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2020年2月3日月曜日

新型肺炎、中国の“衝撃”惨状 感染者「27万人以上」予測も…習政権は“隠蔽”に奔走、「国賓」来日に潜む危険 ―【私の論評】本来習近平自身が、延期等を打診してくるべき!日本に対する無礼の極み(゚д゚)!

中国発「新型肺炎」

習近平(左)と李克強(右)のコンビを信用できるのか

中国本土で、新型コロナウイルスによる肺炎が「パンデミック(感染爆発)」状態となっている。一日あたりの感染者増加は2000人以上。中国当局は「春節(旧正月)」の大型連休が明けた3日、さらなる感染拡大を防ぐため厳戒態勢を敷いている。こうしたなか、フィリピンで2日、新型肺炎で中国人男性が死亡したと発表された。世界保健機関(WHO)によると中国国外での死者は初めて。地球規模の混乱が続くなか、今年4月、天皇、皇后両陛下が接遇される「国賓」として、中国の習近平国家主席を迎えられるのか? 中国事情に精通するノンフィクション作家の河添恵子氏が、大手メディアが伝えない「衝撃の裏情報」に迫る緊急寄稿第2弾-。


 「2月4日には、新型ウイルスが発生した湖北省武漢市で13万人から27万人以上の感染者が予測される。ほかに最大規模の感染者が予想される中国の都市は、上海、北京、広州、重慶、成都だ」

 「飛行機での移動を通じて感染拡大の危険性が高い国や特別行政区は、タイと日本、台湾、香港、韓国である」

 これは、英国ランカスター大学と、同グラスゴー大学ウイルス研究センター、米国フロリダ大学の感染症生物学者の専門家が1月23日、今後の14日間の新型肺炎の流行予測として発表した内容である。

 武漢市からのチャーター機3機で日本に帰国した計565人の中に、感染者は8人いた。感染割合は1・5%弱となる。武漢市の人口は約1100万人なので、16万人以上が感染してもおかしくはない。

 しかも、中国政府が隠蔽に奔走していた間に、北京や上海はじめ中国全土にウイルスが拡散してしまった。英BBCは先月31日、「チベットでも感染者が確認されたことは、中国すべての地域にウイルスが到達したことを意味する」と報じた。

中国メディアによると、3日朝時点で、中国全土の死者は360人、感染者は1万6000人超という。感染拡大が加速するなか、習近平政権は「情報統制」にますます力を注いでいるように感じる。

 新華網によると、中国の巨大メッセージアプリ「WeChat(微信)」のセキュリティーセンターは先月25日、「新型肺炎に関する噂の特別管理公告」を発表した。「SNSでの伝達、伝聞の類の噂話は社会秩序を著しく乱すため、3年以下の懲役、拘束または管理対象とする。重大な結果を招く者は、3~7年以下の懲役に処せられる」という。

 さらに、李克強首相(中国共産党序列2位)をトップ(組長)とする、「アウトブレーク(集団発生)を防ぎ制御する領導小組(疫情防控領導小組)」が立ち上がった。宣伝担当の王滬寧・政治局常務委員(同5位)を副組長に、中央宣伝部部長、公安部部長など党幹部がメンバー入りした。

 これに対し、中国国内では「医師や学者など専門家がいない!」「人民の命は後回しか」「目的は人民の怒りの封じ込めと、情報漏洩(ろうえい)を防ぐことだ」との揶揄(やゆ)が飛んでいる。また、「これまで、複数の組長になってきた習主席が、責任を李首相に押し付けようとしている」との皮肉も聞こえる。

 混乱をよそに、中国各地からは「意を決した」人民によるさまざまな情報や写真、映像が拡散され続けている。

 武漢の協和病院では、1人の肺炎患者を治療したところ、14人の医療従事者が同時に感染したという。また、上海では先月末までに、市内201カ所の公園が閉鎖された。上海で最も有名な繁華街「南京路」が“無人状態”となっている写真も流出している。

 また、北京大学呼吸器科の主任医師が、中国中央電視台(CCTV)で「(新型肺炎の流行は)制御可能」「医師と看護師など医療現場での感染者はない」と語り、党幹部らと武漢市を訪れた後、自身の感染が発覚して隔離された、という話もある。「北京の病院は国家安全部(=情報機関)に管理され始めている」との情報もある。

 ロイター通信は、封鎖されて7日目の武漢市の様子を航空写真で公開した。中国メディアの一部は「死城(死んだ街)」と表現した。

 ■習主席「国賓」来日の危険度

 また、中国内外からは、「武漢市の海鮮市場からウイルス感染が広がったのではなく、SARS(重症急性呼吸器症候群)や、エボラ出血熱といった危険な病原体を研究するために指定された中国唯一の研究室『武漢P4研究室』から生物化学兵器が漏れた」という説とともに、犯人捜しがヒートアップしている。

 情報が錯綜(さくそう)するなかで流れる「習政権は、昨秋から戦争の準備をしていた」とか、「9月には、すでに新型コロナウイルスが存在していた」という話も、フェイクとは言い切れなくなった。

 なぜなら、武漢天河国際空港の税関で「コロナウイルスの感染が1例検出された」という想定での緊急訓練活動が昨年9月18日に実施されたことを、湖北省の官製メディアが報じているからだ。

 さて、問題は日本だ。

 日中両政府は現在、習主席の4月上旬の「国賓」来日で調整している。実現すれば、習主席は中国から大勢の同行者とともに来日するが、その中に「自覚なき感染者」が含まれていないともかぎらない。

 国賓の場合、天皇、皇后両陛下による歓迎行事や会見、宮中晩さん会などが催される。両陛下や皇族の方々が、新型肺炎に感染しないと誰が保証できるのか。

 情報の「開示」どころか「隠蔽」に走る習政権のメンツを立てることが最優先事項なのか? 永田町が「国民の安全」と「国体の護持」について真剣に考えているとは到底思えない。

【私の論評】本来習近平自身が、延期等を打診してくるべき!日本に対する無礼の極み(゚д゚)!

上の記事にもある、新型コロナウィルスがHIVからデザインされた生物兵器というのはインドの研究チームの早とちりのようです。新型の遺伝子はSARSなどと96%一致。HIVと同じとされている部分は他の生物にもたくさん存在する配列のようです。そもそも、新型コロナウィルスには、遺伝子編集された痕跡がないとのことで、生物兵器説はないと見て良いでしょう。

それに、生物兵器であれば、ウィルスの蔓延を防いだり、治療方法も開発してあるでしょうから、発症・感染の初期にはやめに対策を打てたはずですから、現状をみていると、そのようなことはないようなので、こちらの観点からも、やはり生物兵器説はあり得ないと断じて良いでしょう。この点以外は、冒頭の記事の内容は、概ね信憑性があるものと思います。



ところで、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で3日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認しました。2日にも確認しており、尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは2日連続です。

第11管区海上保安本部(那覇)によると、1隻は機関砲のようなものを搭載。領海に近づかないよう巡視船が警告しました。

中国は新型肺炎で、大変なはずですが、そのような大変な時にもかかわらず、今年に入ってから皆勤賞です。1日も欠かさず「毎日」来ています。今日で28日連続です。

自民党幹事長二階氏が「親戚の人が病になったとという思い」とマスク100万枚送った国からの仕打ちがこれです。馬鹿馬鹿しくてもはや腹も立たないです。政治家の言葉はまさに政治的駆け引きの道具ですから、時には歯の浮くお世辞も必要ですが、時機もわからないご老体には無理な話だったようです。二階幹事長の勇退と習近平主席の国賓招聘中止をあわせて求めたいです。


そうして、中国外務省は1日、春に予定する習近平国家主席の国賓訪日に向けた準備を日本側と継続する考えを示し、新型肺炎の拡大やそれを受けた日本側の渡航制限などの対応は訪日計画に影響しないとの見解を示しました。
日本側と密接に連絡を取り合っていると強調。「重要な外交議題と日程を順調に進める」ため、日本側と努力を続けるとしました。
日本政府は中国湖北省から新型肺炎が拡大したことを受け、14日以内に湖北省に滞在歴がある外国人の入国拒否を開始。同省を除く中国全土の感染症危険情報を「不要不急の渡航の自粛」を求めるレベル2に引き上げました。
コロナウイルスを蔓延する最中に、中国ではH5N1鳥インフルエンザが同時に爆発的広げてます。ウイルスが高伝染性と発表されています。

このような状況では、本来ならば、中国側から訪問の延期などを打診するのが普通だと思います。逆の立場になったと考えれば、すぐにわかります。安倍総理が4月に中国訪問を予定していて、日本で大規模な伝染病が発生した場合、普通は日本側から延期を申しでるなどのことをするはずです。

これは、日本に限らず、他の先進国が同じ陽な立場にたった場合、同じようなことをするでしょう。少なくも現時点では様子見ということになるでしょう。

それだけ、習近平とその取り巻きには、世間一般常識がないということだと思います。まさに日本に対する無礼の極みです。国内で、自分たちの思い通りにゴリ押しをしてきたので、外国にまでそれが効くと勘違いしている大馬鹿共の集まりです。

非常識な習近平は中国内でもかなり浮いた存在になっているようです。このままだと、習近平国賓招待される前に、習近平が失脚する可能性が高くなりました。

共産党内部ではコロナウイルスのトラブルに習近平の無能を責めたてられるでしょう。もし安倍首相が習近平招待を盛大にアピールする最中に習近平が失脚したとしたら、チャイナマネーに理性を失った愚かな日本として、世界の物笑いの種になるでしょう。

ところで、安倍総理は国会で新型コロナウイルスの感染拡大を受け台湾のWHO参加の必要性を強調しました。政治的な立場で排除しては、地域全体を含めた健康維持、感染の防止は難しいとさらっと爆弾発言をしました。

   安倍首相は30日、新型コロナウイルスの感染例が増加し
   ていることを受けて、台湾のWHO加盟を支持した

これは、明らかに中共を念頭に置いており、安倍総理個人としては習近平の国賓招待に積極的ではないとのほのめかしとも受け取れる発言です。呼びたい真犯人は、やはり二階幹事長でしょうか。安倍総理としては、党内政治力学で、二階氏を無下に突き放すということもできないのでしょう。

日本の親中政治家にも、そろそろ目覚めていただきたいものです。米国ではもはや、政治的には、親中派の居場所はなくなりました。なぜそうなるのか、日本の親中政治家も勉強すべきです。そうでないと、彼らの居場所が日本でもなくなるでしょう。

しかし、そんなことは今では子供でも理解できることだと思います。国内外で、非道の限りをつくし、反対するものは、暴力で弾圧し、WTOやWHOなどのような国際組織においても札束にものをいわせ、我が物がを振る舞い、他国の領土にも平気で侵略して我が物にし、挙げ句の果てに世界唯一の超大国である米国の怒りを買い、米国は中国が体制を変えるか、経済的に無意味な存在になるまで、対中冷戦を継続することでしょう。

これは、どう考えても、現在の中国の体制には、将来はないと見るのが、当たり前でしょう。それでも、中国、中国というのは、すでに妄想の中に入り込んでしまっているのかもしれません。

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2018年12月15日土曜日

中国、対米国サイバー攻撃の“実行部隊”ファーウェイCFO逮捕の屈辱…中国経済が瓦解―【私の論評】中国の異形の実体を知れば、全く信頼できないし、危険であるとみなすのが当然(゚д゚)!

