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2019年1月16日水曜日

中国経済が大失速! 専門家「いままで取り繕ってきた嘘が全部バレつつある」 ほくそ笑むトランプ大統領―【私の論評】すでに冷戦に敗北濃厚!中国家計債務が急拡大、金融危機前の米国水準に(゚д゚)!

中国経済が大失速! 専門家「いままで取り繕ってきた嘘が全部バレつつある」 ほくそ笑むトランプ大統領

トランプ氏(左)の攻勢を受ける習主席

  中国経済が明らかにおかしい。昨年の新車販売台数が実に28年ぶりに前年割れとなり、昨年12月の輸出も輸入も予想外の減少を記録した。米トランプ政権との貿易戦争による打撃と同時に、景気減速も鮮明になってきた。米中協議で3月1日の期限までに合意がなければ、米国は2000億ドル(約21兆6000億円)分の中国製品に対する関税の税率を10%から25%に引き上げる構えだ。習近平政権は追い込まれた。

 中国自動車工業協会が14日発表した昨年の新車販売台数は、前年比2・8%減の2808万600台だった。中国メディアによると、前年割れは28年ぶり。

 販売台数は米国を上回り、10年連続で世界一となったが、乗用車が4・1%減と落ち込んだ。

 日系自動車大手4社の販売台数は、トヨタ自動車と日産自動車が過去最高を更新した一方、ホンダとマツダはマイナスだった。日系メーカー幹部は「販売台数を維持しようと、大幅な値引きに頼るメーカーも出始めている。市場の状況は見た目の台数以上に厳しい」との見方を示す。

 不振は自動車にとどまらない。中国税関総署が14日に発表した貿易統計によると、昨年12月の輸出は前年同月比4・4%減、輸入は7・6%減となり、米中貿易戦争による中国経済への影響が本格化していることを示した。

米国との貿易については、輸出が3・5%減の402億ドル(約4兆3500億円)で、9カ月ぶりにマイナスに転じた。米国の追加関税発動を見越した駆け込み取引が一段落し、今後はさらに落ち込む可能性がある。

 米国からの輸入にいたっては、35・8%の大幅減となる104億ドルだった。12月初めの米中首脳会談では中国が米国産の農産物やエネルギー資源の輸入を拡大することで合意し、すでに中国側が米国産大豆の購入を再開しているが、減少に歯止めがかかっていない。

 税関総署の報道官は記者会見で、2019年の見通しについて「環境は複雑かつ厳しい。一部の国の保護主義によって世界経済は減速する可能性がある」と述べ、米国を暗に批判しつつ困難な状況が続くとの考えを示した。

 習政権は急速な景気悪化を懸念し、減税措置など景気刺激策を積極化。今月4日には中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率を引き下げる金融緩和措置を発表するなど対応に追われた。ただ、ブルームバーグは「最近の刺激策にも関わらず、(中国)経済が近いうちに底を見つけるという見方はほとんどない」と伝えた。

 こうした状況にほくそ笑んでいるのがトランプ大統領だ。14日、ホワイトハウスで記者団に対し、「われわれは中国とうまくやっている。妥結できると思う」と語った。貿易戦争の悪影響が日増しに大きくなるなかで、習政権側が何らかの妥協案を示してくると見越しているようだ。

 中国は18年の国内総生産(GDP)の成長率目標を「6・5%前後」としているが、ロイターは、19年の目標を「6~6・5%」へと引き下げることを決め、3月にも公表する見通しだと報じた。

 景気の減速に危機感を強める習政権は、近く自動車や家電の購入促進策を打ち出す方針だ。ただ、米アップルのiPhone(アイフォーン)よりも中国メーカーのスマートフォンを購入するよう奨励する動きがあるように、中国メーカーを優先した策となる可能性がある。中国に進出している外資系企業がどこまで恩恵を受けられるかは不透明だ。

 中国経済の失速について「米中貿易戦争が直接の契機になったのは事実だ」と話すのは中国情勢に詳しい評論家の宮崎正弘氏。

 自動車の販売台数に関しては「中国では自動車の場合、無理して売っていたが、各社の生産台数も落ち込んでいる。自動運転と電気自動車も伸びているように見えたが『本当にうまくいくのか』と懐疑の念が起こってきたのだろう。いままで取り繕ってきた嘘が全部バレつつあるという状況ではないか」と分析する。

中国リスクは高まる一方だ。

【私の論評】すでに冷戦に敗北濃厚!中国家計債務が急拡大、金融危機前の米国水準に(゚д゚)!

懸念される「家計部門」の債務

経済が債務膨張に依存するいわゆる高レバレッジは、2008年のグローバル金融危機発生以来、大きな金融リスクとして広く認識されています。中国でも近年この問題が深刻化しており、高レバレッジ経済からの脱却は主要政策課題の1つに位置付けられています。これまで主として国有企業や地方政府の債務が問題とされてきましたが、ここへ来て、家計部門にも懸念が出始めました。

中国最大のシンクタンクである社会科学院系列の国家金融発展実験室によると、金融を除く実体経済部門(政府、企業、家計)債務の対GDP比(レバレッジ比率)は2008〜16年、年平均12.3%ポイントずつ急上昇し16年239.7%に達した後、17年242.1%、18年上期242.7%となお上昇傾向は続いていますが、落ち着く兆しを見せています。ただ17年〜18年上期、企業のレバレッジ比率が157%から156.4%、政府が36.2%から35.3%へと低下する中で、家計は49%から51%へ上昇しています。同比率は1993年8.3%、08年17.9%で、長期的にも加速的に上昇しています。

実験室の李揚理事長(元社会科学院副院長)は18年4月、海南で開かれたボアオフォーラムで、「17年末、家計の貯蓄性預金伸び率が初めてマイナスに転じた。この傾向が続くと、家計は債務超過になるおそれがある。08年、米国で債務危機が発生した時も、家計の債務が発端だった」「企業・政府部門の赤字を家計部門の黒字で賄うのが一般的な構造だが、グローバル危機発生時の米国がそうであったように、3部門が何れも赤字になると、経済成長は通貨膨張、金融バブルに依存せざるを得なくなり、最終的に金融危機が発生する。中国もそうした状況に陥らないよう高度の注意を払うべき」と警鐘を鳴らしてます。

「債務リスクを誇張すべきでない」との声もあるが

実験室理事長の上記発言はあるが、他方で、実験室の担当部局は以下のような点を指摘し、債務リスクを誇張すべきでないとしています。

①元本返済と利払いを合計した年あたり債務負担額は、仮に金利4〜5%、償還期間15〜20年とすると4兆元強(家計債務42.3兆元×約10%)。これは対可処分所得比(債務負担率)8%で国際平均12%を大きく下回る。

②理財商品(高利回り資産運用商品)など元本保証のないリスク資産を除いても、リスクに対応できるだけの十分な現預金がある。18年6月末銀行預金残高は債務総額を大きく上回る68.7兆元で、現金も含めると債務の約1.8倍。日本よりは低いが、米英等先進諸国に比べはるかに高い。

③家計の貯蓄率は10年ピークで42.1%を記録した後、やや低下傾向にあるが、15年なお37.1%で米国の17年6.9%など、諸外国に比しはるかに高い。

これに対し、リスクの高まりに警戒すべきとの見方は、次のような点に着目して(2018年2月8日付財新網)。

①レバレッジ比率は全国平均50%だが、広東、浙江、上海は60%以上、北京、福建、甘粛が50〜60%と総じて都市部ほど高い。債務負担率も都市部は11.5%と国際平均並み。このように、債務の大半が都市部住民に集中している。

