2021年3月8日月曜日

米中経済、第二次冷戦で共倒れ→日本経済「独り勝ち」の可能性 歴史が示す法則 大原浩氏緊急寄稿―【私の論評】日本経済は早期に回復し、それどころか黄金期を迎える(゚д゚)!

 米中経済、第二次冷戦で共倒れ→日本経済「独り勝ち」の可能性 歴史が示す法則 大原浩氏緊急寄稿

習主席


 「ジョー・バイデン政権下で米国経済に暗雲が立ち込め始めている」。そう指摘するのは国際投資アナリストの大原浩氏だ。大原氏は緊急寄稿で、「第二次冷戦」で米中経済が共倒れするリスクがあるなか、これまで未曽有の危機や世界の冷戦下で復活してきた日本経済が「独り勝ち」する可能性を指摘する。

 米国のダウ工業株30種平均は、1990年代前半の数千ドルから3万ドル台まで基本的に上昇を続けてきた。最大の恩恵を受けたのが1993年以降の民主党のビル・クリントン、共和党のジョージ・ブッシュ、民主党のバラク・オバマの各政権だ。3人は党派を超えて、経済成長の果実をもぎ取る「金権政治」が特徴だと筆者は考える。

 果実の種は、実は1981~89年のロナルド・レーガン政権時代にまかれたものだ。71年の「金・ドル交換停止」(ニクソン・ショック)は、米国の衰えを如実に示した。ベトナム戦争の後遺症もあってボロボロになった米国に「自由主義」と「自信」を取り戻し、経済活性化の荒療治を行ったのがレーガン大統領だった。現在では、90年代以降の米国の発展はレーガン政権の基本施策のおかげというのが共通認識になっている。

 その後の約四半世紀で生じたひずみの是正を求めた米国民の意思として2016年に当選したのがドナルド・トランプ大統領だった。「トランプ減税」などで米国経済を支えたが、4年後にバイデン氏が大統領に就任したのが厄災だといえる。


 日経平均は1989年に4万円に迫った後は下げ続け、2009年3月には7054円を記録した。しかし、12年の安倍晋三政権の誕生とともに再び上昇し始め、単純なポイントの比較でダウの3万ドル近辺に迫る3万円を一時回復した。

 1990年代後半にダウが日経平均を上回ったのはその後を暗示していた。拙著『勝ち組投資家は5年単位でマネーを動かす』(PHP研究所)を参照してほしい。


 日本の発展は50年の朝鮮戦争で冷戦に突入した時にスタートし、89年のベルリンの壁崩壊、91年のソ連崩壊など冷戦終結とともにバブル崩壊した。米中冷戦の現在は追い風かもしれない。日本は欧米による植民地化の危機を「明治維新」で乗り切った後、日清・日露戦争に勝利して世界の強国の仲間入りをした。第二次世界大戦で無条件降伏したが、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とまで呼ばれる経済大国に上り詰めた。

 日本の大発展は「未曽有の危機」に立ち向かうところから始まる。米中冷戦やコロナ禍は、日本の「黄金時代復活ののろし」なのかもしれない。

 習近平政権も経済は青息吐息で、バイデン政権と共倒れになることもありうる。かつての冷戦時代と同じように「日本独り勝ち」になる可能性が十分あるのではないか。

 ■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

【私の論評】日本経済は早期に回復し、それどころかいずれ黄金期を迎える(゚д゚)!

最近の経済統計をふりかえってみます。内閣府が発表した2020年10月から12月までの国内総生産(GDP)は2期連続のプラスとなる一方、2020年1年間では前年と比べマイナス4.8%と、リーマンショック翌年の2009年以来、11年ぶりのマイナスとなりました。

10~12月期は前の3ヵ月と比べると実質でプラス3.0%ということになっています。ただ、4~6月期のマイナスが響いたというところはあります。 それにしても、ずいぶん回復して来たと思います。10~12月期は2%くらいだという予想が多かったので、そういう意味では予想以上でした。



Go To キャンペーンを実施したので、飲食などが伸びたことが影響したのだと思います。私自身は、当初はGoToキャンペーンについては、懐疑的だったのですが、実際に実施した後の統計ではかなり筋の良い対策でした。さらに、GoToによる日本新の国内移動は、全体の1%にも満たないとされています。全体ではマイナス4.8%でしたが、リーマンショック後のマイナス5.7%よりは少ないです。

それと、経済統計を見るときには、日本だけでなく、米国やEUも一緒に見るべきです。中国の統計は、もともと出鱈目ですから、これは見るとかえって現実がわからなくなります。それと、 全部の数字が揃ったので、10~12月期で比べると1年前(2019年)と比べて同期がどうだったかを見るのがいちばんみやすいです。

そのような見方をすると、日本は1年前の10~12月期と比べて、2020年の10~12月期のGDPはほぼ同じでマイナス1%程度です。

同じような見方をすると、米国はマイナス2.5%です。ヨーロッパはマイナス5%です。日本がいちばん回復しています。それは財政出動の規模によって、説明できてしまいます。