中国、対米国サイバー攻撃の“実行部隊”ファーウェイCFO逮捕の屈辱…中国経済が瓦解

G20首脳会議 米中首脳会談

 中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)が米国の要請でカナダ当局に逮捕された事件は、米中両国の世界覇権をめぐる死闘の始まりを意味している。

 なぜなら、米国にとってファーウェイは、サイバー攻撃によって同国の最先端技術や最重要情報などを狙うハッカー集団の元締めであり、このままファーウェイの行為を許していれば、米国の軍事情報を含む安全保障上の重要情報はほとんど中国に筒抜けになるからである。

 一方の中国にとっては、ファーウェイは今後も中国の経済成長と生産性向上を推進するためになくてはならない中核企業であり、その最高幹部が逮捕されることによって、中国の最重要経済政策がなし崩し的に破綻に追い込まれる可能性がある。

 ポンぺオ米国務長官は12月12日、世界最大手ホテルチェーンのマリオット・インターナショナルで発覚した最大5億人分の顧客の個人情報流出に「中国が関与している」と語り、中国を名指しで非難。これを受けて、米上院司法委員会のグラスリー委員長は12日、「世界で行われるサイバー攻撃を通じた産業スパイ活動のうち、90%以上は中国と考えられている」と中国を糾弾した。

 これは、このまま中国に軍事情報などを盗まれ続ければ、世界のなかで「米国一強」の地位は中国に脅かされ、中国によって世界覇権を奪取されかねないとの強い危機意識が働いているからにほかならない。

 このため、米政府や議会は、中国政府がサイバー攻撃を仕掛けて技術を盗んだり、機密情報にアクセスできる要人のデータを集めたりしていると警戒しており、今年8月にはファーウェイや同じく中国の通信機器大手・中興通訊(ZTE)の製品を政府調達から排除することを決定した。なぜなら、ファーウェイやZTEの製品を通じてスパイウェアやマルウェアが政府の中枢システムに入り込み、サイバー攻撃の温床になっているとみられるからだ。

メンツを潰された習近平

 折しも、米中両国は今年7月から、トランプ米政権による対中関税発動を契機に貿易戦争に突入した。大幅な関税引き上げにより、とりわけ中国経済が悪化していることは一目瞭然だ。中国国家統計局によると、中国の今年7~9月期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.5%増で、4~6月期より0.2ポイント減速しており、リーマン・ショック直後の09年1~3月期以来、9年半ぶりの低水準にとどまっている。この原因は貿易戦争勃発後、外資企業や中国企業が次々と生産拠点を中国から他国に移転し、中国内の失業者が急増していることが挙げられる。

 11月28日付の経済ニュース専門サイト「財新網」は「国内雇用低迷のため、202万件の求人広告が消えた」と報じた。「網易」(10月22日付)も『今年上半期国内504万社が倒産、失業者数200万人超』との見出しを掲げた記事を配信。さらに、中国農業農村省は11月8日、740万人の農民工(出稼ぎ農民)が地元に戻ったと発表し、その実態を裏付けている。加えて、これまで右肩上がりで上昇していた都市部のホワイトカラー層の所得が伸び悩んでおり、習指導部の支持基盤である都市部住民の不満が高まっているのだ。

 このようなことから、習主席はトランプ氏に首脳会談を提案。習氏は12月1日、主要20カ国・地域首脳会議(G20)の場を利用し、訪問先のアルゼンチンで、わざわざ米側の宿舎となっているホテルに習指導部の主要幹部を引き連れて行き、トランプ氏と会談したほどだ。まさに、習氏はトランプ氏に三拝九拝して会ってもらったといってよい。中国の皇帝は相手を“かしずかせて会ってやる”という「朝貢外交」の伝統があるが、習氏は皇帝のプライドをかなぐり捨てて、トランプ氏との首脳会談に臨んだのである。

 この結果、米国が来年1月に予定していた中国への追加制裁を90日間猶予することが決まった。習氏は面目を保ったかに見えたのだが、実は、ファーウェイの孟氏は首脳会談当日の1日に逮捕されていたことが、のちに判明する。つまり、習氏は完全にメンツをつぶれされたのである。

中国への信頼度低下

 しかも、孟氏の祖父は元四川省副省長という中国政府幹部であり、周恩来首相人脈につらなる古参幹部。また、孟氏の父は中国人民解放軍出身でファーウェイ会長。孟氏自身は父の跡を継いで来年にもファーウェイ会長に就任するといわれる大物幹部であり、中国政府にとっても最重要人物だ。

 習氏は高級幹部子弟の太子党閥の総帥だが、孟氏は典型的な太子党だけに、その孟氏が海外で逮捕されたのは、完全にトランプ政権に裏をかかれた格好で、中国の最重要人物を保護できなかった習指導部の失態としかいいようがない。

 さらに習氏が犯した失敗は、孟氏逮捕の報復として、中国在住の2人のカナダ人男性を「国家安全を害した容疑」で拘束したことだ。これについて、中国外務省スポークスマンは「法に基づいて行動した」と述べ、孟氏逮捕とは無関係と主張したものの、報道ではカナダへの報復との見方が強い。中国がいくら「ファーウェイの問題と無関係」と言っても、タイミング的に2人のカナダ人が拘束されれば、誰でも報復措置と考えるのは当然だ。

 この“違法”な身柄拘束によって、「中国はいまだに外国人を誘拐するような非人道的な真似をするのか。中国はまだ法治国家にはほど遠い」との印象を国際社会に与えることになり、習指導部への薄気味悪さは一段と増すことになる。これによって、西側社会の中国への信頼感は、限りなくゼロに近くなるといってもよいだろう。
(文=相馬勝/ジャーナリスト)

【私の論評】中国の異形の実体を知れば、全く信頼できないし、危険であるとみなすのが当然(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事には、"「中国はいまだに外国人を誘拐するような非人道的な真似をするのか。中国はまだ法治国家にはほど遠い」との印象を国際社会に与えることになり、習指導部への薄気味悪さは一段と増すことになる"などと結論を書いていますが、これこそが大きな間違いです。

結論からいえば、中国が民主化されていない、政治と経済が分離されていない、法治国家化されていないということを知っている人なら、最初から中国を全く信頼していません。私もそうです。

中国と比較すれば、米国のほうがはるかにましですし、まともです。それは、不十分なところもありながら、民主化、政治と経済の分離、法治国家化がされているからです。米国の為政者には縛りがあります。しかし、中国にはそれがないのです。

今のままの中国なら、中国内にとどまり、中国内のみで様々な活動をしている分には、良いかもしれないですが、一歩でも外に出て何かをやろうとすれば、周りの国々と衝突するのは当然です。

現在の中国共産党は結局、国内外で、最終的には何の縛りもなく、好き勝手、やりたい放題ができます。そもそも、国内でやりたい放題です。それは、国外にも適用されます。国際法など中国には無関係なのです。

このような国が覇権争いに勝って、世界中で好き勝手をしてしまうと世界は混乱の極みになることは目にみえています。

そもそも、日本を含めて世界の多くの国々の人々が、特に先進国の多くの人々が、中国を見る目は間違っているのではないかと思います。多くの人々は、何となく中国も自分たちが抱く国という概念に当てはまるのではないかと、無意識に考えてしまっているのではないかと思います。

まずは、中国が民主化、政治と経済の分離、法治国家化がなされていないということをよく理解していないのではないかと思います。

中国のこの問題については以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国は入れない日欧EPA 中国に“取り込まれる”ドイツを牽制した安倍外交 ―【私の論評】「ぶったるみドイツ」に二連発パンチを喰らわした日米(゚д゚)!
中国においては、そもそも民主化、政治と経済の分離、法治国家がなされていません。

わかりやすい事例をだすと、たとえば戸籍です。すべての中国人の戸籍は、農村戸籍(農業戸籍)と都市戸籍(非農業戸籍)に分けられています。農村戸籍が約6割、都市戸籍が約4割で、1950年代後半に、都市住民の食糧供給を安定させ、社会保障を充実させるために導入さました。 
以来、中国では農村から都市への移動は厳しく制限されていて、日本人のように自分の意思で勝手に引っ越ししたりはできないです。ちなみに都市で働く農民工、いわゆる出稼ぎ労働者がいるではないか、と思われるでしょうが、彼らは農村戸籍のまま都市で働くので、都市では都市住民と同じ社会保障は受けられません。これでは、民主的とはいえず、EPAには入れないのは当然です。
さらに、中国は国家資本主義ともいわれるように、政治と経済が不可分に結びついており、先進国にみられるような、政府による経済の規制という範疇など超えて、政府が経済に直接関与することができます。実際中国の株式市場で株価が下落したときに、政府が介入して株式を売買できないようにしたこともあります。