②中国では可処分所得の対GDP比が低い。仮にレバレッジ比率の分母を可処分所得にすると、17年末すでに93.5%と米国の16年末99.4%並み。

③家計負債の対資産比率は13〜15年5〜9%となお低いが、負債が「剛性」、つまり必ず一定額を償還しなければならないのに対し、資産価値は変動するという非対称性がある。また資産の大半は住居で流動性が低く、賃料収入も債務の金利を賄うほどの水準にない。

潜在リスクを「増加傾向」と見るべき理由

以上、どのような指標に着目するかで見方は分かれているが、近年の家計の資産負債構造の変化を踏まえると、方向としては潜在リスクが増加していると見るべきだろう。まず、資産面では銀行預金伸び率が大きく鈍化している(図表1)。
[図表1]家計部門人民元預金残高推移 出処:中国人民銀行

18年4月には、家計の預金残高が単月で過去最大となる前月比1.32兆元の減少となり、大きな関心を呼びました。実は例年4月、家計の預金残高が減少する傾向がある(14〜17年の4月は各々前月比1.23兆元、1.05兆元、9296億元、1.22兆元の減少)。この背景には、多くの理財商品の満期が季末に設定され、満期が訪れると、理財商品に運用されていた資金がいったん当座預金に入った後、再び理財商品購入のため預金から流出していくという季節要因があります。

しかし中長期的に預金が伸び悩み傾向にあることも事実です。成長率鈍化が基本的背景にありますが、08〜11年、12〜14年の各期間、成長率の変動幅は小さいにもかかわらず(各々9〜10%、7%台)、預金増加率はこの間も大きく鈍化し(各々26%→13%、17%→9%)、15年以降ようやく下げ止まっています(概ね7〜9%台の伸び)。

預金が趨勢的に伸び悩んでいる大きな要因は、預金金利が低水準で推移する中で、元本保証はないがより高い利回りを提供する各種理財商品や「余額宝(ユーアバオ)」に代表されるMMF(マネー・マーケット・ファンド)に資金が流れたことです。

銀行が提供する理財商品も急増しており(うち元本保証のない商品が17年末22.17兆元と全体の75%以上)、うち個人向けは倍増です(図表2)。

[図表2]銀行理財商品の膨張

理財商品を提供する銀行は沿海部を中心とした都市部に集中している(図表3)。また、MMF残高は17年末7兆元強(5月18日付中国基金報)。

[図表3]理財商品提供銀行分布

もう一つの要因は、住宅市場が過熱するたびに各地で導入された住宅購入抑制策で、住宅購入の際に必要となる頭金の比率が上昇し、預金を積む余裕がなくなったことも影響している。15年以降預金伸び鈍化に歯止めがかかっているが、これにはいわゆる個人向け仕組預金の増加が寄与している(人民銀行統計で18年11月末残高前年同期比は大型銀行57%、中小銀行53%の大幅増)。

金融監督が強化される中で、銀行がオフバランスシートの理財商品を圧縮するための代替商品として、あるいはMMFに対抗するため、積極的に商品開発・販売したためと思われるが、伝統的な預金に比べると一定のリスクがあり、将来的に家計の債務返済能力に影響を及ぼす可能性がある。

家計債務に占める住宅関連債務は6〜7割

次に、負債面では住宅関連債務の増加が著しい。金融機関の家計向け住宅融資残高は18年上期末23.84兆元、前年同期比18.6%増(人民銀行統計)。その他、国や企業等の住宅公積(積立)金制度から受ける融資残高が17年末4.5兆元(前年同期比11.1%増)あり(全国住房公積金2017年年度報告)、これを含めると、家計債務に占める住宅関連債務は6〜7割。16年以降、銀行の新規融資の過半が家計向けで、融資残高に占める家計向けの割合は15年末28.9%から18年11月末35.2%へと上昇している(図表4)。

[図表4]人民元融資残高推移(注)総融資は国内向け融資の数値。(出所)中国人民銀行統計

このうち中長期融資が7割以上を占めており、その大半が住宅ローンです。消費者ローンや少額ローンの一部も住宅購入に充てられている可能性があり、そうすると、住宅関連債務はさらに高いことになります。2018年10月に発表された上海財経大学高等研究院調査は、17年以降、中長期債務増加率が鈍化する一方、短期債務の増加率が加速する傾向が出ていますが、個人消費はそれほど伸びておらず、短期融資が住宅購入の頭金や住宅ローンの代替として使われている可能性を指摘しています(2018年10月30日付第一財経)。

さらに11月、中国人民大学が発表した「中国宏観経済報告(2018-2019)」は、「去庫存」、すなわち過剰住宅在庫を解消する政策が採られる過程で、農民工の住宅購入が奨励された結果、住宅債務の罠(套牢)に陥る中所得層が増加、これが消費に悪影響を及ぼすことを懸念しています(11月26日付新浪財経)。

このように、家計の資産負債がいずれも住宅市場の動向や政府の住宅政策に大きく左右される構造になっています。

中国家計債務が急拡大、金融危機前の米国水準に

上海財経大学高等研究院が今月7日に公表した研究調査によると、2017年までの中国家計債務の対可処分所得比率は107.2%に達しました。米国の現在の水準を上回ったうえ、08年世界金融危機が起きた前の米家計債務水準に近い状況だといいます。

また、中国人民大学の研究チームが6月にまとめた調査報告では、中国家計債務の6割以上が住宅ローンだと指摘されました。一部の市民が、頭金の調達は自己資金からではなく、頭金ローンや消費者金融などを利用しているため、金融リスクを拡大させているといいます。

米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の経済学者、兪偉雄氏は、中国経済の減速による失業率の上昇と所得減少で、今後住宅ローンの返済が困難な人が急増する恐れがあると指摘しました。「これによって、金融リスクは住宅市場から金融市場全体まで広がる可能性が高い」と、兪氏は米中国語メディア「新唐人テレビ」に対して述べました。

一方、中国の蘇寧金融研究院は、家計債務の増加ペースが非常に速いとの見解を示しました。過去10年間において、部門別債務比率をみると、家計等の債務比率は20%から50%以上に膨張しました。一方、米国では、同20%から50%に拡大するまで40年かかりました。

兪氏は、家計債務の急拡大は、近年中国当局が経済成長を維持するために次々と打ち上げた景気刺激策と大きく関係するとしました。「当局は、いわゆるマクロ経済調整を実施して、経済の変動・衰退を先送りしてきた」

上海財経大学高等研究院は同研究報告を通じて、公にされていない民間の貸し借りを加えると、中国の家計債務規模はすでに「危険水準に達した」と警告しました。

家計債務の急増は個人消費に影響を及ぼしています。中国の個人消費の動向を示す社会消費品小売総額の伸び率は7年間連続で落ちています。2011年の社会消費品小売総額は前年比で20%増でしたがが、昨年1~6月までは、前年同期比で1桁の9.4%増に低迷しました。

個人消費の不振は企業収益の減少、銀行の不良債権の増加につながります。

兪偉雄氏は、今後中国経済がハードランディングする可能性が高いと推測しました。

「中国経済に多くの難題が山積みしている。中国当局が今まで、不合理な政策をたくさん実施してきたことが最大の原因だ」

米国から経済冷戦を挑まれている中国、もう八方塞がりの状況です。今のままでは、可処分所得が減るのは当たり前で、そもそも個人消費がかなり低迷することになるのは必定です。もう、中国は冷戦に負けたも同じです。

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2018年8月11日土曜日

原爆投下は「人類の悲劇」ではない 政府もマスコミも冷戦の歴史を直視しよう―【私の論評】今や二周回遅れの日本国憲法では現在の世界情勢にそぐわない(゚д゚)!

