2022年9月30日金曜日

高市氏が〝捨て身〟の告発!岸田内閣「中国スパイ」を野放しか 「セキュリティー・クリアランス」提出に圧力、政府内の親中派と暗闘を示唆―【私の論評】危機管理能力があまりに低い岸田政権は、短期で終わらせないと、自民党はおろか、日本国、日本国民が毀損されかねない(゚д゚)!

有本香の以読制毒

高市経済安全保障相は「闘う政治家」としての覚悟を決めたようだ

 高市早苗経済安全保障担当相が28日、「捨て身の告発」に打って出た。先端技術の流出を防ぐため、重要情報を取り扱う研究者らの身分の信頼性を確認する「セキュリティー・クリアランス(適格性評価)」をめぐり、政府内の〝抵抗勢力の存在〟や〝親中派との闘争〟を示唆したのだ。「国葬(国葬儀)」で27日に見送られた安倍晋三元首相は生前、日本の国力を維持・発展させるため、欧米諸国では常識である「スパイ防止法」の制定にも意欲を持っていた。日本と中国は29日、国交正常化から50年を迎えた。岸田文雄政権の、国民と国家を守る気概が問われている。ジャーナリスト、有本香氏による緊急リポート。

 現役閣僚による爆弾発言が飛び出した。

 「大臣に就任した日に言われたのは、『中国』という言葉を出さないでくれというのと、来年の通常国会にセキュリティー・クリアランスを入れた経済安全保障推進法を提出するとは口が裂けても言わないでくれと言われました」

岸田首相

 高市氏が28日夜、「BSフジLIVE プライムニュース」に出演した際の発言である。これに岸田首相がどう対処するか〝見もの〟だ。

 経済安全保障については今年5月、経済安全保障推進法が成立したが、同法には最も重要な要素が欠落している。それがセキュリティー・クリアランス、「人の適格性の審査」だ。あえて簡単に言えば、外国のスパイを取り締まるルールである。

 同法成立の前から、筆者はこの欠落を厳しく批判していた。「仏作って魂入れず」のような経済安保法にどれほどの意味があるのか、ということである。国会提出前の今年2月には、自民党の政調会長だった高市氏と『月刊Hanada』で対談し、次のようなやり取りをした。

 高市氏「今年の大きな柱はやはり経済安全保障政策です。どのような事態になっても必要な物資を国内で調達できる環境、サイバー攻撃から国民の生命や財産を守り抜くこと、機微技術の国外流出を防ぐことなどを柱とする『経済安全保障推進法』の第1弾を今国会で必ず成立させたい」

 筆者「かねてより高市さんがおっしゃっていた外国人研究者などのスクリーニング(選別)は、その第1弾には含まれるんですか?」

 高市氏「外国人研究者のスクリーニングは第2弾でやります。これを入れると今国会では通りませんから」

正直に言うと、7カ月前、高市氏のこの答えにひどく失望したものだ。

 対談での高市氏は、「岸田政権をサポートする」「7月の参院選に勝利することが大事」という表明に終始した印象だった。それは政調会長という立場からすると当然ではあるが、あまりにも型通り、多くの読者の失望を誘うものでもあった。

 実は、筆者はこのときの失望を、安倍氏にもぶつけた。「人のスクリーニングを盛り込まないなら、意味のない法律です」と。

 筆者の怒りに対し、安倍氏は「人のスクリーニングを盛り込んだ法律は必ずやるから。こちらもプッシュしていく。ただ、容易でないことは理解してほしい」と答えていた。

 しかしいま、昨晩の高市氏の「告発」を聞き、生前の安倍氏の言葉を思い返すと、経済安保をめぐる自民党内の「闘争」、とりわけ「親中派との闘争」が実感を伴ってみえてくる。2月に筆者が抱いた強い失望は、こうした暗闘への筆者の不理解も少々手伝ったかと反省する。

 今般、高市氏が「捨て身の告発」に打って出たのには、安倍氏の国葬儀が無事終わったことも関係しているかもしれない。国葬儀には筆者も参列したが、かけがえのないリーダーを喪った悲しみ、反省を改めて深くする一方で、国難のいまこそ、「闘う政治家」だった安倍氏の遺志を、皆で継ぐべきという思いにもさせられた。