中国は30年にわたる「改革開放」政策により、著しい経済発展を成し遂げました。ところが、依然として法治国家ではなく「人治国家」であるとの批判が多いです。それに対して中国政府はこれまでの30年間の法整備を理由に、「法制建設」が著しく進んでいると主張しています。 
確かに30年前に比べると、中国の「法制」(法律の制定)は進んでおり、現在は憲法、民法、刑法などの基本法制に加え、物権法、担保法、独占禁止法などの専門法制も制定されています。それによって、人々が日常生活の中で依拠することのできる法的根拠ができてはいます。 
その一方で、それを効率的に施行するための施行細則は大幅に遅れています。何よりも、行政、立法、司法の三権分立が導入されていないため、法の執行が不十分と言わざるを得ないです。中国では、裁判所は全国人民代表会議の下に位置づけられているのです。つまり、共産党の指導の下にあるわけです。 
これは、結局何か大きな問題があっても、法律どころから憲法に照らしても、共産党の恣意でなんでも好き勝手にできるということです。

これが、中国国内だけで適用というのならまだ多少理解できなくはありませんが、現状ではそんな区別もありません。中国の今の制度では、中国共産党は世界中で自分たちの都合でなんでも好き勝手にできるのです。

ただし、相手国があり、相手国がその憲法や法律にもとづいて動いているため、相手国の範疇では中国といえども、それに従わなければならないので、かろうじて安定が保たれているだけです。

もし、中国が世界中で覇権を握れば、その覇権の及ぶ範囲の中では、中国共産党は何をしても許されるということです。

中国共産党が認めれば、人民解放軍などがどこで何をしても、何でも許されるのです。このように何の縛りもない中国共産党は、世界にとって危険極まりない存在です。

それに比較すれば、日米をはじめといする、いわゆる先進国はいずれの国でも、為政者(政権政党)にも当然のことながら、何らかの縛りがあります。

トランプ大統領、安倍総理などはもとより、先進国の為政者には当然のことながら縛りがあります。しかし、中国共産党、習近平主席にはそれがないのです。

中国共産党は異形の怪物? エイリアン・コベナントより

これを理解してはじめて、中国など全く信頼できないことが理解できると思います。人の良し悪しがどうとか、一般民衆がどうのこうのとは言っても、結局国の体制がそうなっているのですから、今の中国は危険極まりないし、信頼もできないのです。

このような体制を築いた、中国の先達は、中国共産党が手前勝手になんでもできる体制に脅威を抱かなかったのでしょうか。全く不思議です。

この体制は、放置しておけば、国内では大災厄をもたらし、多くの人民から反感を買うことになりますし、国外では他国から爪弾きにあうのは必定です。

まさに、中国の現状はそのような有様です。この体制は長くは続かないでしょう。短くて、10年長くて20年だと思います。

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2018年8月31日金曜日

米も知らなかった…日朝極秘接触 7月にベトナムで拉致問題全面解決に向け協議 日米連携に影落とす危険性も ―【私の論評】ワシントン・ポストでは相変わらずパンダハガーが勢いを維持している(゚д゚)!


北朝鮮交換と接触したとされる北村滋内閣情報官
写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 日本と北朝鮮の情報当局高官が7月、ベトナムで極秘接触していた。日本人拉致被害者の全員救出を目指し、安倍晋三首相が信頼する内閣情報官が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の側近である、金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長(統一戦線部長)に直結する女性幹部と非公式協議を行ったという。日朝首脳会談の可能性も探ったとみられる。ただ、ドナルド・トランプ米政権には事前に伝えておらず、今後の日米連携に暗い影を落とす可能性もある。

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は28日、衝撃の「日朝極秘接触」のニュースを、関係者の話として伝えた。

 同紙によると、日本からは北村滋内閣情報官、北朝鮮からは南北関係を担当する統一戦線部の金聖恵(キム・ソンヘ)統一戦線策略室長が出席した。拉致被害者問題などについて協議したという。

金聖恵(キム・ソンヘ)統一戦線策略室長

 北村氏は警察庁出身で、第1次安倍政権では首相秘書官(事務担当)を務めた。民主党政権時代の2011年12月末に、内閣情報調査室(内調)を率いる内閣情報官となった。自民党の政権奪還後も留任し、「首相動静」の登場回数が断トツなど、安倍首相の信頼は絶大である。

 金聖恵氏は、金日成(キム・イルソン)総合大学出身とされるエリート官僚で、金英哲氏が5月、正恩氏の親書を持参して訪米した際に同行して注目された。統一戦線部は、CIA(中央情報局)とともに、6月の米朝首脳会談への事前交渉を主導した工作機関であり、金聖恵氏は実務責任者とみられている。

 トランプ大統領と正恩氏がシンガポールで行った米朝首脳会談で、正恩氏は「日本と対話する用意がある」と前向きに語ったとされる。拉致問題は、米国任せだけでは解決しない。そこで、北村氏と金聖恵氏による日朝極秘接触がセットされたようだ。

 官邸周辺は「正恩氏は昨年以降、米朝対話の総指揮を金英哲氏に一本化している。米国でいえば、金英哲氏は国務長官とCIA長官を兼ねているような存在で、北朝鮮の外交と諜報の両面で絶大な力を持つ。官邸とすれば、拉致問題の解決のためには、金英哲氏に絶対につながる金聖恵氏は、ノドから手が出るほど欲しいパイプだった。このため、本来は格が上の北村氏(=格的には金英哲氏と同等)を直々に接触させたと聞く」と語る。

金英哲氏

 この後、8月にも河野太郎外相が訪問先のシンガポールで、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相と短時間接触した。

 安倍首相にとって、拉致問題の全面解決は悲願である。

 拉致被害者家族会の結成20年にあたる昨年、安倍首相は夕刊フジの独占インタビューに応じ、次のように語った。

 「13歳の少女(横田めぐみさん)を含む、多くの日本人が拉致され、今も北朝鮮でとらわれたままだ。この問題を解決するのは、安倍政権にとって最重要課題だ」

 「正恩氏に対し、『拉致、核、ミサイルの諸問題を解決しない限り、北朝鮮は世界からますます孤立し、明るい未来を描くことはできない』と理解させなければならないと思っている」

 「拉致問題を解決するために、あらゆる選択肢を検討する用意はある。一方、『対話のための対話』では意味がない。私と正恩氏が握手するショーのための会談は、むしろ行うべきでないと思う」

 2002年の日朝首脳会談にも、官房副長官として出席した安倍首相は、北朝鮮の欺瞞(ぎまん)性を熟知している。北朝鮮が何度も日本や世界をだましてきたことも体験している。

 このため、安倍首相は6月、官邸で拉致被害者家族と面会した際、「拙速にはやらない。北朝鮮が被害者をすべて帰すといったら(北朝鮮に)行く」と、慎重に語った。

 「北朝鮮の非核化」をめぐる米朝協議が停滞・難航するなか、拉致問題をめぐる日朝協議の進展も簡単ではない。

 加えて、日朝極秘接触が事前に知らされなかったことに、米政府当局者らは不満を高めているという。

 前出のワシントン・ポストによると、複数の米政府高官は、北朝鮮政策について日本と日々情報を共有しているにもかかわらず、日本政府が接触の計画を事前に伝えなかったことに不快感を示したという。

 官邸周辺は「情報の出方を精査する必要があるが、今回の(ワシントン・ポストへの)リークは、北朝鮮問題をめぐる日米連携に暗い影を落とす危険性がある」と語っている。

【私の論評】ワシントン・ポストでは相変わらずパンダハガーが勢いを維持している(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事における、ワシントン・ポストの報道はすぐに真に受けない方が良いと思います。

ワシントン・ポストには「複数の米政府高官は、北朝鮮政策について日本と日々情報を共有しているにもかかわらず、日本政府が接触の計画を事前に伝えなかったことに不快感を示した」としていますが、これが具体的には誰なのかについては触れられていません。

当然のことながら、日本が北と接触することは、内密に行われていたことであり、米国には全く知らせないか、知らせたにしても、ごく一部にしか知らせない可能性もあります。

仮にワシントン・ポストが比較的下の職位の関係者に複数確認を入れたとしても、知らないのは当然なのかもしれません。

もし、複数の関係者の名称が具体的にあげられていたら、このワシントン・ポストの報道はかなり信憑性があると考えて間違いないです。日本側の関係者の実名もあげられていれば、さらに信憑性があるものといえます。

それに、そもそも独立国である日本が、米国に対して日本の高官が、北朝鮮の比較的低い職位の関係者に会ったことまで、何もかも報告する義務があるのでしょうか。

日米関係については、日本は何でも米国の言うとおりとする識者も結構いますが、それは、あのTPP交渉において、そうとばかりはいえないことがはっきりしました。TPP交渉反対派の人々は、TPP交渉をすれば日本は米国の良いようにされるといって大騒ぎしましたが、その懸念はトランプ大統領がTPPから離脱し、そうではなかったことがはつきりしました。

無論、今でも日本は米国の大きな影響下にあることは否定しませんが、何もかも米国の言いなりというのは、正しくはないです。

なぜ、このようなことを言うかといえば先日も、ワシントン・ポスト氏はトランプ大統領に関して間違った報道をしていましたので、特に日米関係の報道は、信憑性が疑われるからです。

それについては、昨日のこのブログにも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
「真珠湾攻撃忘れないぞ」トランプ米大統領、安倍首相に圧力―【私の論評】日本のメディアは米国保守派の歴史観の変貌に無知(゚д゚)!
会談で握手する安倍首相(左)とトランプ米大統領=6月、ワシントンのホワイトハウス