原爆投下は「人類の悲劇」ではない 政府もマスコミも冷戦の歴史を直視しよう

原爆ドーム 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 毎年この季節になると、広島と長崎の犠牲者を慰霊して、原爆投下を「人類の悲劇」として語る式典が行われるが、彼らは何を祈っているのだろうか。それが悲劇だったことは間違いないが、「人類」が原爆を投下することはできない。投下したのは米軍の爆撃機であり、民間人に対する無差別爆撃は国際法違反である。

 しかしアメリカ政府がその責任を認めたことはなく、もちろん謝罪したこともない。日本政府も、原爆投下の責任にはまったく言及しない。NHKが毎年放送する原爆の特集番組でもアメリカの責任は追及しない。こういう思考停止は、そろそろやめてはどうだろうか。

原爆投下はポツダム宣言の前に決まった

 この不自然な歴史解釈を生んだのは占領統治である。占領軍が原爆を正当化するのは当然で、日本政府もそれに従うしかなかった。占領軍が検閲していた時代には、マスコミも「悪いのは原爆投下ではなく戦争を起こした日本だ」と報道するしかなかったが、占領統治が終わったあとも、そういう自己欺瞞が身についてしまった。

 原爆投下は1945年秋に予想されていた本土決戦で日米に多くの犠牲が出ることを避けるためにやむなく行われた作戦であり、「原爆投下によって戦争が早期に終結し、数百万人の生命が救われた」というのが、今もアメリカ政府の公式見解である。

 それを承認したトルーマン大統領は、回顧録で「1945年7月26日にポツダム宣言を出したのは、日本人を完全な破壊から救うためだった。彼らの指導者はこの最後通牒をただちに拒否した」と、あたかもポツダム宣言を受諾しなかった日本政府に責任があるかのように書いているが、これは因果関係が逆である。

 ポツダム宣言で日本に無条件降伏を呼びかけてから、広島に原爆を落とすまで、わずか2週間足らず。日本政府が公式に回答する前に投下されている。スティムソン陸軍長官が原爆投下を決定してトルーマンが承認したのは7月25日、つまりポツダム宣言の発表される前日だった(長谷川毅『暗闘―スターリン、トルーマンと日本降伏』)。

 原爆投下の飛行計画は8月上旬と決まっていたので、それに合わせて急いでポツダム宣言を出したと考えることが合理的である。

「国体護持」で遅れた日本政府の決定

 日本政府は、ポツダム宣言を「ただちに拒否」したわけではない。鈴木貫太郎首相が宣言を「黙殺」したと報じられ、それをトルーマンは拒否と解釈したが、これは日本政府の公式回答ではなかった。宣言の内容が重大なので、コメントしなかっただけだ。

 日本政府が困惑したのは、「国体」が護持できる保障がないことだった。ポツダム宣言は「日本国国民が自由に表明した意思による平和的傾向の責任ある政府の樹立」を求めており、朝廷の維持を保障していなかったからだ。

 スティムソンの起草したポツダム宣言の原案では、政府の形態として「現在の皇室のもとでの立憲君主制を含む」という言葉があった。これは日本の早期降伏を促すものだったが、統合参謀本部がこの言葉を削除してしまった。

 日本軍にとっては「決号」作戦と呼ばれた本土決戦が既定方針だったので、それを変更するには重大な情勢の変化が必要だった。昭和天皇は6月22日の御前会議で「戦争の終結に就きても此際従来の観念に囚はるゝことなく、速に具体的研究を遂げ、之が実現に努力せむことを望む」と、政府首脳や大本営に申し渡した。

 これは本土決戦の方針を見直せということで、軍も反対しなかった。つまり実質的な「聖断」は6月に下っていたのだが、それは大きな方針転換なので、秘密裏に終戦工作が行われていた。

 原爆投下がなくても、当時すでに日本の敗戦は決定的になっており、決号作戦は物理的に実行不可能だったが、ポツダム宣言が問題を複雑にした。国体護持をめぐって不毛な論争が始まり、貴重な時間が空費された。

 こうして終戦工作に手間どって終戦の決定が8月まで遅れている間に、原爆が投下された。8月10日の御前会議における天皇の「聖断」は、数の上ではぎりぎりの多数決だったが、内容は既定方針の確認だった。その決定に際して原爆投下とともに、8月9日のソ連参戦が大きな意味をもった。

 あと半年、降伏が遅れていたら、日本は朝鮮半島のように分割されたかもしれない。日本を英米中ソで4分割する案も、アメリカ政府で検討されていた。1945年8月は日本が分割されないで戦争を終結する、ぎりぎりのタイミングだった。

周回遅れだった日本国憲法

 トルーマンがスターリンの署名なしにポツダム宣言を出したのは、ソ連参戦の前に日本を降伏させ、アメリカが占領統治の主導権を握るためだった。それを加速させる原爆投下はアメリカにとっては必要であり、それは冷戦の始まりだった。

 1945年は、国際的な座標軸が大きく転換した過渡期だった。ルーズベルト大統領はスターリンを信頼しており、米ソが敵対するとは考えていなかった。トルーマンも当初はそう考えていたが、ドイツが5月に無条件降伏した後、ソ連は東ヨーロッパをまたたく間に軍事的に制圧した。

 それに続いてソ連が日本に参戦することは(ヤルタ会談の密約で)明らかだったので、トルーマンは戦争終結を急いだ。イギリスのチャーチル首相は1946年3月に「鉄のカーテン」演説で冷戦の開始を宣告した。わずか1年足らずで、ソ連は同盟国から仮想敵国に変わったのだ。

 この大転換の最中の1946年3月にできたのが、日本国憲法である。それは冷戦の始まる直前の、米ソが平和共存できるという幻想を「凍結」したようなものだ。そのときすでに冷戦は始まっていたのだが、日本はこの周回遅れの憲法を改正できないまま現在に至っている。

 原爆投下は冷戦の序曲であり、アメリカの世界戦略の一環だった。だがトルーマンは広島と長崎の被害の大きさに驚き、1945年8月10日に「大統領の許可なく原爆を投下してはならない」という命令を出した。

 原爆投下は人類の悲劇ではなく、アメリカの戦争犯罪である。それが終戦を早めて救った命もあるが、犠牲は余りにも大きかった。今さらアメリカに謝罪を求める必要もないが、日本が反省する筋合いはないのだ。

【私の論評】今や二周回遅れの日本国憲法では現在の世界情勢にそぐわない(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事には、日本国憲法とは、冷戦の始まる直前の、米ソが平和共存できるという幻想を「凍結」したようなものであり、そのときすでに冷戦は始まっていたのですが、日本はこの周回遅れの憲法を改正できないまま現在に至っているとあります。

そうして、現在の日本は周回遅れどこか、今や二周回遅れの日本国憲法を改正できないまま現在に至っていると言っても過言ではありません。

「冷たい戦争(Cold War)」の略語である冷戦。米国を中心とした資本主義陣営と、ソ連を中心とした共産主義・社会主義陣営の対立構造を指し、第二次世界大戦直後の1945年から、1989年のマルタ会談まで、およそ44年間続きました。

