしょう。

市場は過度な悲観にさらされていましたが、過度な悲観からの巻き戻しが今後、起こる可能性が高まっているのかもしれないです。

国旗を掲げながらブレグジットを支持するデモ隊

さらには、英国のTPP加入の可能性も高まっています。英国は、TPP参加を表明しています。英国のフォックス国際貿易相はロンドン市内で講演し、英国が欧州連合(EU)を離脱した後に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加を目指す意向を表明しました。

メイ首相はこれまで離脱後にEU以外の第三国との自由貿易協定(FTA)を締結する方針を示していましたがTPPは一国帯一国の交渉で決めるFTAではありません。TPPは貿易だけでなく投資や知的財産など多くの協定がすでに決まっていて加盟をすればTPPルールを守らなければならないです。

TPPの性質はFTAではなくEUに近いものです。FTAは相手国との貿易について自由に交渉できますがTPPはできないです。EUを離脱する英国がTPPに参加するというのは矛盾しているようにもみえます。

なぜ、EUを離脱する英国がTPPに参加しようとしているのでしょうか。それはEUとTPPは協定の性質が違うからです。

EUはEuropean Unionの略称であり、欧州連合のことです。2013年7月にクロアチアが加盟したことにより以下の28か国が欧州連合に加わっています。

IMFによると、2010年の欧州連合のGDPは16兆1068億ドル(約1300兆円)です。米国のGDPをやや上回っており、世界全体の約26%を占めています。

欧州連合には最高意思決定機関があります。全加盟国の政府の長と欧州委員会委員長、及び大統領にも相当するとされる常任議長による欧州理事会です。

欧州連合の市場は統合されています。外交・安全保障分野と司法・内務分野での枠組みが新たに設けられ、ユーロの導入によって通貨も統合されています。欧州議会の直接選挙が実施されたり、欧州連合基本権憲章が採択されています。

ただし、ブログ冒頭の高橋洋一の氏の記事にあるように、英国はこのユーロは用いていません。そのため英国独自で金融政策を行うことができます。

EU加入国(青)と加入する可能性がある国(緑)

第二次大戦後に急激に社会主義国家圏が拡大していきました。ヨーロッパの社会主義圏の拡大を防ぐためEUは資本主義経済圏の民主主義国家の連合を結成したのです。

1991年にソ連は崩壊し、強大な社会主義国家圏は消滅しました。EUを強固しなければならない根拠となっていた社会主義圏が消滅したためにEUの国家間の矛盾が表面化していきました。

政治は本質的にローカルであるグローバルではありません。国によって生活や経済の程度に差があります。GDPに差があるし国家予算にも差があります。どうしても政治的な対立は生じることになります。

ソ連が存在していた時は対立を我慢していたが、ソ連が崩壊すると対立にが表面化していったのです。この対立を調整するのがEUの課題となっていき、英国はEUを離脱を決意したのです。

英国のEU離脱と米国のトランプ大統領のアメリカファーストをきっかけに、米国や英国だけでなくヨーロッパの多くの国々で反グローバル化の動きが広がっているとマスコミや評論家が指摘しています。

政治はローカル=反グローバルであり、経済はグローバルです。政治と経済は密接に関係していますが、二つの本質的な性質の違いを区別しなければならないです。区別しないから反グローバルを安易に政治目的に使うようになってしまったのです。

格差や貧困が原因で国外に出た難民を受け入れるかどうかを決断するのは政治です。難民を受け入れるか否かを決めるのはそれぞれの国の経済力や国民性が左右するからです。それは政治であり、ローカルな問題なのです。

EUがソ連圏に対抗した政治優先の連合であるのに対して、TPP11は経済優先の連合です。それがEUとTPPの根本的な違いです。そもそも、EUはソ連が存在しなければ結成されなかったかもしれません。

1988年ソ連ではじめてミスコンが行われたときの写真

EUは社会主義国家と対峙した連合でしたから社会主義国家は参加できません。しかし、TPP11は違います。TPP11は社会主義国家であるベトナムが参加しています。このことからもEUとTPP11が性質の違う協定であることが分かります。TPP11は政治ではなく経済を中心とした協定なのです。

EUから離脱した英国がTPP11に参加するのはTPP11がEUのような政治協定ではなく経済協定だからです。

TPP11は政治的にはそれぞれの国が独立しています。EUで問題になっている難民受け入れはTPP11加盟国のそれぞれの国が自由に決めるのであってTPP11全体の問題にはなりません。

このように、TPP11は人類史上初めての新しい協定です。こういうと誇大な表現と思われるかもしれませんが、そうではありません。

EUも国際連合も政治を中心とした連合です。経済も問題にするが優先しているのは政治です。それに比べてTPP11は経済を中心にした連合です。このような連合は、過去にあってもよさそうですが、このような協定はありませんでした。