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
米紙ワシントン・ポスト電子版は28日、トランプ大統領が6月にホワイトハウスで安倍晋三首相と会談した際「(第2次大戦の)真珠湾攻撃を忘れないぞ」と前置きした上で、難航している通商問題の協議を始めたと伝えた。異例の発言の背景には、対日貿易赤字の削減を目指し圧力を強める狙いがありそうだ。 
・・・・・〈中略〉・・・・・・・ 
一方多少まともに報道しているところもあります。これは、FNNの取材でわかったことですが、6月にアメリカで行われた日米首脳会談において、トランプ大統領は確かに「アメリカが日本の防衛費を負担して、対日貿易赤字も解消されなければ、ダブルパンチになる」と不満を表明しました。 
そのうえで、「真珠湾攻撃を忘れていない。日本も昔はもっと戦っていただろう。日本も周辺国ともっと戦うべきだ」と述べたのです。
この発言は、「日本が自国の防衛を強化して、アメリカの防衛費の負担を減らすべきだ」と、暗に求めたとみられます。 
関係筋などによると、この時トランプ大統領は、「日本はかつて真珠湾を攻撃したほどの軍事強国であったじゃないか」と言う意味で述べたもののようです。
日本は「防衛費をもっと増やすべきだ」という意味で発言したもので、通商問題で日本を非難する意味ではなかったとしています。
 また、トランプ大統領は、「パールハーバー」と発言したものの、「あのひきょうな攻撃を忘れないぞ」という批判的な意味、言い方はしていないとのことです。
外交上、際どい言葉は、異なる解釈を生み出すケースがあるため、そうした言葉が波紋を生んだケースだといえそうです。 
また、メディアとの関係もあります。トランプ大統領に対して批判的な米リベラル・メディアは、そういうふうに報道したというベースがあるとも忘れてはいけないです。
また、この記事では、 日本のパールハーバー攻撃を卑怯なだまし討とみるのではない見方もあることも掲載しました。米国では特に保守層では、真珠湾攻撃は日米両国がそれぞれの国益を追求した結果起こったものであるとして、日本を「侵略国」であると決めつけた「日本悪玉史観」は事実上、見直されているのです。

トランプ氏も保守派であることから、当然のことながら、こうした歴史観に立脚して「リメンバー・パール・ハーバー」という言葉を使っているとみるべきなのです。であれば、対日貿易赤字の削減を目指し圧力を強める狙いでこの言葉を使った事はありえないわけであり、ワシントン・ポスト紙によるトランプ大統領の「リメンバー・パールハーバー」報道はかなり偏向しているといわざるをえません。

ワシントン・ポスト紙は以前から、日本報道に関して、かなり偏向していました。たとえば、在米の複数の中華系団体は2016年8月15日付け付の米紙ワシントン・ポスト無料版に、日本最南端の東京都・沖ノ鳥島は「島ではない」と主張する意見広告を出しました。また、台湾が実効支配する南シナ海の太平島は「島」ではないとした7月の仲裁裁判所の判断は「不合理だ」と訴えました。

意見広告には台湾の大学の卒業生が組織したとみられる団体や、日本の戦争責任を追及する中華系の団体など台湾系を中心とするグループや個人が名を連ねました。仲裁判断への不満や、沖ノ鳥島を巡る異論を米国で認知させる狙いがあるとみらます。

このことから、ワシントン・ポストは、パンダハガー(親中派)が力を持った新聞であると考えれます。ちなみに、ワシントン・ポストは米国では発行部数が第5位です。

ルパート・マードック氏(左)と三番目元妻ウェンディ・トン氏(右)

一方米国で販売部数が第1位のウォール・ストリートはオーナーのルパート・マードック氏は三番目元妻ウェンディ・トン氏が、中国系であり、親中派であったとみられていますが、その後離婚しました。そのせいもあるのか、極端に親中的な報道をするということありませんでした。

そうして、今年の3月に、ウォール・ストリート紙は、ウェンディ・トン氏は「中国のスパイ」との疑惑を報じています。トン氏は米ドナルド・トランプ大統領の娘婿で、大統領上級顧問を務めるジャレット・クシュナー氏との親しい関係を利用して、トランプ政権内部の機密情報を入手し、中国共産党指導部に流しているというのです。

さらに、親中派の論客として知られ『鄧小平伝』も書いたデーヴィッド・シャンボー(ジョージワシントン大学教授)は大胆にも中国共産党の崩壊を予測し、「ウォール・ストリート・ジャーナル」(2015年3月10日)に寄稿していました。

これについては、詳細は、このブログにも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国寄りの専門家さえついに唱えだした「中国大崩壊」の論拠―【私の論評】ニッポン人中国スパイ、親中派、媚中派は速やかに転向せよ、そうでないと飯のくいあげになるぞ(゚д゚)!
デビッド・シャンボー教授
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、これはタイトルの通り、中国共産党による支配が、今後〈終焉に向かうだろう〉ことを、理由を挙げながら指摘したウォルストリート紙のコラムで。

これが世界的な話題となった理由の一つは、チャイナハンド(*注)と考えられた人物が中国の崩壊に警鐘を鳴らしたからです。中国に対するスタンスは本人も認めているようで、天安門事件後に体制崩壊と衰退が不可避だと主張する中国ウォッチャーがいるなか、より慎重な立場をとってきたとしています。

【*注:中国の立場を理解する外交官、ジャーナリスト、学者の総称】

つまり衝撃の正体は「あの中国にやさしい専門家さえ『危ない』といっている」という点にあったのです。

以前からこのブログで指摘しているように、米国の新聞は、全部がリベラル系であり、日本でいえば産経新聞がないといっても良い状況ですが、その中でも老舗のウォール・ストリート・ジャーナルは比較的まともな報道をしているといえそうです。

しかし、ワシントン・ポストはあいかわらす、パンダハガー(親中派)の勢いが強いのでしょう。

これは、同時に中国の現状の大変さを物語っているとも受け取れます。日米が協同して、中国を叩くということになれば、中国には太刀打ちできません。

中国としては何とかして、日本を味方に引き入れ、日本を親中派政権にして米国の経済冷戦をかわしたいと考えているのかもしれません。だからこそ、ワシントン・ポストを利用して、日米が離反するように仕向けている可能性があります。しかし、次の総裁選では安倍総理が圧倒的に有利ですから、そのような目論見は成就することはないでしょう。

これは、しばらく趨勢をみてみないことには、まだなんとも言えませんが、ワシントン・ポストの報道にはこういう背景があるということを知った上で、報道を吟味すべきと思います。特にワシントン・ポストを鵜呑みにする日本の報道には、留意すべきです。

【私の論評】


2016年9月12日月曜日

「二重国籍問題」蓮舫氏が最も恐れているシナリオはこれ!―【私の論評】二重国籍はこんなに危険!この問題を軽々に扱うべきではない(゚д゚)!

「二重国籍問題」蓮舫氏が最も恐れているシナリオはこれ!

蓮舫氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 誰が勝ったところで、経済政策は…

民進党代表選(15日投開票)が後半戦に突入した。蓮舫氏、前原誠司氏と玉木雄一郎氏のうち、蓮舫氏が優勢とされている。

ただ、経済政策の観点からみると、候補者3人のうち誰が勝っても期待はできないことを最初に指摘しておきたい。

3人の過去の言動からみると、いずれも安倍政権と比べて「緊縮財政」と「金融引き締め」路線だといえる。3人とも10%への消費増税に賛成であり、同時に安倍政権の金融緩和についても批判的で、金融引き締め指向だ

この3人ともに、旧民主党時代のマクロ経済政策とほぼ同じであり、どうして安倍政権に負けて政権交代になったのか、まったく勉強していないと言わざるをえない。

すべての政治家がひとつだけ覚えておくべきことは、デフレ脱却をするまで緊縮財政と金融引き締めはやってはいけない、ということだ。

デフレから脱却しないと、雇用の確保も財政再建もおぼつかない。3人の意見を聞いていると、雇用の確保を無視し、財政再建を追い求めているが、肝心のデフレ脱却ができないので、雇用の確保も財政再建もできない、という未来しか見えてこない。

安倍政権がまともなのは、金融緩和を継続している点だ。積極財政は2014年4月からの消費増税で一時失敗したが、その後の再増税局面では過ちを繰り返さなかった。

それらの結果、国内総生産(GDP)成長率はいま一歩であるが、失業率や倒産は史上最低水準となっている。GDPと雇用が最重要な課題であるので、この点からいえば、満点ではないが安倍政権はまずまずである。

それを超えるものが、民進党代表候補の3人から出てこないのは残念である。

新たな民進党代表が決まれば、一定のご祝儀で政党支持率は少し上がるだろうが、経済政策で安倍政権に勝ることは考えられないので、脅威にはならない。デフレ脱却を掲げ、金融緩和強化、消費増税凍結でより強力な積極財政を主張するチャンスなのに、みすみすこれを逃すのは野党第一党なのに情けない。

 「二重国籍」そもそも何が問題か


それに追い打ちをかけるかのような話も出ている。蓮舫氏の「二重国籍問題」だ。

蓮舫氏が民進党代表になる可能性は高いが、二重国政問題を国会で追及する動きもある。蓮舫氏は1985年に日本国籍を取得しているが、台湾籍が放棄されたがどうかが問題とされているわけだ。



日本維新の会の馬場伸幸幹事長は8日、国会議員や国家公務員らが日本以外の国籍を持つ「二重国籍」を禁じる法案を国会に提出する考えを示した。早ければ今月末に召集される臨時国会での提出を検討している。

蓮舫氏の言い分は、「国籍放棄問題の渦中にある蓮舫氏、単独インタビュー」(http://news.yahoo.co.jp/feature/349)が詳しい。それによれば、

「蓮舫氏の説明が本当ならば、1985年に日本国籍を取得して以降、台湾の国籍放棄については、本人は台湾政府に確認していないし、確認が必要だという認識もなく、その点について家族からも説明はなかったので、一切の放棄のための行動を取ってこなかったということだ。

一方で、蓮舫氏が台湾籍であることを自覚し、パスポートを取得して台湾に入国したり、投票や納税などの権利・義務を行使したりしたことはなく、台湾の国籍者としての具体的な振る舞いはなかったということになる。