第二次世界大戦が起こる前、米国とソ連は目立って対立関係にはありませんでした。双方ともに、敵国はドイツであり日本だったため、お互いを敵視してはいなかったのです。

1945年2月、米国・英国・ソ連の3国によって、戦後の国際政治体制に関する話しあいがおこなわれました。いわゆる「ヤルタ会談」です。

メンバーは、米国大統領・ルーズベルト、英国首相・チャーチル、ソ連共産党指導者・スターリン。彼らは敗戦が明らかであるドイツと日本への対応を取り決めます。その際ソ連は、ドイツに占領されていたポーランドや、バルト三国など東ヨーロッパに対して力を持とうとしていました。

戦中、特にドイツとの戦いで2500万人以上もの犠牲者を出し、疲弊状態に陥っていたロシアにとって、東ヨーロッパで影響力を持つことには大きな意味があったのです。

これについて米国は、ソ連の領土拡大になりはしないか、社会主義国が強大になりはしないか、と危惧危機感を抱くことになるのです。しかしヤルタ会談の結果、ドイツは東西に分割され、東ヨーロッパ諸国にはソ連が駐留して社会主義勢力が拡大していきます。

ちょうど東西ドイツの間で、アメリカを中心とする西側諸国とソ連を中心とする東側諸国とに分かれ、冷戦の体制が整いました。この様子をチャーチルは「鉄のカーテン」と表現しています。

資本主義と社会主義、どちらが世界のリーダーシップをとるのか、武力による争いをするわけではなく、大国同士が直接ぶつかり合うわけではないが理解しあうこともないという状況が続きます。
 
第二次世界大戦に敗戦し、米国、英国、仏国、ソ連によって東ドイツと西ドイツに分断されたドイツ

1945年に東西に分かれたドイツ。西ドイツは資本主義国家として経済成長を遂げる一方、東ドイツはソ連の影響を受け社会主義に染まっていきました。経済格差は日ごとに大きくなっていきます。

より良い暮らしを求めて西側へ移ろうとする人が後をたたず、危機感を覚えた東ドイツは、1961年8月に一夜にして「ベルリンの壁」を建設しました。

この壁は冷戦の象徴となります。

建造中のベルリンの壁

確かに米国とソ連は、直接戦ってはいません。ただ当時の世界各国は、まるで見えない力に誘われるかのように、米国側につくのかソ連側につくのか、その姿勢を問われたのでした。

朝鮮戦争やベトナム戦争、アフガニスタン紛争、キューバ危機など、実際の戦争に繋がってしまったケースも少なくありません。これらは米ソ冷戦の「代理戦争」とも呼ばれています。

そんななか1985年に、ソ連の共産党書記長にゴルバチョフが就任します。彼は社会主義経済を立て直すための改革「ペレストロイカ」を掲げ、これをきっかけに東ヨーロッパ諸国でも自由化を求める声が高まっていきました。

この動きは東ドイツにも派生し、ついに1989年11月、ベルリンの壁が取り壊されることとなったのです。およそ28年間もの間分断されていたドイツは、東西統一に向けて歩みはじめました。

ベルリンの壁が崩壊した翌月の12月2日、アメリカのブッシュ(父親)大統領とソ連のゴルバチョフの書記長の会談が地中海のマルタで実現。冷戦の終結が宣言されました。

米ソ首脳会談で冷戦の終結を宣言したブッシュ米大統領(左)とゴルバチョフ書記長(右)

冷戦の終結宣言は、その後の世界に大きな影響を与えました。

まずソ連。さまざまなクーデターが起き、これまで抑え込んでいたバルト三国が独立の動きをみせ、ペレストロイカは頭打ちとなります。1991年12月にソ連が崩壊し、ロシア連邦が誕生しました。

ソ連が崩壊したことで、世界はアメリカ一強時代に傾くかと思われました。ロシアも資本主義に傾き、両国の関係も穏やかなものとなっていったのです。ただし、実際にはソ連が冷戦に敗北したといっても良いです。

ところが、2000年代になると、再びロシアが影響力を誇示しはじめます。アメリカの一極支配を警戒し、反米的な中南米諸国や中国、イランなどとの関係を強めようと動いていくのです。

これを「新冷戦」または「第二次冷戦(Second Cold War)」といいます。アメリカとロシアの新しい関係は世界に緊張をもたらすほか、宇宙開発やインターネット技術の躍進など、さまざまな分野における革新の原動力となり、それは2018年現在も続いているといえるでしょう。

ただし、現在のロシアはかつての冷戦を起こすほどの力はありません。ソ連の後継とみられるロシアについては日本では超大国などとみられていますが、実体はそうではありません。

ロシアは大量の核兵器を保有する核大国ではありますが、もはや経済大国ではありません。ロシアの名目国内総生産(GDP)は1兆5270億ドル(約171兆円)、世界12位にすぎないです。中国の約8分の1にとどまり、韓国にさえ若干下回っています。

韓国といえば、韓国のGDPは東京都のそれと同程度です。ロシアのGDPはそれを若干下回るというのですから、どの程度の規模かお分かりになると思います。さらには、人口も1億4千万人であり、これは日本より2千万人多い程度であり、中国などとは比較の対象にもなりません。

輸出産業はといえば、石油と天然ガスなど1次産品が大半を占め、経済は長期低迷を続けています。

現在の実態は汚職と不況、格差拡大にのたうち回っている中進国なのです。そんな国だから、米国に真正面から対決して、世界の覇権を握ろうなどという気はありません。というより、できません。

プーチンロシア大統領は、明らかにロシアをかつのソ連のような大国にしたいという強い意志があるようですが、もしそれがうまくいったとしても、今後20〜30年でロシアが超大国になることはあり得ません。

そしてあと2つ、冷戦後の大きな動きとして、「EU」の誕生と中国の台頭が挙げられます。第二次世界大戦後、低迷が続いていたヨーロッパ諸国は、統合することで復権を目指しました。

動き自体は戦後すぐはじまっていましたが、発足が実現したのは1993年のこと。2002年に統一通貨「ユーロ」が導入され、新体制で経済復興への道を歩んだのです。

そうして最後に、一つ忘れてはならないのは、中国の台頭です。中国は、現在では世界第2の経済大国へと躍り出ました、ただし一人あたりのGDPはまだ低く、ロシアよりも若干低いくらいで、やはり中進国の域をでていません。

とはいいながら、最近は経済成長は衰えてはいるものの、今後も伸びていく可能性もあります。

そうして、ここで重要なのは、米国が暫く前から、中国は米国を頂点とする戦後秩序を変えようとしていると警告を出していたのですが、中国自らがそれを認めたことです。

それについては、このブログでも以前掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国がこれまでの国際秩序を塗り替えると表明―【私の論評】中華思想に突き動かされる中国に先進国は振り回されるべきではない(゚д゚)!
ドナルド・トランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事から一部を引用します。
米国政府は中国に対してここまでの警戒や懸念を表明してきたのである。これまで習近平政権はその米国の態度に対して、正面から答えることがなかったが、今回の対外戦略の総括は、その初めての回答とも呼べそうだ。つまり、米国による「中国は年来の国際秩序に挑戦し、米国側とは異なる価値観に基づく、新たな国際秩序を築こうとしている」という指摘に対し、まさにその通りだと応じたのである。米国と中国はますます対立を険しくしてきた。
要するに中国は、自ら新冷戦を起こすと宣言したのです。これに米国が対応して、まずは貿易戦争を開始したのです。