そういう意味では、日本政府はかなり努力したといえます。コロナの感染率なども、米国やEUと比較すると格段に良いです。経済も良いし、コロナ対策の効果も方も良いといえます。

2020年1年間では、米国はマイナス3.5%で、ドイツがマイナス5%てす。イギリスはマイナス9.9%と10%近くになっていることを考えると、日本のマイナス4.8%はかなり踏みとどまった方であるとえます。 

そうして、回復もいちばん早いし、コロナ対策と経済を合わせて2つの成績で見ると、日本は先進国のなかで断トツの上位です。 


10~12月期で比較すると、2019年の10~12月は消費増税の直後だったということもあります。 直後だったので、増税で落ちたわけですからその分だけ回復がいいとも言えます。しかし、総じて見ると、増税などとは関係なく悪くはないです。 

あれだけ断続的に感染が拡大して、経済が止まっていたことを考えると「よくやった」といえます。 しかも、大規模な財政出動をして増税が必要ない現状からいうと、増税等もともと必要なかったと言い切れます。当初は補正予算が大きすぎるなどと、マスコミから批判されましたが、現状の日本の経済をみれば、正しかったことが証明されたともいえます。

一方で、株価が相当上がっていて、3万円台を回復しました。緊急事態宣言が出た少し前に、底値では株価が2万円を割った時期がありました。そこから考えると1.5倍くらいになっているということになります。 これは、30年ぶりのことです。 株価はなぜ上がるのかと言えば、半年後以降の先を見ているからです。半年後以降になれば、コロナがかなり収束して落ち着くだろうと市場はみているわけです。

コロナがある程度収束すれは、いままでコロナ禍によって需要がなかった飲食や旅行はかなり伸びるだろうと予想しているのです。 

2021年の後半は相当経済が回復するという読みがあるから、株が上がるわけです。現状の株価は、「バイアンドホールド」と言って、持っているだけで儲かるというレベルです。

2021年後半から経済が上昇して行くということを考えると、諸外国ではそれと共にインフレ率が上がるのではないかと言われていますが、 日本はまだそこまで上がっていないので。逆に言うと、まだ財政出動の余地があるということです。

インフレ率が上がらなければ、中央銀行が国債を買っても何も問題はありません。そういう意味では、インフレ率がもう少し上がった方が良いといえます、逆に言うと、それは「財政出動の余地がある」と捉えられます。

日本では、平成年間においてはそのほとんどの期間を日本政府は増税などはじめ、緊縮財政ばかりしてきました。日銀は、金融引締ばかりしてきました。そのため、日本は深刻なデフレに見舞わてきました。このデフレ傾向は未だに十分解消されていません。

そのため、現状でさえ物価目標2%は未だ一度も達成されていません。まさに、日本はまだまだ大型財政出動をしても、さらなる量的金融緩和をしても、しばらくはインフレになる可能性はありません。

EUも米国においても、コロナ禍以前から、財政出動、金融緩和を続けてきました。今回のコロナ禍の経済対策で、財政出動を継続し続ければ、日本よりも早い時期に、インフレになる可能性が高いです。中国においては、以前もこのブログに掲載したように、国際金融のトリレンマによって、金融緩和ができない状況です。コロナ禍によって雇用が激減しているときに、金融緩和ができないわけですから、なんというか、問題外なわけです。

そうなると、米国・EUもいずれ、日本よりはずっと早い時期にインフレ率が高まり、大規模な財政出動ができなくなる可能性が高く、中国は雇用改善のための、金融緩和すらできないという状況ですから、コロナ禍後の回復は日本が一番早く、その後にも様々好条件が重なれば、日本は黄金時代を迎えることになります。

ただ唯一の危惧は、平成年間にみられたように、頭の悪い財務省がやる必要のない増税などの緊縮財政をしてみたり、日銀が金融引締に走るなどという馬鹿マネを繰り返した場合には、また日本はデフレになり、回復も遅れることになりかねません。

実際リーマンショックの時は、世界の他の国々が金融緩和に走ったにも限らず、日銀だけはそうではなく、そのため日本は深刻なデフレと円高に見舞われました。そうして、その後日本だけが、回復が遅れ一人負けの状況になりました。

ただし、平成年間とは違うことがあります。それは、以前のこのブログに掲載したように、まずは新聞が今後10年で消滅しますし、テレビ局もかなり収益が減って、両メディアとも財務省のスポークスマン的役割ができなくなるということがあります。これでは、無知蒙昧ともいえる大増税攻勢、大金融引き締め攻勢も半減します。


それに、この10年にわたり、日本の数少ないまともな経済学者らは、役たたずの無駄飯食いの日本の主流の東大を頂点とする経済学者らの間違いを指摘し続けてきました。それに伴い、私のブログのようなブログ等がそれらの主張をとりあげ、財務省・日銀の間違いを何度も掲載してきました。SNSでもそのようなことをする人も増えてきました。

そのようなことから、今後日本が、過去の平成年間のように、財政政策や金融政策を間違い続けるということは、考えにくくなってきました。これが、過去10年間の成果ともいえます。

そういうことを考えると、日本経済は間違いなく回復し、それどころか、黄金期を迎えることになる可能性は大きいといえます。





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