そうなると、残された問題は台湾籍が形式上残っているかどうかである。日本の国籍法上、二重国籍者は認められていないが、外国籍の離脱は努力義務にとどまり、離脱していなくても罰則はなく、厳格な運用は行われていない。もし台湾籍が残っていた場合、蓮舫氏はどう対応するのだろうか」

とのことだ。蓮舫氏は、念のために、台湾籍の離脱証明を取り寄せているようだ。

もともと、蓮舫氏の二重国籍問題は、元経産官僚の八幡和郎氏がネット上で問題提起したことにはじまる。

おそらく、蓮舫氏が国会議員でない一般人であれば、それほど問題にならなかっただろう。実際、これまで厳格な法運用がなかったために、二重国籍者は数万人程度はいると思われる(実際の国会答弁では「平成14年には約3万3千人を超えている」とされた)。

 国家公務員なら知っていること

ただし、外務公務員法第7条で「国籍を有しない者又は外国の国籍を有する者は、外務公務員となることができない」と規定されている。

筆者のように官僚出身であると、この話は知っているはずだ。特に、キャリア官僚であれば、海外勤務も多く、外務省に出向することがしばしばだからだ。

筆者の経験からいうと、財務キャリアであれば、ほぼ全員が海外勤務を経験する。そのやり方は、外務省に出向する、国際機関に派遣される、海外の大学などに長期出張で派遣されるという3種類がある。どれになるかは、確率3分の1程度なので、二重国籍かどうかは、当然チェックされる。

かつて外務公務員については、配偶者が日本国籍を有さない場合、または外国の国籍を有する場合についても外務公務員の欠格事由となっていたので、外国人配偶者の場合、外務省には出向しないといわれていたこともある。

もっとも、国家公務員では、人事院規則8118第9条では「日本の国籍を有しない者」は採用試験を受けることができないとされているが、二重国籍者を排除していない。

一方、地方公務員では、人事委員会規則で、基本的に「外国籍の職員については、公権力の行使に当たる業務又は公の意思形成に参画する職に就くことができない」と規定されており、二重国籍者は制限を受けることがはっきりしている。

これらの職以外にも、国籍条項が規定されているものは多いが、日本国民を要件とするものが多く、二重国籍者の扱いはあまり明確ではない。

例えば、国会議員などの公職政治家では、被選挙権者の規定である公職選挙法第10条により「日本国民」であることを要件とし、また地方自治体の公職政治家は地方自治法第19条により「日本国民」であることを要件としているだけだ。

日本維新の会の法案提出は、これらの二重国籍のグレーゾーンをすっきりさせるものである。国家公務員については、二重国籍不可は常識なので、外務公務員法のほうに、「国籍を有しない者又は外国の国籍を有する者は、国家公務員となることができない」とされても、支障がないだろう。

そもそも、国籍条項を規定されている職種では、国益と外国籍との利益相反を防止するために国籍条項があるわけで、本来であれば、国籍条項は直ちに二重国籍を不可とするもののはずである。この意味で、日本維新の会の法案は、これまでの法律の不備を埋めるものともいえる。

2007年の参院選で、元ペルー大統領のフジモリ氏が国民新党から立候補したが、フジモリ氏はペルーと日本の二重国籍であった。重大な問題だが、あまり議論はされなかった。日本維新の会の法案が成立すれば、そうした問題は回避されることになる。

筆者としては、国籍条項を必要とする職は必ずある、と考える。そのような職では二重国籍は否定すべきである。これは、一般の二重国籍問題とは区別して考える必要がある。

一般の二重国籍問題では、国際法で「人は必ず唯一の国籍を持つべき」とする国籍単一の原則があるのは知っているが、実際には二重国籍を認めている国は少なくない。この意味では、現在のところ二重国籍者に過度な規制を強いる必要もないと思っている。

ただし、二重国籍を認めている国であっても、国家の権力を行使する職では二重国籍が禁止されているのが普通であるので、その常識を日本でも適用したらいい。

 蓮舫氏が最も恐れていること

以上が政策論であるが、政治論から見ても日本維新の会の法案提出は大きな意味がある。

というのは、この法案が通れば、蓮舫氏の政治的な行動がかなり制約される可能性があるからだ。少し説明しよう。

民進党代表になるということは、政権交代すれば首相になるべき人である。現在、蓮舫氏は参議院議員だ。別に参議院議員は首相になれないという決まりはないが、首相の伝家の宝刀である衆院解散権を行使しにくくなる、というデメリットがある。

参議院議員は衆院を解散しても議席を奪われないので、解散して衆院議員のクビを切りながら、自分は安泰、という批判を受けるからだ。

そうした事情もあるので、蓮舫氏はいずれ衆院に鞍替えしたいはずだ。実は、小池都知事誕生とともに、東京10区(豊島区、練馬区の一部)で10月23日に補欠選挙が予定されている。蓮舫氏にとって、自身がその補欠選挙に出るのは、民進党を浮上させる好手のはずだった。

東京10区は、2005年の郵政選挙で小池氏が刺客として出馬して以来、民主党(民進党)女性候補と戦うという面白い選挙区だった。そこで、蓮舫氏が「私も崖から飛び降りる」と言って今回の補欠選挙に出馬すれば、かなり盛り上がっただろう。

ところが、日本維新の会の法案提出が、それにブレーキをかけるのだ。今度の臨時国会は今月26日に招集されるが、日本維新の会の法案は自民党にとっても関心事であるし、そもそも現在の法の不備を埋めるものなので、成立する可能性は高いだろう。となると、「二重国籍者」であった場合、蓮舫氏の鞍替えでの東京10区出馬は微妙になる。

ネットの威力は侮れない。台湾籍の離脱は日本でいうところの官報に掲載されているが、それを調べる限り、蓮舫氏の台湾籍離脱はないという指摘がネット上にはある(http://www.honmotakeshi.com/archives/49510141.html)。

蓮舫氏は台湾籍の離脱証明を取り寄せているようだが、実際に証明書が入手できるかどうか、その日付などで様々な議論が起こるはずだ。そうなると、蓮舫氏の東京10区出馬の可能性はかなり少なくなるだろう。

実際にどうなるかは予断できないものの、日本維新の会の法案が国会で審議されれば、民進党や蓮舫氏にとってはかなり痛い話になろう。

【私の論評】二重国籍はこんなに危険!この問題を軽々に扱うべきではない(゚д゚)!

民進党代表候補3人の経済政策がとんでもないものであることは、このブログでも以前掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
民進代表選候補者3人 野党連携は理念や政策の一致前提に―【私の論評】財務省の使い捨て政党民進党とその代表に明日はない(゚д゚)!
民進党代表選候補者三人 左より玉木氏、前原氏、蓮舫氏
詳細は、この記事をご覧にいただくものとして、玉木氏は元財務官僚ですから、理解できるところがあるのですが、他の二人まで、こと経済政策になると、まるでテープレコーダーのすり減ったテープのように、財務省のパンフレット以下の内容を語り続けるだけです。

本当にこんなことでは、政権交代でも起きて、今回の代表選で選ばれた代表が日本の総理大臣でもなって、その経済対策を実行したら、日本は再びデフレに突入して、日本の全国民がまた塗炭の苦しみに追いやられることになります。

代表選の候補者がこの有様です。過去の民主党政権のときの反省がまるでありません。これは、自民党でも似たり寄ったのところがあるのですが、それにしても安倍総理は、過去の自民党のときのデフレ・円高政策を反省して、一度は14年度4月からの増税を決断して、財務省の口車に乗りかけたのですが、その後は一環して、増税見送りの立場を貫いています。

さらに、金融政策でも緩和策をとるように日銀を説得し、最近ではなかなか日銀が追加金融緩和に踏み切らないものの、少なくとも緊縮に戻ることもなく、雇用関係の統計値はかつてなかった程に改善しています。

しかし、民進党の代表候補者は、なぜか全員、増税すべきとか、金融緩和策に懐疑的です。なぜこのようになってしまうかについては、この記事では掲載しませんでしたが、私自身は民進党、その中でも幹部は、財務省の走狗に成り果てているのではないかと睨んでいます。

財務省としては、経済対策に関して、財務省のパンフレットの内容のようなことしか、話せない代表が存在する民進党が与党になれば、自分たちのやりたいことが、国民などにはおかまいなしに、存分にできます。民進党が与党になれば、財務省は我が世の春を謳歌できます。

しかし、民進党の支持率は下がるばかりで、とても再度政権交代をする可能性はありそうにはありません。しかし、財務省はもしかするとという淡い期待は捨てきれないでいるのでしょう。

だから、民進党幹部と財務官僚の間には、財務省が民進党を応援することと引き換えに、民進党が財務省にとって良い経済対策を流布するということで、何らかの形で合意ができているのではないでしょうか。そうでないと、先ほども述べたように、代表候補者の3人ともが財務省のパンフレットの内容以下のことくらいしか、経済政策に関して語らないなどということはあり得ないと思います。


このことだけでさえ、大問題であるにもかかわらず、最近ではにわかに蓮舫氏の二重国籍問題がクローズアップされるようになりました。

この問題に関しては、なぜかテレビなどのメディアはほんど報道しません。不思議といえば、不思議です。著名人の中には、これを大した問題でないかのように発言する人もいます。さらには、どうでも良いことのように発言する人もいます。

しかし、ブログ冒頭の記事で高橋が指摘しているように、"国家公務員では、人事院規則てで「日本の国籍を有しない者」は採用試験を受けることができないとされているが、二重国籍者を排除していない"とあります。

「一方、地方公務員では、人事委員会規則で、基本的に「外国籍の職員については、公権力の行使に当たる業務又は公の意思形成に参画する職に就くことができない」と規定されており、二重国籍者は制限を受けることがはっきりしている"と指摘しています。

とはいいながら、二重国籍に関しては曖昧であることも指摘しています。とはいいながら「国籍条項を必要とする職は必ずある、と考える。そのような職では二重国籍は否定すべきである。これは、一般の二重国籍問題とは区別して考える必要がある」とも言及しています。