世界は第二次世界大戦までは戦争の連続であり、帝国主義の世界でした。戦後は議会制民主主義国家圏と社会主義国家圏の対立が続きました。まさに、世界の歴史は、政治対立の歴史であったのです。

ソ連が崩壊し、独裁国家も減り、議会制民主主義国家が増えていきました。政治対立、戦争が少なくなったアジア、環太平洋地域だからこそTPP11が誕生したのです。

英国がTPP参加を表明しましたが、TPPの正式名称は、環太平洋パートナーシップです。名称からすれば環太平洋の国ではない英国は参加できないことになります。しかし、英政府はTPPの参加条件に地理的な制約がないことを確認しています。

それに日本の茂木敏充経済再生担当相も、英国の参加が可能との見解を示しています。経済は政治と違い本質的にグローバルです。TPPには世界のどこからでも参加できるのです。

このTPP11実現をリードしてきたのが安倍政権です。経済政策を重視する安倍晋三首相は「保護主義からは何も生まれない」として、自由貿易体制の維持に取り組んでいます。それがTPP11の実現であり、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の署名です。

メイ首相はEUとの離脱交渉で、「EUの関税同盟と単一市場から英国を離脱させ人の移動の自由を終わらせる」、「モノに関しては自由貿易圏を創設する」などの条件を掲げています。これに対し、人、モノ、金、サービスの四つの移動の自由を基本理念に掲げるEUは、メイ政権の提示条件が妥協的であると批判し、交渉は膠着状態に陥っています。

しかし、EUの本音は別のところにあるようです。

実はEUは、域内2位の経済力と最大の軍事力を誇る英国の離脱と、英国に追随する他国の動きを警戒し、英国を牽制しているのです。その顕著な例が、メイ政権のモノの移動の自由に関する条件を逆手にとり、アイルランド国境管理問題を持ち出し、北アイルランドがEUとの関税同盟に残留せざるをえないよう仕向けています。

つまり、北アイルランドに経済的国境を作るという圧力をかけ英国の提示条件を拒絶しているのです。ちなみに、英国とEUは2017年12月、地続きであるアイルランドと英領北アイルランドの物理的な国境管理(税関、検問所)を離脱後も復活させないことで基本合意した。

これに対し、メイ首相はEUに「合意なき離脱」という脅しをかけ、自らの離脱計画案の再考をEU側に求めています。仮にメイ首相の案をEUが飲んでも、あるいは合意なき離脱となった場合でも、英国国会で批准されるかどうかは不透明で、メイ政権は厳しい舵取りを余儀なくされています。

もともと英国はEU加盟に積極的ではありませんでした。EUの前々身であるEECにはフランス主導であることを理由に加盟を拒否し、EU加盟時には共通通貨のユーロを使わなかったことなどの事例がそれを物語っています。

自国に対するプライドもあるし、EU経済圏に入ることのメリットも少ないと考えていたようです。ただ、ヨーロッパ全体が一つの経済圏としての機能を持ち始めたため貿易の面で加入せざるを得ない事情があったようです。

しかも、英国はEUの盟主であるのなら離脱はなかったと思われますが、英国がEUの大統領を輩出しているわけでもないし、フランス、ドイツなどにリーダーシップを握られていることが面白くなかったわけです。

英国がリーダーシップを取れなかった理由は国内経済の低迷にあります。英国は国家の伝統ばかりを後生大事に抱えていてイノベーションができていなかったことに起因します。

英国国内の一部には離脱以降、世界経済の中で英国が新たな立ち位置を築くことができるのではないかとの期待もあります。しかし、その一方で、メイ首相の構想ではEUの規制から逃れられず、世界各国と自由にFTAを結ぶことができなくなると危惧する意見が出るほど国論が混乱しています。

いずれにせよ英国が歴史的な変化の前に苦悩していることだけは間違いありません。

先日の英経済紙フィナンシャルの一面に「英国のTPP加盟を歓迎する」との安倍首相のインタビュー記事が掲載されました。内容は「日本は諸手を上げて英国のTPP加盟を歓迎する。英国は合意なきEUを回避するため妥協してほしい」「英国のEU離脱による、日本のビジネスを含むグローバル経済に対するネガティブなインパクトが最小化されることを心底願っている」というものでした。

「日本は諸手を上げて英国のTPP加盟を歓迎する」という安倍総理の
インタビューを掲載したフィナンシャルの記事を報道する日本のテレビより

実際、英国の窮状を救うことができるのは日本だけかもしれません。TPP交渉で米国の離脱後も粘り強く推進してきた日本が、英国をTPPの枠組みに入れることでEU離脱後の英国経済の破綻を防ぐことができるものと考えられます。