冷戦がすでに始まった後の 1946年3月にできたのが、日本国憲法です。これは冷戦の始まる直前の、米ソが平和共存できるという幻想に基づいたお花畑のようなものでした。日本はこの周回遅れの憲法を改正できないままに、ソ連は崩壊しました。

ソ連が崩壊した後にできたロシアは先にものべたように、とても冷戦を起こせるような器ではありません。それに変わって台頭してきたのが中国です。南シナ海の環礁を実行支配し、台湾に迫り、尖閣諸島付近で示威行動を繰り返し、一帯一路で他国を取り込もうとしている中国はすでに冷戦を開始したといっても過言ではありません。

二度の冷戦が始まる前の、米ソが平和共存できるという幻想に基づいたお花畑のような、日本国憲法を日本は未だ改正できないままです。

今や日本国憲法は、二周回遅れの代物であり、とても現在の世界情勢に対応できるものでありません。すぐにでも、まずは憲法解釈を変更すべきですし、そうして一日でもはやく改憲すべきです。

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2018年5月4日金曜日

歴史が教える「朝鮮半島に深入りすると日本は必ず失敗する」―【私の論評】日・米の戦略の間違いが、冷戦、北朝鮮問題、中国問題を生み出した(゚д゚)!

歴史が教える「朝鮮半島に深入りすると日本は必ず失敗する」

東京通信大学教授、早稲田大学名誉教授の重村智計氏

 「今こそ日本には、朝鮮半島に関わらない戦略が必要」--朝鮮半島を長きにわたり取材・分析してきた東京通信大学教授の重村智計氏は、こう断言する。

 * * *

 電撃的な米朝首脳会談の決定を受けて、日本の「乗り遅れ」や「置き去り」を危惧する論調が目立つ。しかし、そうした声は日本と朝鮮半島の歴史を全く理解していないゆえのものといえる。

 歴史が教えるのは、「朝鮮半島に軍事的、政治的に深入りすると、日本は必ず大失敗する」という事実だ。中国が必ず介入するからだ。

 古くは660年、百済が滅びた後に朝鮮半島に介入した倭国(日本)は、白村江の戦いで唐・新羅連合軍に大敗を喫した。近世においては豊臣秀吉の朝鮮出兵が大失敗に終わったこともよく知られる。いずれも、中国の介入で大敗北した。

白村江の戦いの絵画 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 近代になり、“朝鮮半島は日本の生命線”との覚悟で臨んだ日清、日露戦争では勝利を収めたが、戦争は列強の干渉を招き、日本が国際社会から孤立する一因となった。その後の植民地支配もうまくいかず、日本は韓国と北朝鮮からいまも恨まれている。

 逆に日本が参戦しなかった朝鮮戦争では、戦中も戦後も「朝鮮特需」という大きな果実で経済が潤った。この戦争も中国の介入で膠着状態に陥り、米国の実質的な敗北で終わった。半島国家である南北朝鮮はともに小国であり、常に周辺国を巻き込んで利益を得ようとする。

 冷戦時代、北朝鮮は文化大革命下の中国から独裁体制を批判されるとソ連に接近し、デタント(緊張緩和)で米ソ関係が改善すると中国にすり寄った。冷戦終結後の1990年代も、南北対話が上手くいかないと米朝交渉に向かい、それがダメなら日本に秋波を送った。

 こうした「振り子外交」は北朝鮮のお家芸だ。周辺国に「乗り遅れ懸念」をまき散らし、自国に有利な状況をつくろうとする。

1990年9月の訪朝時。金丸信氏(左)、金日成主席(中)、田辺誠社会党副委員長

 かつての日本は「乗り遅れ」と「置き去り」を怖れ、1990年の「金丸訪朝団」をはじめ、渡辺美智雄氏(1995年)、森喜朗氏(1997年)らが競って北朝鮮を訪問したが、“援助”としてコメなどを奪われただけで日朝関係は一向に改善しなかった。これもまた大きな教訓である。

 【PROFILE】重村智計(しげむら・としみつ)/1945年、中国・遼寧省生まれ。毎日新聞記者としてソウル特派員、ワシントン特派員、論説委員などを歴任。朝鮮半島情勢や米国のアジア政策を専門に研究している。『金正恩が消える日』(朝日新書)、『外交敗北』(講談社刊)など著書多数。

【私の論評】日・米の戦略の間違いが、冷戦、北朝鮮問題、中国問題を生み出した(゚д゚)!(゚д゚)!

日本が、朝鮮半島や中国に関わると、ろくなことがないということは、ジャーナリストの西村幸祐氏も同じようなことを語っていました。それどころか、あの福沢諭吉氏が、日本が中国、朝鮮にかかわるとろくなことがないとして、「脱亜入欧論」(後進世界であるアジアを脱し、ヨーロッパ列強の一員となることを目的とした思想)を唱えていました。

福沢諭吉

確かに、過去の世界史を紐解いてみるとそういうことがいえそうです。特に歴史上はっきりしているのは、「大国は小国に勝てない」という現実です。

日露戦争で、ロシアは当時小国であった日本に勝てず、フィンランドにも勝てませんでした。中国はベトナムに勝てず、アメリカすらベトナムに敗北しています。このような事例は多く存在します。

これについては、米国の戦略家であるルトワック氏も同じようなことを語っています。

ルトワックは「戦略的バランシングが発生するので大国は小国に勝てない」と語っていました。例えば中国がフィリピンに圧力をかけても、アメリカや日本がフィリピンのバックアップに回るのでフィリピンが屈することはありません。

ベトナムもしかりです。大国であるアメリカがベトナムと戦争をした時も、中国やソ連、ラオスなどがベトナム側について、アメリカはベトナムから撤退するしかありませんでした。

ロシアもそうでした。日露戦争ではイギリス、アメリカの支援を受けた日本に敗れています。

勝利のための戦略を立て、それを推進すれば必ず勝利できるというのは間違いであり、自分たちが行動をすれば、必ず相手のリアクションがあって、戦略の修正や見直しを余儀なくされます。これをルトワック氏は逆説的論理と呼んでいます。

ルトワック氏

この前提を無視すると逆説的論理(パラドキシカル・ロジック)が発動して大国は小国に勝てなくなるのです。真珠湾攻撃で対米戦を始めた日本も戦略的には大きな間違いを犯しており、逆説的論理に苦しめられることになりました。

では当時の日本にとってベターな戦略は何だったかと言えば、真珠湾攻撃の直後に降伏することだったとルトワックは述べています。確かにそうすれば、良かったのかもしれません。

私としては、日本としてはルトワック氏のやり方以外にも方法はあったと思います。そもそも、真珠湾攻撃などせずに、日本が1943年に定めた絶対国防圏を守り抜き、朝鮮半島と満州はあくまでソ連が侵攻してくるのを防ぐためとして統治し、中国大陸にはかかわらず、ソ連とだけ対峙していれば、いずれ米英と和平の講話することもできたと思います。


