2021年11月1日月曜日

枝野立民代表、進退あすまでに判断 衆院選敗北、党内に辞任論【21衆院選】―【私の論評】今回の選挙は、自民党が勝ったというより、 野党共闘により惨めで哀れで醜悪な面々が明らかにされ、自滅した(゚д゚)!

枝野立民代表、進退あすまでに判断 衆院選敗北、党内に辞任論【21衆院選】

枝野氏


 立憲民主党の枝野幸男代表は1日午前、衆院選で公示前の110議席を割り込む敗北を受けて、「結果が出たばかりなので、何人かの方と相談して、あすの執行役員会までには何らかの考え方を示す」と述べ、自身の進退を含めた執行部の責任について明らかにする考えを示した。東京都内で記者団の質問に答えた。

自民、「魔の3回生」当選は9割超 選挙区では苦戦も

 枝野氏は「議席を減らしたことは大変残念で申し訳なく思っている」と陳謝した。


 立民は共産党などとの野党共闘を実現させて、213選挙区で候補者を一本化させたものの96議席に後退。党内からは「執行部の責任問題」(党関係者)との声が上がっており、枝野氏らの辞任は避けられないとの見通しが出ている。


 これに先立ち、同党の福山哲郎幹事長も国会内で「執行部として、選挙結果には責任がある。私自身の対応については腹を決めているが、ここで申し上げるべきことではない」と述べた。 


 枝野、福山両氏は連合本部を訪れ、芳野友子会長らに選挙結果を報告し、支援への謝意を伝えた。


 一方、11議席に上積みした国民民主党の玉木雄一郎代表は東京都内で記者団に「改革中道、対決より解決の姿勢で政策を訴えて手応えを感じた」と強調。来夏の参院選に向けて「こうした路線をしっかりと貫き、ぶれずに筋を通したい」とも語った。


【私の論評】今回の選挙は自民党が勝ったというより、 野党共闘により惨めで哀れで醜悪な面々が明らかにされ、自滅した(゚д゚)!

東京8区では、自民前職の石原伸晃元幹事長と立憲新顔の吉田晴美氏が争ったのが争いでした。

当初、共産党も候補者擁立を準備していたがのです、野党共闘で立憲・吉田氏に候補者を一本化しました。


ただ、公示前にれいわ新選組の山本太郎代表が同区からの立候補を発表するなど、候補者擁立をめぐって野党内で一時混乱もありました。一悶着はあったのですが、共闘した野党陣営は吉田氏をバックアップ。結果、岸田文雄首相も応援に入った自民党の派閥領袖を下しました。しかも、比例復活を許さないほどに……。

「東京8区」の重みは、立憲民主党の開票センターで午後9時前からはじまった「花付け」からも伺えました。

当選確実が伝えられた議員の名前を張り出す立憲・長妻副代表(右)と福山幹事長

「花付け」とは、当選確実が報じられた候補者の名前を張り出すセレモニーのことです。このとき、最初に貼り付けられたのも「東京8区」を制した吉田氏のものでした。

「東京8区」は、まさに“野党共闘の象徴”となった選挙区でした。

ところが、開票が進むにつれて風向きが怪しくなりました。

深夜にかけて、立憲の票の伸び悩みが明らかになってきたからです。

枝野氏の会見終了からおよそ1時間半後が経った11月1日午前1時半過ぎ、立憲民主党が公示前の109議席を下回ることが確実になりました。

加えて、自民党で起こった「ベテラン」敗北の事例は立憲民主党にも起こりました。

党重鎮の小沢一郎氏や「無敗の男」と呼ばれ無所属から立憲入りした中村喜四郎元建設相が選挙区で敗北。党副代表の辻元清美氏と党選対委員長平野博文氏は比例復活もならず、議席を失いました。

