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2020年8月22日土曜日

対中国機密包囲網『ファイブ・アイズ』に日本参戦へ! 自由と民主主義を守るための戦い…英も独仏より日本の参加を待望 ―【私の論評】他のメディアが教えない、日本がファイブアイズに入ることの本当のメリットを教えよう(゚д゚)!


「ファイブ・アイズ」入りに前向きな姿勢の河野防衛相

 中国による「香港国家安全維持法」施行をきっかけに、共産主義対民主主義の構図が鮮明になってきた。「自由の砦(とりで)」を守るために何が必要なのか。国際投資アナリストの大原浩氏は寄稿で、米英など5カ国による機密情報共有の枠組み「ファイブ・アイズ」に日本も6番目の国として参加することだと主張する。


 香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏が、香港国家安全維持法違反の容疑で10日に逮捕された。しかし、日本のメディアやネットなどで強い批判が起こり、そのせいもあってか、翌日の深夜に釈放された。

 日本以外の国でも抗議の声は上がったが、われわれが「民主主義の敵」に対して、彼女と一緒に戦う姿勢を見せるだけでも十分な効果があった。15世紀のフランスでは、当時まだ10代だったとされる、オルレアンの少女ことジャンヌ・ダルクがフランス軍の兵士を鼓舞して勝利に導いた。

 周庭氏は香港における「共産主義と民主主義の戦い」の象徴的存在だが、ほかにも逮捕され大陸に送還された数千人以上とも言われる人々を含めた「自由の闘士」が頑張っている。彼らを支援し、日本にも迫る「民主主義の敵」と対峙(たいじ)するにはどうしたら良いのだろうか。

 一つの答えが「日本のファイブ・アイズへの加盟」である。ファイブ・アイズは1940年からナチス・ドイツの暗号「エニグマ」を解読するために米国陸海軍の暗号部と英国の政府暗号学校が協力したことが発端だ。46年にソ連の共産主義に対抗するための協定も結び、その後、カナダとオーストラリア、ニュージーランドが参加した。ファシズムや共産主義から民主主義を守る「自由の砦」なのだ。



 日本が一方的に参加したいというわけではなく、ファイブ・アイズの方からも、日本に「打診」が行われている。

 英国のトム・トゥゲンハート下院議員は、河野太郎防衛相が日本を含む「シックス・アイズ」を提案したことについて歓迎の意を示したと報道された。同国のトニー・ブレア元首相は産経新聞の電話インタビューに、自由主義諸国が連携して中国の脅威に対抗する必要があるとし、「ファイブ・アイズ」への日本の参加を「われわれは検討すべきだ」と述べている。

 実際、日本と英国には明治維新以来浅からぬ縁がある。明治維新の際には、英国が新政府を支持したし、第一次世界大戦を挟んで「日英同盟」も結んだ。不幸なことに第二次世界大戦ではドイツと組んだために英国を敵に回したが、この紳士の国は、過去のことをネチネチと掘り返して嫌がらせをする日本の近隣の国々とは全く違う。

 一方で、ファイブ・アイズの中心ともいえる米国だが、11月の大統領選でのドナルド・トランプ大統領の再選が微妙な情勢だ。歴史的に「反日」の民主党政権になれば日本にとっては大打撃である。万が一の時の保険としても英国との関係は極めて重要だ。

 2018年からは、日本、ドイツ、フランスが中国のサイバー活動を念頭に会合を開き、ファイブ・アイズとこの3国の連携で情報共有の新たな枠組みが作られている。日本加盟への道筋は既につけられているし、ドイツやフランスよりも日本の方が6番目の加盟国としてふさわしいと、少なくとも英国からは思われているのだ。このことは民主主義国家として誇っても良いと思う。

 日本、韓国、フランスが参加した枠組みが発足したとの報道もあったが、駐留米軍1万2000人削減を行ったトランプ氏と犬猿の仲であるアンゲラ・メルケル氏率いるドイツが入っていない。韓国については、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を安全保障とは関係のない政治交渉に使う国であるから、ファイブ・アイズ加盟国から信頼があるのではなく「中国と手を切るべし」という踏み絵だと考えるべきだろう。

 もっとも、正式にファイブ・アイズに加盟するためには、国内での機密保持がまず大事であるから、まともなスパイ防止法がなく「スパイ天国」と揶揄(やゆ)される現状を早急に改善しなければならない。

 ■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

【私の論評】他のメディアが教えない、日本がファイブアイズに入ることの本当のメリットを教えよう(゚д゚)!

ファイブアイズとは米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの五ヶ国を言いこれらの国々が情報を共有している関係を言います。正式にはUKUSA協定といいます。2018年から日本、ドイツ、フランスがこの組織の会合に参加し、中共のサイバー攻撃を念頭に会議を重ねています。現在では韓国もこの会議に参加しています。

日本は今までもファイブアイズと連携を深めてきたが・・・・

現在の世界情勢、特に中共の危険な膨張を考えたとき、日本がこの組織に正式参加することはそれなりにメリットがあると思います。現実には上記の様にある意味すでに参加しているともいえるかもしれません。しかし、正式参加と今までの会合参加とどう違うのでしょうか。

様々な報道によれば河野大臣は参加に前向きだそうですが、現時点では正式参加の必要は無いとも言っているとのことです。ただし、これは正式な政府のコメントでは無いので、あくまでこのような事を言っているらしいというだけのことです。

ただ、現実問題として本当に日本が参加する可能性がどれほどあるのかと考えると、日本国内で得られる公開情報だけで考えると、かなり問題があるようにみえます。

日本側の問題としては、ブログ冒頭の記事のように、日本にはスパイ防止法が無いということがあります。少なくとも先進国と言われる国々で、諜報活動を禁止し、国家機密を探りあるいは第三国に渡した者はかなりの重罪を課せられます。しかし、日本にはそれに当たる法律がありません。

かつて自民党がこの法案を提出したことがありますが、成立には至りませんでした。主としてマスコミが報道の自由、表現の自由を盾にこの法案に対しキャンペーンを張って大反対し、国民がそれを受け入れた結果です。

しかし、どのような国家にも国家機密はあります。全ての国家の機密、特に他国との協定内容を全て公表しなければならないとすれば、まず他国が日本との協定を結ばないでしょうし、どのような約束もしないでしょうし、日本の提案など絶体に受け入れないでしょう。

さらに、特に国家防衛に関する面では軍事機密があって当然であり、それまで公表できるわけがありません。ところが、日本のマスコミはそれを国民の知る権利を侵していると言っているわけです。

この様な日本が他国との機密を前提とした協約を結べるわけがありません。日本はスパイ天国であり、多くの国家機密が支那やロシア北朝鮮に流れ出ています。ところが、その情報を持ちだした人間が仮に判明しても極論を言えばスパイ行為そのものを処罰できないのです。

ただし、スパイがスパイ行為をする過程において、国内法に違反した場合は、その範囲内で、最も重い刑罰を与えることはできますし、実際行われています。しかし、スパイ行為そのものは、明白であっても、それをもって刑罰を与えることはできないのです。

最近、米国では中共に米国の機密を渡した人間が逮捕され、かなりの長期刑を申し渡されたといいます。

米国は以前からかなり機密の保持に神経を使っていますが、それでもかつて原爆の製法をソ連に盗まれたりしています。これは、有名なローゼンバーグ事件ですが、これは当初、米国によるユダヤ人迫害(ローゼンバーグ夫妻はユダヤ人)だとかなり世論の反発を買ったといわれていましたが、実際に彼等がソ連に原爆の情報を渡していたことが証明されています。なお、夫妻は死刑になっています。

ピカソも冤罪だと信じたローゼンバーグ夫妻は本当にスパイだった

この様な事件は無数にあり、金で情報を売った者、ハニートラップにかかった者、最初からスパイとして代々米国に住み着いていた移民などが逮捕されいずれも重罪になっています。そうして、情報が中共に渡ったため、中共に潜伏していた米国情報員が多数処刑されているといわれています。

