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国民民主党の玉木雄一郎代表 |
国民民主党の玉木雄一郎代表は6日の衆院代表質問で、「円安メリットを生かすのなら、外国為替資金特別会計(外為特会)の円建ての含み益を経済対策の財源に充ててはどうか」と提案した。
これに対し、岸田文雄首相は「財源確保のために外貨を円貨に替えるのは実質的にドル売り円買いの為替介入そのもの」と述べて否定的だった。
外為特会からの財源捻出について、筆者は小泉純一郎政権時に実施したことがある。小泉政権では郵政民営化がまずあったが、もう少し大きなグランドデザインをといわれ、政府のバランスシート(貸借対照表)のスリム化・効率化を提言した。
郵政民営化は政府所有株の売却が伴うのでバランスシートのスリム化だ。政策金融・特殊法人改革もスリム化だ。そうしたコンセプトで政府の特別会計を精査していたら、思いの外、余裕資産があることが分かった。
政府のバランスシートを初めて作成したのは筆者だったので、各特別会計の余裕資産を炙り出すのは簡単だった。それを経済財政諮問会議の議題にした。これがいわゆる「埋蔵金」だ。その絶妙なネーミングとともに、大きな話題になった。
そうした一連の仕事は、2006年に「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」という法律でまとめられている。この法律は、全78条であるが、各省にわたっており、霞が関官僚からすれば思い出したくないものだろう。おかげで、筆者は「官僚全てを敵にした男」と言われた。
その法律の39条に「外国為替資金特別会計に係る見直し」がある。実際、外為特会から財源が捻出された。
岸田首相の答弁を作成したのは財務省だろうが、当然そのときの議論は知っているはずだ。
当時、筆者は内閣官房・内閣府におり政権内だったので、財務省からの反論に答えて政策決定した。今回は、その議論の過程が国会審議として行われるのだろう。
岸田首相のいう「外貨を円貨に替えるのは実質的に為替介入」はおかしい。円高に対応するためにドル債を購入するのが為替介入だ。ドル債は有期なので、例えば3年債なら3年後に償還され、その際、外貨を円貨に替える。これは、どこの国の介入でも行われる通常の行為だ。それをやらずに再びドル債購入(ロールオーバー)したら、それこそ為替介入になってしまう。
実は、財務省はロールオーバーすることで「為替介入」しているのに、ロールオーバーしない通常のことを「為替介入」としている、これは本末転倒、きつい言葉で言うと、盗人たけだけしい言い方だ。
筆者の言うことを確認するのは簡単だ。先進国は変動相場制だが、それぞれの外貨準備高の国内総生産(GDP)比をみればいい。多く持っている国でも数%以下だ。つまり、一時的に介入してもロールオーバーせず、途中売却か償還になっているのだ。
こうした議論についてもかつて行った。その上で、外為特会から埋蔵金を捻出したのだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一)
そうして、本日の上の記事です。高橋洋一氏は、ご自身のYouTubeの「高橋洋一チャンネル」でもこれについて解説しています。下にその動画を掲載します。
ラジオの番組でも為替特会について解説しています。
このブログでは何度か述べたように、大災害で国全体が傷んでいるのに増税した国家を私は他に知りません。古今東西ありません。あの時の日本だけが唯一の例外です。こういう時はまともな政府ならばまずは減税をします。財源は、無論国債です。
この書籍は、不況下において財政刺激策をとるか緊縮財政をとるかは、人々の健康、生死に大きな影響を与えることを示しています。世界恐慌から最近の「大不況」までの各国の統計から、公衆衛生学の専門家が検証した最新研究。長年の論争に、イデオロギーではなく、「国民の生死」という厳然たる事実から答えを導く一冊です。
自民党・萩生田政調会長は、「総理からは昨今の経済情勢、エネルギー高騰、世界経済の後退、こういったことを考えると私がかねてから申し上げているように、よりきめの細かい対応が必要なんじゃないかということで意見の一致を見たところです」と語りました。
萩生田氏はこれまでに、「昨年度の補正予算と同等の30兆円規模の経済対策が必要だ」との考えを示していました。
自民党は18日に経済対策を取りまとめ、政府に申し入れる方針です。岸田首相にはくれぐれも「不埒な1% 」の仲間に入らず、まともな補正予算を組んでいただきたいものです。
これに対し、岸田文雄首相は「財源確保のために外貨を円貨に替えるのは実質的にドル売り円買いの為替介入そのもの」と述べて否定的だった。
