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【日本の解き方】日本の賃金はなぜ上がらない? 原因は「生産性」や「非正規」でなく、ここ30年のマネーの伸び率だ!!―【私の論評】日本人の賃金が低いのはすべて日銀だけのせい、他は関係ない(゚д゚)!
さらに、日本企業は様々なイノベーションをして、既存の製品やサービスを改善し、さらに新たな製品も作り出します。
現在の世界では、日本も含めた先進国ならば20〜30年もすれば、様々な効率化やIT化やイノベーションが行われ、20〜30年前と比較すれば、効率化はすすみ、さらに従来なかった製品やサービスもうまれ、様々な側面で生産性はあがることでしょう。それこそ、総体的には2倍〜3倍生産性はあがるわけです。
こうして、生産性が上がったにも関わらず、それに応じて中央銀行がマネーストックを増やさなければ、何がおこるかといえば、デフレです。それは当然のことです。効率が良くなり、様々なイノベーションて従来にはなかった製品やサービスができあがっても、それに見合って貨幣か増えることなく従来のままであれば、それらを購入するには貨幣が足りなくなりますから、デフレになるのです。
政府が音頭をとって、たとえばAIで大イノベーションを起こそうとしたとします。当然声をかけるだけではなく、大規模な投資もするとします。それに民間企業も応じて、AIで大イノベーションがおこり生産性が飛躍的にあがったり、新たな製品やサービスが登場したとします。
それでも、日銀がマネーストックを増やさず、従来のままにしておけば、どうなりますか。無論デフレです。それに、いくらイノベーションをしたとしても、日本人の賃金は上がらないことになります。
企業がどんなに努力して、イノベーションを起こしたとしても、日銀がそれに応じてマネーストックを増やさなければ、デフレになり、賃金も上がらず、何も良いことはないのです。
それだけ、中央銀行のマネーストックの管理は重要なことなのです。ただし、中央銀行のマネーストックの管理はさほど難しいことではありません。イノベーションや生産性の向上を前提とした上で、毎年2%内外マネーストックを増やすだけで良いです。
そうして、それを実行しつつ、物価は上がっても、失業率が上がるような状態が続けば、金融引締策をすれば良いだけです。金融引締を続けて、物価が下がるようであれば、また金融緩和をすればよいだけです。これを交互に繰り返して20年〜30年もたてば、マネーストックは2倍から3倍増え、賃金も2倍〜3倍になります。
このようなことを過去30年世界の日本以外の中央銀行が行ってきましたが、日本の中央銀行である日本銀行だけが、過去30年間のほとんどの期間を金融引締政策ばかりしていたので、日本人の賃金は上がらなかったのです。
まずは、日銀が金融緩和策を継続しつづけるという前提がなければ、日本人の賃金が上がることはないのです。ただし、現在の日本銀行は金融緩和を継続しています。上の髙橋洋一の話はそれを前提として、当面の物価上昇に見合うだけの賃金にするためには、何をすればよいのかという趣旨でまずは、GDPギャップを埋めるべきであると提唱しているのです。
そうして、GDPギャップを埋めて、物価上昇に見合うだけの賃金上昇があったにしても、その後も日銀が金融緩和策を取らなければ、日本人の賃金は上がりません。
そうして、確かに日銀が金融緩和の姿勢を崩さなければ、いずれ日本人の賃金もあがってはくるでしょうが、それにはかなりの時間を要するでしょう。当面の物価上昇に対応できる賃金上昇は期待できません。GDPギャップを埋めなければ、直近で物価上昇を上回る賃金上昇は期待できないでしょう。
GDPギャップが解消して半年以上の一定期間を経過すると、インフレ率も当面高くなりますが、それ以上に名目賃金も伸びるようになります。そうして、その前提として日銀が金融緩和策を継続が必須です。
以上のようなことは鳥頭のマスコミには理解できないようです。物価高という一つの出来事があれば、それで頭がいっぱいになり他のことは考えられなくなるのです。
現状では、国民経済のことを考えれば、積極財政が重要なのです。現在今年の「骨太の方針」に、2025年までのプライマリーバランス(PB)黒字化目標を入れるかどうか、大論争になっています。
財政の持続可能性は、債務残高対GDP比の経路で見ていくのが普通の考え方で、PB黒字化は、それが収束・安定する事と何の関係もありません。本質的に重要なのは持続的な経済成長です。
しかも、現在は先にも述べたように、GDPギャップを埋めるのが最優先です。そうして、現在はそれを巡って駆け引きが行われている真っ最中です。骨太原案で、PB目標年次の基準がなくなったから、財務省完敗という人もいますが、他のところで「これまで通り」等と書いてあるものもあります。
当初、安倍さんと麻生さんは、財政政策検討本部でした。そこで、財務省は麻生さんを財政健全化本部に引き抜き画策、これを岸田首相が了解。その後は、対立を装っただけで、手打ちは終わっていたので。これが“ワル”の財務省やり方です。マスコミはこれを報じていません。これが読めないで、暴発したのが、逮捕された財務省の高官です。
このあたりの顛末は以下の動画をご覧いただければ、よくご理解いただけるものと思います。
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) June 4, 2022
現在やるべきことは、積極財政と金融緩和の両方です。積極財政で、エネルギー・原材料価格を抑える政策をすれば、なお良いです。
最近のマスコミ報道はインフレを煽るものが多いです。その中で、GDPギャップを埋めるべきことは共通認識として多くの人が共有すべきです。
あとは、最終的に「骨太の方針」に、2025年までのプライマリーバランス(PB)黒字化目標を入れないことを祈るばかりです。
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