日本では、海外に派遣されている大使館員などがハニートラップに引っかかる例はかなりあるようで、たとえば2004年の上海総領事館員自殺事件等が知られています。これは、領事館員がハニートラップにかかり、情報を明かすように脅迫されて自殺した事件です。

現在でも、政治家などが突然親中派になったかのような事が度々起きていますが、ほとんどがハニートラップだと言われています。また、自衛隊幹部の妻が多く中国人だとの噂さえあります。無論公式発表ではありませんが、「自衛隊員妻に中国人600人」等で検索してみると、かなり引っかかります。

そのような状況で、日本がファイブアイズに正式に加入できるか、というより加入しても欧米が本来の自分たちと同じ立場に日本を置くかと言えばそれはかなり疑わしいです。というより、あり得ないと思えます。

1980年代から90年代初頭における、アメリカ合衆国連邦政府の度重なるダンピング提訴や、日本企業と米国企業との間の受注合戦や訴訟合戦において、米国の国益を守るために、三沢飛行場、ワシントン州、ニュージーランド、オーストラリア、香港(現在は撤去)のエシュロンをフル稼働させた可能性があり、それが日本の企業活動に大きな損害を与えたとされています。

その一方、施設を提供している見返りとして、日本政府の求めに応じて、エシュロンから得られた情報が提供されたと推定される例がいくつかあります。朝鮮民主主義人民共和国の金正男が成田空港で入国拒否された件がそれであり、事前に日本に対して通報があったとされています。

また、日本赤軍最高幹部であった重信房子が極秘裏に日本に帰国して潜伏しているという情報もエシュロンによって情報が得られ、日本政府に通報されたと噂されている。

上で述べたように、ファイブアイズは、日本にはスパイ防止法が無い現在の状態でなぜ日本に参加を呼びかけたのかは疑問です。しかし、その目的の一つには、日本が独自に集めた中共の情報を吸い上げるということが考えられます。

ファイブアイズ自体は、旧ソ連や現ロシアの情報に関しては、かなりの蓄積があると考えられますが、中共が脅威となったのは、最近のことで、これに対する蓄積は意外と少ないと考えられます。

ファイブアイズの国々において、中共が本格的に脅威として認識されたのは、米国でトランプ大統領が登場して以降と考えられます。

しかし、日本は良かれ悪しかれ、中国は隣国であり、たとえスパイ防止法がなくても、かなりの情報を戦前戦後から現在に至るまで蓄えていると考えらます。いや、それどころが、スパイ防止法がないことに中国などのスパイが安心して無警戒になり、常識では考えられないような情報をもたらしている可能性があります。

これは、良く警察が重大犯を、釈放して自由に行動させその過程で様々な情報を得るということに似ています。これらの情報の蓄積こそ、現在ファイブアイズが求めているものと考えられます。だからこそ、ファイブアイズは日本に期待していると考えられます。これ意外ににファイブアイズが日本に期待する理由はみあたりません。

日本の情報機関として有名なものに内閣官房の内部組織の内閣情報調査室(内調)があります。内調は主に情報の集約やオシント(公開されている情報を情報源とする情報収集活動)を行っています。オシントというと、「なーんだ」と思う人は、諜報活動に疎いです。実はスパイ活動のうち007のような派手な活動は、ほんの一部で、スパイ活動の大部分は一見地味に見えるこのオシントによるものです。CIAもかつてのソ連のKGBの活動も大部分は、オシントです。ヒューミント(人を介して行う超包活動)はごく一部です。

内閣情報官だった北村滋氏は。2019年9月より国家安全保障局長、内閣特別顧問となった

世界中の様々な情報をつなぎ合わせると、様々なことがわかってきます。たとえば、第二次世界大戦中に、新聞その他の公開情報から、たとえばドイツの高官がある町の結婚式に参加した等の情報を丹念につみあげていき、独ソ戦の開始日をあてた諜報員がいます。このように、内調は、戦前の情報を引き継ぎ、戦後から今にいたるまで様々な情報を蓄積しているのです。

日本には、内調その他の情報機関として、警察庁警備局(公安警察)、外務省国際情報統括官組織、防衛省情報本部、法務省公安調査庁、海上保安庁警備救難部などが挙げられます。

日本の情報機関において特徴的なのは、警察(公安警察)が人事面で優勢である点です。日本の情報機関における取りまとめ的な位置づけである内閣情報調査室には警察官僚やノンキャリアの警察官が数多く出向しており、トップの内閣情報官は創設時から警察官僚が代々務めています。また、外務省国際情報統括官組織、防衛省情報本部、公安調査庁、海上保安庁警備救難部にも警察官僚が出向しています。

ただし、日本では様々な組織に情報が分散して蓄積されたり、それぞれの組織が他の組織がはりあうなどのことをしているため、情報が一本化されていないという欠点がります。

現在、中共はファイブアイズの敵となりました。無論日本の敵ともなりました。利害が一致するところが大きくなりました。

日本に、スパイ防止法がないということは、スパイが摘発できないという欠点はありますが、それでもスパイを自由に泳がせて、その行動を把握しやすくするという、ファイブアイズの国々にはない利点を生み出しています。中共側が露呈してないと思っていることでも、日本側がすでに把握していることはかなりあると思います。

もし、日本がファイブアイズに加入した場合、ファイブアイズは日本の長期に渡る濃密な中共の情報を得ることができます。そうして日本としては、まずはファイブアイズ加入を契機として、日本国内の中共スパイ情報を統一する良い機会となります。

それと、ファイブアイズに加入するには、少なくとも日本はスパイ防止法とまでいかなくとも、最低限ファイブアイズから得られた情報を漏洩した人間を摘発するための法整備をしなくてはならないことでしょう。これには、多くの国民も賛同することでしょう。そうして、これが実質的に日本のスパイ防止法に発展していく可能性もあります。

さらに、今までは情報を収集して、国内法に違反した場合にのみスパイを摘発できたのですが、今度はファイブアイズの他の国々が、摘発して処罰できることになります。

たとえば、日本の情報組織がある政治家が、確実にスパイであるという情報をつかんだとします。いままでだと、その政治家がスパイ活動をするために、国内法に違反した場合だけ、摘発することができましたが、その情報をファイブアイズと共有しておき、当該政治家がファイブアイズのスパイ防止法等に違反した行為をしていれば、その政治家をファイブアイズの国々が摘発することもできます。

日本がファイブアイズに入った後に、それまで頻繁にファイブアイズの国々に入国した政治家が入国しなくなったとしたら、これはかなり怪しいということになります。それも、日本だけではなく、ファイブアイズのスパイ活動にも加担している可能性が高いです。

これは、双方にとって良いことです。日本としては、今まで蓄積してきた濃密なスパイ情報を一本化できるだけではなく、有効に使える道ができることになります。また、ファイブアイズはその情報を有効に使うことができます。

これこそが、日本がファイブアイズに入ることの本当のメリットなのです。

【関連記事】

2018年4月9日月曜日

政権交代で中国の一帯一路を封印したいマレーシア―【私の論評】ナジブとマハティールの戦いは「アジア的価値観」と「西欧的自由民主主義」の相克という枠組みで捉えよ(゚д゚)!