さらに、TPPのもう一つの本質的な機能は中国包囲網の形成にあります。

TPPへの英国の加盟は、海洋国家の日米英の連携が一層強まり、中国政府と中国海軍による違法行為の封じ込めに役立つものとなります。英国は、インド太平洋地域にも英領西インド諸島を領土として持ち、ヨーロッパでも英国の領海、領有は広く、軍事戦略上きわめて有効です。

英国のTPP加盟はEU離脱後の英国経済のマイナス面を補うだけでありません。日本は積極的に英国支援に向かうべきです。そうして、英国のEU離脱によるリーマンショック級の悪影響が出ることを未然に防ぎ、今後も日英同盟を強化していくべきです。

ただし、英国のEU離脱は、世界経済にリーマン・ショック級の影響を与える可能性があるのは事実であり、日本もそれに備えるべきです。米国が対中国冷戦を実行し、英国がEU離脱し、世界経済に悪影響を与えるかもしれない今日、わざわざ消費増税などすべきではありません。財務省は、このような世界情勢を理解できないのでしょうか。だとすれば、大虚け者(おおうつけもの=虚けとはもともと、からっぽという意味であり、転じて虚け者とは、ぼんやりとした人物や暗愚な人物、常識にはずれた人物をさす)と呼ぶ以外にありません。

【関連記事】

2015年10月17日土曜日

【米韓首脳会談】韓国トホホ… TPP参加にオバマ大統領から言及なし 朴氏は「緊密協力」―【私の論評】中韓は、個人消費をないがしろにする愚かな経済劣等生、TPP加入は全く無理(゚д゚)!


16日、ホワイトハウスで記者会見する韓国の朴槿恵大統領(左)とオバマ米大統領

韓国の朴槿恵大統領は16日、オバマ米大統領との首脳会談後の記者会見で、交渉が大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)への韓国の参加問題について「(米韓は)今後緊密に協力していくことにした」と述べた。ただ、オバマ氏は記者会見で韓国の参加問題には言及しなかった。

韓国では日本との輸出競争上の危機感から、5日の大筋合意直後から参加を急ぐべきだとの論調が目立ち、政府も積極姿勢を示してきた。一方で韓国メディアは、議会での批准手続きが残っていることを理由に、米国がすぐには韓国と本格的な論議に入れないとの姿勢を見せていると報じている。

朴氏は米韓が「既に高い水準の自由貿易協定(FTA)を締結している」と述べ、TPPでも米韓が「自然にパートナーになれる」と主張した。

【私の論評】中韓は、個人消費をないがしろにする愚かな経済劣等生、TPP加入は全く無理(゚д゚)!

米国は、韓国だけではなく、中国に関してもTPPに加入させるつもりは全くありません。それは、下の記事をご覧いただければ、お分かりいただけるものと思います。
中国のTPP参加「基準達成に長い道のり」「時期尚早」 フロマン米通商代表
内閣府でフロマン米通商代表部代表(左)を迎える甘利明内閣府特命担当大臣
 米通商代表部(USTR)のフロマン代表は15日の電話会見で、交渉が大筋合意に達した環太平洋連携協定(TPP)に中国が参加するのは時期尚早との認識を示した。「TPPが求める貿易や投資の高い自由化水準を中国が満たすには長い道のりが必要だ」と述べた。 
 フロマン氏は「TPP参加を望む国は、高い水準を受け入れることができると証明しなければならない」と強調。米中で交渉中の投資協定の成否が、中国のTPP参加資格の有無を測る「絶好の試金石になる」と述べた。米国は投資協定交渉で、TPPに匹敵する自由化を迫っているが、中国が難色を示し、協議は難航している。 
 フロマン氏は、TPPはオバマ政権が掲げる「アジア重視戦略」の要だと説明。「米議会のメンバーもTPPの重要性をよく分かっている」と述べ、協定発効に必要な議会の承認獲得に自信を示した。(共同)
米国は、なぜ中韓をTPPに入れなかったのか、そうして時期尚早としたのでしょうか。それに対するはっきりとした声明などありませんが、私のわかる範囲で分析してみます。

おそらく、以下の二点において、アメリカは中韓はふさわしくないと考えているのだと思います。

中国はなぜ加入できないのか

まずは、中国の個人消費がGDPに占める割合は、35%に過ぎないということです。これは異常に低いです。日本などの先進国では60%前後というのが普通です。アメリカは、70%台です。個人消費が低いということは、本来の意味ではそれだけ経済があまり発展していないことを意味します。

中国のGDPのほとんどは、インフラ投資によるものであり、個人消費は、2000年くらいまでは、もともと低いものの40%くらいはあったのが、GDPが伸びても消費は伸びなかったので、35%程度にまで落ちています。

中国では大規模インフラ投資案件がなくなれば、GDPもかなり小さくなるということです。実際、昨年あたりから不動産バブルが崩壊し、実体経済がかなり悪くなっています。政府は、7%成長を新常態として、これを守るといっていますが、中国の経済統計はそもそもデタラメなので、イギリスのある調査会社では、マイナス成長だったのではという推計をだしているくらいです。