外為特会からの財源捻出について、筆者は小泉純一郎政権時に実施したことがある。小泉政権では郵政民営化がまずあったが、もう少し大きなグランドデザインをといわれ、政府のバランスシート(貸借対照表)のスリム化・効率化を提言した。
郵政民営化は政府所有株の売却が伴うのでバランスシートのスリム化だ。政策金融・特殊法人改革もスリム化だ。そうしたコンセプトで政府の特別会計を精査していたら、思いの外、余裕資産があることが分かった。
政府のバランスシートを初めて作成したのは筆者だったので、各特別会計の余裕資産を炙り出すのは簡単だった。それを経済財政諮問会議の議題にした。これがいわゆる「埋蔵金」だ。その絶妙なネーミングとともに、大きな話題になった。
そうした一連の仕事は、2006年に「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」という法律でまとめられている。この法律は、全78条であるが、各省にわたっており、霞が関官僚からすれば思い出したくないものだろう。おかげで、筆者は「官僚全てを敵にした男」と言われた。
その法律の39条に「外国為替資金特別会計に係る見直し」がある。実際、外為特会から財源が捻出された。
岸田首相の答弁を作成したのは財務省だろうが、当然そのときの議論は知っているはずだ。
当時、筆者は内閣官房・内閣府におり政権内だったので、財務省からの反論に答えて政策決定した。今回は、その議論の過程が国会審議として行われるのだろう。
岸田首相のいう「外貨を円貨に替えるのは実質的に為替介入」はおかしい。円高に対応するためにドル債を購入するのが為替介入だ。ドル債は有期なので、例えば3年債なら3年後に償還され、その際、外貨を円貨に替える。これは、どこの国の介入でも行われる通常の行為だ。それをやらずに再びドル債購入(ロールオーバー)したら、それこそ為替介入になってしまう。
実は、財務省はロールオーバーすることで「為替介入」しているのに、ロールオーバーしない通常のことを「為替介入」としている、これは本末転倒、きつい言葉で言うと、盗人たけだけしい言い方だ。
筆者の言うことを確認するのは簡単だ。先進国は変動相場制だが、それぞれの外貨準備高の国内総生産(GDP)比をみればいい。多く持っている国でも数%以下だ。つまり、一時的に介入してもロールオーバーせず、途中売却か償還になっているのだ。
こうした議論についてもかつて行った。その上で、外為特会から埋蔵金を捻出したのだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一)
【私の論評】岸田首相は財務省などの「不埒な1% 」の仲間に入らず、まともな補正予算を組め(゚д゚)!
為替特会関係について、高橋洋一氏はこの記事も含めて、短期間に三本もの記事を書いています。
「円安で儲かった37兆円」を経済政策の財源に充てよ…財務省が臨時国会で触れられたくないこと (10月10日 現代ビジネス)
円安と物価高から庶民を救う策、利益を享受する政府の資金使え 対策なければ再びデフレ転落も (9月24日)
そうして、本日の上の記事です。高橋洋一氏は、ご自身のYouTubeの「高橋洋一チャンネル」でもこれについて解説しています。下にその動画を掲載します。
玉木さん代表質問で約束通り「政府はウハウハ」!勝負はこれからだ (10月12日)
ラジオの番組でも為替特会について解説しています。
「外為特会の含み益約37兆円」を経済対策の財源にできる「根拠」 高橋洋一が解説
なぜ、高橋洋一はこのように矢継ぎ早に為替特会について、様々なところで語っているのでしょうか。
それは、やはり今臨時国会における、審議の中で、どの程度の補正予算を組むかが、焦点になっているからだと考えられます。そうして、高橋洋一氏はこのようなことをして、自民党内の積極財政派を応援しているのだと思います。
特に真水でできれば30兆兆の補正予算を組めるか、少なくと20兆超の補正予算が組めるか、あるいは10兆未満の補正予算となってしまうかが、まさに天王山になるからです。
どのような天王山になるかといえば、 まずは、30 兆超の補正予算を組んで経済対策を打てば、日本は近い来年あたりにはデフレから完全脱却して、コロナ禍の悪影響を払拭して、力強く発展することになります。
なぜ、そうなるかといえば、現在日本経済には30兆円程度のGDPギャップが存在するからです。
20兆超であれば、すぐにデフレから脱却できないにしても、来年また補正予算を組めば、デフレから完全脱却して、力強く発展することが期待できます。
コロナ禍で日本経済痛めつけられていた頃には、安倍政権と菅罫政権の両政権であわせて100 兆円の補正予算が組まれました。安倍政権では、60兆円、菅政権では40兆円でした。