政権交代で中国の一帯一路を封印したいマレーシア

中国に身売りしかねないナジブ首相に立ち向かうマハティール元首相

下院解散で、事実上の選挙戦がスタートしたマレーシア。与党連合(国民戦線)は野党支持層が厚い
選挙区に数週間前から早々に、ブルーの与党連合統一の旗を張り巡らせ、猛追する野党阻止を狙う

 60年ぶりの歴史的政権交代が期待されるマレーシアの総選挙(下院=定数222、5年に1回実施。総選挙(投開票日)は5月5日前後で政府が最終調整=前回記事で独自報道)は、与党優勢が伝えられている。

 一方で、2008年に与党連合(国民戦線)が歴史的に苦戦を強いられた戦い「TSUNAMI(津波)選挙」が再び起こるのか、と内外の注目を浴びている。

現首相のナジブ 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 首相のナジブは7日に下院を解散し、津波の再来を警戒する中、「史上最悪のダーティーな選挙を展開するだろう」(元首相のマハティール)と見られ、残念ながら筆者も全く同感だ。

野党に30日間の活動停止

 ナジブは、公務員の給与所得値上げなどのバラマキ公約、さらには与党に有利な「選挙区割りの改定法案」、メディア封じ込めの「反フェイクニュース法案」を下院解散直前の数日間で強行採決。

 さらに、マハティールが代表を務めるマレーシア統一プリブミ党への“締めつけ”を強化。政府は解散直前の5日になって突如、プリブミ党が党登録時の書類に不備があると、書類再提出を指示し、30日間の活動停止を言い渡した。
元首相のマハティール

 30日間の間に再提出しなければ、同党は”永久追放”されると見られている。政府は野党連合(希望同盟)に対しても、野党連合の統一旗の使用やマハティールの顔写真を選挙活動に使用することも禁止した。

 選挙戦活動に圧力がかけられる中、マハティールは「ナジブよ、逮捕したかったら、してみろ!」と自分の政党のロゴが入ったTシャツを着用し、打倒ナジブのシュプレヒコールを全開させている。

 こうした事態に、米国国務省はナジブの非民主的な強権発動に異例の非難声明を発表。さらに、民主化を後押しする宗主国の英国のメディアなど欧米のメディアは、ナジブ糾弾の辛辣な報道を活発化させている。

 一方、事実上の選挙戦に火蓋が切られたマレーシアでは「次期首相には誰がふさわしいか?」を聞いた最新の世論調査(政府系シンクタンク調査。3月23日から26日まで)が実施された。

 その結果、過半数の61%が、野党連合を率いる92歳のマハティールに再び、国の舵取りを握ってほしい、と願っていることが6日、明らかになった。ちなみに、ナジブへの続投への期待は、39%だった。

 昨年末、実施された各種世論調査では、ナジブが少なからず優位に立っていたが、ここに来て、マハティール人気が急上昇。

 「独裁開発者」としての過去の首相時代のイメージから、「人民、民主(ラクヤット=マレー語)」をキーワードに、民衆の頼れるリーダーへとソフトにイメージチェンジした。首相時代より人気が出ているのは、何とも皮肉だ。

 そんな国民の期待を背負う、マハティールは、22年という歴代最長の首相在任を経て、政界を勇退した。

 本来ならば、悠々自適な余生を過ごしているはずが、ナジブ側による暗殺に警戒しながら、歴史的な政変を起こそうとしている。老骨に鞭打つ決意の背景には、いったい何があるのか――。

ナジブと中国の蜜月関係

 誰もが納得する理由は、本人も公言している国際的なスキャンダルとなったナジブや一族が関わる政府系ファンド1MDBの巨額公的不正流用疑惑にメスを入れることだ。



 しかし、本当にマハティールがメスを入れたいのは1MDBが発端となって明らかになりつつある「ナジブと中国の蜜月関係」のようだ。

 その矛先は、マレーシアを重要拠点とする中国の国家主席、習近平提唱の経済構想「一帯一路」にある。マハティール率いる野党が政権交代を実現すれば、マレーシアにおける中国の一帯一路戦略は見直しされるだろう。

 本来、マレーシアでは外国諸国との経済協力は経済企画庁(EPU)が直接の担当省。しかし、一帯一路プロジェクトに関しては、ナジブ直属の総理府がイニシアティブを取っている。

 ナジブと習の独裁的なトップダウンな指揮の下、一帯一路プロジェクトが展開されていることが問題視されているのだ。

ナジブ(左)と習近平(右)

 マレーシアでの一帯一路プロジェクトが、ナジブ設立の1MDBの巨額債務を救済するために始まったことをマハティールは決して見逃すことができないのだ。

 一方、中東からの石油に依存している中国としても、マラッカ海峡を封鎖される危険性(マラッカジレンマ)に備え、マレー半島における拠点づくりは最重要課題となっている。

 中国にとっても地政学的に極めて重要拠点となるマレーシアを取り込むため、借金返済を目論むナジブと習が「利害を一致」させ、一帯一路を通じてチャイナマネーが大量流入している。

 最も顕著な例は、1MDB傘下のエドラ・グローバル・エナジー社が所有する発電所の全株式約99億リンギ(1リンギ=約28円)分を中国の原子力大手、中国広核集団に売却したことだ。

 しかも、中国広核集団は、同資産に加え1MDBの負債の一部の60億リンギを肩代わりした。まさに、一帯一路の下での「1MDB救済プロジェクト」にほかならない。

発電所の全株式を中国に売却

 国の安全保障の根幹である発電所を外資に売り渡す国家戦略にも驚かされるが、ナジブは借金返済のため、「発電所は外資上限49%」というマレーシアの外資認可規制を無視し、中国企業に100%身売りしてしまった。

 そのような状況の中、マハティールは一帯一路のインフラ整備に伴い中国政府から巨額の債務を抱え、財政難にあえぐスリランカと同じ徹を踏まないと誓っている。

 中国マネーの流入は国内政策に悪影響を与え、中国経済への依存は、南シナ海を含め、国や地域の安全保障にも大きな影をもたらすことにもなるからだ。

 こうしたことから、マレーシアと中国との関係改善は、今回の選挙の大きな争点の1つになっている。

 マレーシアでは、一帯一路の関連プロジェクトが鉄道、電力、工業団地、不動産、港湾などのインフラ整備投資を中心に約40件ほど進んでおり、IT分野を始め、製造業、教育、農林水産、観光など幅広い事業に及んでいる。

 中でも、習肝いりの一帯一路の目玉プロジェクト、「東海岸鉄道プロジェクト」は、首都クアラルンプール郊外とマレーシアの北部・ワカフバルを縦断する総距離約600キロを結ぶ一大プロジェクト。2025年完成を目指している。

 問題は、スリランカと同様だ。中国は“低利融資”と言うものの「年利約3.3%で550億リンギ」の総経費を、中国輸出入銀行から借入。

 当然、他の諸国の一帯一路と同様、建設会社は中国交通建設などで、政府は「雇用も資材も、外国と国内の内訳は半々」と模範解答するが、他の様々な一帯一路プロジェクトと同様、「実態は資材だけでなく、労働者もほぼ100%が中国から投入されている」(建設関連企業幹部)と見られている。

 しかも、その労働者は建設現場からの外出を禁じられ、彼らの消費はマレーシア経済に何の貢献もしない。

 中国との「利害一致」と言うが、中国一強プロジェクトにほかならない。

中国のための東海岸鉄道

 ナジブは「東海岸鉄道は開発途上の東部地域の経済成長率を底上げする」と豪語する。しかし、マハティールは「借金を抱え込み、地元の経済や企業をさらに疲弊させるだけ」と同プロジェクトの中止を公約に掲げている。

 マラッカ・ジレンマを克服したい中国にとって、東海岸鉄道プロジェクトはその生命線となるが、マレーシアにはほとんど利益がもたらされないとうわけだ。

 こうした反論にナジブは、「東海岸鉄道など中国との開発プロジェクト(一帯一路関連)を中止せよとは、野党は頭がおかしい!」と激怒する。

 さらに、「中国は最大の貿易相手国。主要輸出品のパーム油だけでなく、ツバメの巣やムサンキング(果物の王様、ドリアン)も大量に輸入しているんだ(「中国がドリアン爆買い マレーシア属国化への序章」)」「中国なくして、国民の暮らしは良くならない」とまで言う。

 まるで中国に憑りつかれたかのように“中国賛歌”をまくし立てている。

 マレーシアの建国の父といわれるマハティールがなぜ、92歳にして現職首相に対して歴史的な政変を起こそうとしているのか。独立国家としてのマレーシアの存亡に対する危機感がある。

