2021年6月20日日曜日

「3A」VS二階幹事長 自民党「抗争の歴史」に新たな1ページを刻むのか―【私の論評】マスコミ・野党も9月にはお通夜状態、10月10日の選挙に向け与党は一丸となって戦い勝利し党内バトルはその後に(゚д゚)!

「3A」VS二階幹事長 自民党「抗争の歴史」に新たな1ページを刻むのか

中山知子の取材備忘録

自民党二階俊博幹事長(右)の議連設立総会であいさつする安倍晋三前首相

「3A」といえば、米メジャーリーグ傘下の組織。この言葉が最近、スポーツ紙ではなく一般紙や報道番組でひんぱんに登場する。安倍政権時代から盟友の安倍晋三前首相、麻生太郎財務相、甘利明税調会長3人の名前の頭文字だ。3人は最近、自民党で次々に立ち上がる議員連盟の中心メンバーで、活動を活発化させる安倍氏が複数で最高顧問などに就任している。安倍政権時代から党の人事とカネを握り、まもなく5年になる二階俊博幹事長のポストに狙いを定めた「人事抗争」「主導権争い」ではとの見方がある。3Aは現在の日本で、緊張感あふれる話題のキーワードだ。

そんな3Aのメンバーと二階氏が交錯する会合が、15日に自民党本部で行われた。二階氏が会長を務める「自由で開かれたインド太平洋」推進議連で、安倍氏の最高顧問就任も発表された。約130人の議員のほか、大勢のメディアで8階の会議室は満杯に。安倍、二階両氏は第2次安倍政権後半、二階氏の幹事長続投をめぐる攻防が報じられた間柄だが、また当時の雰囲気が再燃しつつある。

安倍氏は冒頭「マスコミの皆さんもたくさんおられる」と会場を見回しながら「いろんな顧問を引き受けているが、この会こそ引き受けたいと思った」と、横に座る二階氏を見ながら思わせぶりに語った。「政治家はあきらめない、しつこくということが大切」と話すと、拍手が起きた。その前にあいさつした二階氏のぼそぼそとした口調とは対照的に、冗舌だった。

会の始まりは午後5時、8階の会議室。30分後、1階下にある7階のやや小さめの会議室で、3Aの1人、甘利氏が会長を務め、安倍氏が最高顧問を務める「半導体戦略推進議連」の勉強会が開会。当初、二階氏の議連と開始時間が同じで「二階氏と3Aが全面対決か」と騒動になり、甘利氏側が時間をずらした。会が始まってしばらくすると、二階氏の懐刀、林幹雄幹事長代理が8階から移動。甘利氏は「これが、この議連の趣旨です」と“融和”を強調したが、額面通りに受け取った人はどれほどいただろう。義理は果たしたとばかりに、林氏はその後、また8階に戻った。

自民党の歴史には、大小含めてさまざまな権力闘争があった。「角福戦争」「四十日抗争」など、今も語り継がれる熾烈(しれつ)な戦いも少なくない。近年の安倍1強時代は安倍氏にものをいえる人がおらず、深刻な党内のもめごとはほとんどなかった。ただ今回は、前首相や前首相の盟友コンビ、こわもて現職幹事長が当事者。まぎれもない権力闘争にみえる。

二階議連では、3A、二階氏双方に軸足を置く格好となっている安倍氏が1人、元気だった。首相を辞め自由に発言する機会が増える中、「周囲が安倍氏の活動を支援するため」ともいわれるほどの議員連盟乱立で、最高顧問などの立場で前面に登場する。二階議連翌日の16日は「国民皆歯科検診」実現を目指す新たな議連が立ち上がり、ここにも参加。17日は二階氏が発起人の自治会や町内会を支援する議連でも、最高顧問として参加している。

首相時代と違ってよほどのテーマでよほどの失言でもしない限り、明確な責任は生じないかもしれない。一方で「3A」の1人として物事を動かす可能性がある立場=キャスティングボーダーになっているように見える。前首相ながら、生々しい権力抗争のさなかにいるのだ。

対立や分裂を繰り返す野党とは異なり、数の力の意味を知る自民党は最終的にはまとまるのが文化だ。ただ3Aと二階氏の動きは、自民党総裁選や衆院解散・総選挙が行われる今年秋に向けて、新しい政局的な流れを生むかもしれない。永田町に長年勤めるベテランは、最近の動きをこう評した。「抗争こそ、自民党ですからね」

【私の論評】マスコミ・野党も9月にはお通夜状態、10月10日の選挙に向け与党は一丸となって戦い勝利し党内バトルはその後に(゚д゚)!