この補正予算の執行と、日本には雇用調整助成金という制度がもともとあり、これも活用した結果、コロナ禍にあって他国が失業率がかなり高まったにもかかわらず、日本は2% 台で推移しました。これをメディアや野党はほとんど評価ませんでしたが、大偉業です。
岸田政権なってからも、失業率は2%台で推移していますが、これは岸田政権の成果ではなく、安倍・菅政権の成果によるものです。なぜなら、失業率は代表的な遅行指標で、現在の経済の状況は半年後以降に失業率に反映されるからです。
10兆円未満の補正予算であれば、焼け石に水であり、日本経済は毀損され、これに対して来年補正予算を組むにしても、毀損された分も含めてGDPギャップは30 兆円を遥かに超えてしまうことでしょう。
以上のように、まさに今国会における補正予算は、今後の日本経済の天王山なのです。ここで、岸田政権の経済政策がまともであれば良いのですが、失敗すれば、日本経済はまた長期間停滞し続けることになるのです。
そうして、高橋洋一氏は岸田政権が失敗する可能性を懸念しているのでしょう。
岸田首相は親戚縁者に財務省関係者が多く、財務省と近い関係にあります。財務省や民主党、ならびにそれに協力する識者といわれる人々が主導して、東日本からの復興のために、復興税制を誕生させたという苦い経験があるからです。
当然最初に復興のための財源として出たのは無論復興国債の声でした。それが1週間くらいで復興増税にかわった時は驚愕しました。日本は深く深く病んでいます。
復興税を推進したのは、当時の民主党政権や財務省だけではありません。日本の主流といわれる経済学者らもそうでした。復興増税推進に手を貸した経済学者は、愚昧としか言いようがありません。
最近ノーベル経済学賞を受賞したバーナンキ等には足元にも及ばない愚かな人たちだと思います。
その日本の主流派といわれるのは、東大を頂点とする経済学者らです。この学者たちは、復興税に賛成しています。当時頂点といわれたのは、東大の伊藤隆俊研究室です。高橋洋一氏は、以下のよにツイートしています。
元の伊藤隆俊研究室のサイトはいつのまにか消えている。リストはhttps://t.co/gnalyeWsom
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) October 13, 2022
これじゃ、ノーベル経済学賞は無理! https://t.co/xFmUNzWkna
この研究室に連なる経済学者らの名前は、ウェブ魚拓のリストに残っています。是非ご覧になってください。あの人が、という人もいて驚かされるかもしれません。
話しは変わって、最近「護れなかった者たちへ」という映画を見ました。話の筋は、以下のサイトをご覧になってください。
護られなかった者たちへこの映画、昨年封切られたばかりの映画ですので、興味のある方は是非ご覧になってください。
この映画、本当にざっくり言ってしまうと、東日本震災の被災地で、生活保護を申請した老婦人の申請を取り消したところ、その老婦人が餓死してしまい、それに憤った人が、生活保護取り消しに加担した役人たちを殺してしまうというストーリーです。
2017年12月の時点で受給している世帯が全国で164万世帯あるという生活保護の実像を描いた社会派ミステリーです。日本は未だデフレから完璧に脱却していないという厳しい現実を突きつけられるような内容です。
あまり詳しく語ると、これから映画を見る人たちにネタバレとなってしまうので、これくらいにしてきおます。
私は、この映画を見て、背後にはやはり財務省などが推進した復興税による経済の落ち込みがあると思いました。こ復興税は税の公平性という性格から、全国一律に徴収するものですから、当然のことながら、被災地の経済も落ち込みます。これは無論緊縮財政の一環といえます。
この映画に出てくる、生活保護の申請の取り消しをした役人たちも、緊縮予算には苦しめられていたと思います。 予算に苦しめられさらには、申請者や対象者も多く荷重な事務による疲労も重なっていたと思います。実際に映画の中でそのように語った役人もいました。
彼らは、そういう背景があって、あのようなことをしてしまったのではと私は思いました。もし、ある程度の潤沢なというかまともな予算がつけられていれば、変わっていたかもしれないと思いました。
役人を殺した殺人犯は、これらの人たちを「不埒な1% 」と呼んでいました。この映画の中では、こうした一部の地方の役人たちだけを指しているようでしたが、私はそうは思えませんでした。復興税を導入を推進した財務省、与野党の政治家、識者もその範疇に入ると思いました。