 中でも、ナジブの中国との蜜月が、彼の愛国心を傷つけ、その怒りが最高潮に達したのが、マレーシア国産車の「プロトン」の中国企業への身売りだった。

 「プロトンの父」と言われたたマハティールは日本の三菱自動車と資本・技術提携し、東南アジア初の国産車を導入させた。

 この売却が、ナジブとの対決姿勢を決定的なものとした。余談だが、ナジブは「財政難」を理由に、マハティールがアジアで日本に次いでマレーシアに誘致したF1レースからも昨年、撤退。

 さらに、マハティールが経済発展の成長のシンボルとして、肝いりで日本のハザマに施工させた、かつては世界最高峰のビルでマレーシアのランドマーク、ペトロナスツインタワーを超える高さのビル建設計画も進めている。

中国資本で建設が進むフォレスト・シティ

 ナジブの目玉プロジェクトであるクアラルンプールの新国際金融地区 「TRX」で建設中の別の超高層タワー(写真下)は、すでにペトロナスツインタワーを建設途中でその高さを抜いてしまった。



 ドミノ倒しのようにバサッ、バサッと、”マハティール・レガシー”を次から次へと、ぶっ壊すナジブ。

 そして、東海岸鉄道プロジェクトだけでなく、TRXに建築予定の超高層タワーやダイヤモンド・シティ、さらにはイスカンダル地帯に建設される大規模開発、それらすべてが一帯一路にも関連する中国の大手企業による開発だ。

 中でも、 4つの人工島を建設して、約80万人が居住する大型高級住宅街、教育施設、オフィスを構える都市開発計画「フォレスト・シテイ」は、中国の大手不動産「碧桂園」が開発、 2035年の完成を目指す。

都市開発計画「フォレスト・シティー」立体パース

 建設にあたり租税恩典も与えられ、買手の約80%が中国本土からの「大陸人」だと言われている。

 マハティールは、「チャイナマネーの大量流入で、国内企業は衰退の一途を辿るだけでなく、新たな1MDBのような巨額な債務を抱えることになる。さらに、マレーシアの最も価値ある土地が外国人に専有され、外国の土地になってしまうだろう」と話す。

 そこには、建国の父・20世紀最後の独裁開発指導者としてではなく、ラクヤット(民衆)のために立ち上がり、新たなレガシー(遺産)を築きたいという気持ちもあるのかもしれない。

(取材・文  末永 恵)

【私の論評】ナジブとマハティールの戦いは「アジア的価値観」と「西欧的自由民主主義」の相克という枠組みで捉えよ(゚д゚)!

中国がマレーシアなどの国々に影響力を及ぼすことができるのは、金の力だけではありません。やはり、客家(はっか)と客家人ネットワークを理解しなければ、これは理解できないでしょう。

客家人とは、原則漢民族であり、そのルーツを辿ると古代中国(周から春秋戦国時代)の中原や中国東北部の王族の末裔であることが多いです。歴史上、戦乱から逃れるため中原から南へと移動、定住を繰り返していきました。

客家人の住居「福建土楼」

移住先では原住民から見て“よそ者”であるため、客家と呼ばれ、原住民との軋轢も多数ありました。原住民と、客家人の争いを土客械闘といいます。

中国の政治において最も重要なファクターは「客家人ネットワーク」だと言われます。「アジアのユダヤ人」とも言われる彼等は、中国、シンガポール、台湾、インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、米国などの中枢に強固な繋がりを持つ華僑ネットワークを形成しています。

客家は、孫文、鄧小平、宋美齢、江沢民、習近平、李登輝、蔡英文、李光耀など、アジアを中心として多くのキーパーソンを排出しています。

さて、昨日はシンガポールの独裁者であった故リー・クアンユー氏のことをこのブログに掲載ましましたが、このシンガポール、そうしてマレーシアも中国語の通じる華人の多い地域です。

マレーシアの首都クアラルンプールにある中華レストラン「客家飯店」

街で買い物をしても、日本人であったとしても普通に中国語で対応されます。マレーシアの最南端に位置する都市ジョホールバルでは街じゅうのいたるところに中国語を見かけます。華人には中国語で話しかけた方が、心を開いてくれる気がします。

日本から来られる方の中には、“中国人”に関してネガティブなイメージからか、中国語のアレルギーのようなものを感じる人がいるかもしれません。

中国語を読み書き話す人を見ると「中国人かな?」と思ってしまいますが、当人たちの多くは自分たちのことを大陸の中国人とは分けて考えています。

人それぞれなので一概にはいえませんが、大陸の人たちとは往往にして気質が異なります。人種としての分類では彼らは『マレーシアン・チャイニーズ』です。彼らの多くは、自分たちは、大陸の人とは違うといいます。はっきり言うと、大陸の中国人を軽蔑しているからかもしれません。

マレーシアでは、中華系の人々(華人)は人口の25%を占めると言われています。人口比は25%でも、一人あたりの平均GDPはマレー系の人々より5割近く高いです。

商取引では英語でももちろん問題ないですが、中国語が流暢にできるならそのほうが歓迎される場面があります。

表向きは英語で対応しているものの「裏で所属の部下と話しているのは中国語」という場面もあります。そのような場合は、両方できるほうが何かと有利に話を運べます。

中国語といえば、北京語(マンダリン)を想像します。たしかに華人は基本的に北京語ができます。それでも母語としての中国語はというと、地域によって人口が変わります。肌感覚にはなりますが以下のような感じなります。
クアラルンプール(Kuala Lumpur):広東語
イポー(Ipoh):広東語
ペナン(Penang):福建語(閩南語)
ジョホール・バル(Johor Bahru):北京語
中国語ができる人はマレーシアでも普通に生活ができます。医療を受けるにしても薬局で必要な薬を買うにしても便利です。

マレーシアの中華系の人は中国語(普通語・北京語)が基本的に話せます。もちろん読み書きもしっかりできます。学校で習うのは簡体字。50歳以上の人は繁体字を好んで用いることもあります。

中学生は公育語がマレー語になるため、当人たちは覚えることを結構苦しんでいるようですが、マレー語もできるようになります。これらの言語がどれもかなり高いレベルです。

家で中国語が話されている家庭が最も有利なようです。インターナショナルスクールでも中国語の授業はありますが、授業だけで中国語を習得するのは無理です。

マレーシアの首都クアラルンプール

マルチリンガルの子どもたちも多いです。家政婦さんとはマレー語、両親とは中国語、学校では英語という具合です。それぞれのことばを瞬時に切り替えます。

非中華系でも、たとえば地元のインド系の方たちも多少中国語がわかる場合があります。インド系だからといっても油断は禁物です。中国語でひどいことを言ってしまえば通じてしまいます。

ちなみにシンガポールはというと、英語で教育を受けている背景のためか、30歳くらいよりも若い年齢の華人は、中国語はあまりうまくないです。マレーシアとは対照的です。

英語と中国語は、両言語とも性質がずいぶんと違いますから、環境的に二つ同時にマスターできる可能性の高い地域は、世界でもマレーシアだけかもしれません。

最近の、マレーシアン・チャイニーズは経済的に余裕ができてきたためか、LCCなどを使って世界各地を旅行する人も増えて来ました。日本にも大勢来ています。

さて、昨日このブログに掲載したお隣の国シンガポールの、独裁者であった故リー・クアンユー氏も華人でした。そうして、数多い華人の中でも、先に掲載した客家人でした。

昨日の記事にもあるように、氏は客家系華人の4世にあたるといいます。曽祖父のリー・ボクウェン(李沐文)は、同治元年(1862年)に清の広東省からイギリスの海峡植民地であったシンガポールに移民しました。本人は自分のことを「実用主義者」「マラヤ人」と称している。また、自らを不可知論者としています。

昨日のブログでは、石平氏の『なぜ中国は民主化したくてもできないのか』という書籍の書評を紹介させていただきました。

この書籍では、石平氏は、長く独裁を続けた毛沢東や改革開放経済の道を開いた鄧小平に比肩する実績も、カリスマ性もない習氏がなぜやすやすと“独裁体制”を築けたのかという問に対して、"中国民衆の中に「皇帝を求める」エートス(社会通念)や伝統があるからだ"と断じています。