ネットをみると少なからずの人が、蓮舫氏の「二重国籍問題」を一般人の「二重国籍問題」として同列に考えてしまい、蓮舫氏に同情的な意見に傾きやすいようです。しかし、上の高橋洋一氏の論説は利益相反の可能性のある領域(国会議員、国家公務員)での二重国籍問題を論じています。

私自身は、やはり高橋氏の指摘が正しい思います。一般人は別にして、国会議員や国家公務員は、このような観点から、私自身はやはり、蓮舫氏個人がどうのこうのというより、そもそも二重国籍であってはならないと思います。ましてや、野党第一党の代表が二重国籍者あるべきではないと思います。そうして、この前提は当然のことと思います。

そうして、私自身は、いわゆるエリートと呼ばれる人たちは、当然のことながら、二重国籍であってはならないと思います。

こう述べると、エリートの定義が日本ではあまりに曖昧なので、以下にエリートについて述べておきます。

エリートというと、倉山満氏が以前「エリートの定義」をツイートしていたのを思い出します。

そのツイートを以下に掲載します。

エリートの定義がおかしいと思ってて日本でしか通用しない定義があって、偏差値が高い人がエリートっていうのがあるじゃないですか。東大出身の人がいたら絶対聞いて欲しいんですが万国共通のエリートの定義は「そいつの命よりも責任が重い」って事ですよ。だから武士は毎日切腹の訓練をしてたんです
確かに、国会議員は東大を出ていないとなれないとか、偏差値の高い大学に入っていないとなれないなどということはありません。企業の役員だってそうです。一部上場の大企業であれば、東大卒などはいて捨てるほどいる中から選定されます。そんな中では、東大出身とか、偏差値が高かったなどということは何の意味も持ちません。

切腹の作法
あくまで、もっとも注目されるのは、責任の重大さに耐えられるかどうかの観点になると思います。ただし、国会議員の選挙や、企業の役員の選定にあたって、実際にこれが重視されているかは別問題です。最近の議員をみていたり、東芝の旧社長らなどをみていると、そうとは限らないことが良く理解できます。

しかし、本当のエリートの定義は「当人の命よりも責任が重い人」ということです。

責任のない人は、自分の命が大事なのだと思います。自分の命を太く未来につなげていくことが一大事なのだと思います。

そもそも、本来エリートは命がけでなるものなのです。偏差値の高い大学に自分の子どもを入れようとしている親の大部分は、そんなことは考えてはいないでしょう。

一昔前ならば、武士の家に生まれれば、自分がどう考えようとも、そういうエリートになるものとして育てられたわけです。いざというときに、自分の命よりも重い責任を取るために、切腹の作法も学ばせたのです。

そうして、国会議員は、当人たちがどう思っているか否かは別にして、「当人の命よりその責任が重い」人です。野党第一党の代表ともなれせば、さらに責任が重いです。国家公務員も、全員ではありませんが、そのくらい責任の重い人は存在すはずです。

こういう意味での、エリートは当然のことながら、二重国籍であってはならないはずです。

そうして、蓮舫氏の「二重国籍問題」に関しては、これを当然のこととして、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
40、50万人との推定もある二重国籍の実態 「偽装日本人」に深刻リスク―【私の論評】蓮舫の二重国籍問題を契機に、これを放置するのはやめるべき(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の結論部分を以下に掲載します。
世界的には二重国籍を容認する潮流であるともいわれます。国籍の異なる両親から生まれた子が2つの国籍を持つことは、2つの言語、歴史、文化、生活習慣の中で成長する彼らにとって当然の帰結なのだから、二重国籍を容認すべきという意見は根強いです。 
しかし、だからといって我が国の根幹法規というべき国籍法が形骸化し、偽装日本人による日本パスポートの不正取得、不法入国、不正投票などが蔓延している状況や、今回の蓮舫氏の二重国籍疑惑を放置して良いわけがありません。 
国籍のあり方についての国民的議論、そしてそれを踏まえた国会での検討が早急にすべきです。蓮舫氏以外の議員にもこの問題がないかどうか至急調査すべきですし、問題のある議員が出てきた場合、そうして蓮舫議員にも問題があればこれも含めて厳正な措置をとるべきです。 
特定秘密保護法で公務員の身辺調査をするのですから、政治家の身辺調査も当然のことながら実施すべきです。配偶者、親族に外国人がいる、いないの調査を実施すべきです。政治家本人の帰化の有無。政治家の親族に外国人、または帰化者がいないかの公表もすべきです。政治家等の帰化基準が反日勢力に甘すぎるから、蓮舫氏の二重国籍問題が起こるのです。
この結論に書いたように、私自身は、政治家、国家公務員などのエリートはもとより、一般の人の二重国籍もやはり、日本の国籍法にのっとり厳格にある程度以上の年齢になれば、日本国籍を選ぶか外国籍を選ぶかはっきりさせるべきと思います。二重国籍を認めるというのなら、その要件もはっきりさせるべきです。

なぜなら、この二重国籍にはかなりの潜在的な危機が予め予見されるからです。たとえば、中国など日本に多数の中国人民を入国させ、それらをことごとく二重国籍にさせます。そうなると、ある一定数の中国人が二重国籍になったとする、その二重国籍の中国人に対して、中国政府は国防総動員法を発令することができます。

国防総動員法とは、(2010年7月)に中国共産党政府が成立させ、施行したものです。同国の国防に関わる有事にいたった場合に、国内外の支那(China)国籍者の財産の接収(没収)、同国籍者の徴兵(国内・在外を問わない同国籍者の徴兵(兵員化)と、および、同国内での外国資本の没収まで含まれているのです。


長野五輪の聖火リレーの沿道で暴れる動員された中国留学生 1998年
何故、このような法律を性急なまでに施行したのでしょうか。その目的は、中国共産党政府がごく近い将来に有事(および戦争)の発生を想定してのことで、たとえば、対日政策の上では、侵攻による沖縄県尖閣諸島、さらには沖縄本島の収奪・領土化とそのための有事を視野に入れてのことであろうことは邪推の余地も有りません。

もとより、沖縄の領土化は日本本土を次の視野に入れてのことで、日本の属国化、ひいては「日本自治区化」を置いているであろうことは推察に難くありません。 

そうして、在日中国国籍者もこの法律の動員対象となっていることです。在日中国人は65万6403人も居て他の在日外国人と比べて圧倒的に多いです。留学や技能研修など日本に学びに来ている人が多いが、働いている人も多いです。

職種は技術・人文知識・国際業務や調理師から社長や大学教授まで幅広く、数も圧倒的です。男性中心の他の在日外国人と比べて20代・30代の女性が多く、若くて元気です。在日中国人は戦前から居て横浜中華街などを形成しましたが、1990年代から倍増し2000年代前半に激増しました。

最初は集団密航で入国した人も居たが、そのうち留学などを通じて増えて行き企業に新卒採用されたり、犯罪に手を染めたりしました。他、“観光”などで一時的に渡航して来ている者や15万人を超えたとされる同国の留学生も、「有事」発生時点での動員対象になります。
北海道喜茂別町にある中国語で書かれた中国人専用ゴルフ場の看板
さらに、後者の一時的渡航者、留学生の中から絶えない「法律上は日本に存在していない」はずの不法残留(オーバーステイ)者や、さらには、数値ではその掌握が測りかねる不法滞在者(密航者)もその例外ではないのです。

さて、これらの在留華人の多くが、二重国籍者になったらどういうことになるでしょうか。小さな地方自治体などであれば、中国が国防総動員法をこれらの二重国籍者に発動したらどいうことになるでしょうか。

中国と日本との二重国籍者であれば、日本人としての権利・義務を有しながら、中国の国防動員法にも従わなければならないです。

二重国籍者であるということから、日本人でありながら、中国人でもある多くの人間が、どこか地方の町や村に多く集結すれば、実質上その町や村を乗っ取ることだって可能ではありませんか。もし中国が意図的に、数百万もの中国人を日本に送り込み、中国国籍を持ったまま日本の国籍を取得させたらどうなりますか。

こんなことを考えると、一般人の二重国籍者についても、何らかの措置が必要になるのは当然のことです。

二重国籍問題は、軽々に考えるべきではありません。二重国籍問題というと、蓮舫氏個人のことばかりが、問題にされますが、この問題はその低次元の問題ではありません。場合によっては、日本の存亡の危機につながりかねない重大な問題です。

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2016年7月5日火曜日

親日国でも日本人は“異教徒” テロ危険な「ホテル」「空港」「リゾート地」―【私の論評】誰もが巻き込まれるかもしれないテロでの生存策はこれだ(゚д゚)!

親日国でも日本人は“異教徒” テロ危険な「ホテル」「空港」「リゾート地」

テロ発生のレストランの隣家より撮影した、テロ針圧部隊の様子
罪なき人々を無慈悲に殺害する。非道なテロに世界中が怒りに震えている。日本人7人が死亡したバングラデシュの首都ダッカで起きた飲食店襲撃テロ。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)は3日までに「イタリア人を含む十字軍22人を殺害した」とする正式な犯行声明を出した。欧州、中東ではなく南アジア、それも親日国で起きた惨劇に衝撃は広がる。イスラム事情に詳しい専門家は「ISのテロは流行期に入っている。いつどこで同じような事態が起きてもおかしくない」と警告する。

「アラー・アクバル(神は偉大なり)」

武装グループはそう叫び、銃を乱射。なたのような刃物を振り下ろしたという。

1日夜(日本時間2日未明)、ダッカの人気カフェ「ホーリー・アルチザン・ベーカリー」で起きたテロでは、日本人7人のほか、妊婦や幼い娘を持つ母親らイタリア人9人、米国人1人を含む人質20人が殺害された。

ロイター通信によると、犯行声明を出したISは「十字軍諸国の市民は、彼らの航空機がイスラム教徒を殺す限り、安全ではない」と警告。ISに対する空爆の報復として、外国人を狙ったなどとしている。

バングラデシュ治安当局は、射殺した実行犯6人と拘束した1人は全員バングラデシュ人で、うち5人はイスラム過激派として捜査対象になっていたと明かした。いずれも25歳以下で裕福な家庭の出身、現地の有名私大に通うなど数人が高等教育を受けていたという。