講話の条件は、連合国側が石油の禁輸などを解くかわりに、絶対国防圏に含まれる国々を独立させると確約すれば確実に和平が成り立ったと思います。

そうなると、冷戦もなかったかもしれません。北方領土もソ連にとられることはなかったかもしれません。

そうして、ナチスドイツは消え、軍事大国の日本が残れば、それにソ連はこれに備えなければならず、ソ連の台頭により東欧がソ連に蹂躙されることもなかったかもしれません。

実際、スターリンは日本の関東軍が関東軍特種演習(当時ソ連と対峙していた日本の関東軍による軍事演習)が開催されるたびにいつ攻め込まれるかと恐れおののいていたそうです。

ノモンハン事件に関しては、過去においては日本の一方的な負けとされていましたが、ソ連崩壊後のロシアが様々な文書が公開され、それによれば、ノモンハン事件ではソ連側もかなりの大打撃を受けており、実際にはどちらかというとソ連側の負けであると考えたほうがふさわしかったということがわかっています。

日本がそのように動いていれば、今日世界は北朝鮮問題や、中国の問題にさらされることもなかったかもしれません。

これは、夢物語のように聞こえるかもしれませんが、米国の保守系の歴史学者らも同じようなことを語っています。ルーズベルトがスターリンのソ連に接近し、ソ連に対峙していた日本を攻撃したことは間違いだったとしています。

結局、日本と米国の戦略の間違いが、冷戦、そうして今日の北朝鮮問題、中国問題を生み出しているのです。

そうして、今日過去の間違いを正すことはできませんが、これを反省材料として未来を考え、良い方向に導くことはできます。

福沢諭吉は脱亜入欧論を主張していましたが、今日のアジアをみてもその考えを変えなかったたでしょう。

日米は今度こそ間違えることなく、一時的に安全保障などで朝鮮半島や中国に関わることはあっても、本格的に関わりを持つようなことはすべきではありません。

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2013年9月28日土曜日

甘利大臣と茂木大臣に冷戦勃発!? 新聞記者が見た官邸の”ウラ側”―【私の論評】これからも新たな攻撃パターンの変化にのせられないように、戦後体制維持派のキャンペーンが、個人攻撃型から、古典的手法でもある空気醸成型に変わったことに注目せよ!

甘利大臣と茂木大臣に冷戦勃発!? 新聞記者が見た官邸の”ウラ側”

甘利大臣(左)と茂木大臣(右)

サイゾーpremium 9月27日(金)12時0分配信 (有料記事)

[座談会参加者]

【A】全国紙政治部デスク
【B】全国紙経済部若手記者
【C】経済専門誌中堅記者
【D】全国紙社会部若手記者

【A】 7月の参院選挙での自民党大勝から2カ月がたったけど、永田町と霞が関の雰囲気はどうだ?

【B】 官邸が「景気回復の実感を全国津々浦々まで行き渡らせて政権基盤を盤石にする」なんて言って張り切っちゃったから、役所も記者も夏休み返上で仕事をしてましたよ。特に財務省なんて、例年は11月下旬から始まる税制改正の議論を安倍晋三首相が前倒しして8月から始めたことに加えて、消費税増税の有識者ヒアリングなんかもあって、夏休みどころか週末も満足に休めない状態。特に参院選後に安倍首相が「財務省と心中するつもりはない」と消費税増税見送りに傾いているという話が駆けめぐったため、財務官僚が官邸や永田町を飛び回る姿が目立った。

【C】 ある財務省幹部は「安倍首相は、日銀総裁人事でも”うち”が推した武藤敏郎・元事務次官を起用しなかったなど距離感がある。自分にメリットがあれば、平気で財務省を”抵抗勢力”に仕立てて消費税増税見送りで支持率を上げる考えだ」と警戒していました。安倍首相は、民主党とベッタリとなって消費税増税を決めた財務省の”裏切り”を忘れてはいないという見方も根強いです。

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【私の論評】これからも新たな攻撃パターンの変化にのせられないように、戦後体制維持派のキャンペーンが、個人攻撃型から、古典的手法でもある空気醸成型に変わったことに注目せよ!

本日は、増税キャンペーならぬ、セクシーなキャンペーンの写真とともに掲載させていただきます。

パルコ2012年夏のキャンペーン 優香

昨日も、どこかの大手新聞で、「安倍総理増税決断」をさらりと掲載しているのを見かけました。もう、まるでマスコミでは「増税」は既定路線です。しかし、上の記事の「甘利大臣と茂木大臣の冷戦」などどうでも良いのですが、特に【C】経済専門誌中堅記者の発言を御覧下さい。
【C】 ある財務省幹部は「安倍首相は、日銀総裁人事でも”うち”が推した武藤敏郎・元事務次官を起用しなかったなど距離感がある。自分にメリットがあれば、平気で財務省を”抵抗勢力”に仕立てて消費税増税見送りで支持率を上げる考えだ」と警戒していました。安倍首相は、民主党とベッタリとなって消費税増税を決めた財務省の”裏切り”を忘れてはいないという見方も根強いです。
ここ1~2ヶ月の新聞の論調は、「安倍総理増税決断」の飛ばし記事で溢れていました。この記事では、「消費税増税見送り」で支持率が上昇とか、財務省の"裏切り"などという文言が掲載されています。