中華思想では、天から命じられた天子(皇帝)は中国だけでなく全世界唯一の統治者なのです。そうして、中華秩序を失えば王朝も崩壊するという歴史を中国の民衆は身に染みて知っているのです。

そうして、昨日の記事では、故リー・クアンユー氏が、西洋の自由民主主義は「アジア人」には向いていないとは述べていたことを掲載しました。リー・クアンユー氏は、さらに「アジア人は、個人の利益よりも集団の利益を上に置く考え方に慣れている。生来、権力者に対して従順で、こうした傾向はアジアの歴史に深く根差す"アジア的価値観なのだ"と主張していました。と主張したことも掲載しました。

そうして、私は石平氏の言う"中国民衆の中に「皇帝を求める」エートス(社会通念)や伝統"とリー・クアンユー氏の言う"アジア的価値観"とは本質的に同じものであると考えました。

私は、アジア一帯に住む華人のうちでも、特に客家人はこうした社会通念や伝統を強く継承しているのではないかと思います。

マレーシアの、現首相ナジブ氏と、元首相のマハティール氏の経歴を調べてみると、両方とも生粋のマレー人のようです。しかし、上でも述べたように、マレーシアには華人も大勢いて、その中には客家人も存在していて、特に経済界では幅を効かせています。

そのような客家人にナジブ氏は大きく影響されたのだと思います。一方、マハティール氏は、西洋の自由民主主義に親和的な立場をとっているのだと思います。

昨日は、"現在のアジアではリー・クアンユーのいう「アジア的価値観」すなわち中国の民衆のなかにある「皇帝を求める」エートス(社会通念)や伝統と、西洋的自由民主主義とが相克しているのです。

ナジブとマハティールの戦いは、この相克の枠組みでとらえるとかなり理解しやすくなります。そうして、私は無論マハティールを支持します。

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2017年2月21日火曜日

【民進・パワハラ議員】「人事評価下げてやる」「お前をクビにできる」…後藤祐一衆院議員、防衛省女性官僚に威圧的な言動連発―【私の論評】民進党は見ていると疲れて「面倒くさい」存在に成り果てた(゚д゚)!


馬鹿を通り越した、愚鈍な民進党の後藤祐一衆院議員
南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報問題をめぐり、追及を強める民進党に身内の失態が判明した。稲田朋美防衛相が21日の記者会見で、民進党の後藤祐一衆院議員が防衛省の30代の女性職員に威圧的な言動をしたとして抗議したことを明らかにした。後藤氏も同日、会見を開いて事実関係を認めた上で防衛省に謝罪したと説明したが、稲田氏の辞任を要求している民進党にとって痛手になりそうだ。

 後藤氏の説明によると後藤氏は16日夜、衆院予算委員会の質疑に絡み、衆院議員会館の自室で同省の官僚数人から説明を受けた。

 安倍晋三首相が確認したとする野田佳彦政権当時の日報を出すよう求めた後藤氏に対し、防衛省側は「首相に提出した資料」として現地からの簡潔な報告書を提出した。納得しない後藤氏が日報の存在を繰り返し確かめた際、トラブルに発展した。

 防衛省関係者によると、後藤氏は数時間にわたり、大声を上げたり、机をたたいて抗議した。特に女性官僚には「人事評価を下げてやる」「お前をクビにできる」などと、高圧的な態度で接したという。

 後藤氏の不適切な言動を聞いた稲田氏は激怒し、一時は翌17日の衆院予算委員会で抗議することも検討した。結局、後藤氏は予算委の質疑前に防衛省幹部に謝罪し、民進党の山井和則国対委員長は後藤氏に厳重注意した。

 稲田氏は21日の記者会見で「かなり脅迫、威圧的な言動だった。あってはならないことだ」と批判した。山井氏も記者団に「礼儀と節度を持って接することが必要だ」と苦言を呈した。

 後藤氏は衆院予算委で日報問題を集中的に質問しており、民進を含む4野党は日報問題をめぐる対応が不十分だとして稲田氏に辞任を要求している。

 追及の先頭に立つ後藤氏の失態だけに、民進党の小川勝也参院幹事長は21日の記者会見で「大臣に厳しい質問をするのは当然だが、説明に来る職員への過剰な暴言や態度は許されない」と語った。

 日本維新の会の馬場伸幸幹事長も「国会議員として全国民の手本となるよう率先することが求められる時代だけに、非常に遺憾だ」と述べた。

 後藤氏は平成27年、泥酔した状態でタクシー運転手に釣り銭をめぐり「受け取る法的根拠は何か」などと詰めより、警察に通報される騒動を起こしている。

【私の論評】民進党は見ていると疲れて「面倒くさい」存在に成り果てた(゚д゚)!

「後藤氏は数時間にわたり、大声を上げたり、机をたたいて抗議した」という事自体が、かなり異常です。普通なら、他にも資料があることを指摘して、それを持ってくるようにいえばそれですむはずです。ものの10分、最大でも30分もあればすむことです。それが、数時間というのですから、驚きです。余程の粘着気質としか言いようがないです。

さらに、輪をかけ、"特に女性官僚には「人事評価を下げてやる」「お前をクビにできる」などと、高圧的な態度で接した"というのは、とても尋常とは思えません。精神に異常をきたしているのではないでしょうか。

南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊の派遣部隊が昨年7月に作成した日報をめぐり、衆院予算委員会で野党による追及が続いています。15日には民進、共産、自由、社民の4野党が稲田朋美防衛相の辞任を求める方針で一致しました。

確かに、当初は「不存在」とされた日報が再調査で見つかった経緯自体は粗末ではありました。もっとも、再調査を指示したのは稲田氏であり、日報が見つかったのは当初は調査範囲外だった端末なので、隠蔽(いんぺい)との指摘はあたらないでしよう。

民進党は、日報に記載された「戦闘」という文言を問題視しています。PKO参加の前提となる紛争当事者間の停戦合意は崩れているという主張です。

後藤議員は、国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の安全などに関しては、昨年も同じようなことを追求していました。以下は、そのときのテレビ報道のスチル画面です。



しかし、ここで民進党が触れない事実があります。旧民主党の野田佳彦内閣時代の平成24年春、隣国のスーダン軍が国境を越えて南スーダンを空爆し、他国のPKO部隊に被害が出るなどしました。そして当時の報告にも「戦闘」と記されていました。

それでも野田内閣は自衛隊の派遣を継続しました。このとき自民党の佐藤正久参院議員の質問主意書には「主として(PKOの)活動地域外で発生し、規模も限定されている」と答え、武力紛争を否定しています。

いつものブーメラン芸ですが、本当に懲りないとしかいいようがありません。彼らが安全保障関連法の廃止を要求したときも、同党幹部らがかつて集団的自衛権の必要性を主張していたことが次々と指摘されていました。

民進党が稲田氏を追及している最中の12日には、北朝鮮が新型の弾道ミサイルを発射しました。それでも2日後の国会では防衛相を相手に日報の話ばかりでした。さらに、金正男氏殺害事件後の16日に、後藤議員は女性自衛官に対して腹いせをしている始末です。

国家意識も、国防意識もない、後藤議員はもとより、国民の生命財産に関わる重大事を脇に置く民進党に政権を担う資格はありません。ありていにいえば、馬鹿です、アホです。

こんなざまですから、民進党の支持率は下がり続けるのです。私自身は、本来野党はこのままであってはいけないと思います。

しかし、民進党は「政権や権力と戦うのが使命」であるとの考え方に固執しているのではないでしょうか。政策論争そっちのけで、くだらない議論をするのはやめるべきでしょう。

民進党は、「政権や権力と戦うのが使命」という呪縛から逃れて自由な発想をすべき時にきているのではないでしょうか。そうでなければ、ますます支持率がさがり、限界的な存在になるだけです。

民進党は、なぜ安倍総理が、金融緩和政策など西欧ならば左翼的ともみられる政策をとったのか、理解すべきです。

国民は、民進党はあまりにも「政権や権力と戦うこと」を前面に強くしかも安易に打ち出しすぎて、多くの国民からは暑苦しい存在に成り果てていることに気づくべきです。

最近では、民進党の議員で国会での質問をみていると、暑苦しいどころか、見ていると疲れてくる「面倒くさい」存在に成り果てています。

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2013年4月14日日曜日

浅田真央、来季限りでの引退表明「五輪を集大成として…」―【私の論評】浅田真央は他国の国威発揚のために潰されるのか?私たちと国は何もしなくても良いのか?!!

