2023年7月7日金曜日

岸田政権、今度は〝退職金増税〟勤続20年以上が標的!?「いまになって長期で安定した働き方否定…倫理的にも問題」識者―【私の論評】もはや財政に関する説明責任を先延ばしにしても、岸田政権の支持率は上がらない(゚д゚)!

岸田政権、今度は〝退職金増税〟勤続20年以上が標的!?「いまになって長期で安定した働き方否定…倫理的にも問題」識者

岸田首相

 岸田文雄政権は、サラリーマンの退職金への課税制度の見直しを検討している。これは、終身雇用や年功序列など日本型の雇用慣行の転換を図ることを大義名分としている。しかし、これはサラリーマンの定年後の生活に大きな打撃を与えかねない。

 現行制度では、退職金から控除額を引いた金額の2分の1に所得税と住民税が課せられる。控除額は、勤続20年以下の場合は「勤続年数×40万円」。勤続20年超になると、さらに「20年を超える勤続年数×70万円」が加わることで、支払う税金が目減りする。勤続30年の場合、退職金1500万円までは税金がかからない仕組みだ。

 政府税制調査会は、退職金の支給形態や労働市場の動向に応じて税制上も対応する必要が生じていると指摘している。しかし、これは単なる増税目的に過ぎないとの指摘もある。企業に30~40年勤め上げた50代には大きな打撃で、再就職しても所得が好転するケースはめったに考えにくいからだ。

 政府は、退職金以外の所得控除について、フリーランスなどと比べ会社員の負担軽減効果が大きい仕組みの検証も要請している。共働き世帯よりも専業主婦の世帯の方が優遇されている現状にも触れ、働き方に中立的な税制を求めている。

 終身雇用や年功序列といった日本の雇用慣行は、好況時の人手不足の際に企業のアピール材料として盛り上がり、不況時にはやり玉にあがる形が長年続いてきた。現在は増税したいがために問題視しているだけではないかという疑念もある。

 退職金課税の見直しは、サラリーマンの定年後の生活に大きな影響を与える可能性がある。政府は慎重に検討し、国民の理解を得た上で実施すべきです。

【私の論評】もはや財政に関する説明責任を先延ばしにしても、岸田政権の支持率は上がらない(゚д゚)!

長く会社に勤めている人たちに対して、長期的で安定した仕事を否定するのは倫理に反するとと考えられます。これらの労働者は、しばしば会社に多大な貢献をしており、その忠誠心と献身に報いる資格があります。

退職金課税の引き上げは、これらの労働者にとって特に不公平な負担となります。これは彼らの生活の質に大きな影響を及ぼしかねず、中には希望よりも長く働くことを余儀なくされる人さえ出てくるかもしれないです。

退職金課税でいかる人 AI生成画像

私は、政府は退職金増税計画を再考すべきだと思います。その代わりに、勤続年数にかかわらず、すべての労働者にとって税制をより公平にする方法を見つけることに焦点を当てるべきです。 以下は、政府が検討しうる具体的な提案です。 すべての労働者の標準控除額を引き上げるべきです。これにより、課税対象となる所得額が減少し、低・中所得労働者にとってはより大きな減税となります。

長期雇用者に対する新たな税額控除を設けるべきです。これにより、企業が労働者を長期雇用するための経済的インセンティブを提供するのです。

年金制度を改革し、より持続可能で公平なものにすべきです。これにより、勤続年数に関係なく、すべての労働者が確実な退職所得を得られるようになります。

これらの措置は、退職手当を引き上げるよりも公平で効果的だと考えられます。

さらに、 企業が従業員により多くの研修や能力開発の機会を提供するよう奨励すべきです。これにより、労働者の市場価値を高め、新しい仕事を見つけるチャンスを増やすことができます。

 新産業や新事業の開発を支援すべきです。これにより、労働者に新たな雇用と機会が創出されます。 これらの措置は、すべての労働者が21世紀の経済で成功するために必要なスキルと機会を確保するのに役立つでしょう。 私は、これらの措置は、雇用保険料を引き上げるよりも効果的だと思います。

これらの措置は、勤続年数に関係なく、すべての労働者が快適に引退できる公平な機会を確保するのに役立つでしょう。

増税が大好きな財務官僚 AI生成画像

岸田文雄政権は、結局増税のためにサラリーマンの退職金税制の見直しを検討しているのでしょう。政府は日本の雇用慣行を変えるために必要だと主張していますが、それは口実に過ぎないと考えれます。

岸田首相は、安倍・菅両政権合わせて増税なしで、100兆円の補正予算を組み、コロナ対策を実施したことが、現在の景気の良さの要因であること、これを実施しても、現在に至るまで何の問題も発生していません。何か問題があれば、すぐに財務省はこれを口実にし増税を言い出すでしょうが、今のところそのような動きはありません。

さらに、2022年度の一般税収がはじめて70兆円を超えるなど、税収が増えているにもかかわらず、岸田首相は、政府は財政赤字を減らすために増税を迫られているとの考えから、様々な増税策を考えているようです。

退職金への増税もその一環とみられます。これは、ほとんどの納税者に影響がないため、比較的痛みを伴わない方法とみられます。ただ、同じ会社に長く勤めている人にとっては大きな負担となります。

私は、政府はその意図に正直であるべきだと思います。増税したいのであれば、直接そうすべきです。日本の雇用慣行を変えると言って、その意図をごまかそうとしてはならないです。

政府が増税できる具体的なものをいくつか挙げてみます。

  • 退職金。これは、同じ会社に長く勤めている人への最も直接的な増税方法です。
  • キャピタルゲイン。株式や債券、その他の資産に投資している人に影響します。
  • 高額所得者の所得。これは少数の人々に影響を与えるだろうが、かなりの歳入を生み出すでしょう。
岸田首相は、いずれこれらを具体的に言い出すかもしれません。過去にこれらには、触れていますが、支持率の低下をおそれているせいか、その後は言及しなくなりました。退職金課税もそうなるでしょう。

政府はその意図を明らかにし、増税が必要だと考える理由を説明すべきです。

ただ、そうすれば、岸田政権の支持率は確実に落ちると認識しているのでしょう。だから、説明責任を果たすことなく、様々なステルス的な増税を考えたり、増税の意思決定の時期を意図的に先延ばしにしているのでしょう。

このようなことは、長続きしません。岸田首相は、増税の意図を明らかにして、説明責任を果たし、岸田政権を終焉させるか、先にあげた安倍・菅政権のときのように、増税なしで様々な施策を実行し、岸田政権を長期安定政権にするか、いずれかの道を選択すべき時が迫ってきたと思います。

政権支持率の低下 AI生成画像

これをはっきりさせないからこそ、支持率は低下しているのでしょう。私は、保守層の人は、LGBTがどうの、韓国都の関係がどうのと語っていますが(無論私もこれらには大反対)、生活に直結する増税の説明責任がないことこそが、現在岸田政権の支持率が下がっていることの最大要因だと思います。増税する旨の説明責任を果たせば、説明責任を果たしたことは評価されるでしょうが、さらに、増税することは、大きな反発を招き、岸田政権は終焉するでしょう。

岸田首相が、納得しようがしまいが、増税以外の方法で、様々な対策の実行を決断すれば、岸田政権が長期安定化する可能性が高まるのは確実だと思います。

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