これは、今更ながら、新聞の論調の潮目の変化とも読み取れます。



それにしても、「安倍総理増税決断」の飛ばし記事は、規模といい回数といい、これは日本新聞史上始まって以来の酷さだったのではないでしょうか。どれほどの規模かということを知っていたたくため、以下にGoHooのサイトからコピペさせていただきます。
まず、主要メディアの報道をざっと振り返っておこう。報道に間違いがなければ、安倍首相は11日から20日にかけて、少なくとも4度(11日、12日、18日、20日)にわたり「決断」を繰り返したことになる。
安倍首相は11日、消費税率を来年4月に現行の5%から8%に予定通り引き上げる意向を固めた。(読売新聞9月12日付朝刊1面「消費税 来年4月8% 首相、意向固める 経済対策に5兆円」)
安倍晋三首相が、来年4月に消費税率を5%から8%へ予定通り引き上げる方針を固めたことが12日分かった。(共同通信9月12日「消費増税 来年4月8%に 首相、10月1日表明へ」)
安倍晋三首相は12日、現行5%の消費税率を、消費増税関連法に沿って2014年4月に8%に引き上げる意向を固めた。(時事通信9月12日「消費税、来年4月に8%=経済対策5兆円で下支え=安倍首相、来月1日にも表明」)
安倍晋三首相は、現行5%の消費税率を、来年4月に8%へ予定通り引き上げる方針を固めた。(毎日新聞9月12日付夕刊1面「消費増税 来年4月8% 安倍首相『環境整う』判断 経済対策、5兆円規模検討」)
安倍晋三首相は18日、現在5%の消費税率について、来年4月に8%に引き上げることを決断した。(産経新聞9月19日付朝刊1面「消費税来春8%、首相決断 法人減税の具体策検討指示」)
安倍晋三首相は来年4月に消費税率を8%に引き上げる方針を固めた。(…)複数の政府関係者が19日、明らかにした。(日本経済新聞9月19日付夕刊1面「消費税来春8% 首相決断 法人減税が決着、復興税廃止前倒し 来月1日表明」)
安倍晋三首相は20日、来年4月に消費税率を現在の5%から8%に予定通り引き上げることを決断した。(朝日新聞9月21日付朝刊1面「首相、消費税引き上げを決断 来年4月から8%に」)
NMB48 の眠眠打破キャンペーン
官房長官の否定発言は無視 
これら報道の間に、菅義偉官房長官は繰り返し、安倍首相はまだ決断していないと説明していたが、そうした発言が報じられることはなかった。
■菅義偉官房長官 記者会見(2013年9月12日午前) ※読売、共同、時事の報道の後
Q.消費税についてお伺いします。一部報道で、安倍総理が来年4月から8%に引き上げる方針を固めたと報じられています。長官の所見と事実関係をお願いします。
A.総理が消費税を引き上げるというですね、決断をしたという事実はありません。総理は種々の経済指標をしっかりと見きわめて、総理自身が来月上旬に判断をされるということであります。ただ、先般の閣僚懇でですね、消費税を引き上げる場合には経済への影響もあるため、十分な対応策が必要であり、そうした意味合いも含めて経済政策パッケージをまとめるように、総理から10日の閣僚懇で指示があったところであります。規模や中身については、これから甘利大臣と麻生大臣を中心に詰めていく、そこはそうした事実です。
Q.10日の閣僚懇でそうした指示があったということは、素直に受け取れば、消費税引き上げとセットで経済対策のパッケージもという受けとめもできると思うんですが、そうではないんですか。
A.私も実は総理との会談に同席をしました。さまざまな状況を考えた中で、総理は10月上旬に、私が責任を持って判断しますと、そういうことでしたから、全く固めたということは事実と違うと思います。
Q.同じ読売の報道で、経済対策の規模なんですが、5兆円規模で総理が指示を出したということなんですが、これは大体5兆円という指示なんでしょうか。
A.具体的な数字は全く出ておりません。
Q.数字というのも、じゃ、これから……。
A.今申し上げましたように、経済政策、パッケージ取りまとめるようにですね、総理がこういうことを指示したわけですから、それに基づいて、規模や中身については、今申し上げましたように、麻生大臣と甘利大臣との間で詰めていくということになるだろうと思います。ただ、そうしたもの全体を総理自身が掌握した上で、最終的に判断するということですから、まだ判断はしてません。
■菅義偉官房長官 記者会見(2013年9月13日午前) ※毎日の報道の後
Q.法人税の実効税率の引き下げの検討の必要性について、どうお考えになっているのか。また引き下げ検討の指示を具体的に出しているのかどうか。
A.まず、いろんな報道がありますけども、明快なことはですね、総理が消費税率引き上げを決断したという事実はないということです。種々の経済指標等をしっかり見きわめて、総理が来月上旬に判断をする、これが今の基本的な事実であります。ただ、消費税を引き上げる場合には、経済への影響もあるために十分な対応策が必要であると。そうした意味合いを含めて経済政策パッケージを取りまとめるように、総理から10日の閣僚懇の中で指示がされたということです。そして規模や中身について、これらについては甘利大臣、麻生大臣を中心に詰めていくという、それが今の状況です。ですから、中身は何も決まっていないということ。
■菅義偉官房長官 記者会見(2013年9月20日午後) ※産経、日経の報道の後
Q.(朝日新聞)消費税についてほぼ各社の報道で既に総理が決断をしていると、8%の4月の増税という方針を固めたということですが、私に取材力がないのか私はまだ事実確認できてないんですけど、実際のところ、総理はいつ決断して、側近である官房長官はどのように指示というか報告を受けているんでしょうか。
A.正直なところ、総理は、私は決断をしていないと思います。私ども総理、副総理、甘利大臣の4人で会談をした際も、それについては様々な引き上げた場合の対策を見ながら、総合的なパッケージの中で、総理は最終的に私が判断をします、と。そこまででありますから、総理ご自身からですね、もう決断したということは私は全く聞いておりません。私がかねてより申し上げてますように、10月になって短観等の数字を見た上でですね、総理自身その対策、そうしたものも含めた上で判断をすると、こういうふうに思っていますし、現実的にまだ判断をしてないと。今、対策のパッケージというものを出てくるのを見守っているということだろうというふうに思います。
Q.その上でお聞きしますが、総理と麻生財務大臣が会談されると思うんですが、その中で法人税の復興部分の前倒し部分と実効税率(引下げ?)を15年度から実施できるか検討するとか、アベノミクスとの連動性の高い部分で指示を出していると思うんですが、この辺がクリアできればアベノミクスにおいても消費増税に踏み切れる環境整備が整うという認識でよろしいんでしょうか。
A.まずですね、総理はまだ具体的に消費税どうするかっていうのは決断をしてないということです。それと同時に、復興税増税前倒し等いろんな記事が躍ってますけども、その復興財源25兆円を削ることはあり得ないということです。この予算についてはしっかり25兆円で行います。(以下、略)

この誤報の数々かなり異常です。普通ではありません。特に追い詰められたマスコミの姿がありありと伺えます。どのように追い詰められているかといえば、これは昨日の記事にも掲載したことですが、最早かつてのような、安部下ろしとか、麻生下ろしのような手は全く効かなくなっていて、新聞の権威などすでに失墜して誰も信用しなくなっているということです。

日本のすべての大手新聞が、かつては、安倍晋三氏個人を徹底的に攻撃きすることにより、自在に世論を操り、民主党政権を樹立したり、総理大臣をころころ交代させて、日本国弱体化や、たががゆるみつつあった、戦後体制の保持などに多大な影響を及ぼしてきたものの、最近では個人攻撃は通用しなくなったということです。

特に最近では、個人攻撃などしても、すぐにSNSなどで、それぞれの分野の専門家は、もとより、一般の人からも様々なエビデンス(証拠)をもとにして、合理的に徹底的に追求され、場合によっては炎上までおこし、個人攻撃の効果が著しく削がれてしまったのだと思います。



だから、最近第一次安倍内閣や、麻生内閣のときにような、総理大臣に対する個人攻撃は、影をひそめつつあります。おそらく、この手は最早新味も何もなく、購読者などもすっかり飽きてしまい、色あせた手法になったのだと思います。

だから、特に新聞などは、何のキャンペーンをするにしても、個人攻撃型から、空気醸成型とでも呼べるようなものに変わってきています。

空気醸成型とは、少し固い表現で、何か他に良い表現はないかと思いましたが、残念ながら表現力があまりないので、これを使うことにしました。どういう意味かといえば、たとえば、財務省主導の「来年4月からの増税をすべき」という意図を成就させるために、その決定論者である安倍総理が、あたかも「増税の意思決定」をしたかのような飛ばし記事を何回も掲載し、あたかもそれが主流・本流であるかのように装い、この特定の意図を実行させてしまうようなキャンペーンということです。

グッチのキャンペーン

少し、複雑かもしれませんが、要するに、△を○と多くの人が言えば、本当△と思っている人まで、○というようになるという、集団心理を応用したキャンペーンということです。