浅田真央、来季限りでの引退表明「五輪を集大成として…」:



  フィギュアスケート女子の浅田真央選手(22)=中京大=が13日、ソチ冬季五輪シーズンとなる来季限りで現役を引退する意向を明らかにした。東京・国立代々木競技場で行われている世界国別対抗戦のフリー演技後、「五輪を集大成としていい演技ができるようにしたい」と語った。

表彰式の後に報道陣の取材に応じた浅田は「今はそういう(ソチ五輪で引退)気持ちです」と話した。2大会連続出場を目指しているソチ五輪に出場した場合、最後の五輪となる。

日本女子のエース、浅田はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を武器に世界の第一線で活躍。15歳で初出場した2005年のグランプリファイナルで優勝。年齢規定で06年トリノ五輪には出場できなかったが、10年バンクーバー五輪で銀メダルを獲得。08年、10年と世界選手権も2度制している。

【私の論評】浅田真央は他国の国威発揚のために潰されるのか?私たちと国は何もしなくても良いのか?!!


浅田真央というと、私は、以下の記事を忘れることはできません。この記事転載が許されているので、以下にすべて転載させていただきます。

■浅田真央が戦ってきたもの
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=B1VTIEEHRDM

●1.はじめに
私 がフィギュアスケートを見るようになったのは、リレハンメル五輪のシーズンのグランプリシリーズ、NHK杯からですから、もう17年になろうとしていま す。その、フィギュア観戦生活の中で、私は今、これまでに味わったことのないような、暗澹たる思いで胸がいっぱいです。バンクーバー五輪 の女子シングルの競技を終えて、一夜明けた今、寝るに眠れず、このレポートを書いています。

果たしてそれにどんな意味があるのか。私にもわかりません。ただ、いちフィギュアスケートファンとして、この現状を諦め、口をつぐむには、あまりにも今回の出来事は悲惨すぎる。少しでも多くの人に、現状を知ってほしい。そう思って、このレポートを書くことにしました。

も ちろん、主観だらけの内容になってしまうと思います。けれども、理解していただきたいのは、そこにあるのは、フィギュアスケートに対する愛です。誰がなん と言おうと、私はこのフィギュアスケートという競技を愛しているのだと思います。どんなにつらい思いをしても、納得できなくても。

フィギュアファンとして、浅田真央のファンとして、今回の結果がどうにも納得できないと言ったら、ほとんどの人はこう思うでしょう。「ミスをしてしまったのだからしょうがない」「キムヨナは完璧だったのだから」。

敗 者は口をつぐむのが、日本では美徳とされています。私はそれを否定するつもりは全くありません。けれどもそれは、フェアに競技が行われた上での結果という のが大前提ではないでしょうか。中には、フェアではなかったとしても、それすらも納得して口をつぐんでしまう人も、日本人には少なくないと思います が・・・。

はじめに断っておきますが、私は決してキムヨナが嫌いなわけではありません。むしろ、4年前世界フィギュアで彼女の存在を認識 した時は、浅田真央という天才にライバルができ、切磋琢磨できる状況になったということを歓迎しました。彼女たちが、これからどのように戦っていくのか、 胸を躍らせたほどです。

間違えてほしくないのは、このレポートが「キムヨナ批判」ではないということです。時には、キムヨナ本人を批判す るような書き方になってしまうかもしれませんが、私にはそのような意図は全くありません。むしろ、キムヨナもある意味では被害者であるといえると思いま す。世界最高点をたたき出し、金メダリストとなったキムヨナは、素晴らしい選手だ、天才だ、と思われていることでしょう。ですが、実はフィギュアファンの 目から見れば、主観を抜きにしたとしても、稀有な才能の持ち主というには、キムヨナはあまりにも凡庸すぎる。ジャンプにしろ、ステップにしろ、スピンにし ろ、スパイラルにしろ、すべての要素において、浅田真央に迫るものですらないのです。ではなぜ、その彼女が「世界最高点」を出すに至ったのか。たゆまない 努力のたまものだから、讃えるべきだという人もいるでしょう。しかし実は、その裏には様々な理由があるのです。

あの大舞台にノーミスで滑れたこと。それくらいは讃えてもいいと思われるかもしれません。しかし、です。

前 置きが長くなってしまいましたが、私なりに、今回の出来事を分析してみようと思います。潔くないといわれてもかまいません。この腐ったフィギュアスケート 界をなんとかしたいと思っている人間は、たくさんいるのです。それを、少しでも多くの人に知ってもらいたいと思います。

●2.トリノ五輪後に4年がかりで浅田真央がされてきたこと
・ キムヨナがフリーで3回も使うダブルアクセルの基礎点が突如3.3 → 3.5点にUP。加点をつける基準が難しい3回転と同じなので、簡単なダブルアクセルの前後には工夫ができあっさり毎度トリプルループ以上の点に

・ トリプルルッツとトリプルフリップの踏みわけが厳格化され、真央が1試合3回使う得点源であり3回転で一番基礎点の高い技トリプルルッツが不正扱いで使う度平均2.3点も減点。修正しない限り組み込めなくなる

・ 真央の甘かったシットスピンの認定基準も厳格化。
しかし真央即座に対応し深いシットスピンに

・ 実はキムヨナも3回転で2番目に基礎点の高いトリプルフリップの不正があった。
ところが何故かキムヨナの不正トリプルフリップだけは見逃され続け驚異の加点
それでも真央が2008年ワールドで優勝してしまう

・ その直後、来シーズンから今度は回転不足の厳格化を発表
更にトリプルルッツを跳べないでる浅田に、浅田の得意な3回転半を除いた
3回転5種類を跳んだ場合のボーナスを出す情報が流れる

・ 予想通り真央のトリプルアクセルとトリプルループ、安藤のトリプルループ、特に二人ともセカンドトリプルループが怖いぐらい全く認められなくなる

・ ところがキムヨナの得意なセカンドトリプルトゥループだけは決して回転不足にならず初戦のアメリカ戦でトリプルフリップがまた見逃される。しかしVTRで はっきりトリプルフリップの不正が映ってしまい、2戦目からエラーではない「!」の注意がつくも、彼女だけマイナスにならず小さいながら加点がつき続け る。

・ 真央がトリプルサルコウを克服しルッツもなんとか矯正してくる。対照的にキムヨナはトリプルループが跳べなくなる
真央が文句のつけようのない演技をしてグランプリファイナル優勝
するといつの間にか5種類ボーナスの話しが立ち消えに

・ 五輪シーズン、8月に韓国でルール改正決定。真央の最大の得意技トリプルフリップも、蹴る足がつま先ではなくブレード全部で蹴ってるからと減点に。
ジャパンオープンで矯正しても不正扱いされ浅田の最後の砦トリプルフリップも減点、しかもいじっていびつになり質が悪化、ついでにトリプルトゥループも減点ジャッジが登場

・2010年度初戦で真央に回転不足4連発判定。内3つは明らかに足りてるループ
5輪シーズン、彼女のループを2回転含め全て潰す意図が明確に
キムヨナはトリプルフリップの不正は再び注意もつかなくなり、フリーではトリプルフリップを跳ばずに世界最高得点更新

いかがでしょうか。
浅 田真央は、4年もの長きにわたって、これだけの仕打ちに耐え、乗り越えてきたのです。これだけの、浅田真央に不利でキムヨナに有利なルール改正。浅田真央 が、何十年に一度の稀有な才能の持ち主でなければ、ここまで露骨なルール改正はなされなかったかもしれません。これでもか、これでもかと浅田真央をつぶし にかかり、それでもつぶれなかった浅田真央は、本当に頑張ったし、偉いと思います。