辻元清美氏

結果、立憲民主党の議席数は公示前勢力の109議席から13減らし96議席に。野党共闘による議席増で与党を過半数割れに追い込むことを目指したが、不発に終わりました。

たしかに小選挙区では自民党との接戦に持ち込んだ選挙区がいくつもありました。

立憲幹部が誇った東京8区や神奈川13区にように立民が圧倒した選挙区もありました。達成したところもあった。

ところが、思った以上に競り負けるところがあったのも事実です。加えて比例が伸びなかったことも響きました。

社民党や共産党などとの連携を進め「野党共闘」を推進したことで、有権者が立憲民主から離れていった点は否めません。

いかに枝野氏が「政権奪取時、共産党は“閣外からの協力”」と、距離を置く発言をしても、政策的には共産党と重なる部分はかなりありました。社民・共産と支持者が被れば、支持の広がりを欠いたことも想定されます。

野党にはこの先、どんな手段が残されているのでしょうか。

比例で当選した小沢氏

枝野氏は小選挙区で当選したものの、日付が変わって当確という有様でした。

日付が変わった一日午前零時十分ごろ、さいたま市大宮区にある立民前職の枝野幸男(57)の事務所に当選確実の一報が入ると、支援者からは「よかったー」と安堵(あんど)の声が一斉に漏れました。


枝野は東京都内で結果を見守ったため、代わりに選対本部長の熊谷裕人参院議員がマイクを握り、「簡単な選挙戦ではないと思ったが、こんな時間に当確が出るとは」とあいさつ。険しい表情を浮かべました。

党代表として応援に全国を回り、選挙期間中に地元に入ったのは二日間だけ。一騎打ちとなった自民前職には安倍晋三、菅義偉の両首相経験者ら政党幹部が相次いで応援に入りましたが、何とか退けました。


今回の衆院選で対決パターン別に与野党の勝敗を分析したところ、立憲民主や共産など野党5党が統一候補を擁立した213選挙区のうち、保守系無所属を含む自民または公明のいわゆる与党系候補は、約65%にあたる139選挙区で勝利したことが分かりました。これに対し、統一候補は約28%の59選挙区でしか勝てず、野党共闘の効果が限定的だったことを裏付けました。


213選挙区を地域別にみると、北海道は官公労が強い地域とあって、統一候補を擁立した9選挙区中、自公4勝、立民5勝と野党5党側が勝ち越しました。東京では革新系の影響力が残っていますが、与党系10勝なのに対し、統一候補は7勝と及びませんでした。 保守地盤が強固な西日本では、日本維新の会が幅を利かす大阪府を除き、中国地方で統一候補は14選挙区中1勝、四国では8選挙区中2勝しかできませんでした。


九州でも自民16勝なのに対し、統一候補は6勝にとどまるなど、野党が束になって掛かっても、与党側は寄せ付けませんでした。 135選挙区に上る事実上の与野党一騎打ちでも、与党系が96勝なのに対し、野党系は39勝と振るいませんでした。 一方、野党5党から複数の候補者が出た72選挙区ついては、与党59勝に対し、野党5党側はわずか6勝と無残な結果に終わりました。


 これらの選挙区については、反自民票が分散したために5野党側が敗北したとは必ずしも言えず、5野党で候補者を一本化した場合の票数を単純計算で足し合わせた場合、与党候補を上回ったのは5選挙区だけでしたた。与党に太刀打ちできないと判断した選挙区については、あえて候補者調整をせずに、比例票の掘り起こしを優先させた可能性があります。


今回の衆院選結果は、立民が組織票目当てで共産などと組んでも、票の上積みには限界があり、地力に勝る自民を負かすには、旧民主時代から言われ続けてきた、党の足腰となる地方組織の強化が急務であることを改めて突き付けたといえます。


今回の選挙では、立民共産の共闘が一見功を奏したかのようにみえた局面もありましたが、総体的には失敗であったことが明らかになりました。


野党は自民党には提供できない価値を提示する努力をせずに、与党への批判と数合わせの論理だけで自らの存在価値を示そうとしたので、結果的には成長できなかったし、これからも成長できそうにもありません。表面的方法が通じるほど有権者は馬鹿ではないということです。

今回の選挙は、自民党が勝ったというより、 野党共闘により惨めで哀れで醜悪な面々が明らかにされ、自滅したといえると思います。

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