 高市氏は同じ28日、BS日テレの「深層NEWS」にも出演し、政府による国葬実施の決定過程について次のような苦言を呈している。

 「決定する少し前に国会の議院運営委員会の理事会とか、衆参両院の議長とか、そういったところに話がちゃんとあってもよかったのではないか」

 一連の高市発言を「岸田おろし」や「閣内不一致」というレベルの話題にして済ますべきではない。

 「中国のスパイ」一つ取り締まれない日本に明日はない。安倍氏の志を真に継ぐのは誰なのか―。はっきりさせるときである。

■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

【私の論評】危機管理能力があまりに低い岸田政権は、短期で終わらせないと、自民党はおろか、日本企業、日本国、日本国民が毀損されかねない(゚д゚)!

上の記事にある、高市氏が28日夜、「BSフジLIVE プライムニュース」に出演した際の発言については、昨日このブログに掲載したばかりです。高橋洋一氏のツイートに掲載された動画という形で掲載しました。昨日の記事のリンクを以下に掲載します。
短命に終わった「麻生政権・菅政権」と、いまの岸田政権の“ヤバすぎる共通点”―【私の論評】危機管理能力が欠如した岸総理に対し、自民党保守派には不満が鬱積しており、これが次の政局への原動力に(゚д゚)!
昨日の記事から一部を引用します。
安倍元総理が暗殺された後の、内閣改造は、酷いものでした。露骨な安倍派の排除でした。この内閣改造は、論評にも値しない酷いものでした。

しかも、内閣改造の前には、「統一教会に関係があった人は閣僚から外す」として、旧統一教会と比較的関係が強いとみられていた、安倍派を外す旨を公表しての人事でした。

安倍派という多数派をないがしろにする岸田総理の人事をみて、他派閥も反発を強めたことでしょう。

しかも、内閣改造で頭がパンパンだったとみられる、岸田首相は、中国にミサイルを発射されても、国家安全保障会議 (NSC)を開催しませんでした。

旧統一教会に関しては、厳密な法律の適用や、新たな法律の検討などを飛び越して、憲法や法律に抵触するおそれさえある統一教会排除を宣言し、それこそ、魔女狩りに等しいような批判をした、野党やマスコミの土俵にみずから乗ってしまうようなことをやらかしてしまいました。

この2つのことによって、岸田総理には「危機管理能力」が欠如していることが明らかになりました。これは、歴代内閣の中でも最悪かもしれまません。

以上でもおわかりのように、この記事は、次の自民党内の政局を中心に述べたものです。その文脈で高橋洋一氏のツイートに掲載された高市氏の発言をの動画を掲載したものです。高橋洋一のツイートを以下に再掲します。

昨日の記事には、この動画に続けて以下のように述べました。
このようなことを、外部に漏らしてしまうということは、自民党内で相当不満が鬱積していることを示しているものと考えられます。そうでなければ、このような発言はできないと思います。

安倍元総理の「国葬儀」までは、こらえてきたのでしょうが、こらえきれなくなって高市氏は、このような発言をしたのでしょう。そうして、これは無論高市氏一人ということではないでしょう。
ただ、この発言は上の、有本香氏が語っているように、一連の高市発言を「岸田おろし」や「閣内不一致」というレベルの話題にして済ますべきではないです。

スパイに関しては、最近米国でもショッキングなことがありました。たとえば世界中の人々が利用する巨大SNS(交流サイト)で浮上した〝スパイ疑惑〟が波紋を呼んでいます。米国のSNS「ツイッター」の元セキュリティー責任者が、米議会上院の司法委員会で「ツイッターの従業員の中に中国の工作員がいた」と証言したのです。

不特定多数のユーザーの個人情報が筒抜けになり、工作活動に悪用される可能性があります。日本でも、企業や大学、研究所などにスパイが浸透して、非合法的手段による情報収集や、さまざまな工作活動を行う危険性が指摘されてきました。

これは決して対岸の火事ではありません。日本は最先端の科学技術を誇り、世界中の情報が集中していますが、「スパイ防止法」が存在しません。万が一、逮捕されてもスパイ行為自体については、犯罪ににならず、スパイ行為を実行する際に何らかの違法行為を行っていれば、はじめて犯罪が成立し、それを司法でさばくことができます。スパイ行為自体は、重罪になりません。まさに『スパイ天国』というしかないです。