こうした集団心理を応用したキャンペーンは、日本では昔からあることです。以下にwikipediaから集団心理についてコピペしておきます。
集団心理(しゅうだんしんり)とは、社会心理学の用語で、その社会の構成員である集団が、合理的に是非を判断しないまま、特定の時流に流される事を指す。個が確立されていない社会や、精神的に未成熟な子どもにはこの傾向が強い。過剰な集団心理はいじめや差別を助長する要素のひとつともされている。
山本七平は、著書「空気の研究」の中で、集団心理を育む土壌はその場の「空気」だと述べる。「空気」は「水を差せ」ば抜けるが、水を差した者はその場にふさわしくない者として追い出される。
アメリカ合衆国で行われた図形の配置など単純明白な事実の記憶に対する質問を行う心理学実験において、被験者はわざと嘘の答えを言うサクラの多数派に同調してしまう傾向が見られた。たとえ自分の社会的立場を守ろうとする思惑がない状況であっても、自らの記憶自体が多数派に同調して書き換わってしまい、多数派の主張する嘘の事実を本気で信じてしまう現象が起こる。ましてこれが主観的問題であったり利害が働いたり心理学における合理化(本来好ましくなかったが成立してしまった現実を肯定するべく自らの価値・思考体系を変更する事を無意識のうちに行う事)が起こった場合には集団心理は容易に発生し社会的影響となる。
このようなことは、たとえば、開戦直前の東条内閣のときにもありました。長期でアメリカと戦争をするということになれば、勝ち目はほとんどないということが皆判っていながら、政治家の多くも、官僚も、新聞などのマスコミもなぜか「対米開戦論」をいいたて、あたかも「対米開戦」が主流であるかのような「空気」ができあがっていました。

これに関しては、良く日本だけが愚かとされますが、当時のアメリカも同じで、「対日開戦やむなし」という空気が醸成されていました。

これは、倉山満氏の「嘘だらけの日米近現代史」という書籍を読んでいただけば、良くわかることですが、大東亜戦争のわずか、10年前までは、日本でも米国でも、日米戦争をするなどということは、誰もが考えも及ばなかったことでした。


ちなみに、現在ではこの背後には、当時のソビエトのコミンテルンによる、空気醸成型キャンペーンがあり、それがかなり功を奏したことが確かめられています。

このような空気醸成型キャンペーンは、古典的なものですが、最近の新聞は、こうしたキャンペーンなどを実施しなければ、世論形成ができないほどに地盤沈下したとみえます。そうして、この種のキャンペーンも効き目があるかどうかなどまだわかりません。

確かに、情報の源がほとんど新聞やテレビであるような人たちは、こうしたキャンペーンで動かすことができるかもしれませんが、今やそういう人々か、少数です。まあ、高齢者の一部です。それ以外の人々は、こうしたキャンペーンにも最初は騙されるかもしれませんが、長続きしないのは確かです。


さて、事象こそ違い、最近のこの動きに良く似た動きがありました。ほんの数ヶ月前にあった、尖閣領有問題棚上論です。これに関しては少し前まで、新聞紙上をにぎわしましたが、効果がなかったためでしょうか、最近は影をひそめています。

尖閣領有棚上げ問題とは、「尖閣諸島は、日本固有の領土でありそもそも領土問題など存在しない」という日本政府の公式見解とは異なり、「尖閣問題は日中間で領有権の問題があるが、当面棚上げにする」というものです。これは、中国にとって都合の良い考え方ですが、少し前、中国は、鳩山とか、野中拡とか、それこそ、現状では政治家生命が終わった人を利用して、何度か「尖閣棚上げ論」の空気醸成型キャンペーンを繰り返しましたが、結局うまくはいかなかったようで、日本国民に「尖閣棚上げ」の空気は微塵も形成される様子がないので、最近は諦めたようです。


いずれにせよ、増税派を含む「戦後体制維持派」は、全く意味のない増税キャンペーンから、個人攻撃型は効果がないので、「空気醸成型」キャンペーンを用いて必死の反撃を試みているわけです。

しかし、かつての「第一次安倍内閣崩壊」、「麻生内閣撃沈」、「民主党政権樹立」など立て続けに上げ続けた成果などあげることは最早不可能でしょう。

なぜなら、この日本には、300万人を超える中国からみると、ネトウヨとされる人々が存在するからです。これについては、このブログでも以前紹介したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。
人民日報「ネトウヨ300万人説」の信ぴょう性 「中韓の記事には罵倒ばかり書き込まれる」―【私の論評】日本には、300万人もの中国スパイを自主的に迎え撃つ集団がいると人民日報は報道している(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、日本には、少数のネトウヨも含めて、300万人もの中国スパイを自主的に迎え撃つ集団がいるということです。要するに、中国がスパイ活動をしても、これらの300万人が自主的な監視をして、SNSなどのネット上にさらし続けるということです。

少数の専門家も含めて、300万人もの人々が、ネットで中国の動向を監視して、日々その結果をサイトに書き込んでいる可能性を中国の人民日報が報じているということです。これで、かなり中国も日本国内でのプロパガンダがやりにくくなっていると思います。



これら300万人の人々は、無論中国の問題ばかりに注目しているわけではありません。増税問題にもかなり関心を持っています。そうして、日々、来年4月の増税に関しては、間違いであることを掲載したり、引用したして、全国津々浦々にいたるまで、広めています。その中には、マクロ経済の専門家もいて、いろいろなエビデンスを紹介しています。このエビデンスを300万人が広めます。

こうしたことは、すでに増税論議においても、始まっています。財務省のフエイスブック・ページからは、増税に関するユーザーからのコメントが大量に消去されているそうです。Google+の財務省ページからは、私を含めた多くの人々のコメントが削除されています。



これじゃ、個人攻撃型キャンペーンの効果はなくなるはずです。それに、今回の古典的な「空気醸成型キャンペーン」も成功するかどうかは、わかりません。

10月1日には、増税は安倍総理大臣に優雅に、はしごをはずされるかもしません。そうなれば、「空気醸成型」も通用しないことがはっきりすると思います。

それに、今回もし増税が決まったにしても、この300万人は黙ってはいないと思います。ネットに残っている、増税派の個人の具体的発言を巡って徹底した大攻撃が始まることになると思います。

第一段目は、増税直後の株価低迷を巡って、個人攻撃はもとより、新聞、財務省などの組織への大攻撃が始まります。

第二段目は、その後の円安を巡って。

第三段目は、雇用、コアコアCPIのさらなる悪化を巡って。

第四弾は、さらなるデフレの深化を巡って。

第五段目は、そもそも、増税の必要性は全くなかったことについて。

第六段目、財政破綻の嘘、第七段目古今東西の例・・・・・・・・etc.。

いやそれどころか、第100段目まで、いくらでも、増税の根本的な間違いを指摘することができます。そうして、増税派一人ひとりの間違いを的確に指摘することができます。それも、空想や思いつきや、空気ではなく、具体的なエビデンスに基づき、徹底的に攻撃することができます。なにしろ、300万人がそれをするわけですから、微に入り、細に入り、かなり詳細に、長期にわたり攻めまくられることになると思います。無論、私も全開で徹底的にやります。どこまでも、どこまでも、しつこく、増税派がノイローゼで発狂するまでやります。


財務省や、マスコミの皆さん、皆さんは、この攻撃をかわすことができるでしょうか?私は、できないと思います。一番良いのは、今回は「安倍総理の増税見送りの判断」に異議を唱えないことです。



それに、これからは、国民の無知をあざ笑うかのような、官僚などのトンデモ理論は、増税に限らず、あらゆるキャンペーンはことごとく封じられるようになると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣―【私の論評】岩屋外務大臣の賄賂疑惑が日本に与える影響と重要性が増した企業の自立したリスク管理

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣 渡邉哲也(作家・経済評論家) まとめ 米国司法省は500ドットコムと元CEOを起訴し、両者が有罪答弁を行い司法取引を結んだ。 日本側では5名が資金を受け取ったが、立件されたのは秋本司被告のみで、他...