上の記事にもある"「3A」VS二階幹事長"の抗争は、いかにもありそうなシナリオです。しかし、それ以前に自民党がしておくべきことがあります。それは、無論次の衆院選挙での勝利です。この抗争は、この勝利が前提です。敗北すれば、抗争どころではなくなります。

自民党の議員は、この抗争の前にまずは選挙で勝たなければならないです。そのため、選挙でも数の力の意味を知る自民党は最終的にまとまるでしょう。

そうして、永田町においてはすでに選挙のシナリオはまとまっているとみるべきです。五輪パラ直後に臨時国会を開催し、補正予算を上げてから、解散。10月10日投開票はもうすでに、永田町の常識になっているようです。10月3日は補正をあげられないし、仏滅だからあり得ないです。仏滅投開票は戦後26回のうち2回しかないのです。これは選ばないのが常識ともいえます。


立憲民主党が不信任決議案を提出しましたが、これは誰もが予想したように、否認されました。「不信任決議案が提出されたら解散する」とを二階幹事長が語っていましたが、そういうハプニングは結局起きませんでした。

おそらく10月の可能性が高いからこそ、枝野氏もタイミング的にあの時期に言わないと不信任決議案を言うタイミングがなくなると考えていたのでしょう。そもそも10月の選挙が濃厚になって来たからこそ、安心して不信任案を出せたともいえます。

 10月10日投票日というのは、スケジュール的に与党にとってはかなり良いのです。パラリンピックが終わるのが9月5日です。その後すぐに臨時国会を召集して、補正予算を通すことになるでしょう。ちなみに、補正予算は1週間~10日くらいかかるのです。それを見ると、9月28日告示、10月10日投開票というスケジュールが見えてきます。

9月28日は大安で、10月10日は先勝です。おそらくこれ以外に考えられません。 このスケジュールの唯一の難点は9月30日に自民党総裁の任期が切れてしまうので、手続きをどうするだけです。

しかし、この手続は1週間~10日くらいですから、暫定的に総裁の任期を延ばせば良いだけです。そうすると、この日程しかないとおのずからスケジュールが決まってきます。

枝野氏も今言わないと言うチャンスがないし、いま言ったら安心して否決されるというパターンでした。 9日には党首討論がありましたが、枝野氏は菅総理の解散総選挙の言質をとることができませんでした。

党首討論

その後菅総理はG7サミットに参加。そこから帰って来ると、もう国会開催中の14・15・16日の3日間にしか内閣不信任案を提出できませんでした。だから15 日に不信任案を提出して、否決してそれでおしまいになりました。 

それで少なくとも枝野氏を含めてすべての人の面子が立ちました。 二階さんも、解散発言について再度問われたとしても「当然、解散総選挙は総理の権限ですから」と言うわけですからといえば面子が立ちます。

問題は、投票日に新型コロナウイルスの感染状況がどうなっているかですが、ワクチン接種をすると、当然のことながら感染率は下がります。実際問題、東京の6月8日ですら、感染者数は369人です。100万人あたり27人という数字ですから、そもそもかなり低いのです。

現在でも予想通り下がっています。ワクチンを打っても、次の波が来ると言う専門家がいるのですが、波がかき消されてしまうというレベルなのです。下げ止まりという人もいますが、元々かなり低いので、いっとき下げ止まりしているように見えるだけです。そのため、このまま徐々下がって行きます。ワクチン接種の効果が効いて、10月くらいになると、接種率は4割ほどになります。そうすると集団免疫に近くなります。

そうなると誰の目に見ても、専門家になど頼らなくても、明らかに近いうちにコロナが収束する時期が見えてきます。

新型コロナウイルス感染症対策分科会が、感染数理モデル等を政府で使ってもらうためには、まずは予測をある程度当てないと信用されません。そのため、初めはパラメータを広く取り一定幅で説明し予測を当てて、次第にパラメータを狭めて予測の精度を高めるなどして、信頼を得る必要があったのですが、結局分科会はそれが出来ませんでした。

感染症対策で政治で求められているのはとにかく先が、正確無比でなくても良いので、ある程度予測出来ることです。新型コロナは当初は未知の現象なので、先が読めない中、政府が専門家に頼るのは先を読むためです。そのため、予測を外したり、結果を後講釈するだけの自称専門家は必要ないのです。

新型コロナウイルス感染症対策分科会御身会長

分科会は、エビデンスなしで、いろいろなことを言い過ぎたので、結局は政府からは、専門家扱いされなかったのでしょう。

現状では分科会が大きな影響を与えているようにもみえますが、それはマスコミがそのような扱いをするのでそう見えるだけです。本来助言者の役割を担う分科会が大きな影響力などありませんし、あったとすれば、そちらのほうが大問題です。コロナ対策の最終責任を負うのは、選挙によって選ばれた議員が構成する政府であり、分科会は元々責任などとれません。

五輪・パラも結局さしたる混乱もなく終了し、8月〜9月頃には、分科会が何を言おうと、コロナ収束が近いことは誰の目にもあきらかになり、分科会の見解など、選挙や政局等には何の影響もなくなります。マスコミ、野党も政府をつつける材料が何もなくなり、お通夜状態になるでしょう。本当は対中非難決議見送りなどを批判材料とすれば、かなりの盛り上がりをみせるでしようが、彼らは中国共産党が怖くてそれもできません。

そうして、対立や分裂を繰り返す野党とは異なり、数の力の意味を知る自民党は、一丸となって選挙に勝ち抜き、公明党もこの動きに呼応し選挙戦を戦うことになります。"「3A」VS二階幹事長"の抗争などはその後になります。選挙が終わるまでは、対中非難決議見送りの元凶となった二階氏等の媚中三人組への党内での批判も選挙に大きな支障が出ない限り選挙後になるでしょう。自民党総裁選びの大バトルも無論選挙後になります。

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