●3.浅田真央の代わりにプルシェンコが滑ったら・・・

「浅田真央の代わりにプルシェンコが滑ったら・・・」 2010年02月26日 『Nereide Design Blog』より一部転載
http://nereidedesign.jugem.jp/?eid=205

日本の皆さんは、「浅田真央がノーミスなら当然金メダルだったはず・・・」と
思っているでしょう。

違います。
浅田真央の代わりにプルシェンコが滑って、4回転ジャンプをかましても、キム・ヨナに勝つのは無理なんです。

だから浅田真央は滑る前の、気持ちの持って行き方に迷いが出たのです。
絶対勝てない、って分かってたから。

キム・ヨナのフリー競技のスコアをご覧ください。

浅田真央が戦ってきたもの
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/asada01.jpg

キム・ヨナと浅田真央の他のスコア
▼ 浅田真央 FREE SKATING

浅田真央が戦ってきたもの
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/asada02.jpg

▼ キム・ヨナ SHORT PROGRAM

浅田真央が戦ってきたもの
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/asada03.jpg

▼ 浅田真央 SHORT PROGRAM

浅田真央が戦ってきたもの
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/asada04.jpg

Judges details per skater ⇒ SHORT PROGRAM *1・FREE SKATING *2

*1:「JUDGES DETAILS PER SKATER / NOTATION DETAILLEE DES JUGES(SHORT PROGRAM)」
http://cdn31.atwikiimg.com/injustice/pub/FSW010201C77B.pdf

*2:「JUDGES DETAILS PER SKATER / NOTATION DETAILLEE DES JUGES(FREE SKATING)」
http://cdn31.atwikiimg.com/injustice/pub/FSW010101C77B.pdf

男子と同じPCS(*女子は×1.6、男子は×2.0)で計算すると、キム・ヨナはジャンプが1回少ないにもかかわ らず、ライサチェックの得点を超えます。

女子金メダル キム・ヨナ(12要素ジャンプ7回)
FS 168.00点 [TES 78.30(加点 17.40 ) PCS *89.70]

男子金メダル ライサチェック(13要素ジャンプ8回)
FS 167.37点 [TES 84.57(加点9.64) PCS 82.80]

男子銀メダル プルシェンコ(13要素ジャンプ8回)
FS 165.51点 [TES 82.71(加点7.68) PCS 82.80]

女子の身体能力(体力)は、身体組成からみて男子よりも劣るという研究結果があります。(身体組成からみた男女の体力差*1)

*1:「身体組成からみた男女の体力差(中京大学 体育学部 北川 薫) PDFデータ」
http://cdn31.atwikiimg.com/injustice/pub/110001930492.pdf

しかし、女子であるキム・ヨナは男子のライサチェックやプルシェンコを超えた。

ちなみに、PCS(Program Components Score)はプログラム全体の演技を5つの観点から評価します。5つの観点は以下の通りです。

スケート技術 (Skating Skills)
要素のつなぎ (Transitions)
実行力/遂行力 (Performance/Execution)
振り付け (Choreography)
曲の解釈 (Interpretation)

女子であるキム・ヨナが男子のプルシェンコやライサチェックよりもダイナミックでパワフルなパフォーマンスをしていましたか?

私はそうは思えません。

では、どうしてそんな差がついたのか?

一言でいうと、審判のおまけポイント
審判の気分次第で10点20点の差ができる仕様になっております。

GOE女子
1位 キム・ヨナ: 17.40
2位 浅田真央 : 8.82
3位 ロシェット : 4.42
4位 長洲未来 : 8.50
5位 安藤美姫 : 5.30

GOE男子
1位 ライサチェック: 9.64
2位 プルシェンコ: 7.68
3位 高橋大輔: 3.20
4位 ランビエール: 2.58
5位 P・チャン: 3.80

そして当日、韓国人審判とカナダ人審判が入っておりました。
だから
「オリンピックの試合だが、全く緊張しなかった」などと余裕をぶちかませたのです。

色々な感情がありますが、まずは浅田真央という選手を賞賛するべきでしょう。
スキージャンプよりも酷いルール変更の連続に苦しめられて、それをたった1、2年で修正してきて、「用意された王者」を脅かす所までいったのです。

●4.画像比較 バンクーバー五輪SPにおける浅田真央とキムヨナそれぞれの演技
浅田真央が戦ってきたもの
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/asada05.jpg

こうやって並べて比較すると、いかにキムヨナが浅田真央に比べて体が硬く、難易度の低いポジションでしか滑れないかがわかります。
ところが、ここでの二人のポイントは、驚くべきことに、全く同じなのです。また、キムヨナはスパイラルの途中で一瞬よろけてしまいますが、そんなこともおかまいなしに加点がついています。

●5.さいごに
この四年というもの、フィギュアスケートファンが、どれほどの憤りを抱えてきたか、おそらくフィギュアを五輪でしか見ない人には想像もつかないでしょう。けれど、ここまでのまとめで少しだけでもわかっていただけたでしょうか。 それでも・・・と思われるでしょうか。

私たちが忘れてはならないのは、浅田真央は間違いなく、世界的に見ても何十年に一度の稀有な才能の持ち主であり、キムヨナは凡庸な選手でしかないということです。

凡庸な選手を、何年もかけてさもものすごい選手であるかのように仕立て上げた。五輪という大きな舞台で、世間に文句を言わせないために。

キ ムヨナの演技というのは、フィギュアをよく知らない人から見れば、パーフェクトで素晴らしいものに見えるかもしれない(点数という後押しもあり)。しか し、フィギュアを少しでも詳しく知る人間から見れば、キムヨナの行っている演技は、五輪10位の選手ともたいして変わらない、平凡なものです。ただ難易度 の低いプログラムを、自信たっぷりに滑っているから、素人目には素晴らしく見えるだけなのです。ジャンプ以外の要素・・・ステップ、スピン、スパイラル。 すべての要素について、それは言えることです。

では、自信たっぷりに滑れる彼女の精神力を讃えるべきだといわれるかもしれません。ですが、上記にあげたように、キムヨナは様々なものから守られている。採点基準・審判・マスコミ・・・。

バ ンクーバー五輪フリーにおけるキムヨナの得点はどのようなものか、簡単に言ってしまえば、あのプログラムから、3-3のコンビネーション+3回転を一回、 すっぽぬけたとしても優勝してしまえる。そのような異常な高得点なのです。ですが、コアなファンでなければ、そんなことはわかるはずもありません。1回や 2回転んでも優勝できると分かっている選手と、世界最高の技をパーフェクトに滑っても優勝できないかもしれない選手が、同じプレッシャーであるわけがあり ません。

そのような、プレッシャーのない状況ですから、キムヨナがノーミスで滑れるのは、別に驚くべきことではないのです。

フィ ギュアスケートは、芸術的要素を多分に含んではいますが、スポーツです。それなのに、難易度の低いプログラムをプレッシャーのない状況で滑った選手が勝 ち、異常なプレッシャーの中で、それでも大技に果敢に挑戦した選手が負ける・・・。そんなことがあって許されていいのでしょうか?