中国は、個人消費をなおざりにして、インフラ投資ばかり繰り返し、それがおしまいになると、経済は悪化するばかりです。

韓国も中国ほど低くはないですが、これもかなり低いです。50%台です。これは、ロシアと同程度です。

この程度では、あまりに他国と水準が異なり過ぎます。これでは、TPP加入はかなり無理であるといわざるをえません。

韓国はなぜTPPに加入できないのか

さらに、輸出がGDPに占める割合を平成14年度の数字でみてみると、韓国は43.87%、中国は韓国ほどではないですが、22.28%です。興味のあるかたは、世界の輸出依存国別ランキングをご覧になってください。

これに比較すると、米国は9.32%です。日本は、15.24%です。日本より、輸出の低い国は米国くらいなものです。

個人消費が少ない、輸出が多いということは何を示すかといえば、経済の脆弱であるということです。個人消費が少なければ、実体経済もかなり問題があることは容易におわかりになると思います。

輸出に関しては、何やら輸出が多ければ良いことのようにとらえている人もいますが、実体はそうではありません。GDPに占める輸出の割合が多いということは、外国の情勢に大きく左右されるということです。個人消費が多くて、内需が大きいということは、外国経済に左右されにくいということです。

まさに、韓国は輸出にあまりにも大きく頼りすぎていて、外国で何かあれば、途端にとんでもないことになります。実際、日本が2013年から金融緩和に踏み切ったところ、それまで、ウォン安、円高だったのですが、今や逆転してしまい、韓国の経済はすっかりおかしくなってしまいました。

韓国といえば、とにかくグローバル化戦略などとして、輸出を振興してきましたが、内需を高める努力は怠りました。それがアダとなって、今では経済が悪化しています。

結局中韓は個人消費をないがしろにしている

韓国も、個人消費はなおざりにして、インフラ整備やグローバル化ばかり繰り返し、外国の影響をもろにかぶる体質になってしまい、今や元は本来高くしなければならないのですが、それをしないため中国はインフレ、韓国はウォン高で苦しんでいます。

TPP 加盟国のうち、経済があまり良くない国もありますが、経済の規模にもよりますが、いずれにしても中韓のようにこれだけ、個人消費を犠牲にして偏った経済の国はありません。

そんなことから、中韓のTPP加入はまだまだ時期尚早です。

中韓の経済を良くする処方箋はあるのだが・・・・・

中韓の経済をまともにする処方箋は決まりきっています。両国とも、中間層をもっと増やしそれらが、社会・経済活動を活発にできるようにすれば良いのです。

中国であれば、民主化、政治と経済の分離、法治国家化を進めれば、中間層が増えて、社会経済活動も活発化します。今までが、今までだったので、少しでもこの方向に進めば、実体経済は必ず良くなります。

韓国の場合は、民主化、政治と経済の分離、法治国家化に関しては、中国よりは進んでいますが、それでも先進国から比較すれば、遅れているので、それを推進すべきです。それとともに、グローバル化の推進一辺倒から、内需を拡大する方向に舵を切り直すべきです。

サムスンなどのグローバル企業ばかり育成しようとしても、結局は脆弱な経済になるだけです。まずは、内需を拡大させるべきです。そのための方策はいくらでもあるはずです。

しかし、両国の首脳も、政府もこのようなことは、わかりきったことなのに、この方向に向かっての動きはまったくしようとしません。習近平は、反日とインフラ投資、朴槿恵は反日とグローバル化とりわけ、中国接近を馬鹿の一つ覚えのように繰り返すばかりです。愚かとしか言いようがありません。

であれば、中韓がTPPに参加すれば、とにかく韓国は、自国民を犠牲にしても、安い製品で他国から儲けることばかり考え、中国は外国へのインフラ投資をすることで儲けようとし、それを繰り返し、結局中韓もダメになり、他の国も悪影響を及ぼしてしまいます。

結局、両国ともその方向性は異なりますが、結局のところ個人消費をなおざりにしています。両国とも、一般国民の社会・経済活動はなおざりにして、経済がひどく偏り、今や破綻の一歩手前です。であれば、米国が中国や韓国をTPPに受け入れないのは当然のことです。

中韓をみていれば、内需をなおざりにする国は、一時経済が良くなったようにみえても、いずれ萎んでしまいます。

米国のように、個人消費を煽りに煽って、サブプライム・ローン問題のような過ちを犯すこともありますが、それにしても、こういう過ちさえ防ぐことができれば、強力な経済を維持することができます。

日本も、過去の酷いデフレなどもありますから、偉そうなこともいえないですが、それでも個人消費はGDPの60%前後をずっと維持してきていますから、中韓とは根本的に経済の構造が異なります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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