南アジアの親日国でISのテロが起き、多くの犠牲者が出たことに関係者の衝撃は計り知れない。

国際テロリズムや危機管理が専門の大泉光一青森中央学院大教授は、「バングラデシュには昔からJICA(国際協力機構)が日本人を派遣し、安全対策にも力を入れているはずだが、大きなテロはあまり起きておらず、神経質になっていなかった可能性がある。JICA関連事業は相手国の経済発展を目的としているが、援助を嫌うグループもおり『好感を持たれて当たり前』というわけではない。日本人は服装も含め、目立ちやすい。『日本人もターゲットになっている』という認識を持つことが必要だ」と指摘する。

現地メディアは、関係者の話として、武装グループが人質のバングラデシュ人に「われわれが殺すのは外国人だけだ」と語り、人質にイスラム教の聖典「コーラン」の暗唱を求め、できなければ「刃物で痛めつけた」(人質の1人)。日本人の男性が「私は日本人です。撃たないで」と命ごいをしたが、聞き入れられなかったなど生々しい状況を伝えている。

『イスラムのテロリスト』(講談社プラスアルファ新書)の著者で軍事アナリストの黒井文太郎氏は、「ISにとって、日本人は『異教徒』でしかない。『日本人です』と訴えても意味を持たない」と指摘。万が一、このような事件に巻き込まれた場合は、「ただ、ひたすら目立たないようにおとなしくするしか手はない」と話す。

6月28日には、トルコのアタチュルク国際空港がターゲットにされ、44人が死亡、200人以上がけがをした。このところ、ISやISとつながりのあるグループの犯行が相次いでいる。

黒井氏は「ISシンパによるテロは完全に流行期に入っている。シンパは世界中にいて自分たちも『ジハード』(聖戦)を起こそうと思っている。『俺がやる』『いや、俺がだ』とみなが手を挙げている状態だ」と解説する。

仕事や休暇で各国に渡航する日本人は少なくない。夏休みシーズンも間近に控える。

「ISに感化された人間が今回のように数人単位で行動を起こすことが考えられ、フランス、ベルギー、ドイツなど移民を受け入れている国では、こうした人間が入り込み、テロが起きる危険が高い」(黒井氏)

脅威は移民を受け入れる国に限らず、「(観光地のチュニジアを含む)北アフリカや(バリ島が人気の)インドネシア、タイ、マレーシアなどイスラム教徒が多い地域にはISの関係者がいる恐れがあり、注意した方がいい」と黒井氏。

ISが敵視する白人が集まりそうなホテルや空港、リゾート地。海外に出かける際はどこも危ないと考えるべきだ。

【私の論評】誰もが巻き込まれるかもしれないテロでの生存策はこれだ(゚д゚)!

サイトを閲覧すると、今回で殺害された人質の現場写真や、殺害されたテロリストがレスラン付近の芝生の上に並べられている写真などが掲載されています。最初この写真を掲載しようとも考えましたが、あまりにも酷すぎるし、衝撃的すぎるので取りやめて、現場の写真はブログ冒頭のものにしました。

上の記事でも、『日本人もターゲットになっている』という認識を持つことが必要だ」と指摘されています。これについては、他の専門家も同じようなことを言っています。

たとえば、日本のアラブ研究者、東京大学先端科学技術研究センター准教授の池内恵氏は、自身のフエイスブックの記事で以下のように述べています。


"
ダッカテロ 〜 日本人が知らないジハードの論理
(時事通信)実行犯、20~28歳学生か=標的は「外国人と異教徒」-バングラ
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016070300088&g=isk
 ジハードの論理からいって、このような論理は基本。
また、実行犯は人質になったバングラデシュ人の男性店員に対し、ベンガル語で「心配するな。われわれは外国人と非イスラム教徒を殺しに来ただけだ」と話していた。一人ひとりにイスラム教の聖典コーランの一節を暗唱させ、できなければ殺害したという。
穏健なイスラーム教徒がこれを回避するには、例えばバングラデシュと日本という国同士が和平を結んでいるから、その国民を殺してはいけない、などと反論できますが、その和平が、多神教徒でイスラームを受け入れない国とのものだから無効、と唱えると、少なくとも平行線になり「見解の相違」になってしまいます。

なお、イスラーム教徒もジハードの一環として攻撃の対象に場合がありますが(今回は治安部隊の要員が複数亡くなっている)、敵と同盟したことを理由に正当化する思想が強くあります。あるいはなんらかの理由でムスリムではなくなった(背教した=不信仰者・カーフィルになった)ととらえてジハードの対象にすることを「タクフィール」と呼び、今現在のイスラーム過激派の問題の中心の問題です。

それについて日本の多くの人が知らないのはやむをえないですが、知らないからといって存在しないなどと言い張ってはいけません。
"

結局、外国人と異教徒を狙った犯行ということですから、日本人は余程の例外を除いて、異教徒ですし、外国人であることははっきりしているので、残念ながら捕まってしまえば、元々助かる見込みはなかったということです。本当に恐ろしいことです。

ところで、日本で海外へ進出する民間企業向けに作成された危機管理マニュアルには、一般的で当たり前のことやネットで調べればわかるような机上の理論しか記載が無く、アメリカのHomeland Security(国土安全保障省)が作成した企業向けのRUN.HIDE.FIGHT(無差別乱射事件から生き残るには)という現場視点のマニュアルや教育動画などは、ほとんど無いようです。

また、日本人は日本が平和なので、他の国もそうであると思い込んでいる人も多いです。以下のツイートなどご覧いただければ、一目瞭然です。


このツイート左は、SEALDsの若者がISに向けて発したものですが、その答えが右です。この若者は、イスラム教徒がアルコールを飲まないことも知らないようです。

これは、問題外としても、確かに多くの日本人は、日本が海外と比較すれば、平和であるだけに、自分や家族が実際にテロにあったらどうするかなどの腹積もりはない人が多いと思います。

いずれにしても、どのような形でテロなどに遭遇しても、予防策、対応策、事後処理策、メディア対応策などは、企業や個人でも基本的な安全対策として備えておくべきでしょう。

世界最大のハウトゥ・マニュアルを構築するウィキ ベースのコラボレーションサイト「wikiHow」で話題を呼んでいる投稿「How to Survive an Abduction or Hostage Situation:拉致されたり人質になったりした場合の生き延び方」があります。これの日本語訳を以下に掲載しておきます。

"

拘束中の判断が生死を分ける

仕事に向かうため、自分の車に乗り込んだ1分後にいきなり拘束されて口をおさえられ、スピードを上げて走るバンの後部座席に乗せられる。誘拐または人質となった人の多くにとって、これは恐ろしい経験である。そして、非常に早いスピードで事が進んでいく。

 時に、そのスピードが速すぎて、誘拐犯から逃れようとすることさえできない。しかし、幸運なことに、比較的早い段階で、誘拐された被害者が負傷することなく解放されるケースは多い。

しかし、ここで間違いを犯してはならない。これらの誘拐犯は、あなたを殺害するかもしれない。そして、被害者が生き残れるかどうかは、拘束中にどのような判断をするかにかかっている。


■手順1

拉致を阻止するよう試みる。もし、拉致された初期の段階で逃げられるようであれば、あなたの試練はこの段階で終了する。しかし、この人質となったり、拉致されたりする最初の数分間が一番危険で、ここで反抗すれば、さらに危険な状況になる。多くのケースで、すぐに逃げられる可能性が抵抗する危険性を上回ることがある一方で、逃げ出すことが現実的でなく(例えば、複数の武装した犯人がいるなど)、リスクを犯す価値がない場合もある。このような状況では、理性的に考え、犯人に協力的に行動すること。

自分がいる場所によっては、周りに人がいると思われるので、最初の数分間が抵抗するのに一番適したタイミングであることが多い。もし、そのようなケースで、周りに人がいる場合、抵抗するには一番良いタイミングで、周りの人の注意をひいたり、助けを得られるかもしれない。犯人らが意図する場所にあなたを押しこめてしまえば(車の中など)、あなたが助けを求めても、だれにも気づいてもらえないことが多い。

■手順2
落ち着きを取り戻す。アドレナリンが放出され、心臓が激しく鼓動し、恐怖に襲われるであろうが、落ち着くことが重要だ。落ち着きを取り戻すのが早ければ早い程、長い目で見れば早い段階で、状況を改善できる。
■手順3
 観察すること。最初の段階から、できるだけ犯人らの様子を観察する。逃亡計画を立てる際に役立つし、犯人の次の動きも予測できるようになる。また、警察に情報を提供する時や、救助の手助けとなり、誘拐犯の逮捕、有罪判決とするためにも役立つ。目隠しをされることもあるので、視覚は使えない場合もあるが、それでも聴覚や触覚、嗅覚を使って情報収集はできる。
<誘拐犯について観察する点>
・何人いるか
・武装しているか。そうであれば、どんな武器を持っているか
・健康状態は良いか
・どんな容姿か、どのような声をしているか
・どのくらいの年齢か
・周到な計画を練っているかどうか
・感情面はどのような状態か
・自分の周囲には何があるか
・どこに連れて行かれているのか(誘拐犯が通ったルート を視覚化する。曲がったり停まったりした場所、車のスピードの変化について注意しておく。ポイント間での時間はどのくらいかを覚えておく。例えば128で左、12で右というように、道を曲がるまでの間に数を数えておくそのエリアをよく知っているならば、役立つ情報となりうる)
・どこに監禁されているか、周囲の情報をできるだけ集める(出口はどこか。カメラが設置されているか。ドアにはロックまたはその他のセキュリティ対策がされているか。大きなカウチなどの障害物はあるか。後に逃走すると決心した際に役立つかもしれないので、自分がいる場所を特定し、情報を集めること)
・自分自身の状態を観察する(負傷しているか、どのように拘束され、動けなくされているか。どのくらい自由に動くことができるか)
生き延びようというポジティブな気持ちを持つ
■手順4