誤った経済政策は人を殺すこともあるのです。このブロクにはそのような事例もいくつかあげたことがあります。このような話しをすると否定的な人もいます。しかし、これは、多くの経済学者によって確かめられています。以下にその代表的な書籍をあげておきます。
経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策 単行本 – 2014/10/15
デヴィッド スタックラー(著), サンジェイ バス (著), 橘 明美 (翻訳), 臼井 美子 (翻訳)
この書籍は、不況下において財政刺激策をとるか緊縮財政をとるかは、人々の健康、生死に大きな影響を与えることを示しています。世界恐慌から最近の「大不況」までの各国の統計から、公衆衛生学の専門家が検証した最新研究。長年の論争に、イデオロギーではなく、「国民の生死」という厳然たる事実から答えを導く一冊です。
緊縮財政が著しく国民の健康を害して死者数を増加させるうえ、景気回復も遅らせ、結局は高くつくことを論証しています。政府が不況時に緊縮財政をすれば、生活保護受給者などが増えたり、後処理的に様々なことをしなくてはならくなり、結局高くついてしまうことになるのです。そうして、それを放置しておけば、経済はさらに落ち込み続け、死者数は増加し続けるのです。
東日本震災からの復興のための復興税による緊縮財政により、日本では著しく国民の健康や福祉を害して死者数を増加させたうえ、景気回復も遅らせ、結局は高くついたのです。日本では、その後コロナ禍もあり、先に述べたように、安倍・菅両政権で合わせて100兆円もの補正予算を組まなくてはならなくなりました。
震災で人が亡くなることは、どのような対策を打ってもできないこともあるでしょう。しかし、震災後の復興の過程で人がなくなることは防げるはずです。
私は、ほとんどの日本人は「不埒な1% 」には入っておらず、あくまで復興税に反対したか、あるいは、ほとんどの人は、東日本震災の復興にあてるのだから、心情的に仕方ないと諦めたのだと思います
ただ、1%の人間は、何がおこるのか知った上でか知らなかったのかは別にして積極的に復興税を推進してしまいました。知らないで推進した人は、自分の無知を厳しく反省すべきです。知っていて推進したなら、これほど罪深いことはありません。こういう人たちは、自らの罪業を死ぬまで背負って生きるべきです。
政府が今月とりまとめる経済対策をめぐり参議院自民党は岸田総理に対し、出産準備金の支給など緊急提言を行いました。 提言には出産前の準備に使うための「出産準備金」の臨時支給などが盛り込まれました。
不埒な1%。されど、その1%の悪行が世の中の意識を大きく変えてしまったのです。興味のある方は是非「護られなかった者たちへ」映画を是非ご覧になってください。
この映画を見たある人に、以上のような話しをしたところ「映画をそのような見方をするのは面白くない」と語っていました。しかし、その人はきっと私の語ったこと本当には、理解していないと思います。上のような背景を知った上で、映画を見ると、また違った角度から映画が見られて、興味深いと思います。
実際、この映画私にとっては、忘れられない映画の一つとなりました。この映画もし、続編が制作されるなら、「不埒な1% 」の中に財務省や政治家、似非識者も含めると良いと思います。そうすると映画自体にさらに深みが増す可能性があると思います。
高橋洋一氏は、この最悪の復興税のようなコロナ復興税などができるのを阻止するためにも、上記のように外為特会の話しをしたり、復興税に賛同した学者のリストを公開したりしているのだと思います。
政府が今月とりまとめる経済対策をめぐり参議院自民党は岸田総理に対し、出産準備金の支給など緊急提言を行いました。 提言には出産前の準備に使うための「出産準備金」の臨時支給などが盛り込まれました。
ひとり20万円の出産準備金を支給するとすれば予算はおよそ1600億円で、参議院自民党の幹部は捻出可能な額との認識を示しています。 ほかにも電気料金とガス料金の引き下げに向けて事業者への資金投入をすべきなどとしていて、補正予算については30兆円を超えた昨年度を上回る規模を求めています。
自民党の萩生田政調会長は岸田総理大臣と面会し、大型の補正予算を編成する考えで一致しました。財政支出を抑えたい財務省を牽制(けんせい)する狙いがあります。
自民党・萩生田政調会長は、「総理からは昨今の経済情勢、エネルギー高騰、世界経済の後退、こういったことを考えると私がかねてから申し上げているように、よりきめの細かい対応が必要なんじゃないかということで意見の一致を見たところです」と語りました。
萩生田氏はこれまでに、「昨年度の補正予算と同等の30兆円規模の経済対策が必要だ」との考えを示していました。
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