高得点が出るのはキムヨナのほうが、表現力に優れているからでは?と思われる方は、上にある画像をもう一度見ていただきたい。明らかに、浅田真央のほうが技術だけでなく表現力にも優れていることがよくわかるでしょう。

平 凡平凡と何度も書きましたが、それは浅田真央と比べたらの話であって、キムヨナに才能がないわけではありません。トップレベルであることは間違いない。た だ、浅田真央が天才すぎただけです。浅田真央が天才すぎなければ、ここまで念入りに、キムヨナを「世界最高」に仕立て上げる必要もなかったかもしれな い・・・とも思います。ある意味、キムヨナも被害者かもしれないというのは、そういうところにあります。

「仕立て上げられた世界王者」こ の言葉を、私はこれからもずっと忘れないでしょう。そして、浅田真央がこの四年間で何をされてきたか、そしてそれをいかにして乗り越えてきたか。それを、 私はできるだけ多くの人に伝えていきたいと思っています。冒頭にも書きましたが、私はフィギュアスケートを愛しているからです。

浅田真央は、間違いなく、もっともっと、世界的に評価されなければいけないスケーターです。私は、浅田真央とキムヨナが甲乙つけがたいと評価されるだけでも我慢がならないのです。

どうか、この思いが、少しでも多くの人に伝わりますように。

そして、フィギュアスケートの現状が少しでもいいから変わりますように。

●6.検証動画関連
ニコニコ動画は視聴者が書かれたコメントが横に流れていきます。再生中にじゃまになるようでしたら右下の「吹き出しマーク」をクリックするとコメントを非表示にできます。

また、画面下部に表示される広告は右上にある×をクリックして消すことが出来ます。

【比較検証】キム・ヨナ不可解判定:Vancouver SP


(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9856855?via=thumb_watch

【比較検証】キム・ヨナ不可解判定:Vancouver FS


(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9883207?via=thumb_watch

【八百長ジャンプ】キム・ヨナ 2009 GPF SP、SA、TEB、2009world
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9004600?via=thumb_watch


(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9937368?via=thumb_watch

転載元:こちらは『浅田真央が戦ってきたもの』からの転載です。

転載いただいた記事は2013年03月22日時点のものです。

【私の論評】浅田真央は他国の国威発揚のために潰されるのか?私たちと国は何もしなくても良いのか?!!

 以上で引用は終わりです。浅田真央が、戦ってきたものについて、上記のような詳しい、そして正確な記事はないと思います。上のようなことを言う人は、何もこの人にだけ限ったことではありません。他にも、大勢います。それに、マスコミがそもそも、浅田真央の大敵です。以下の動画を御覧ください。







マスコミで消された浅田真央選手のウィニング・ラン


以下のような外国メディアの報道もあります。
「配慮があったのは明らか」ヨナの銀メダルに中国メディアが疑問を呈す
2010年3月29日9時52分配信 サーチナ

27日にイタリア・トリノで行われたフィギュアスケート世界選手権で、2位でフリープログラムに臨んだ浅田真央選手は完璧とも言える演技で 197.58点を記録して金メダルを獲得した。一方、バンクーバー五輪で金メダルを獲得した金妍兒(キム・ヨナ)選手はショートプログラムでの出遅れがひびき、銀メダルに終わった。

これに対し、中国新聞網は「キム・ヨナの銀メダルは意外だった」とし、ジャンプの転倒と回転不足があったにもかかわらず、ほぼノーミスの浅田真央選手(129・50点)より高い130.39点という全選手中最高の得点を獲得したことに疑問を呈した。

続けて記事では、「完璧な演技を見せた浅田真央選手の点数がキム・ヨナ選手よりも低かったとき、会場からはため息が聞こえた」とし、表彰台でキム・ヨナ選手に送られた拍手は、金メダルを獲得した浅田真央選手はおろか、銅メダルのラウラ・レピスト選手よりもずっと少なかったと報じた。

また、キム・ヨナ選手が獲得した点数に対し、記事では「ジャッジから何らかの配慮があったのは明らかだ」と指摘し、「フィギュアスケートにおける悲哀と言わざるを得ない」と報道。

さらに、「ジャッジが見せた『えこひいき』はフィギュアスケートというスポーツの公平性をさらに失わせることとなった」とし、今回のような事件が今後のスポーツ競技で起きないことを希望するばかりであると報じた。

同じ演技について、英国の生放送で解説者(BritishEurosportsのコメンテーター)は「真央がどれだけ凄いか」を説明しました。

A「( 浅田は )間違いなく素晴らしい! でユナ? 誰?」
B「 ハッハッハッ 」
B「 素晴らしかった、でも残酷なシステム。 たとえば3A、今夜はもう2度と見れないのです。それほど難しいジャンプなのにコンビの点数は9.5!誰かさんの3lz+3tより低いのですよ!」
A「 おかしいよね 」
B「 本当に間違ってます!」
演技が終わり、観客はスタンディングオベーション。
実況は「Absolutely amazing!!」と称賛!

トリプルアクセル(3A)のスローVTRを観て、
A「 ごちゃごちゃ言う前に確認しましょう。。。うん、完璧。クリーンな3A! 」
「Clean!」、「Beautiful!!」

そして、彼は浅田真央の完璧なトリプルアクセル(3A)がダウングレードされると、生放送中に驚きの声を上ゲ、不平を漏らした!

点数が開示された時
A「 !? 驚きました・・・( 浅田の点が ) 低い!バッカバカしい!! ダウングレードされている…」
「This is ridiculous !」(ばかげている)
これは、おそらく韓国政府による働きかけなどがあったものと思われます。まさに、浅田真央は、韓国政府はもとより、本来は味方であるはずべき日本マスコミとも戦ってきたということです。それに、韓国というとすぐ及び腰になってきた、日本政府との戦いでもあったのです。オリンピックや国際試合ということにでもなれば、韓国のような露骨は働きかけは、問題だと思います。日本としては、韓国のような露骨な働きかけをしろともまではいいませんが、それにしても、上記のような異常なことがあれば、抗議はすべきでしょう。


そうして、浅田真央選手が引退前までには、政府は上記のようなことがないようにして、真央選手が、気持よく、そうして、精一杯実力を発揮できるような環境づくりをすべきと思います。以前、マスコミなどの不当な圧力に責め立てられた安倍元総理なら、浅田真央選手が何と戦ってきたのか、十分理解できるし、していると思います。

現在の安倍政権なら、韓国政府などの無用な働きかけに対して、抗議をするなどのことするに違いありません。


それから、日本がまともな金融緩和政策をするようになってからというもの、円安で韓国経済はズタボロです。これから、さらに、ズタボロになり、真の姿を現そうとしています。過去において韓国は、異常なウォン安と、異常な円高でぬるま湯に漬かった状態で、経済を伸ばしてきました。しかし、それもおしまいで、真の力が露呈しつつあります。

この状況が、今年から来年にかけて、さらに進行していきます。そうなると、フィギュアスケートどころではなくなります。そうなれば、あまり韓国政府もそんなことにはかまっていられなくなるので、韓国のフィギュアスケートの真の実力が見えてくるようになる可能性が高いです。

実際企業の世界においては、最近では、日本のソニー、パナソニック、シャープなどの業績が回復しており、サムスンは業績を落としており、凡庸な企業の厚化粧が剥げ落ちつつあります。スポーツの世界もそうなって欲しいものです。スポーツ界においても、政府などによる強力な後押しのあった韓国勢は今までは、ぬるま湯に漬かっていたというのが実体だと思います。いずれ、実力を垣間見ることができる時が近づいていると思います。


それから、反日マスコミに関して、浅田真央選手に対する報道姿勢も、上記のような有様です。今後、この姿勢が改まらず、おかしげな馬鹿報道をすれば、私たちは、ブログや、SNSで徹底的に糾弾していくべきです。

そんなことを思いながら、今年と来年は、浅田真央選手を応援していきたいです。 皆さんは、どう思われますか?


それから、本日は、本題ではないので、詳細は掲載しませんが、以下の様な驚くべき記事もあります。

夏目アナが番組中に涙した「異端なフィギュアスケート選手」

この記事は、ある黒人のフィギュアスケートの選手がたどった、運命を説明しています。十分実力がありながらも、不当とも思われる判定で、さしたる記録も残せず、現役生活を終えた、異端なフィギュアスケート選手のことを掲載しています。

このような、記事を読んでいると、フィギュアスケートの審判そのものに問題があるのではと思えてきます。審判に問題がないかどうかを再度チエックをすべきです。



浅田真央選手の場合は、このような悲惨な運命を辿らずにすんではいますが、それにしても、不利な扱いを受けてきたことには間違いないと思います。選手として実力を発揮する前に、このような敵と戦わなくてはならなかったということです。

いずれにせよ、真央選手がこんなことを気にせずに、十分実力を発揮できる環境を与えてあげて、心ゆくまで、フィギュアスケートを楽しんでから、引退していただきたいと思います。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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