自分が拉致された理由を解明してみる。拉致にはさまざまな動機がある。性的暴行のため、身代金要求のため、政治的影響力のためなど、様々だ。誘拐犯とどのように接するか、そして逃亡のリスクを冒すかどうかは、犯人の動機によって違ってくる。

もし、囚人の解放を求める交渉材料や人質として犯人があなたを拉致しているのならば、犯人にとっては、殺すよりも生かしておくことが大切になってくる。しかし、シリアルキラーや性犯罪者である場合、もしくは何らかの政治的、軍事的行動の報復としてあなたを拉致している場合は、犯人があなたを殺す確率は高い。この情報を元にして、逃亡を試みるかどうか、そして、それはどのタイミングなのかを決定しなくてはならない。
■手順5

生き延びようとする気持ちは持ち続けポジティブであること。頭に入れておかねばらならない事は、誘拐の被害者の多くは生き延びていることであり、その可能性は、あなたにもあるのだ。とは言え、長期間拘束される覚悟、準備はしておかねばならない。中には、数年人質生活を送った人達もいる。常にポジティブな態度を保ち、状況に応じて賢く動き、その結果として自由を得ることができた人達もいるのだ。1日、1日を頑張って過ごしていくこと。
■手順6
犯人を安心させること。落ち着いて、犯人に協力的になること(妥当な範囲で)。脅したり暴力的にならないこと。そして、時が来るまで、逃亡を試みないこと。

■手順7
威厳を保つこと。通常、心理学的には、監禁されている者が「人間」であると犯人の目に映っている間は、殺したり、レイプしたり、その他の方法で傷つけることは難しい。卑屈な態度をとったり、懇願したり、ヒステリックにはならないこと。また、泣かないようにすること。犯人に挑戦的になってはいけないが、自分が尊重される価値があると、犯人に思わせること。

■手順8

犯人との良い関係を築くよう試みる。もし、犯人と何らかのつながりを構築できれば、通常、あなたを傷つけることをためらうようになる。

もし、犯人が妄想性精神病を患っている場合は、脅すような態度には出ないほうが賢明だ。しかし同時に、犯人があなたに操られていると思わせるようなことは一切しないこと(犯人と友達になろうとするなど)。偏執的妄想をする人は、あなたが何かを企んでいると思う傾向にあるからだ。このような犯人が、あなたをコントロールできなくなってきたと感じたら、突発的に暴力をふるう恐れがある。

犯人が思っていることはただの妄想だと、犯人を説得しようとしないこと。犯人が激怒することがあるし、あなたを信じなくなるおそれがある(犯人の立場からすれば、彼らの妄想は、全うで現実的なのだ)。

犯人に対し、上から目線にはならず共感する

■手順9

犯人を侮辱したり、デリケートなテーマになりうることを話したりしない。あなたは、犯人が哀れで最低な人物だと思うかもしれない。映画の中では、囚われた人は時に、侮辱するようなことを口にして、その場を切り抜けることもあるが、実際は、そのような思いを口にしてはいけない。また、知らない人と会話する際は、政治の話題は避けたほうが良い。特に、犯人が、テロリストや政治的な理由で人質を拘束している場合はそうだ。
■手順10

聞き上手になること。犯人が言うことに関心を持つこと。犯人に対し、上から目線にはならず共感すること。こうすることで、犯人があなたのそばにいると心が安らぎ、好意的になってくる。聞き上手になることで、解放された後で警察が犯人逮捕する際、または、あなたが逃走する際に役立つ情報を収集することもできる。

犯人の家族の心情をアピールする。もし、あなたも犯人も子供がいるならば、それだけで、強力な繋がりになる。おそらく犯人は「あなたの立場になり」「拉致や殺傷された人の家族の気持ち」を推し量ることができるはずだ。あなたが家族の写真を持っているならば、そのような話題になった時に犯人に写真を数枚見せても良いだろう。
■手順11


 他に拘束された人達とコミュニケーションを取ってみること。他にも拘束された人がいる場合は、安全な範囲で、できるだけ話かけてみる。もしお互いの存在を見つけることができ、話ができるならば、拘束されている状況も少しは楽になるはずだ。また、一緒に逃走する計画を立てることもできる。おかれている状況によっては、コミュニケーションの取り方を変える必要もあるかもしれない。長期間、拘束されている場合は、暗号や信号などを作ることもできるだろう。

■手順12

時間の経過を追い、パターンを認識するように心がける。時間の経過を追うことで、ルーチンを決めるのに役立ち、自らの威厳と正気を保つことができる。また、犯人が出入りする時間や、どのくらいの時間不在なのか、パターンを把握することができれば、逃走の計画、実行の助けにもなる。時計が無い場合は、時間の経過を把握できるよう努力する必要がある。日が射すのが見えれば、比較的、時間を把握するのも楽になるが、そうでなければ外の活動の変化を聞き、犯人の意識レベルの違いを記録し、異なる食べ物のにおいや見た目などから、推測していく。
■手順13
精神的に常にアクティブでいること。家に戻ったら、何をするかを考え、頭の中で、友人や愛する人と交わす会話を考える。これらのことを意識的におこなうことで、気がおかしくなるのを防ぐことができ、正気でいることができる。拘束されると、非常に退屈で、感情がマヒしてしまいそうになる。大事なことは、自らの心に挑戦し、正気でいること。それと同時に、理性的に逃走を考えることだ。計算問題を解いてみたり、パズルを考えたり、知っている詩を暗唱したり、歌の歌詞を思い出してみたり等、常に何かを考え、精神的にしっかりした状態になるようにする。
■手順14
身体的にもアクティブでいること。拘束中、特に縛られている場合は、体を鍛えるのは難しいかもしれないが、可能であれば体を鍛えるのは重要である。身体的に良い状態でいることが、逃走時にも役立ち、拘束中も気持ちをしっかり持つこともできるようになる。運動する方法を見つけること。ジャンピング・ジャック、腕立て伏せ、手のひらを合わせて押すだけでも、ストレッチでも良い。






目立たず、トラブルメーカーにならない

■手順15
ちょっとしたお願いを犯人にしてみること。長期間にわたる拘束状態であれば、少しずつ、ちょっとした備品をリクエストする。例えば、厚手のブランケットや新聞などだ。あくまでも、小さいリクエストにしておき、最初の段階では、リクエストは、頻繁にはしないこと。これにより、拘束生活を少しでも快適にでき、あなたが人間だということを、犯人に再認識させることができる。

■手順16
目立たないこと。他にも拘束されている人がいる場合は、その中で目立たないこと。特にトラブルメーカーとして認知されないこと。

■手順17
警告サインを見逃さない事。犯人が、あなたを殺害すると決めたなら、逃走を計画できるよう、そのことをできるだけ早く知る必要がある。突然、食事を与えなくなった場合、荒々しく扱われるようになった場合(人間として扱われなくなる)、突然、犯人が絶望したり怯えていたりする場合、他の人質が解放されても、あなたを解放するつもりはないと見て取れた場合は、賢く動くこと。マスクを付けて自分の顔を隠していた犯人が、突然、それをやめたりするのは、あなたを殺すつもりだという大きなサインなので、できるだけ早く逃走すること。

■手順18
時を見計らってから逃走を試みる。どういう時が逃走に良いのだろうか。解放、救助されるのを待つのが、一番安全な場合もある。しかし、逃走するのに最良の状況があるならば(もし、あなたに周到な計画があり、逃走に成功すると確信できるならば)、そのチャンスに実行すべきだ。また、犯人があなたを殺害すると分かっている場合は、リスクがあったとしても逃走を試みるべきだ。

■手順19

救助の動きがあれば、余計なことはしないこと。「とうとう救助隊がやってきた!」と興奮しすぎる前に、拉致された時の最初の数分間だけでなく、救助時が最も人質にとっては危険な時だということを頭にいれておかなければならない。犯人は、絶望的になって、あなたを盾として使おうとするかもしれないし、殺害を決めるかもしれない。
たとえ犯人が捕まえられたとしても、建物に突入する際に警察や軍が火薬や爆発物を使うことで、あなた自身が命を落とすこともある。救助の動きがあった場合、可能であれば犯人に見つからないように隠れること。低い姿勢で、両手で頭を保護し、防護バリアとなりうる物を探す(テーブルや机の下、バスタブ内など)。救助隊が突入した際に、急に動いたりしない。
■手順20
 救助員の指示に注意深く従うこと。救助員は、かなりの緊張状態にいて、何かあれば銃を撃ちかねないし、質問するのは後回しだ。救助員のすべての命令に従うこと。床に伏せる、または両手を頭に回すよう指示されたら、その通りにすること。救助者は、誰が人質で誰が誘拐犯か見極める間、あなたをジップ・タイ(電気製品の配線などをまとめる時に使うプラスチック製の細長いひも状のもの)や手錠で拘束することもあるかもしれない。落ち着いて救助隊の迷惑にならないようにすること。
"
以上です。このマニュアル、いわゆるテロリスト以外にも、誘拐などのときにでも役に立ちそうです。一度、ゆっくり読んで、頭に内容を入れておくと、自分では忘れたと思っていても、窮地のときには、それを思い出したり、はっきりは思い出したりしなかったにしても、無意識にそのような行動をとることが期待できます。

私達も、いつなんどきテロに巻き込まれるかわかりません。身の回りに、良いマニュアルのある方は、それを参考にしていただくとは良いと思いますが、それにしても日本のマニュアルの場合は、あまり良いものがないので、上記のマニュアル、あまり長いものでもないので、全文掲載させていたたぎました。

イスラエルには「カッツォンレテバ」という格言があります。これは「おとなしくして羊のようには殺されるな」という意味です。イスラエル人なら誰もが知っている合言葉です。いろいろな苦難のときに乗り越えるために継承されたきた言葉です。エンテベ空港奇襲作戦でもこの精神がいかんなく発揮されたといわれています。

最終的には、このような精神がものを言うと思います。最後の最後には、相手に一撃を加えてから成仏するくらいの覚悟を決めておかなければ、生き残れる場合でも生き残れなくなります。こんなときに、平和主義など役に立ちません。

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