もともと著名な「ハッカー」として知られたツイッターの元セキュリティー責任者、ピーター・ザトコ氏は米議会の公聴会で13日、重大なスパイ疑惑の存在を証言し、ツイッターが抱える問題点を指摘しました。


ロイター通信によると、ザトコ氏は公聴会で「FBI(連邦捜査局)がツイッターに対し、中国国家安全部(MSS)の工作員が従業員名簿に載っていると通知した」と説明。インド政府の意向を受けた人物も在籍していたと主張し、「(ツイッターは)外国情報機関を探し出し、追放する能力がない」などと批判したといいます。

ザトコ氏は今年1月、指導力の欠如と期待を下回る仕事ぶりを理由に同社を解雇されました。その後、米議会や米証券取引委員会(SEC)、司法省、連邦取引委員会(FTC)などに文書を送付し、告発に踏み切りました。

これに対し、ツイッターは「当社のプライバシーとデータセキュリティーに関する誤った主張で、矛盾点や不正確な点だらけだ。セキュリティーとプライバシーは当社の最優先事項だ」などと反論しました。

世界的企業を直撃したスパイ疑惑だが、日本でも機微に触れる情報や先端技術をターゲットに、海外の工作員が企業に近づく事件が起きています。

2020年には、大手通信会社「ソフトバンク」の元社員が、在日ロシア大使館幹部の男にそそのかされ、通信設備関連の機密情報を持ち出し、不正競争防止法違反容疑で逮捕されました。男の正体はロシア対外情報庁(SVR)のスパイで、他国の科学技術を狙うグループ「ラインX」の要員だったとみられますがが、警視庁公安部の出頭要請に応じず出国しました。

逮捕された合場邦章容疑者(45)

大手化学メーカー「積水化学工業」でも同年、スマートフォン関連技術を中国企業に漏らした元社員が書類送検される事件が発覚しました。中国企業側はSNSを通じ元社員に接触し、巧みに情報を漏洩するよう誘っていました。

日本企業を狙うスパイ事件ではこれまで、外国情報機関の要員らが日本人社員に接近し、漏洩をそそのかすケースが多かったそうですが、グローバル化で社員が多国籍となれば、スパイ本人が社員として浸透するケースも出てくることになるでしょう。

警察当局は、重要な情報が相手方にわたる「後手」を防ぎ、国益を守る観点から、不審な動向を把握した時点で、所属する企業側へ通報する方針にシフトしているそうです。

高市早苗経済安全保障担当相は先月、先端技術流出を防ぐため重要情報を取り扱う研究者らの身分の信頼性を確認する、「セキュリティークリアランス(適格性評価)」制度の検討を急ぐ意向を示しました。

高市氏は「機微情報や重要な技術に接する方々の信頼性を確保しなければ、日本で民生技術として研究してきたものが他国の先進的な兵器に使われる可能性もある」と懸念を示しました。

ただ、日本では工作員の存在や疑いを確認しても諜報活動そのものを取り締まる法律がありません。窃盗や背任、外為法、旅券法違反など、具体的な犯罪がなければ摘発は困難で、「スパイ天国」とも揶揄されています。

高市氏は今年5月、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」で、セキュリティー・クリアランスに言及したうえで、「これをしっかりやらないと日本が欧米のサプライチェーンから外される可能性もある」「スパイ防止法に近いものを入れ込んでいくことが大事だ」と強調していました。

日本は平和と安全、国民の生命と財産を守るため、スパイの浸透を阻止しなければならないはずです。

にもかかわらず、高市早苗経済安全保障担当大臣は、「大臣に就任した日に言われたのが『中国って言う言葉を出すな。来年の通常国会にセキュリティ・クリアランスを入れた経済安保法を提案すると口が裂けても言うな』と言われた」というのですから、これは一体どうなっているのでしょうか。

誰が高市氏対してそのような発言をしたのでしょうか。岸田総理なのでしょうか。

いずれにしても、岸田政権にはあまりに問題が多すぎです。特に、危機管理能力があまりに低レベルです。短期政権で終わらせないと、自民党はおろか、日本企業、日本国、日本国民が毀損されかねません。

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